2019年05月25日
前にも書いていますが、
あんなに漫画ばっかり読んでいたけれど、加齢のためかすっかり漫画が読めなくなりました。
こんな日が来るなんて思いもしなかったんですけど…(^-^;
特にコミック文庫版は字も絵も小さくて読みづらいです(^-^;
そればかりが原因ではないく、絵を見たり字を読んだり、あっち読んだりこっち読んだり
忙しいというか、落ち着いて読めないというか。。。
ホント、トシですね(^^;
古い漫画や4コマ漫画(大家さんと僕とか夜回り猫とか。。)などは読めても
新しい漫画は読めません(^-^;
最近は昔よりも絵の質が上がり、描き込みが多い漫画が多いでしょ。
あれも疲れるんですよね。とほほです。
あ、でも、こないだやっと「7SEEDS」だけは読みきりましたが。
こちらをご訪問くださり、コメントを残していただいた方には感謝です。
お返事ができないでいて申し訳ありませんでした。
拍手コメントもありがとうございます。
とくに久木田律子さんの「海におちた星」へのコメントが多く、作品の偉大さを痛感しています。
同じ時代に同じものを読んで同じように感じて泣いた人たち!!
仲間!!ですね!(*^-^*)
コメントとっても嬉しかったです。ありがとうございました!!
コメント欄にいただいたコメントには遅まきながらお返事させていただいたんですけど…
遅すぎますよね。ほんとごめんなさい(^^;
もう読んではいただけないと思うけどコメント欄へのものはお返事しました。
遅くてごめんなさい。
さて、本題の「くらもち本」ですが、これは「天然コケッコー」のコミック未収録分3話を本にしたいという「くらもちさんの担当編集者さっほー」さんの熱意によって企画が始まり、スタッフさんたちの頑張りで、一冊のコミックにまとめられたものです。
3話だけではコミック一冊になりませんから、そこはたくさんのそうそうたる大御所漫画家さんたちの寄稿や対談なども収録されて、結果的にはとても美味しい一冊になっています。
こちらは帯です。(Googleドキュメントって超絶便利ですね!!)

くらもちふさこを 描いてみた。
華作家陣による 熱きトリビュート!
Comic
椎名軽穂 香魚子 タアモー 安藤ゆき 柘植文 いくえみ綾 筒井旭 河原和音」 西田理英 金田一蓮十郎 聖千秋 雲田はるこよしながふみ
Illustration
秋本治 市川ジュン カナヘイ 久保帯人萩尾望都 森田まさのり
Novel
柴崎友香
Talk
紡木たく× くらもちふさこ
くらもちふさこの作品もたっぷり 読める♥
待望☆行本初収録! 「天然コケッコー」 3話100ページ
「駅から5分」特別編

~2007年公開の映画「天然コケッコー」 (出演:夏祝・開田将生 ほか)の公開記念に描き下ろした 「天然コケッコー」特別編がおまちかねの初単行本化!
大沢の転校直前のエピソードも♥
村をあげての運動会!
花乃の調理師学校時代!!「花に染む」の世界を 花染町へと導く「駅から5分」 特別編も初収録!
個人的には、大御所さん達のくらもちさんへのリスペクトと愛を感じてうれしかった。
聖千秋さんのページには多田かおるさんが登場して泣けた。
多田さんが生きておられたら何を描いてくださってたんだろうな。。。
紡木たくさんとの対談では、「4人」で仲良くしていたと初めて知りました。
多田さん聖さんとの関係はよく知っていたけど。
でも作品中に小さなメッセージや出来事の感想が書かれていたらしいですね。
そこでみなさんとの交流もわかるヒントがあったとか。
ホットロードの検証サイトかなんかで読んだことがあります。
そのサイトを探してもないし、ホットロードも手元にないのではっきりしたことは言えませんが。
でも、この対談はすっごく面白かったです!!!
なによりもやっぱり、天コケの未収録3話が読めて、とってもよかった。
大沢君が東京でどんな中学生だったのか、
けっこうクールというより、ふつうの中学生でしたよね?
だから友達も多くて楽しかった学校生活の、転校がどんなに辛かったか。
もっと近いと思ったらとんでもなく遠くて、夜の7時には信じられないぐらい「夜」になるような田舎で、とても週末や祝日に気軽に東京に戻ってみんなと遊んだりできないと分かって、すっごく悲しくなったんでしょうね。
だけど、その道中の終わり、じいちゃんの家のちかくでぐうぜんそよちゃんを見かけるんですね。
そよちゃんは転校生の大沢君を迎える話をしていました。
その横顔、その美少女ぶりに、大沢君は小さくガッツポーズをしたらしい(笑)
ということは、天コケの一番最初のお話「性格の良い大沢くん(良いはさかさま)」が2人の出会いではなく、それ以前に大沢君はそよちゃんを知っていたんだ!
