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森子物語/岩館真理子

2005年07月21日
集英社マーガレットコミックス
◆森子物語…1983年12号
◆森子物語Ⅱ…同年16号
◆森子物語Ⅲ…同年21号
◆えんじぇるⅤ…1982年34号(以上 1巻に収録)
◆森子物語Ⅳ…1983年25号
◆森子物語Ⅴ…1983年29号
◆夜汽車に乗って…1983年34号
◆昔 赤いレンガの道で…1983年43号(以上 2巻に収録)全て週マ掲載

森子には夢がある…。それは一年後にかなう事になっている…。

ずぼらでいい加減な母に代わって、一家の主婦の役どころをきっちりこなす森子は「健気系+しっかり系」っていうところでしょうか。
好きな相手は東山君、でも、なんとなく冷たいんだよね。
この東山君もどこが良いのか分からない…。大薮君の方がまだマシってモンです。
でも、見た目でぱっと惹かれてしまって、中身も知らないのに勝手に自分で作り上げて、その「偶像」に真剣に恋するあたりが「ああ。青春♪」て感じではあり(笑)経験あるよね?ね??(笑)
しかし、森子は健気だ!東山君のことを考えながら、とっちらかった流し台をぴっかぴかに磨き上げてくところなんておかしい!お酒にリボンかけたりね。「妄想系」と、名づけましょうか(笑)
自分たちきょうだいの父親がそれぞれ違う男だと思い込んでるあたりとか、思い込みが激しいところがおかしいよね。

◆エンジェルⅤ
続編のようだけど、前日談というか、二人が結婚したばかりの時のエピソード。
新婚旅行のハワイから帰ったばかりのスウと周作。ぎこちないながらも段々とお互いを知り、気持ちを寄り添わせていく過程が描かれてる。もちろん、先に「えんじぇる」を読んでないと、あんまり良く分からないかもね。


◆昔 赤いレンガの道で
めちゃめちゃ不器用で人と付き合うのが苦手な貴子にはしっかり者の妹。奈保がいた。でも、その奈保の夫は事故で夭逝してしまっている。残された忘れ形見の女の子を一人で育てて頑張る奈保。
奈保の夫の兄弟のひろしは姉妹を何くれとなくサポートするが、貴子はどうにも仕事が続かない。そこでひろしが唐突に貴子にプロポーズをするが…。
貴子の不器用さがちょっとおかしくてちょっと悲しい、切ない系テイストのコメディ。
貴子はひろしが好きなのに、ひろしが奈保を好きなんだと思っている。その気持ちのすれ違いがまた切なさを増していくのだ。
岩館さんにしては珍しく、クルクルした巻き髪の男が相手役。鶸俣昇くん以来じゃないかな?周作さんもちょっと天パー系だけど、この人は明らかにパーマネントをかけてる感じ。



森子物語 [少女向け:コミックセット]
岩館真理子
B00006LOH7

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[岩館真理子]Review | Comments(2) | Trackback(0)
Comment
Re: No title
栗ごはんさん コメントありがとうございます!
岩舘真理子さんの作品を熱く語ってくださってありがとうございます!!
拝読してまた岩舘作品への気持ちが熱くなりました!
そうですか、美しい古本から岩舘さんへの愛とリスペクトが感じられたのですね。
そう感じられた栗ごはんさんも感性が豊かでいらっしゃいますね。
森子物語、その前の「赤く淡い夜が好き」「1月にはクリスマス」あたりからさらに洗練されましたよね。
夜汽車!!
わかります~~
季節感もあふれてますしね。
また読んでみたいと思います!
No title
数カ月前、決断してアマゾンの古本屋で岩舘真理子のコミックスを数冊買いました。
文庫タイプは小さいので字が見づらいですが、コミックスがないものは文庫にしました。感動したのは、コミックスが「第一刷」のきれいなものであったことです。
大切に読んで、売ることに至ったのでしょうか、「岩舘真理子の読者」らしいなあ、と感慨深く思いました。
森子物語は、初めて読んだ岩舘作品だと思います。
自分は中学1、2年生だったので大人っぽい話で新鮮でした。
当時、週刊マーガレットを姉か私が購入し始めていて、その頃100ページ巻頭読み切りシリーズというものが毎号ありました。全部面白かったです。それもとても懐かしいです。
今あらためて読んでみると、「OLになる」と言っている森子はとても独立心に富んだ前向きな高校生なのだと驚きます。ちょっと暗い女の子として設定されていますが、とんでもないですね。時代でしょうか?今は漫画も皆大学進学が前提の話が多いように思います。(全部読んでいて知っているわけではありませんが・・・)当時の同級生で、森子によく似た境遇の子がいたことも思い出されます。夜汽車、夕暮れ、情緒豊かに描かれてあって救われる感じです。

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