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金魚屋古書店 11/芳崎 せいむ

2012年03月05日
409188332X金魚屋古書店 11 (IKKI COMIX)
芳崎 せいむ
小学館 2010-11-30

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すごく久しぶりに「金魚屋古書店」のことを書きます。
この11巻の第72話には、私の大好きなマンガが取り上げられているから。
それは「おしゃべり階段」です。
(拙ブログの感想ページはこちらです。かなり前に書いたので文章が・・お恥ずかしいです滝汗!!)

本当はゲイなのに、それを隠して生きている窮屈さに苦しんでいる主人公を、バーンと解き放ったのが「おしゃべり階段」でした。本当の自分でいいんだよ、ありのままのあなたでいいんだよ・・・と語りかけてくれた「おしゃべり階段」。

巻末のコラム「金魚屋古書店雑記帳」に書いてありますが、それまでは少女マンガのラブストーリーは「ファンタジー系」だったのが、この作品以降「リアル」「等身大」の「身近」な物語になっていったとのこと。少女マンガの革命的作品だったそうです。実際にその流れの中に身を置いていたリアルタイム読者の私。それまでは「特別」な女の子だけが主人公だったのに、この作品以降、ごく普通で身近なイメージの、どっちかというとドジだけど、ひたむきにがんばる姿が共感を呼ぶという設定に変わっていったのかな~。
私にとっても、くらもちふさこ作品の原点と言えば、この「おしゃべり階段」ですから、もうとても嬉しく本作品も読みました!
今も現役で第一線どころか、ものすごくドキドキとときめかせてくれる物語を読ませてくださるくらもち先生、本当に偉大です。


えっと・・・なんの記事かわからなくなってしまいましたが(^_^;)
この金魚屋・・11巻には、長年読んでいる「ビッグコミックオリジナル」の話や、少女マンガ黎明期のリボンの騎士や水野英子、西谷祥子、忠津陽子各氏の作品に限りなくあこがれる女の子が、金魚屋のイケメン5に出会う物語など・・・とても面白く読みました。
長い連載ですが、いつも面白くて感心してしまいます。



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金魚屋古書店 (5)/芳崎 せいむ

2007年07月01日
4091883656金魚屋古書店 5 (5)
芳崎 せいむ
小学館 2007-05-30

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今日は七月一日、こちらでは圧倒的な購読者数を誇る(?)中日新聞に今日から「ちびまるこちゃん」の4コマ漫画の連載が始まりました。
今日は初日だったから?オールカラーと言う豪華さ。毎日の連載は大変だろうけど、読者はうれしいですね!ちなみに、今日は人物紹介かな。おねえちゃんの名前がさきこちゃんというのは知っていたけど、おばあちゃんの名前がこたけさんとは知らなかった。

さて、「金魚屋古書店」の5巻、斯波ちゃんがついに就職を!!
●漫画のない国・2

菜月の父親はかの鏑木清太郎の息子に生まれて、物心ついたときから漫画の中で生きてきた。そのため逆に拒否反応を起こして漫画が大嫌いになってしまった人なのです。
斯波ちゃんはそんな菜月父に「菜月さんをください」と申し込みに行ったのです。が「ドーベルマン刑事」と「おやこ刑事」の区別がつくようなやつは嫌い!と言う理由で却下。
しかし、父は斯波にある条件を出し、クリアできたら認めてやると言ったのです!!(菜月の気持ちは無視しまくり)
その条件とは、自分の会社で1日きっちり勤め上げる事!
案外簡単そうなその条件には、大きな落とし穴があったのです。
それは、漫画のキライな菜月父(社長)の意思により、会社の中では漫画を読むことも見ることも、そして漫画の話題を出す事も厳しく禁じられているのでした。そんな中で漫画王の斯波ちゃんが一日がんばれると言うのか?否、否、それを見越して菜月父はその条件を出したのです。
新聞の4コマ漫画さえも切り取って捨ててしまうと言う、漫画の徹底排除。禁断症状にあえぐ斯波ちゃん、どうする??


+++++++

「金魚屋古書店」には「金魚屋古書店雑記帳」と言う、巻末お役立ちコラムが収録されてて、これを読むのも楽しみの一つなのですが、今回「新聞漫画」について書かれているのが興味深かったです。
たとえば、毎日新聞に連載されていた「まっぴら君」は1954年から2001年まで、なんと47年間も連載されていたらしいけど、これは「こち亀」も真っ青な長さだそうです。読売新聞の「サンワリ君」も66年から04年までの38年だそうで。すごい!
あと、手塚治虫大先生も新聞漫画がデビューだったんですって。画家の東郷青児さんも新聞漫画を描いていらしたそうです。