という意外なお話(笑)
まえもコメント欄で書いたのですが、大沢くんがそよちゃんを名字で呼び、あっちゃんや伊吹ちゃんを名前で呼ぶわけ、それはきっと、大沢くんが積極的に名前を覚えたのはそよちゃんだけだから。
そよちゃんを「右田そよ」とインプットしたんでしょう。
だから右田と呼ぶのだと思います。
伊吹ちゃんやあっちゃんはそよちゃんの声を通してインプットしたんでしょう。
そよちゃんが彼女たちをどう呼んでいたか、それを思いだして自分にインプットしたから、だからあっちゃんも伊吹ちゃんも名前で呼んでいたんだと思います。(間違ってたらスミマセン)
それほど、大沢くんはそよちゃん大好きだったんですね~~(。>ω<。)ノ
あとは卒業アルバムを作っていて、過去エピソードを思いだしているお話がふたつ。
そよちゃんの優しさが染みるエピソードです。
そう言えば、椎名軽穂さんがこの本に寄せたコミックは、シゲちゃんを取り上げてました。あのお見合いの前夜のことです。これがまぁよく出来ていてびっくり!!ほんとうにコミック版に挟まれていても違和感がない!!絵もだけどストーリーが!ほんとうにシゲちゃんのことだ~~と嬉しくなりました(笑)
なかなか更新できない、この先の更新があるやないやわかりませんが、ひとまず今日はこの辺で。
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2015年03月31日
ご無沙汰しています。
最近は漫画を読むこともほとんどなくなった管理人です。
ご訪問してくださる皆様には申し訳なく思うと同時に、ご訪問を感謝しています。
コメントをくださった方には、ありがとうございます。
お返事ができなくってごめんなさい。
全部読ませていただいております。
懐かしい漫画にコメントをいただくこともあり、このブログを書いておいて良かったなと思いました。
本当にありがとうございます。
最近では、東村アキコさんの「かくかくしかじか」の最終巻を読みました。
マンガ大賞受賞だそうで、おめでとうございます。
感動で泣けたんですけど・・・
やっぱり、ちょっとアキコさん、うーん・・・・・(>_<)
と思う部分もありました。
自分の漫画家生活に追われて、先生のことを忘れてた
というか、思いやる余裕がなかったと言う部分は分かる気もするんですけど
そこに来て、あの優しい彼氏との顛末がプラスとなると・・(^-^;
人のことをとやかく言う資格も権利もありませんけども。
大阪に来て、就職してくれた優しい彼氏・・・
マンガを描くのも手伝ってくれた彼氏・・・
泣きながら東京へ行ったのにね(^-^;
「木綿のハンカチーフ」を聴くと泣けてくるので、この話もちょい、苦手。
と、読んだ人の何割かはそう思うと思うの。
それでも、それを描いたアキコさんの気持ちはいかに。
ひとにドン引きされるのも承知で、
自分だって、記憶の彼方に押しやりたい過去だろうと思うのですよ?
あえてその記憶と向き合うって、辛いことこの上ないじゃないですか?
ある意味では、あっぱれだなぁと思うのです。
そして、この「先生」の生き方に、感動しないではいられません。
素晴らしい人生でしょう。
そんな先生との出会いは、やっぱり素晴らしいと思いました。
「描け」という短い言葉に詰まった思いのたけ。
それは常人には計り知れないのですが、
無条件に圧倒され、感動しました。
最近は漫画を読むこともほとんどなくなった管理人です。
ご訪問してくださる皆様には申し訳なく思うと同時に、ご訪問を感謝しています。
コメントをくださった方には、ありがとうございます。
お返事ができなくってごめんなさい。
全部読ませていただいております。
懐かしい漫画にコメントをいただくこともあり、このブログを書いておいて良かったなと思いました。
本当にありがとうございます。
最近では、東村アキコさんの「かくかくしかじか」の最終巻を読みました。
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マンガ大賞受賞だそうで、おめでとうございます。
感動で泣けたんですけど・・・
やっぱり、ちょっとアキコさん、うーん・・・・・(>_<)
と思う部分もありました。
自分の漫画家生活に追われて、先生のことを忘れてた
というか、思いやる余裕がなかったと言う部分は分かる気もするんですけど
そこに来て、あの優しい彼氏との顛末がプラスとなると・・(^-^;
人のことをとやかく言う資格も権利もありませんけども。
大阪に来て、就職してくれた優しい彼氏・・・
マンガを描くのも手伝ってくれた彼氏・・・
泣きながら東京へ行ったのにね(^-^;
「木綿のハンカチーフ」を聴くと泣けてくるので、この話もちょい、苦手。
と、読んだ人の何割かはそう思うと思うの。
それでも、それを描いたアキコさんの気持ちはいかに。
ひとにドン引きされるのも承知で、
自分だって、記憶の彼方に押しやりたい過去だろうと思うのですよ?
あえてその記憶と向き合うって、辛いことこの上ないじゃないですか?
ある意味では、あっぱれだなぁと思うのです。
そして、この「先生」の生き方に、感動しないではいられません。
素晴らしい人生でしょう。
そんな先生との出会いは、やっぱり素晴らしいと思いました。
「描け」という短い言葉に詰まった思いのたけ。
それは常人には計り知れないのですが、
無条件に圧倒され、感動しました。
2014年09月24日
唐突に、こんな短編のご紹介です。
いくえみ綾さんの「My dear BF」と言う作品です。
コミックとしては、「愛があればいーのだ」の巻末に同時収録されています。
いくえみ綾the best 1―Premium!長編セレクションにも収録されているようです。
いくえみさんの作品の中で、私が好きなのが
「ベイビー・ブルー」
「10年も20年も」
そしてこの「My dear BF」です。
いつかご紹介したいと思っていました。
なんとなく、今日書きたくなりましたので、書いてみます。
と言っても、そんなにたくさん書くことはありません。
ぜひとも読んでください、と言う感じです。
「10年も20年も」も夏の物語ですが、この「My dear BF」も夏の物語。
(「ベイビー・ブルー」は冬です)
青春って、夏が似合いますよね(笑)
年を取るほどに夏が嫌いになっていきますからね(^-^;
では、↓ ネタバレしています。
読みたくない人はスルーしてくださいませ。
****************************
ああ・・・・・・・・
くたびれた・・・・・・
15年も生きちまったい
もー
おしまいだからよー
神様
なんか願いごとの
ひとつも
きーてくんねーかよー
な?
あ
きーてくれんの?
マジで
マジで?
