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チャイ夢/岩館真理子

2007年12月11日
チャイ夢


クリスマスの頃になると、読みたくなるのがこれ!
いや、特にクリスマス自体にはわたしは思いいれも何もないんですが、漫画の世界は別腹で(意味不明ですか)。
岩館さんの漫画は「冬」とか「夏」とか「秋」とかの季節感を出すのが上手いって言うか。すごくその季節になってて、読むだけで寒かったり暑かったりしますもんね!
クリスマスはすっごくクリスマスなんですよね!(わかる?わかって!)

以前書いた感想やあらすじはこちらに。

表紙がまたかわいいでしょう~。ほんわかピンクでふわふわした感じ。岩館さんの雰囲気!
でも、主人公の桃子は実際にはこんなイメージじゃないんですけどね。彼女の内面がこんな感じなのかも。

この話は大好きで、ともかくいつなんどき読んでもきっちりハマってしまうし、泣けるし感動する。特にすきなのは、本当は好きなのに、意地を張って好きと言い出せない二人のじれったさですね!桃子がほかの男とデートしているときに昇君が乗り込んでくるんだけど、あの場面やその後のふたりの殴り合いのケンカのシーンなど。笑えるし胸キュンするし。
桃子がモデルたちとけんかをしているシーンもいいですよ。「あら、わたしも怒らせると怖いわよ」と、逆にモデルたちにすごむ強さとか、大好き。
でも、一番好きな場面はあれですよ、あれ。飛行機の。
「まったく よりにもよって 飛行機だもんな
 降りたら 話がある」
「しーーーーーーーーーーーーーーん(ごほごほ)」
っていう場面。
いいなぁ(にんまり!)

さて、この物語のもうひとつの萌ツボは、昇と美代子の兄妹関係。
岩館漫画の兄妹って、ツボですよね~。
「うちのママが言うことには」のけいととハンサムで妹に甘いお兄ちゃんたちもいいんだけど、英太郎とめぐむの兄妹関係も泣かせるでしょう。あの二人に近い感じがするんですよね、この昇と美代子の兄妹は。
岩館さんの漫画に登場する「本のあとがき」とか「手紙」ってどれも本当に胸にジーンとします。自分には身に覚えがなくても、なんか身に覚えがあるような気持ちになってしまって、懐かしいっていうか、郷愁に襲われるっていうか、、、泣ける。

ほんと、何度読んでも色あせない名作。
大好き!!

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見上げてごらん/岩館 真理子

2007年11月20日
4088654366見上げてごらん (クイーンズコミックス)
岩館 真理子
集英社 2007-11-19

by G-Tools


わーい!岩館さんの新刊でーす!
今回も毒なし、って言うかデトックス系の、ほのぼのコメディですね。
最近の作品で言うと「うちのママが言うことには」や「アマリリス」や「月と雲の間」なんかに似ていますね。

主人公の羽遠千里子ちゃん。とっても小さい女子大生。
遠く北海道から単身学校に通います。
実は片思い中で、その相手が見上げるほどののっぽ君である高島サトルくん。
内気で純粋すぎて、学校でも浮いてしまう存在の千里子だけど、北海道の家族は離れて住むからこそ、この千里子の事が心配で仕方がなく、また千里子もいつまでも里心が抜けず、両者が遠く離れていながらもお互いを思いあう気持ちが、胸にジーンとする作品です。
お父さんたちもものすごく小さくって、それもなかなか面白いんですが、このお父さんの筆まめなのがまた笑える。
「あしながおじさん」みたいに、手紙で構成された物語になってるんだけど、手紙がまた笑えるけど泣かせるんですよね。岩館作品にはよく手紙が登場するけど、どれも結構ツボ。泣ける。

それから、キーワードは「星空」ですね。
これも「手紙」と同じように岩館作品には印象的な星空がよく登場しますが、今回も綺麗で胸に迫る星空ですね。きっと岩館さんは、実家にいらっしゃるときに、いつも綺麗な星空を眺めてらっしゃったんだろうな。

物語は千里子と高島の距離が、縮むんだか縮まないんだか・・・というところで、周囲の人たちを交え、しょっちゅう北海道から届く手紙や「本人」たちもからめて、ほのぼのとした笑いを振りまきながら展開されます。

あと、猫がかわいい。
「もみもみ」って言うのは、猫を飼ったことある人なら分かるとおもうけど、なんで猫がもみもみしているだけであんなにおかしいのかね(笑)。

新刊が出たばかりなので、感想はこのぐらいで。
みなさん、読みましょう!


