2007年01月23日
![]() | バビロンまで何マイル? 川原 泉 白泉社 1997-12 by G-Tools |
非常に歴史の勉強をしたような気分にさせられる、いかにも「ためになるマンガ」って感じですが、やっぱり面白~~~い♪川原さんの「バビロンまで何マイル?」のご紹介です。
月森仁希と真船友理は幼馴染。あるとき森の川でおぼれている小さな老人を発見し助けます。白いひげの小さな老人は「近いうちにいいものを持ってお礼に来るぞ」と言い残して去ってゆく。
友理はその老人を「森のノーム」だと言うのです。ノームとは、小さい妖精の事でした。
「近いうち」っていつだろう・・・、と楽しみに待つ事、数年。二人は長じて高校生。仁希は超現実主義者に(愛読書がプロレタリア文学とか!)友理は全校女子の憧れの的のモテ男になっていた。
と、ここで、ちょっと余談なんですけど、この仁希チャンがすごいところは、友理に将来の職業のアドバイスをするのですがその内容が
「検事よりも弁護士になれ」
理由は、「検事は所詮国家公務員だが、弁護士は仕事を選べば収入が増える。そのうえ、自分が株式の専門家となって兜町を震撼させた後、インサイダー取引などで警察に捕まったら弁護士として役に立つから。」というモノ。
いやいやいや、わたしが高校生のころは「兜町」はおろか「インサイダー」なんていう言葉も知らなかったし(今でも怪しいもんだけど)検事と弁護士の違いすらちゃんとわかっていなかったと思う。
それを考えても、この仁希ちゃんのすごいこと。はぁーびっくりです。
で、あらすじに戻る。
その後、ふたりは12年ぶりに小人のおじいさんに会いまして、あの時の約束と言う事でペアリングをもらいます。
その名も「キング・ソロモンズ・リング」
その利用法は、「いつの時代のいかなる国の言葉も自由に操れること」そして「赤く光ったら行って、青く光ったら帰る」というもの。
そこで仁希が思ったのは
「これがあれば英語の勉強をしなくてよい」と言う事と
ファンタジー音痴と言われた自分が、本物のファンタジーに触れたので、もう今までのように『ファンタジー音痴』とは誰にも言わせないぞ!!と・・・『勝った!勝ったぞ!!」・・・・と。いったい何に勝ったのかよくわからないけれど、ともかくそう思ったのです。
そして、指輪が光るときが来ます。
スパークして最初に二人が眼にしたのは恐竜、ティラノかアロサウルスか・・・。
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2006年12月14日
![]() | レナード現象には理由がある 川原 泉 白泉社 2006-06-29 by G-Tools |
2003年から、白泉社の雑誌「メロディ」に連載中の、川原さんのマンガです。
収録作品は
●レナード現象には理由がある
●ドングリにもほどがある
●あの子の背中に羽がある
●真面目な人には裏がある
の4作品です。
私立彰英高校は全国レベル的にも超・進学校。
その学校の中で繰り広げられる川原ワールド!
●レナード現象には理由がある
超・進学校の彰英高校の中でも屈指の秀才。いや、天才といってもよいくらいの飛島穂高君と、高校の中ではオチコボレ的存在の主人公、蕨よもぎ(わらびよもぎ)さんの物語。
蕨さんが、いかにも今までに登場してきた川原作品の主人公然としている、のほほ~~~んとした女の子で、かわいいです。
でも、その可愛さは飛島穂高君には通じません。
成績が悪い蕨さんを、サルでも見るような冷たい目で見てしまいます。
傷つく蕨さんですが、彼女には人にはない「特技」があったのです。
それは「ヒーリング」・・・癒しの能力。
それによって助けられたクラスメートは数知れず。
蕨さんと知り合ったことで、飛島君は人間としての何か大事なものを、発見する・・・と言う話ですが、飛島君の冷然超然とした感じと、蕨さんののーんびりした感じの対比がいい感じなのです。
●ドングリにもほどがある
この進学校の中で、まったく、みんなのど真ん中の成績順位を誇る亘理実咲(わたりみさき)さん。
自分と同じようにまったくど真ん中に位置する「平凡」なクラスメートを発見する。隣の席に彼はいた!友成真一郎君だ!
同類を発見して安堵する亘理さんだけど、じつは平凡に見えて友成君は「高校生作家」だった!!