んじゃ俺あれだわ
いっつも
家の前通る
あの子
あれと
仲いくなりてー
冒頭でこうつぶやいているのは、犬なのです。
そして物語はもうひとりの主人公、佐藤由美の視線へ。
由美は16歳。
陸上部でしたが、怪我をして走れなくなりました。
走ることが大好きだった由美。
奇跡が起きて、足が治って、また将来を嘱望されるようなスプリンターになりたいと願っています。
そんな由美の前に突然現れた男の子。
自分を「犬」と自己紹介した彼は、抱いていた小さな犬を由美にくれました。
そして言うのです。
「ずっと見てた。また会いたい」と・・・。
自分のことを何度か「犬」と言った後「島田次郎」と名前を言った彼。
その日から、由美と次郎の付き合いが始まりました。
「あしたは何してあそぶ?」
と次郎はいつも言うのです。
走れなくなって、自分への絶望や、周囲の冷たい反応に傷ついていた由美。
ときには涙を流すこともありますが、次郎が真剣になって
自分の代わりに怒ったり、泣いたり、慰めたりしてくれるのでした。
天真爛漫で、ストレートで無邪気で明るくて優しくて、子どものようで、
「由美ちゃんと話せて うれしー」と言ってくれる「ジロちゃん」。
走れなくて辛い夏休み、毎日一緒に過ごして
いつしか、次郎を好きになっていった由美。
ジロちゃんがいてくれたから、走ることをあきらめられた。
走れなくなったことを受け入れられたのです。
けれど、由美は気づきます。
次郎が犬だということに。
勝手に頭をなでるひとがいること
川遊びをしていて、人に笑われたこと
次郎が家に上がった後は泥だらけになっていたこと・・・・
すべてが、次郎が犬だと、物語っていました。
だけど、由美には人間の男の子にしか見えないんです。
これが「奇跡」でしょうか。
由美は、
どうしてほかのみんなには、ジロちゃんがわんこに見えるのかわからない。
自分にとっては、ジロちゃんはジロちゃんで、わんこじゃない・・と。
そして結論。
アタシ
わんこ相手に
しゃべったりキスしたり
笑ったりおこったり
泣いたりしてる
あぶない女の子に
なるワ
次郎はそれを聞いて、嬉しく思いながらも、
寿命が来たと言って去っていきました。
由美に対して、「失望しちゃだめだよ」と言い残し、由美を励まして・・・。
由美に残されたのは、しまだじろう・・と、書かれたジロちゃんの「名札」・・
次郎が「大好きな人が書いてくれた」と言った名札だけでした。
ひとしきり泣いて元気を取り戻す由美。
学校は新学期です。
ジロちゃんの「失望しちゃだめだよ」ということばを思い出し、頑張っています。
と、そのとき、廊下ですれ違った男の子。
何気なくすれ違ったその男子は・・・「ジロちゃん」でした。
でも、その男子は、由美を一瞥しただけで行ってしまいました。
次の瞬間、その男子が由美の元へ引き返します。
「あのっ・・・
へんなことをいーますけどー
俺んちの犬が夏休み中に死んだんですよね」
と、唐突に話し出すのです。
由美は涙を浮かべながら男子の話を聞いています。
男子は自分の身に起きた不思議な出来事を、一生懸命説明します。
飼い犬が、死ぬ前しばらく家出していたこと
その間自分が、夢を見ていたこと
その夢の中で「あなた」と一緒に遊んだこと
そして由美に言うのです。
「あなた、ぼくを知っていますか!?」
由美は涙が止まりません。
ジロちゃんの残した名札を差し出して
「あなたが・・・・・・・
ジロちゃんの”大好きな人”・・・」
と言うと、男子も泣きながら小声で「ジロ」とつぶやきました。
ジロのつぶやき。
いやー
だって俺
犬だからよー
自分の顔がどんな
なんて
考えもしなかったさー
ハハハ
んーー
神サマって
けっこー
やってくれるよな
****************************
説明はいらないでしょうが・・・
余命わずかな犬が、神様にお願いして、好きになった人間の女子と友達になる。
飼い主の姿を借りて。
犬は結局寿命が来て死んでしまうけれど、その後女の子と飼い主が「出会う」と言う物語。
物語自体はシンプルでありがちなのかもしれませんが、ジロちゃんが可愛くて、
由美ちゃんも好感の持てる女の子で、とても良いお話です。
こちらも、読むたびに泣けてしまう名作です。
いくえみ綾さんの「My dear BF」と言う作品です。
コミックとしては、「愛があればいーのだ」の巻末に同時収録されています。
いくえみ綾the best 1―Premium!長編セレクションにも収録されているようです。
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いくえみさんの作品の中で、私が好きなのが
「ベイビー・ブルー」
「10年も20年も」
そしてこの「My dear BF」です。
いつかご紹介したいと思っていました。
なんとなく、今日書きたくなりましたので、書いてみます。
と言っても、そんなにたくさん書くことはありません。
ぜひとも読んでください、と言う感じです。
「10年も20年も」も夏の物語ですが、この「My dear BF」も夏の物語。
(「ベイビー・ブルー」は冬です)
青春って、夏が似合いますよね(笑)
年を取るほどに夏が嫌いになっていきますからね(^-^;
では、↓ ネタバレしています。
読みたくない人はスルーしてくださいませ。
****************************
ああ・・・・・・・・
くたびれた・・・・・・
15年も生きちまったい
もー
おしまいだからよー
神様
なんか願いごとの
ひとつも
きーてくんねーかよー
な?
あ
きーてくれんの?
マジで
マジで?