わたしが読んできたのは朝日新聞と中日新聞なのですが、朝日新聞では「サザエさん」を一時期連載していました。読むのが楽しみだった記憶があります。で、新聞の切抜きを台紙に貼り付け、手作りの「単行本」とまでは行かなかったけど、まとめて読める代物を作った事もあります。友達に貸してあげたら、その家のお母さんにゴミと間違われて、捨てられてしまったのが、当時は悲しかったけどお母さんから見たら、ゴミにしか見えないほどみすぼらしい代物だったのですね(^^ゞ
で、ここで冒頭の話題「ちびまるこちゃん」新聞連載のはなしに戻りますが(回りくどくてすみません)、思わず「毎日切り抜いてスクラップしていこうかしら」と思ったのでした。
でも良く考えればそんなことしなくても、きっと単行本が出るよね。それを買えば良い話です。
「新聞漫画」と「切り抜き」と「金魚屋古書店」が結びつき、記事アップになりましたとさ。

ちなみに今回「金魚屋」5巻の内容は↓





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テレキネシス山手テレビキネマ室 (3)/芳崎 せいむ

2006年12月17日
4091808042テレキネシス山手テレビキネマ室 3 (3)
東周斎 雅楽 芳崎 せいむ
小学館 2006-11-30

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金魚屋古書店」でブレイク中の芳崎さんの「映画ばかのための漫画」テレキネシスです。
1巻2巻の感想はこちらです。
実はわたしは「金魚屋古書店」も良いけどこっちのほうが人間ドラマとしてよく描けてると思うのです。
社会の中で組織の中で生きることの難しさとか、本音と建前の折り合いというか、そういうものを、そういうものにまったくとらわれない東崋山という主人公によってえぐると言うか。


印象に残った漫画の内容は・・・

崋山と信夫君が飲みながら父親の話をしている。
信夫君の父親は義理の父親だけど、とっても尊敬してよい関係にある。
それは過去のある事件がきっかけでした。
義父を疎ましく思った信夫は不良グループに入り、あるとき警察沙汰にまでなってしまう。しかし、そのとき信夫は実は無実だったのだ。
警察から釈放される信夫を迎えに行った義父は、信夫を補導した警察に「信夫に謝ってくれ」と
詰め寄る。
そして自分自身も信夫に深々と頭を下げたのだ。
信夫と義父が気持ちを通わせあうことの取っ掛かりとなったこのエピソード、実は信夫の実の父親が関係していた。
実の父親は、信夫から見てもどうしようもない男であったが、父親として信夫を思う気持ちは真実のもので、補導されても信夫を信じていたのだ。
父親が無条件で信夫を信じる姿を目の当たりにして、義父も気持ちを入れ替えた・・・。
しかし、義父はそれを今まで口に出せずに来たのだけど、いま、その実の父親が余命いくばくもないと知り、信夫に会わせてやりたいと考える。そのために、自分の「弱み」でもあるその過去を信夫に告白する気持ちになったのだ。
本当の家族は「弱みを見せ合うことが出来るもの」
またひとつ、信夫は義父と絆を深め合ったのだろう。

この信夫と義父が崋山に薦められてみた映画が、この作品のタイトルともなっている「アラバマ物語」。
なんと、この作品で主演のグレゴリー・ペックが「アラビアのロレンス」のピーター・オトゥールを抑えてオスカーを受賞したいわくある作品だそうです。
監督はロバート・マリガン。
アメリカ史上最高にして最良の父親を描いた作品だそうです。

わたしも、この映画は見たい!

ちなみに、監督とペックのタッグでは「レッドムーン」と言うのも面白そうです。

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金魚屋古書店(4)/芳崎せいむ

2006年12月17日
409188346X金魚屋古書店 4 (4)
芳崎 せいむ
小学館 2006-11-30

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「金魚屋・・・」を読むと「マンガ」が無性に読みたくなり、すぐさまBオフに走りたい衝動に駆られます!
あ~~~しまった。こないだ、わたなべまさこのマンガを見つけたのに買わなかったなぁ、買えばよかったなぁ!とかね。

今回みょーに頷いてしまったのは、初登場のめがね君「笹山さん」。
言っちゃ悪いけどものすごくぶ~!なご面相で、でも、ひとたび部屋に入ればそこは整然と美しく並べられた少女マンガの世界。
この彼が初めて金魚屋に来て、そこに居並ぶイケメンたちがマンガの世界についてとうとうと語るのを見て
「揃いも揃って顔もスタイルもいい男たちが
知ったような口ぶりで漫画の話をしてるのって
なんか むかつくんだよ!
わけなんかない!
ただ無性に“お前たちに何がわかる!!”
って風に感じるんだよ!」
という言葉・・・。
なーんか、すごく納得してしまいましたがな(笑)
それにしても、斯波ちゃんがいっつもああいう紙袋を持ち歩いてるのがおかしかったですね。

あとキンコさんに振られた藤田さんが 自分のことを
「『ベルばら』のジェローデルのような気分」と言うのがいいですね。
そこでジェローデルを持ってくるか!藤田!!
みたいな(笑)



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金魚屋古書店(3)/芳崎せいむ

2006年04月04日
409188315X金魚屋古書店 3 (3)
芳崎 せいむ
小学館 2006-03-30

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「金魚屋古書店」の1、2巻の感想はこちらです

第3弾はいきなり、「楳図サロン」(笑)
街中でナンパな男が一目ぼれした少女は、なんと世にも恐ろしいホラーマンガを持っていた!!そして、その男は…。ものすごく怖がりだったのです!!
二人の関係に未来はあるのか…!
と言う話でもないんですけどね(笑)
うちにもあります。楳図作品の感想。こちらをどうぞ