平凡じゃない・・・と、衝撃を受ける亘理さんだけど、じつは友成君、スランプに陥っている所を亘理さんと一緒にいることで救われていたのだ。
どんぐりを二人で拾い語らう、その時間が友成君にはなくてはならない大事な時間になっていた。
「レナード」の蕨さんも「ドングリ」の亘理さんも、一見成績もよくないし特に取り立てて目立つ所はないけども、実はよくよく見てみればすごいモノを持ってる。
平凡に見えても、人はその人だけの才能や特技がある、と言うこと。
ですね。
2006年09月10日
ブレーメンII (5) Jets comics | |
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ブレーメンII (3)
川原 泉

面白かった!!さすが川原教授!!
初期の絵柄から見ればずいぶん雰囲気が変わってしまい、おまけにSF…ちょっと目が怖い…などの理由で、この本に取り掛かるまでにちょっと一押しが必要で、いつもよりも時間余分に頂きました。
しかし、いったん入り込んでしまえば、いつもどおりの川原節。
とぼけてて、のほほ~~んとしていて、平和主義で(SFなのに武器不携帯)、優しく温かい。なによりも深い人間愛が描かれている!!人間だけじゃない、命そのものを大切にする心が。
やはり、川原作品に外れなし!と思った次第。
●アンドロイドはミスティー・ブルーの夢を見るか?宇宙の食欲魔人の続編です。
↑は「カレーの王子さま」に収録。
西暦2306年8月15日、大型輸送船『ブレーメンⅡ』就航。
少子化により人口は激減しているのに、宇宙開発はさくさく進み、広大な宇宙で思いっきり人手不足となり人類はとっても困ったことになっている。
アンドロイドだの、高度な知能を持つものはものすごく高価だから使えない。
反対に、ワシントン条約での手厚い保護のため動物たちが急増。
パンダなんか道端にゴロゴロいる状況なんです!!(見てみたい!!)
そこで登場するのはディーター・モーゲンスターン博士。
博士がバイオテクノロジーを駆使して作り上げたのは…
なんと、人間と同じ知能を持つ動物たちだった!!
さて、大型輸送船ブレーメンⅡの機長に任命されるは、イレブン・ナインの異名をとる(誤差が思いっきり少ない=メチャクチャ優秀)なキラ・ナルセ。
マウンテンゴリラのダンテ君を副機長に迎えてクルーにも様々な動物たちを乗せていざ出航だ!!
そこに、プラス異星人、火星人のリトル・グレイ。別名くつくつ虫がくっついてきて、ブレーメンⅡは、色んな星で出会いや事件を経験しつつ、宇宙を旅するという物語なのです。
クルーが襲われる事件があったと思えば、社長であるナッシュ・オリジナルが乗り込んでいたり(コピーのほうがよっぽど社長らしいのだ!)ステルス・スーツを着込んだ動物好きのジャック・王がブレーメンを狙って乗り込んだりと、気が休まる暇がないぐらいいろいろな事件が持ち上がる。
きわめつけは
2006年08月24日
![]() | メイプル戦記 (第1巻) 川原 泉 白泉社 1999-06 by G-Tools |
![]() | メイプル戦記 (第2巻) 川原 泉 白泉社 1999-09 by G-Tools |
ペナントレースも佳境に入りましたが(本とかな?中日が首位ですが盛り上がりに欠けてるのか?わたしは一応中日応援していますけど)、もしも女性もプロ野球選手になれるのだったら…。
そんな夢が詰まった物語、「メイプル戦記」のご紹介。
これは、川原流「メジャーリーグ」なんですよね!
「メジャーリーグ」、トム・ベレンジャーとかチャーリー・シーンとかウェズリー・スナイプスとかが出てるあの映画ですよ。
弱小球団が一念発起で最後は優勝すると言うベタベタな展開の、あれ。
で、その映画がわたし大好き!ベタで結構。ベタで何が悪い。ベタだけど何度見てもラストで泣けて泣けてたまらんのです!
で、この「メイプル戦記」を読んでもやっぱり、泣ける泣ける!あの「メジャーリーグ」と同じような感動を、いやそれ以上の感動があったなぁ♪
登場人物は「甲子園の空に笑え!」で、理科担当の新任教師でありながら若いと言う理由だけで野球部の顧問にさせられた、しかし、その後監督としての頭角をあらわし、選手チームを甲子園に導くと言うあの広岡真理子先生です。
「甲子園の空に笑え!」も感動的だったけど、こっちはペナントレースの優勝争いにかかわり、その真理子監督が選手とは違うところで身を切るような辛さを味わい苦しみ悶絶しつつ、結局は勝負よりも優勝よりも大切なものがある!と気付かせてくれるあたりの感動ってば…。うるうるる…。

2006年07月18日
●甲子園の空に笑え!
