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笑わない人魚/今 市子

2006年03月11日
4873174317笑わない人魚
今 市子
あおば出版 2005-02-16

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表紙が美しい~。
コミック版と、通常版、この場合普通のコミックよりも大きい集英社とかで言うとワイド版の大きさなんですが、断然コミック版よりもワイド版のほうがいいですね。美しいし読みやすい。


短編集で
「笑わない人魚」
「青髭の友人」
「真夏の城」
「回遊魚の孤独」
の4本が入ってます。あとがきが1ページつき。

今「楽園まであともうちょっと」にぞっこんはまってるのですが、この「真夏の城」が「楽園まで…」の前身で、川江と浅田の物語。「楽園まで…」の連載が始まる前に単発で掲載されて、編集者の人が「この二人のお話をもっと読みたい」と言ってできたのが「楽園まで…」だそうです。その編集さんに表彰状を上げたい!!ありがとう!!(笑)

「笑わない人魚」
人魚というのは、主人公寺島洋介の叔父が別荘で飼っていた「おとこ」のことです。その別荘はプールつきで、そのプールで泳いでいた男の背中にうろこがあり、洋介はその男が好きになるんです。後年叔父の遺産相続のために別荘にやってきた洋介が、そのときの「人魚」見城と再会し、見城と叔父の関係を改めて理解して、自分の思いを打ち明けて…という話。それと「回遊魚の孤独」(←これは書き下ろし)は連作になっていて、数年後という設定です。

「青髭の友人」
これがすごく読み応えがあって、好きです。
BL要素はあんまりないんですけどね。
妻が3人連続死んでその度に「保険金太り」している男「青ちゃん」と、その友人「カク」。そこに高校生らしき少年ハルヒコが加わり、不思議な友情が芽生え…。
ハードボイルドの要素もあり、そしてミステリーサスペンスもあり、かなり良いです!!
けだるく淡々とした物語の中に、切なさとノスタルジックな感じがあいまって(われながら意味不明)読み終えた後、なんだか寂しさと人恋しさが募るようなお話です。
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楽園まであともうちょっと/今市子

2006年03月06日
4832281976楽園まであともうちょっと 1 (1)
今 市子
芳文社 2002-02-28

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はまってます。

はまってますとも。

ボーイズラブに…。
いや、今市子さんにはまってるんです。
決してBLにはまってるわけでは…。

でも、どうしてBLなのか。
それが分かってきた。
まったく「他人事」だからではないでしょうか。
どんなに頑張っても、BLの当事者たちにはなれないし、いつもの少女マンガのように同化したり出来ないんです。
それが良いのじゃないかなぁ。
なまじ、ふつーの男女の恋愛よりも、切なさが大きいし。
でもこれって、今市子さんだからなのかな??

ともかく、はまってます。正直に言うと。(引かないでね~)

今日も今日とて、BOOK●FFに足を運んで(ついでがあったんですよ、ついでが)探してしまいました。
ありましたがなー。これが!!
3巻だけなかった。しばし探して、なかったらAmazonで買おう。
感想はもうちょっとお待ちくださいね♪

+++

後日、3巻目をそろえました。これは新刊でも買う価値ありですよ♪
おもしろかった~!!
感想は改めてこちらまでどうぞ♪

4832282743楽園まであともうちょっと 2 (2)
今 市子
芳文社 2003-11-28

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4832283618楽園まであともうちょっと 3 (3)
今 市子
芳文社 2005-08-29

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孤島の姫君/今市子

2006年03月06日
孤島の姫君

4257721995孤島の姫君
今 市子
朝日ソノラマ 2003-03

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今市子さん、またまたご紹介。
その他の作品は、⇒カテゴリーか作品リストからどうぞ♪

収録作品は以下のとおりです
「赤い袖」ネムキ1998年7月号
「沈黙」ネムキ2000年3月号
「真夜中の食卓」ネムキ増刊今市子特集号1999年
「遺影がない!」ネムキ増刊大ピンチ!2000年
「孤島の姫君」ネムキ2001年3月号
「美しき獣たち」ネムキ別冊動物生活など…