んじゃ俺あれだわ
いっつも
家の前通る
あの子
あれと
仲いくなりてー
冒頭でこうつぶやいているのは、犬なのです。
そして物語はもうひとりの主人公、佐藤由美の視線へ。
由美は16歳。
陸上部でしたが、怪我をして走れなくなりました。
走ることが大好きだった由美。
奇跡が起きて、足が治って、また将来を嘱望されるようなスプリンターになりたいと願っています。
そんな由美の前に突然現れた男の子。
自分を「犬」と自己紹介した彼は、抱いていた小さな犬を由美にくれました。
そして言うのです。
「ずっと見てた。また会いたい」と・・・。
自分のことを何度か「犬」と言った後「島田次郎」と名前を言った彼。
その日から、由美と次郎の付き合いが始まりました。
「あしたは何してあそぶ?」
と次郎はいつも言うのです。
走れなくなって、自分への絶望や、周囲の冷たい反応に傷ついていた由美。
ときには涙を流すこともありますが、次郎が真剣になって
自分の代わりに怒ったり、泣いたり、慰めたりしてくれるのでした。
天真爛漫で、ストレートで無邪気で明るくて優しくて、子どものようで、
「由美ちゃんと話せて うれしー」と言ってくれる「ジロちゃん」。
走れなくて辛い夏休み、毎日一緒に過ごして
いつしか、次郎を好きになっていった由美。
ジロちゃんがいてくれたから、走ることをあきらめられた。
走れなくなったことを受け入れられたのです。
けれど、由美は気づきます。
次郎が犬だということに。
勝手に頭をなでるひとがいること
川遊びをしていて、人に笑われたこと
次郎が家に上がった後は泥だらけになっていたこと・・・・
すべてが、次郎が犬だと、物語っていました。
だけど、由美には人間の男の子にしか見えないんです。
これが「奇跡」でしょうか。
由美は、
どうしてほかのみんなには、ジロちゃんがわんこに見えるのかわからない。
自分にとっては、ジロちゃんはジロちゃんで、わんこじゃない・・と。
そして結論。
アタシ
わんこ相手に
しゃべったりキスしたり
笑ったりおこったり
泣いたりしてる
あぶない女の子に
なるワ
次郎はそれを聞いて、嬉しく思いながらも、
寿命が来たと言って去っていきました。
由美に対して、「失望しちゃだめだよ」と言い残し、由美を励まして・・・。
由美に残されたのは、しまだじろう・・と、書かれたジロちゃんの「名札」・・
次郎が「大好きな人が書いてくれた」と言った名札だけでした。
ひとしきり泣いて元気を取り戻す由美。
学校は新学期です。
ジロちゃんの「失望しちゃだめだよ」ということばを思い出し、頑張っています。
と、そのとき、廊下ですれ違った男の子。
何気なくすれ違ったその男子は・・・「ジロちゃん」でした。
でも、その男子は、由美を一瞥しただけで行ってしまいました。
次の瞬間、その男子が由美の元へ引き返します。
「あのっ・・・
へんなことをいーますけどー
俺んちの犬が夏休み中に死んだんですよね」
と、唐突に話し出すのです。
由美は涙を浮かべながら男子の話を聞いています。
男子は自分の身に起きた不思議な出来事を、一生懸命説明します。
飼い犬が、死ぬ前しばらく家出していたこと
その間自分が、夢を見ていたこと
その夢の中で「あなた」と一緒に遊んだこと
そして由美に言うのです。
「あなた、ぼくを知っていますか!?」
由美は涙が止まりません。
ジロちゃんの残した名札を差し出して
「あなたが・・・・・・・
ジロちゃんの”大好きな人”・・・」
と言うと、男子も泣きながら小声で「ジロ」とつぶやきました。
ジロのつぶやき。
いやー
だって俺
犬だからよー
自分の顔がどんな
なんて
考えもしなかったさー
ハハハ
んーー
神サマって
けっこー
やってくれるよな
****************************
説明はいらないでしょうが・・・
余命わずかな犬が、神様にお願いして、好きになった人間の女子と友達になる。
飼い主の姿を借りて。
犬は結局寿命が来て死んでしまうけれど、その後女の子と飼い主が「出会う」と言う物語。
物語自体はシンプルでありがちなのかもしれませんが、ジロちゃんが可愛くて、
由美ちゃんも好感の持てる女の子で、とても良いお話です。
こちらも、読むたびに泣けてしまう名作です。
2014年08月24日
ホットロード (1) (マーガレットコミックス) | |
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おひさしぶりです。
巷で話題(なのかどうか?)の「ホットロード」を、読み返してました。
「ホットロード映画化」に対して「え?今頃?」と思ったり
朝ドラで人気沸騰の能年玲奈ちゃんが主人公の和希を演じるということで「え?年齢が違うのでは」と思ったり
春山を演じる青年はじめ母親の木村佳乃さんに対しても「雰囲気が違うのでは」と思ったり、、
漫画原作の映画化につきものの、いろんな気持ちがありました。
私の場合原作に特に思い入れがないので・・そこまで拒否感はなかったけど。
まぁ私は当時20を超えていたし、地味子のオタクで、こういう世界には無縁だったし、漫画としては面白かったけど共感とかは・・なかったなぁ。
むしろ、暴走族ははっきり言って嫌いだったし怖いし・・現実的に考えたらドン引きかな。
登場人物たちの刹那的で破滅的な生き方を、切なく思う気持ちはあったけど。
CMで流れてくる尾崎豊の曲は、原作の雰囲気には合ってるような気がします。
表紙の折り返しの解説を見てみると、連載は昭和61年1月号から62年5月号まで連載とあります。(1986年から1987年)
私は当時もう子どもを産んでて、初めての出産育児でいっぱいいっぱいの状態、世間の話題にはとんと疎い状態だったので、当時の世相なんかは覚えてません。
でも、数年前に「積み木崩し」が一世を風靡して、金八先生の二期では校内暴力がテーマになったり、そんな時代に近かったんだと思います。
ケータイはおろかポケベルも登場しないしね(^-^;
(実はポケベルって見たことが無い私)
不良の制服はロングスカートですしね。
和希もやってるけど、ステンカラーのコートはいちばん上までボタンを留めて、襟を立てて折り返すのが主流。ああいう着方が流行ってましたよね。安全ピンは使わなかったっけ?