川原節炸裂のスポ根マンガ!!
って、これほど「熱血」と言う言葉から程遠い野球マンガは他に類を見ないのではないでしょうか?ものすごく、気が抜けています。もちろん、いい意味で。
主人公の広岡真理子22歳新任教諭、九州A県B郡の私立豆の木高校に着任した。そこは1学年130人前後という小規模高校で、当然部活などの予算も少なく、野球部は監督の問題で困っていました。
監督を外から雇う予算もなく、かといって、教師たちにしてもらうには、あまりにも老体の先生ばかり。
しかし、野球部が目をつけた「うんと若い理科の先生」とは!!
それが広岡真理子教諭22歳なのだった!!
最初はしぶしぶ監督を引き受けて、編物なんぞをしながら!野球部の練習風景を見ていた真理子だけれど、ふっと思い立った部員たちから「ノック」を頼まれた!
編み棒をバットに持ち替えて、真理子は打つ!これがなぜか当たる!真理子には天性のバッティング能力が備わっていたのだった~~!!
川原節炸裂のスポ根マンガ!!
って、これほど「熱血」と言う言葉から程遠い野球マンガは他に類を見ないのではないでしょうか?ものすごく、気が抜けています。もちろん、いい意味で。
わしらは
栄冠とか優勝とか
そんなもんに
輝かなくてもいいんだな
人間
妙な欲を出しちゃいかんのだな
豆の木の豆たち
それでいい
…ただ
あー
きょうも
運が良いといいね
楽しいといいね
幸せだといいね
主人公の広岡真理子22歳新任教諭、九州A県B郡の私立豆の木高校に着任した。そこは1学年130人前後という小規模高校で、当然部活などの予算も少なく、野球部は監督の問題で困っていました。
監督を外から雇う予算もなく、かといって、教師たちにしてもらうには、あまりにも老体の先生ばかり。
しかし、野球部が目をつけた「うんと若い理科の先生」とは!!
それが広岡真理子教諭22歳なのだった!!
最初はしぶしぶ監督を引き受けて、編物なんぞをしながら!野球部の練習風景を見ていた真理子だけれど、ふっと思い立った部員たちから「ノック」を頼まれた!
編み棒をバットに持ち替えて、真理子は打つ!これがなぜか当たる!真理子には天性のバッティング能力が備わっていたのだった~~!!
2006年07月12日
![]() | 銀のロマンティック…わはは 川原 泉 白泉社 1986-07 by G-Tools |
『笑う大天使』と共にわたしが川原さんの作品中一番すきなのがこれ!!『銀のロマンティック…わはは』です。
まず、そのプロローグで一気に釣り込まれました!だってね、フィギュアのペアのスケーター二人が、銀盤の上でにこやかに輝くようなツーショット。
彼らは織る
銀色に透明な
真のロマンティック・スケートを…
無敵のロマンティックを
完璧に『少女マンガ』の世界です!!
が、その直後
ふたりは「わはは~」と笑いながら
なんちゃって…
なんちゃって…
なんちゃって…
と、遠ざかってゆく。
この「なんちゃって…」に、川原漫画の真骨頂を見るような気がするのです。
主人公は由良更紗。
父親は高名なバレエダンサーである。
父親は更紗をバレリーナにしようと日夜特訓をするが、人間には向き不向きと言うものがあり、更紗には「バレエ」のような優雅さと情緒豊かな細やかな表現を必要とする感性の世界は、まったく不向きであった。
何せ更紗が足を上げたりポーズをつけようとすると、その動作には『ブン!ブン!』という音が唸るほどパワフルなのだ。
だけど、更紗には実力があった。その実力は、もう一人の主人公、影浦忍に会った時、開花への道をたどることになる。
影浦忍はスピードスケートの選手で将来を嘱望された若手実力者であった。が、国際選手権の試合中イワン(のばか)と接触して転倒、足を故障してしまう。
⇒ short (06/24)
⇒ お (06/20)
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⇒ 六猫合体キャットマーズ (01/03)
⇒ 栗ごはん (10/21)