明日の場所」では白土三平作品を読みふける中年男たちが登場!
白土三平作品の感想もありますよ。こちらです
ストーリー中に出てくる「真田剣流」「剣風記」なども、うちにありますので後ほどアップの予定。
登場するシラトさんって言うおじさん、白土三平ばっかり読んでるからこう言うあだ名をつけられたんかね。

山吹の巻
今回これが一番ぐっと来ましたね!!
なんと、セドリ仲間のオカドメはアユに嫌われてると思い込んでる。
心が通じないと悩むオカドメに斯波ちゃんが出したアドバイスは「太田道灌の山吹の話」---蓑を借りようとした太田道灌が、娘に山吹を手渡された。訳がわからず怒る道灌。しかし、「七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに無きぞ悲しき」と言う歌を知り、(蓑がない=『実の一つだにない』)娘の風流を解したという---のように、気持ちをマンガに託して伝えろ!と言うのですが(この喩えは回りくどくないかしら(笑))
オカドメは斯波ちゃんに言われたようにアユにマンガをプレゼントする。気持ちを託して。しかし通じなーい!!(笑)
「たった一人の女を前にして今まで読んできたものが何の役にも立たない」とうなだれるオカドメ。
そこで、斯波ちゃんが金魚屋の店長の言葉を伝えるのですが、この言葉が、ぐっと来るんですよね!!
「マンガは無力じゃない、それを読む人間が無力なのだ
だけど、マンガは『別に無力でもいいんだよ』と言ってくれる。
それを読んでみんな力が湧いてくる」
マンが好きにはたまらない、一生もんのセリフでしょ~♪

ビリーと店長の底なし珍道中記
では、「てんとう虫コミックス」の名前の由来が。
それは「てんとう虫の歌」から。
感想はこちら

…と、このようにですね、
「金魚屋古書店」を読むと、そこに登場するマンガのいくつを読んだのか、持ってるのか、知っているかが、ひじょーーーに気になって仕方がないんですよね!
娘にも「これと、これと、これはうちにある。それから、これとこれは読んだぞ!」と、自慢してみたり…。(情けない親だ…)

でも、絶対、登場するマンガを網羅したくなるよ。これを読むと。
間違いないです!!(笑)
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テレキネシス/芳崎 せいむ

2006年01月25日
テレキネシス山手テレビキネマ室 1 (1)
東周斎 雅楽 芳崎 せいむ
4091875912

テレキネシス山手テレビキネマ室 2 (2)
東周斎 雅楽 芳崎 せいむ
4091875920


金魚屋古書店」の芳崎せいむさんの、今度は「映画好きの、映画好きによる、映画好きのための『マンガ』」!!
原作は、「イリヤッド」(ビッグ・コミック・オリジナルに連載中)の東周斎雅楽氏。

わたしも、割と幼いころから映画は結構見てきたほうだと思うのだけど、もう、全然見たことがないような映画がたくさん!これじゃ、映画ファンとは名乗れないなぁと思ったぐらいだけど、でも、古い映画が殆どなので知らなくても仕方が無いかなぁと…。

タイトルは知ってても、なかなか昔の映画ってわざわざと借りたりして見ることって少ないと思うのだ。今、新作の映画を見るのに精一杯だし。でも、このマンガを読んで「見よう!」と思う作品の多いこと!!

しかし、本書の魅力はただ映画の紹介にとどまらない。

テレビ局内の人間模様を、変わり者で鼻つまみ的な存在の東崋山(アズマ・カザン)と、その部下となった新入社員の野村マキノを通して描く。
カザンは悩める人間にアドバイスするかのごとく適切な映画を見せてその人の悩みや迷いをサポートするのだ。とってもさりげなく。
そのカザン。一見、どうしようもないお荷物社員という設定なんだけど、実はものすごく有能なのかもしれない。
しかし、有能だからと言ってそれが即出世につながらないところらしいのだよね。テレビ業界は。
普段見ているドラマやバラエティーも、実はこんな人たちが作っているのかもしれないと言う、裏読みが出来たりもする。

でも、なによりもカザンという人物に大いに魅力があるのだ。
そして、彼の映画の読み方が深い!!
一話一話が、古い映画を題材にして(たまに新しいのもあるけど)展開するのだけど、その映画以外にもたくさんの映画に触れているので、1巻で30作品ぐらいの映画のタイトルが登場する。

読み終わったら、もう、絶対にレンタル店に行きたくなること請け合い!!
また、各章の末尾にある「テレキネシス別館」では園村昌弘氏による映画の解説。時代背景や俳優監督などの人間模様をおりこみ、映画のいわれまで紹介されていて映画を見ていなくとも、その映画の見所が伝わってくると言うスバラシさ。しかし、ぼかしてあるところもあって、どうしても見たくなるんですよね♪うまい!!

既出タイトルはこちら↓
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