(でも、「毒」もちょっと懐かしいかな?)

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月と雲の間/岩館 真理子

2007年08月28日
4063287610月と雲の間
岩館 真理子
講談社 2001-07

by G-Tools



感想は以前書いているのですが・・・(こちら)。

今日は皆既月食。
最初は曇っていたので見られなかったのですが、月が全部隠れた頃から雲から月が顔を出しました。出したと言っても地球の影に隠れていたのですけど・・・。だから、「全部が隠れてから全部が見えるまで」の時に見ることが出来ました。専門用語を全然知らないので、こんな説明でゴメンナサイ(^^ゞ

月と雲・・・と言ったらこの作品。
月が雲に隠れたように見えても、月と雲の間には何万キロも距離があり、雲を突き抜ければそこにはいつも月がある、だから雲が月を覆っていても月は消えてしまったわけじゃない。

女手一つで娘を育ててすっかり「オバサン」になってしまった主人公と娘たちとが、ほのぼのバトルを繰り広げながらもお互いを思いやる気持ちが優しくせつないものがたりです。

何度読んでも笑えるし、ジーンとする。
岩館作品の中でもかなり好きなほうの作品です。
岩館さんの作品は女同士のバトルが描かれている事が多く、親子や姉妹であってもドロドロした関係をしていることが多いのです。
この「月と雲の間」には、母と娘ふたりが登場。相変わらずバトルがありますがほのぼのコメディなのでただ笑って、ジーンとしながら読むのです。でも、主人公の娘のひとり(姉のほなみ)が言うのです。
「女同士ってね地底深くに熱いマグマがうねうねしているの
きっかけさえあればいつでもドカンよ」と。
これがまさに岩館マンガの核心をなすものなのですよね。
バトルを繰り広げながらも、ちゃんとお互いの事を想い合っている、それがすっごくさりげなく、押し付けがましさもなく描かれててジーンとします。


それにしても不思議だね
月を見ると胸が痛くなるよ
こうやって何度見上げたことか
それは
ひとりでだったり
ふたりでだったり
あと何度
あの月を見ることが
できるんだろう
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ミステリー館―少女漫画恐怖傑作選

2007年01月10日
479660765Xミステリー館―少女漫画恐怖傑作選 (Part 1)
高口 里純
宝島社 1993-12

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Bオフで偶然見つけた一冊。
なんと岩館真理子さんの短編、しかも未読の作品が収録されているオムニバス。
岩館さんだけはコンプリートしているつもりだったけど、まだまだだね。

ここに収録されているのは「千年眠らない」という短編。
掲載はmimiエクセレント1988年の№13

+++ストーリー+++

杞実子は一年前に恋人の貴雄に失踪されてから、ものすごくズボラな女になっていった。友達の花璃香が心配するけれど、ズボラは度を増すばかり。
眠るたびに弟の夢を見る杞実子はどこか危うげだ。
壊れたストーブを買い換えることはしないけど、興信所を使って貴雄の行方を捜したりしている。
そんな杞実子の勤めるデパートのコスメコーナーに時々現れる若い男。杞実子にわかりやすく自分をアピールしてゆくが、貴雄の事で頭が一杯の杞実子の目には入らないようだ。
そして、次第に杞実子の生活はすさんで行き、おしまいには部屋の鍵も掛けず窓も閉めずに、着替えもせずメイクも落とさず寝てしまうほど・・・。
花璃香は心配するが、ついに杞実子に告白する。

貴雄は失踪ではなく、杞実子に別れを告げて出て行ったのだと。
その現実から目をそらしているのが杞実子なのだと。
そして、自分は貴雄といっしょに北海道に行き祖父の牧場をやるのだと・・・。

杞実子は結局眠るたびにすべてを忘れていたのでしょうか。
貴雄と花璃香のことを・・・。
自分に別れを告げて出て行った貴雄の事を。
だけど、そんな杞実子に夢の中の弟は言うのです。