一番面白かったのは「美しき獣たち」なんですが(笑)これは後でご紹介するとして、次に好きなのが「沈黙」です。
「孤島の姫君」もそうなんですが、今市子さんの作品系統として「BL」「ホラーファンタジー」と大まかに分けてもうひとつはこの「無国籍童話」のようなファンタジーがあるようです。ファンのみなさんはなんと呼んでるのかな?
ともかく、一応「無国籍ファンタジー」と仮に呼ばせていただきます。勝手に。すみません。

「沈黙」のストーリーは…
むかし、世界がひとつだったころ、争いが絶えないので神様が憂えて国を二つに分けました。そして、二つの国はいつしか断絶してしまい「沈黙の国」「暗闇の国」と呼ばれ、その境界には「暗闇の門」という岩で出来た門があった。
物語は、その門を超えて「あちら側」に行ってしまって行方不明になった少女が20年ぶりに門の向こうから帰ってきたときから始まります。
その少女ジェマイマは、当時と寸分たがわぬ美しさで戻り、村人を驚かせたが、彼女は森の神の巫女の役目を果たし、村人たちを預言することで助けたのだ。
が、次第にその振る舞いが度を越して、村人たちには重いプレッシャーとなってきたころ、またも門の向こうから今度は青年が舞い込んでくる。
青年ニノシュは、ニザートという村一番の不細工な少女に向かって「要請のように美しい」と言って、村人の失笑を買うのだったが…。

この物語は、終わりに「はっ!」とさせられるような、よく出来たお話です。なるほどーと、唸らされること間違いなし。
収録作品の中で2番目に面白かったです。

一番は「美しき獣たち」なんですが、これは「文鳥マンガ」で、今市子さんのもうひとつの代表作?かなり面白い!
今市子さんが文鳥を飼われていて、それをマンガにしたエッセイマンガです。
ともかく、文鳥、と言う地味な?ペットが、今市子さんにかかるととっても、表情豊かな愛嬌のあるペットになるのですね~。
犬や猫やハムスターも真っ青ってぐらい、文鳥って見ていて飽きないものなんだなぁって思いました。
と「尾白、尾黒の原点がここにあり!」て感じで、すごく嬉しくなります。
お得な一冊♪

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懐かしい花の思い出/今市子

2006年03月06日
懐かしい花の思い出

4257903481懐かしい花の思い出―初期作品集
今 市子
朝日ソノラマ 1998-07

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今市子さん、引き続き…。
他の作品は、右のカテゴリーあるいは「あかさ行のリスト」からどうぞ♪

この本には、あとがきで著者ご自身が恥ずかしがっておられるように、初期作品10本が収録。表題作品(ネムキ1994年VOL.20)のほかには
「夏服の少女」ネムキ 1993年VOL.16
「眠りにつく前牛乳を」ネムキ 1994年VOL.19
「最後の夏休み」同人誌 1990年
「マイ・ビューティフル・グリーンパレス」コミックイマージュ1993年
「六月病」書き下ろし 1994年
「夜の雫」同人誌 1992年
「ユディトの帰還Ⅰ」同人誌 1991年
「ユディトの帰還Ⅲ」同人誌 1993年
「神々の花」同人誌 1991年

BLモノは「最後の夏休み」と「マイ・ビューティフル・グリーンパレス」と「六月病」の3本です。もちろん、ソフト、低刺激で一般向き(笑)。
とくに、「六月病」は、学生時代に素直になれなかった二人が成人になって再会し…というパターンですが、これは結構いいですよね。萌えツボです!(笑)

表題作品「懐かしい花の思い出」は子供の頃事情があって、離れ離れになって育った双子の少年が、偶然再会し、子供時代の思い出を蘇らせるのですが、微妙なずれがあり、そして叙述トリック的な「読者騙し」もあり、かなり楽しめる作品でした。

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B級グルメ倶楽部/今市子

2006年02月26日
B級グルメ倶楽部
今 市子
4896016599


今市子さんにはまり中 第5弾!(しつこいですか~)