「コーラの1リットル瓶で殴られた」とか何とかセリフがありますが、まだペットボトルもなかったんでしょうか。
明石家さんまさんが「しあわせってなんだっけなんだっけ」と醤油のCMに出てましたが、漫画内にそんな歌を歌ってるシーンがありました。
いろいろ時代を感じますよね(^-^;
連載史の別マでは、くらもちふさこさんが同時期に「Kiss+πr² 」多田かおるさんが「愛してナイト」なんかを連載されていたようです。いくえみ陵さんは「わたしは夢見る少女」で槇村さとるさんは「ベルベットアーミー」なんかでしょうか。(間違っていたらごめんなさい)
物語は、思春期の少女が母親とうまくいかず、自分は世の中で不必要な存在なんじゃないかと孤独感を募らせるうちに、転校生のつてで暴走族に入り、リーダー格の男子に見初められ付き合い始め、その男子が暴走族の頭になって、主人公自身もどんどん普通の生活からタガが外れれ荒んだ生活を送り、おしまいには彼氏がバイクの事故で生死の境をさまようほどに。回復するも体に麻痺がのこり、主人公は彼氏をささえつつ、社会の中へ戻って母親とも和解に至る。。と、ざっくりと紹介するとこんな話です。
主人公の宮市和希、漫画の冒頭から万引きでつかまってますが、これは恋人(不倫中)に夢中で自分に振り向きもしない母親の気を引きたいためにやった行動ってかんじです。
しかし、そんな素地を持ってると、やっぱり類は友を呼ぶで、ある転校生に目を付けられます。
えりという転校生と仲良くなった和希は、えりの紹介で暴走族の集会に行きます。
刹那的な彼らの生き方に共感して、和希はどんどん暴走族に深入りしていきます。
付き合いだしたハルヤマは自分の命よりも、バイクやNIGHTS(ナイツ)がだいじ。
(ナイツって暴走族の名前だけど、いまじゃ漫才コンビの??って感じです(^-^;)
危険なことも平気でします。
自分を理解してくれるハルヤマに、素直じゃないながらもだんだんと傾倒し好きになっていく和希、ハルヤマが危険なことをするのが見てられません。
自分も母とはいよいようまくいかず、家出をして、えりの先輩の家や、暴走族のリーダーの彼女の家や、ハルヤマの家や、えりの家と、転々と住み歩き、家には全然帰りません。
その途中で、人を愛することや命の大切さを学んでいくのです。
荒れる和希をただ黙って見てるだけの母親。
この母親との関係が物語のキモですよね。
母親はなんだか子どもっぽい人で、和希が髪を脱色(オキシドールで脱色するのが定番)したことや、暴走族と付き合いだして生活や雰囲気が変わったことをとがめたら、和希に不倫のことで反撃され、その仕返しに「ママのお気に入りのガウン何で着てるの。自分のあるのに。あんたがいつも着るからきれいなピンクがサーモンピンクになっちゃった」と、あきれるような反撃の反撃をしてしまいます。
和希のママは、現カレの鈴木君とは高校時代から付き合っていたらしいけど、無理やり引き離されて、お互い別の人と結婚。しかし、和希の父親が和希が2歳の時に死に、鈴木君と復活不倫に発展している模様。
鈴木君は離婚調停中。
和希は父親のことを全然覚えていません。
覚えてないことで父親に憐憫を感じています。
ただひとつの思い出(チューリップ満開の遊園地で手をつないで歩いた)が、実は父親と思っていたその相手が鈴木君だったと分かり、ショックを受けます。
これは、鈴木君が実は父親だったということ?そういう見解もどこかで読んだけど、私はそうは思えなくて、父親とのたったひとつの思い出が、母親の恋愛で踏みにじられたと、和希が傷ついたのかな。。と思いました。
これで「父親」との思い出がひとつもなくなったわけで・・・。
写真もないんですよね。一枚も。徹底してますね、和希のお母さん。
和希は、自分が「ママの嫌いなパパの子」だからママに嫌われていると思ってる。
それをいつもママに訊いてみたいけど、訊けてないんですよね。
鈴木君の子なら、「好きな相手の子」として、ママに受け入れられると考えられるのかな?
その辺はちょっとわかりません。
母親は学校からの呼び出しにも応じなかったり、学校に和希の届け物に来ても、和希の顔も見ずに帰ってしまったり、ともかく娘と向き合うことを避けています。
和希が母に、「私のこと嫌いなの?」と、訊きたいけれども訊けないでいることを、あっさりとハルヤマは代わりに訊いちゃうんですよね。
「おばさん、こいつのこと嫌いなの?それなら俺がもらっていっちゃうよ」と。
そして母が答える。
「あげないわよ!親が自分の子を嫌いなわけないじゃないの!」
と。和希が聴きたかったことを初めて聴くことができたんですね。
このシーンは印象的です。
結末は、
ハルヤマはナイツのリーダーになり、漠統というグループと対立します。
対決のケンカに出かけていくときは、酷い風邪で発熱状態のハルヤマ、ケンカは警察に追われ、ハルヤマは途中でダンプにはねられてしまいます。
容体は意識が戻ったら奇跡だというほど悪く、生死の境をしばらくさまよった後、生還するも、右半身が完全にマヒ。
しかし、持ち前の聞かん気で乗り越えていくのです。
鑑別所送りを経て、最後は足を引きずりながら歩けるまでになって、自転車にも乗っていました。
和希は無事に高校生になり、まじめ?に、学校に通っています。
昔懐かしい、昭和の不良マンガです。
いまどきの「不良」ってこんな感じじゃないですよね。
不良とまじめの境も、もっとあいまいだし。
若い人が読んでどうなのかな?
でも、たしかに、尾崎豊の歌が似合いますね。
2014年03月01日
2014年01月21日
久しぶりの記事アップです。
放置していて、広告がついてうっとおしかったですね。
来てくださった方には申し訳なかったです。
さて、年末大掃除のときに、こんな漫画が出てきたのでご紹介してみます。


すっごくボロボロでしょ(^_^;)
お見苦しくてゴメンナサイ。
これは、昭和52年(1977年)8月号のりぼんの付録雑誌です。
「りぼんアイドル文庫」と書いてあります。
りぼんには時々こういうおまけ漫画がついていて、楽しみでしたよね。
いまもあるのかな?(●^o^●)
昭和52年の8月号・・・おそらく「花岡ちゃんの夏休み」なんかが掲載された号じゃないでしょうか?