きみはもう 
大人になって
忘れちゃいけないことが
いっぱいあるんだ
それがどんなつらいことでも
忘れないで
心に刻んで
待つんだよ
いつか褪せて
風化するまで



さて、男に捨てられた事を、正視することを拒んでしまい、自分の殻に閉じこもっていた杞実子ですが、デパートに訪ねてくる例の男、彼は実は、杞実子が貴雄を探すために依頼中の興信所の隣のビルに勤める男で、杞実子に思いを寄せているとうオチがついています。
だからちょっとほっとできる終わり方。

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アマリリス/岩館真理子

2006年09月15日
アマリリス 1 (1)
岩館 真理子
4088645324


岩館真理子作品のレビューリスト

今は残念ながら廃刊(休刊?)となった集英社のヤングユーで1999年の5月号から2005年の11月号まで連載されました。

休刊が2005年の11月号をもって…なので、「アマリリス」の連載終了と同じと言うことになりますよね。この号のヤングユーは最終回ラッシュだったそうですけど。
その後は同社の「コーラス」に移られたそうですが、「ぶ~け」に続き集英社の雑誌が廃刊(というか休刊…違いはあるのか?)となり、寂しく感じます。
(「ハチクロ」はこの「ヤングユー」から「コーラス」に場を移して連載されましたね)


さて、この作品、主人公は「桃田さん」。
出版関係の会社に勤めていたのだけど、退職して「花屋さん」を始めることに。
そこからスタートする、すれ違いラブコメディなんです。
相手は元同僚の赤井さん。
花粉症でちょっぴりぼーっとしていて頼りない感じもするけど、イイ男で(これが肝心)すごくクールなんです。クールというのとはちょっと違うかな。桃田さんとは基本的には両思いなんですが、いいトシした男女がいつまでも、一線を超えずにうだうだと恋人になるんだか、ならないんだか…そこまでを、うだうだと描く物語。

もちろんこの場合の「うだうだ」は誉め言葉。
もたつく二人の仲とは裏腹に、物語自体にはもたつきを感じないのが岩館さんのすごいところです。
二人の関係はもたついてるけど、ユニークな脇役たちの登場で、物語はとってもスピーディーで(?)テンポ良く、面白くおかしく笑いの内に読ませられてしまう!
岩館真理子ワールド独特の笑いと間。
堪能してください♪

物語の内容は…↓
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グリーンハウスはどこですか?/岩館真理子

2006年09月04日
グリーンハウスはどこですが


グリーンハウスはどこですか
岩館 真理子
4088503708


◆グリーンハウスはどこですか? 1976年週間マーガレット40~50号
◆あの星をひとつぶ  1972年週間マーガレット33号

うれしい♪
このコミックだけ探してもなかったんだけど、ようやく入手の運びとなりました。わーい♪♪

時期としては「ふたりの童話」と「17年目」の間に出版されたコミックでかなり初期の作品といえますね。初々しいです^^

(その他の岩館真理子作品のレビューリストはこちら


◆グリーンハウスはどこですか

ある日、下宿家の「グリーンハウス」にやってきた、ウルトラ方向音痴の女の子、小川理津。グリーンハウスに来る前にあまりに迷ったために行き倒れてしまい、下宿屋のおばさんの息子健太郎に背負われて…。
グリーンハウスにはいわれと言うか、思い出があるんです。
下宿家の現オーナー(このひとのおじいちゃんが元々下宿家のオーナーだったんだけど引退して今の健太郎の母に代替わりしたのです)が娘時分のはなし。

とってもステキなカップルがいました。
その二人は結婚したに違いない。
で、オーナーは憧れのそのカップルがいつか訪ねてくれると思って待っているのです。オーナーはその男性が好きだったのです。

ところで、この理津。なんだか秘密めいている。やけに懐かしそうにこのグリーンハウスを見つめる眼差し、時々見せる寂しそうな表情などなど。
なにか、グリーンハウスに思い入れがあるのでは?

彼女は、オーナーの憧れのカップルの娘に違いない!と、下宿人たちは憶測を飛ばしあうのですが…。

そんな時、理津の弟まもるが理津を訪ねてくる…。


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