2007年03月16日
![]() | ひかりのまち 浅野 いにお 小学館 2005-06-17 by G-Tools |
ひかりのまち・・・その名前の新興住宅地で起きる日常、ごく普通の日常とは言えないのですが、この作者にかかると「何処かで本当に起きている日常」と言う感じがひたひたとしてきます。
重苦しいです。はっきり言って。出来れば目をそむけていたい。でもちゃんと見なさい、世の中の様子を。そう背中を押されるような気分になる作品。
構成は最初に「ごく普通の日常を送る人たち」を描くと見せかけて、その後の展開で彼らの「ハードな日常」を掘り下げる形。そのどれもが残酷であり物悲しさをはらんでいて、気分がよくなると言う類の作品でないのに、ラストの収まりが案外に後味がよいものなので、これを一冊に纏め上げる手腕ってすごいなと感心させられます。ドラマティックなような、大してドラマティックでないような。それをここまで重苦しく描けるとは。
自殺幇助の請負人のタスクと、仲良しのハル子の話が良かった(怖かった)ストーカー男にはそれなりに、彼の守りたいものがあり・・・。世の中こう言う連鎖の中で成り立ってるんだなぁと感じます。
たとえば、夜電車に乗ると窓から町の明かりが見えます。一戸一戸の家の窓に、それぞれ明かりがともっていて、その明かりの数だけ人生があると思う。このマンガ読んだ時のキモチってその明かりを見た時のキモチに似てる。
あさみさんにお借りしました。ありがとう♪
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2007年02月13日
![]() | ソラニン 1 (1) 浅野 いにお 小学館 2005-12-05 by G-Tools |
![]() | ソラニン 2 (2) 浅野 いにお 小学館 2006-05-02 by G-Tools |
何をしたらいいのか
どこに向かえはいいのか
そんな自問自答は誰しも経験があるでしょう。
大人になりきれず、かといって子どものままでもいられない。
そんな時期の若者の心理描写が見事に描かれていて、
そして、生きる事と真剣に向き合っている
主人公たちの姿に胸を打たれた物語。
おススメの一冊でした!
どこにでもいるようなOL2年目の芽衣子は、学生時代からの恋人梶田とゆるゆるっとした同棲生活を楽しんでいます。
梶田はイラスト描きのバイトをしながら、ライブの当てもないバンドの練習を週2回のペースで続けている。
OLという枠の中が苦しく感じられたり、自分いは別の人生があるのではないかと考えてみたり、もっと自由に生きてみたいと思ったりする一方で、まじめにつつましく生きる無難さを肯定してみたり・・・。ゆれる心をもてあます芽衣子。
でも、その芽衣子が会社をスパっと辞めてしまうのです。
そこから物語は始まります。
結構お給料が高い会社だったようなので、それなりにためた貯金。
で、その貯金が底をつくまでには、次のことを考えないといけないというタイムリミットつきの「自由」の中で、梶田との関係を深く突き詰めて考える芽衣子。
芽衣子が会社を辞めたことで「現実」に直面せざるを得なくなった二人の関係は、今までと違う危うさを持ち始めるのです。
梶田は梶田でいろいろと考えてる。バンドの事、芽衣子との将来のこと、自分の将来のこと・・・。
がんばって作ったデモテープが無駄になり、自分が音楽をやるきっかけを作ったバンドマンの変わり果てた姿を見て、梶田の心中も揺れる。
そして、ふいっと芽衣子の前から姿を消します。
何日間もかかって梶田が出した結論は、仕事もしてバンドも続けて、そして芽衣子とふたりで幸せになる。
そのキモチを芽衣子に電話で伝えて、そして…
以下クリックしてどうぞ(ネタバレしています)
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