私が祖母の家に遊びに行くときに電車の中で読もうと買った・・・記憶があります。
「花岡ちゃんの夏休み」はものすごく大好きで、何度も何度も読みました。
その号なので、印象深いのだと思います。(はっきりとは言い切れませんけど・・)
久木田律子さんは同時期にりぼんでご活躍された方で、優しい絵柄と涙を誘うストーリーで人気だったと思います。
もう作品の詳しい内容は覚えてないんだけど、ちょうど私がりぼんを読んでいた時期と、久木田さんが描かれていた時期が重なっていたみたいで、いっぱい泣かされた印象があります。
この「海におちた星」も、すごくかわいそうな物語で、今読んでも泣けます。
覚えておられる方はいらっしゃるでしょうか?
では、物語をご紹介しますね。
まさるとゆっ子という幼い兄妹が主人公です。
まさるは妹のゆっ子を、それはとても可愛がっていました。
でも、あるとき両親が揃って交通事故で他界してしまうんです。
まさるはまだ小学生。どうしようもありません。
ゆっ子とは離れ離れに親戚や施設に預けられることになってしまいます。
まさるとゆっ子は、こっそりと逃げ出します。
ゆっことはなればなれになるなんて出来ない。
ふたりだけでくらそう。
ぼくがゆっ子のとうさんになるんだ・・・と。
トラックの積荷に紛れ込んで、運転手の隙を見て荷台から降り、海辺で見つけた掘っ立て小屋に住み着きます。
中学生と偽りなんとか市場の仕事を見つけ、早朝から働くことになりました。
ゆっ子はおにいちゃんがいなくて寂しいけれど、健気に我慢しています。
市場には、まともに働かないけれど、明るいおじさん、ゴンがいます。
酒飲みで、お金を全部お酒につぎ込んでしまうのですが、お金がなくなると働きに来ると言う按配です。
ゴンはまさるが慣れない仕事で失敗したときにも、かばったりしてくれました。
ある日ゴンが酔っ払っていたのを、まさるが小屋に連れ帰ります。
朝になり目覚めてゴンが見たまさるとゆっ子の暮らし振り・・。
粗末と言うにも及ばぬ、まるで今で言えばホームレス状態(・・って、正真正銘のホームレスなんだけど)。
ゴンはゆっ子の体調が悪いことに気付き、そこに帰ってきたまさるといっしょに病院へ連れて行きます。
そしてそのまま、自分のアパートへ連れ帰り、親戚の子どもだと偽り、アパートに住まわせることに。
海辺の掘っ立て小屋から見たら、まともな暮らしになりました。
しかし、それでもこの兄妹には平和はありません。
なんせまさるの一日の手当てはたった1000円なのです。
おさないゆっこがおさんどんの担当ですが、1皿400円のアジも買えません。
半分だけ売って欲しいと頼んでも店主が聞いてくれなくて、でも1皿400円は買えなくて・・魚屋さんの前で困っていると、通りかかったのはセレブな様子の奥さん。
奥さんはゆっ子のために、アジを買って半分に分けてくれました。
奥さんには娘がいたのだけど、幼くして死んでしまったようで、その子がゆっ子に似ていたようです。
さて、まさるはゆっ子のために給料を前借してワンピースを買ってあげたり、お給料が少ないからと昼間も食堂でバイトを始めたり、自分は食べずともゆっ子に食べさせ・・・頑張りすぎるほど頑張ります。
その様子を見て、ゴンはあらためてなぜ二人でこんな風に暮らしているのかを問い、その答えを聞きました。
そして、ゴンもまっとうに生きることを決意。
こんな小さなまさるがゆっ子のために一生懸命なのを見て、ゴンの気持ちも変わったのです。
じつはゴンも、早くに両親と死に別れ、施設などを転々として育ってきたのでした。
かたやゆっ子。
自分のために身を犠牲にして働くまさるに、なにかプレゼントをしたいと思いつきます。
そのとき偶然再会した、アジを分け合った奥さんが、自分の家の犬と遊んでくれることを「バイト」として提案します。それはもちろんまさるには内緒。
だけど偶然見かけてしまったまさるには、お金持ちの家でゆっ子が遊んでいるようにしか見えません。
ショックを受けるまさる。。。
そして、ゆっ子に「もう行くな」と言うのです。
ゆっ子はどうしてもまさるにプレゼントをしたい。。
それに、優しいおばちゃんのことが好きになっていました。
そんな気持ちの行き違いからギクシャクする二人。
まさるはそんな雰囲気を直そうとして、ピクニックを提案します。
よろこぶゆっ子。
でもその前日にまさるはまた見てしまいます。
ゆっ子があの例のおばちゃんと仲良く買い物をしているのを。
それはもちろん、ゆっ子がまさるのためにプレゼントを用意している場面だったのですが、何も知らないまさるはただゆっ子を責めます。
おりしも雨の中。まさるはゆっ子が手渡したプレゼントを、そうとは知らずに叩き落とします。
「そんなにあの家が好きなら、行けばいい!ゆっ子なんか、どこへでもいっちまえ!!」と叫びながら。
ショックを受けたゆっ子は、「おにいちゃんのばかぁ!!」と叫び雨の中走り去ります。
おちた紙袋から出てきたのはまさるへの誕生日プレゼントと「おめでとう」のメッセージカード。
それを見て初めてまさるはすべてを理解しました。
ゴンに叱られながら、ゆっ子をさがすまさる。
ゆっ子が野犬に襲われそうになったところを間一髪で救い、ふたりはひしと抱き合います。
おたがい涙に暮れながら・・・「ごめんね」と謝りながら。。
そして涙ながらにゆっ子はいうのです。
「ゆっ子はどこへも行かない。ずっとおにいちゃんと一緒にいる。ゆっ子はおにいちゃんのことすきだもん」と。
待ちに待った楽しいピクニック。
ゴンは不器用ながらおにぎりを作ってくれました。
明るい日差しの中元気に駆け回るふたりの兄妹。
だけど、幸せなのはここまででした。
最近体調が悪かったまさるですが、ついに倒れてしまうのです。
ゆっ子がアルバイトをしていた家は、医者の家でした。
その病院で診てもらった結果、まさるは結核だと言うのです。
結核菌が脳まで入り込んで、結核性髄膜炎になってしまっていて、栄養不良や過労のために衰弱した体ではすでに手遅れだと言うのです。
それを聞いたゴンは泣き叫びます。
なんとかしてくれよ先生!