第1弾⇒百鬼夜行抄
第2弾⇒大人の問題
第3弾⇒いとこ同士
第4弾⇒あしながおじさん達の行方


今回の「B級グルメ倶楽部」は、著者ご自身の言葉によると「禁断のタイムカプセル第2弾」とのこと。

表題作は2編に別れてて、2編目は書き下ろしだそうです。
第一話では、高校時代お互いに好き同志でありながら、すれ違ってしまった二人が社会人になって再会し、ようやく積年の想いを遂げることが出来る…のか??と言う話です。「?」も含めてね。
これだけでも充分おもしろい物語で完結度は高いんですけど、ふたりの続きが気になって仕方がないと思うので、書き下ろしで続編を書いてもらって正解です!
この続編が、ますます欲求を満たしてくれて、(と言っても、激しいシーンはありませんので。)ニンマリさせてくれます!
主人公の吉野(彼は世間にカミングアウト済み)が好きになった相手は、高校時代はバドミントン部でセンパイだった鬼塚耕三。その名のとおり、怖いイメージ。
でも、彼も主人公のことが好きで好きでたまらないという感じが、なんか…
むふふ…
…って感じなんですね(笑)。(こればっか)
いいです。二人の距離が縮まるまでの紆余曲折。
ちょっと、萌え?(笑)
背広同士の絡み…。会社の給湯室で抱き合う、キスする、背広の男たち。うーん、衣擦れの音が聞こえそうで…良いわ~~~(爆)。

そして同時収録の「微笑」
これも昔の知り合いが、偶然出会って昔話をして、そして積年の想いを遂げる…と言う話ですが。
今まで読んだ今市子作品の中で一番「それらしい」描写がありました。
でも、そんな直接的なものじゃなくて、とってもソフトです。
いや~~。いいもんですね。こう言うのも。
普通の男女の恋愛よりも切なさが、倍増しします。

「絶対0度」「-6m」「灯をかかげて」
これは連作になってて、「木村&為永シリーズ」です。
BLですが、ホラーとの合体。

著者が子宮筋腫で手術したときのエッセイマンガ「病院日記」も収録。

BLにはまる女の気持ちが、ひじょーーによくわかる今日この頃。
うーん、やばいかも。
誰か…
止めてください…。
いや…、止めないで(爆)。
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いとこ同士/今 市子

2006年02月24日
いとこ同士
今 市子
4896016149



今市子さんにはまり中、その3弾です。

第1弾⇒百鬼夜行抄
第2弾⇒大人の問題

この本は、今市子さんの昔の作品集みたい。
同人誌や商業誌に発表されたものだそう。

表題の「いとこ同士」と「けど…」と「逢いびき」は連作になっていて、無論いとこ同士でありながら恋人となる二人の青年の、後ろめたさや切なさを描いてあります。
いとこということは、自分の親から見たら血のつながった「甥ッ子」なんですから、罪悪感やばれたときのことを思うと胃の縮むような思い、だけど彼とは別れられないという気持ちを秤にかけてはグラグラ揺れる様子を、淡々と描いてあります。

官能的なシーンは殆どないのだけど、それでもなんか…ぐふふ~…♪って感じ?(笑)この二人のその後がどうなったのか、続きが読みたいもんですわい。

「黒いレインコート」
これが全然BLって感じではなく、解説にも「女の子が描きたかった、自分の中では宝生舞ちゃんのイメージ」とのことです。

「森に行った日」
これまた姻戚関係のBLです。
朝輝(ともてる)と、亮は叔父と甥の関係。
でも、実際には血はつながってないのです。
朝輝の姉が結婚した相手の息子が、亮だった。だから、血のつながりはないんだけどだからといって、どうどうとは出来ず…。
そこに、姉に子供が生まれる。
その子は朝輝にとっては小さな甥に、亮にとっては弟になるわけです。
自分たちの関係がその赤ちゃんに及ぼす影響などを考えて、二人の気持ちは揺れ動く。その機微を描いた作品です。

今さんの描くカップル、この本では、ひとりがストレートヘアで、片方はウェーブヘア。どうでもいいようなことだけど、なんとなくそう思いました。

「人魚の破片」
これは以前、人魚のような少年と一夜をともにした男が、その少年に似た男をバーで見つけ、その思い出を語ると言うもの。

「週末」
書き下ろしで、「いとこ同士」の続編となっています。
これによると、なかなか二人はうまく行ってるようで、ほっとできる小編。

それにしてもですね、こう言うの読んでると、ほんとうに世の中にはこのような嗜好の人が、こんなにたくさんいらっしゃるのかしら?と、思うのです。
しかも、イイ男ばっかりなので、イイ男同士でくっついてもらったら、女にイイ男が回ってこないのでは…と、本気で心配になりました…。
[あ行のマンガ家]今 市子 | Comments(0) | Trackback(0)
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