金ならオレがなんとでもするから
たのむよ先生!!
あいつはオレとは関係ないけど
でもオレはあいつが好きなんだよ
妹を施設に入れたくなくて、離れたくなくて
二人でにげだして
そうして妹のために働いて・・・
あいつは人生の何分の一も生きちゃいないんだよ!!
これからなのに・・・
あんまりだよ・・・!!
結核は感染する病気です。
ゆっ子のような小さい子どもは病人に付き添えません。
それでもゆっ子はまさるのそばにいようとします。
ゆっ子、約束したんだもん。
どこにも行かないって
おにいちゃんのそばにいるって
だからそばにいるんだもん
でも治療の甲斐もなく、まさるの命ははかなく尽きようとしています。
死ぬ前にまさるはゆっ子のことを医者に託していきます。
医者は答えます。
心配しなくていいんだよ。
君は治ったらゆっ子ちゃんと一緒にうちで暮らすんだよ・・と。
そしてうちから学校に行って、ゆっ子ちゃんとずっといっしょに・・・
だからがんばるんだ・・・と。
まさるはそれを聞いて安心します。
先生ありがとう
ゆっ子、いい子にしてるんだぞ
おにいちゃんはいつでもおまえを見ている・・・
それが最後の言葉でした。

そして美しい星が一粒、海におちたのでした。

突っ込みどころはあるでしょうが(^_^;)
やっぱり健気な二人の姿やゴンとの友情や、医者夫妻の温かさに涙が出てしまう名作ですね。
久しぶりに読んで私も泣きましたです。
いま、ウィキペディアを見て知ったのですが、久木田さんは2002年に亡くなられてるんだそうです。
そして、同じ漫画家の山本おさむさんと結婚されていたんだと。
今頃知って驚いています。
山本さんの作品も人間愛に満ちた素晴らしい作品です。
なんだか厳粛な気持ちになってしまいました。
放置していて、広告がついてうっとおしかったですね。
来てくださった方には申し訳なかったです。
さて、年末大掃除のときに、こんな漫画が出てきたのでご紹介してみます。


すっごくボロボロでしょ(^_^;)
お見苦しくてゴメンナサイ。
これは、昭和52年(1977年)8月号のりぼんの付録雑誌です。
「りぼんアイドル文庫」と書いてあります。
りぼんには時々こういうおまけ漫画がついていて、楽しみでしたよね。
いまもあるのかな?(●^o^●)
昭和52年の8月号・・・おそらく「花岡ちゃんの夏休み」なんかが掲載された号じゃないでしょうか?
私が祖母の家に遊びに行くときに電車の中で読もうと買った・・・記憶があります。
「花岡ちゃんの夏休み」はものすごく大好きで、何度も何度も読みました。
その号なので、印象深いのだと思います。(はっきりとは言い切れませんけど・・)
久木田律子さんは同時期にりぼんでご活躍された方で、優しい絵柄と涙を誘うストーリーで人気だったと思います。
もう作品の詳しい内容は覚えてないんだけど、ちょうど私がりぼんを読んでいた時期と、久木田さんが描かれていた時期が重なっていたみたいで、いっぱい泣かされた印象があります。
この「海におちた星」も、すごくかわいそうな物語で、今読んでも泣けます。
覚えておられる方はいらっしゃるでしょうか?
では、物語をご紹介しますね。
まさるとゆっ子という幼い兄妹が主人公です。
まさるは妹のゆっ子を、それはとても可愛がっていました。
でも、あるとき両親が揃って交通事故で他界してしまうんです。
まさるはまだ小学生。どうしようもありません。
ゆっ子とは離れ離れに親戚や施設に預けられることになってしまいます。
まさるとゆっ子は、こっそりと逃げ出します。
ゆっことはなればなれになるなんて出来ない。
ふたりだけでくらそう。
ぼくがゆっ子のとうさんになるんだ・・・と。
トラックの積荷に紛れ込んで、運転手の隙を見て荷台から降り、海辺で見つけた掘っ立て小屋に住み着きます。
中学生と偽りなんとか市場の仕事を見つけ、早朝から働くことになりました。
ゆっ子はおにいちゃんがいなくて寂しいけれど、健気に我慢しています。
市場には、まともに働かないけれど、明るいおじさん、ゴンがいます。
酒飲みで、お金を全部お酒につぎ込んでしまうのですが、お金がなくなると働きに来ると言う按配です。
ゴンはまさるが慣れない仕事で失敗したときにも、かばったりしてくれました。
ある日ゴンが酔っ払っていたのを、まさるが小屋に連れ帰ります。
朝になり目覚めてゴンが見たまさるとゆっ子の暮らし振り・・。
粗末と言うにも及ばぬ、まるで今で言えばホームレス状態(・・って、正真正銘のホームレスなんだけど)。
ゴンはゆっ子の体調が悪いことに気付き、そこに帰ってきたまさるといっしょに病院へ連れて行きます。
そしてそのまま、自分のアパートへ連れ帰り、親戚の子どもだと偽り、アパートに住まわせることに。
海辺の掘っ立て小屋から見たら、まともな暮らしになりました。
しかし、それでもこの兄妹には平和はありません。
なんせまさるの一日の手当てはたった1000円なのです。
おさないゆっこがおさんどんの担当ですが、1皿400円のアジも買えません。
半分だけ売って欲しいと頼んでも店主が聞いてくれなくて、でも1皿400円は買えなくて・・魚屋さんの前で困っていると、通りかかったのはセレブな様子の奥さん。
奥さんはゆっ子のために、アジを買って半分に分けてくれました。
奥さんには娘がいたのだけど、幼くして死んでしまったようで、その子がゆっ子に似ていたようです。
さて、まさるはゆっ子のために給料を前借してワンピースを買ってあげたり、お給料が少ないからと昼間も食堂でバイトを始めたり、自分は食べずともゆっ子に食べさせ・・・頑張りすぎるほど頑張ります。
その様子を見て、ゴンはあらためてなぜ二人でこんな風に暮らしているのかを問い、その答えを聞きました。
そして、ゴンもまっとうに生きることを決意。
こんな小さなまさるがゆっ子のために一生懸命なのを見て、ゴンの気持ちも変わったのです。
じつはゴンも、早くに両親と死に別れ、施設などを転々として育ってきたのでした。
かたやゆっ子。
自分のために身を犠牲にして働くまさるに、なにかプレゼントをしたいと思いつきます。
そのとき偶然再会した、アジを分け合った奥さんが、自分の家の犬と遊んでくれることを「バイト」として提案します。それはもちろんまさるには内緒。
だけど偶然見かけてしまったまさるには、お金持ちの家でゆっ子が遊んでいるようにしか見えません。
ショックを受けるまさる。。。
そして、ゆっ子に「もう行くな」と言うのです。
ゆっ子はどうしてもまさるにプレゼントをしたい。。
それに、優しいおばちゃんのことが好きになっていました。
そんな気持ちの行き違いからギクシャクする二人。
まさるはそんな雰囲気を直そうとして、ピクニックを提案します。
よろこぶゆっ子。
でもその前日にまさるはまた見てしまいます。
ゆっ子があの例のおばちゃんと仲良く買い物をしているのを。
それはもちろん、ゆっ子がまさるのためにプレゼントを用意している場面だったのですが、何も知らないまさるはただゆっ子を責めます。
おりしも雨の中。まさるはゆっ子が手渡したプレゼントを、そうとは知らずに叩き落とします。
「そんなにあの家が好きなら、行けばいい!ゆっ子なんか、どこへでもいっちまえ!!」と叫びながら。
ショックを受けたゆっ子は、「おにいちゃんのばかぁ!!」と叫び雨の中走り去ります。
おちた紙袋から出てきたのはまさるへの誕生日プレゼントと「おめでとう」のメッセージカード。
それを見て初めてまさるはすべてを理解しました。
ゴンに叱られながら、ゆっ子をさがすまさる。
ゆっ子が野犬に襲われそうになったところを間一髪で救い、ふたりはひしと抱き合います。
おたがい涙に暮れながら・・・「ごめんね」と謝りながら。。
そして涙ながらにゆっ子はいうのです。
「ゆっ子はどこへも行かない。ずっとおにいちゃんと一緒にいる。ゆっ子はおにいちゃんのことすきだもん」と。
待ちに待った楽しいピクニック。
ゴンは不器用ながらおにぎりを作ってくれました。
明るい日差しの中元気に駆け回るふたりの兄妹。
だけど、幸せなのはここまででした。
最近体調が悪かったまさるですが、ついに倒れてしまうのです。
ゆっ子がアルバイトをしていた家は、医者の家でした。
その病院で診てもらった結果、まさるは結核だと言うのです。
結核菌が脳まで入り込んで、結核性髄膜炎になってしまっていて、栄養不良や過労のために衰弱した体ではすでに手遅れだと言うのです。
それを聞いたゴンは泣き叫びます。
なんとかしてくれよ先生!
金ならオレがなんとでもするから
たのむよ先生!!
あいつはオレとは関係ないけど
でもオレはあいつが好きなんだよ
妹を施設に入れたくなくて、離れたくなくて
二人でにげだして
そうして妹のために働いて・・・
あいつは人生の何分の一も生きちゃいないんだよ!!
これからなのに・・・
あんまりだよ・・・!!
結核は感染する病気です。
ゆっ子のような小さい子どもは病人に付き添えません。
それでもゆっ子はまさるのそばにいようとします。
ゆっ子、約束したんだもん。
どこにも行かないって
おにいちゃんのそばにいるって
だからそばにいるんだもん
でも治療の甲斐もなく、まさるの命ははかなく尽きようとしています。
死ぬ前にまさるはゆっ子のことを医者に託していきます。
医者は答えます。
心配しなくていいんだよ。
君は治ったらゆっ子ちゃんと一緒にうちで暮らすんだよ・・と。
そしてうちから学校に行って、ゆっ子ちゃんとずっといっしょに・・・
だからがんばるんだ・・・と。
まさるはそれを聞いて安心します。
先生ありがとう
ゆっ子、いい子にしてるんだぞ
おにいちゃんはいつでもおまえを見ている・・・
それが最後の言葉でした。

そして美しい星が一粒、海におちたのでした。

突っ込みどころはあるでしょうが(^_^;)
やっぱり健気な二人の姿やゴンとの友情や、医者夫妻の温かさに涙が出てしまう名作ですね。
久しぶりに読んで私も泣きましたです。
いま、ウィキペディアを見て知ったのですが、久木田さんは2002年に亡くなられてるんだそうです。
そして、同じ漫画家の山本おさむさんと結婚されていたんだと。
今頃知って驚いています。
山本さんの作品も人間愛に満ちた素晴らしい作品です。
なんだか厳粛な気持ちになってしまいました。
⇒ short (06/24)
⇒ お (06/20)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ 六猫合体キャットマーズ (01/03)
⇒ 栗ごはん (10/21)