2006年02月28日
たとえて言うなら
モノトーン調の静謐な空間に身を置くような
そこだけ時間がゆったり流れるような
不思議で心やすまる雰囲気のマンガです。
画力が凄いので(マンガ家さんは誰でもうまいけど)
特にカラーの水彩画は独特の趣があり、魅入ってしまうのです。
こんな不思議な物語を次から次へよくまぁ
思いつく、と尊敬。
短編集「フィラメント」感想と、「蟲師」DVD、サントラ情報はこちら。
蟲師 7 (7)
漆原 友紀

+++7巻+++
「花惑い(はなまどい)」
ギンコは有名な桜の木を見ようと思い立ち、立ち寄ってみた。
だけど、桜は枯れてしまっていて花をつけた形跡はない。
その側には、医者が住み、遠方からも薬を求めて訪れる人がいた。
ギンコがそこで見た不思議な物言わぬ若い女、佐保。
医者と思っていた男は、実は庭師で何代もかけて桜を守ってきたのだった。
そして、男は不思議な恐ろしいやりかたで佐保を守っていたのである…。
蟲:木霊
木霊の宿った木は長寿になるが、動物に入り込むと五感を麻痺させる。
桜って、ほんと、ちょっとホラーですよね…。
綺麗で恐ろしい。
「鏡が淵」
森の奥の沼で、こない男を待ちつづけ、やがては体を壊してしまった娘、真澄。しかし、体調が悪いのは気持ちのせいだけではなく、蟲のせいでもあった。
その蟲は「水鏡」。池の水面に映った動物の姿を真似て陸に上がり、後を付いて歩くうちに本人と入れ替わり、「実体」を得ることで自由に動き回るようになる。
真澄は、「水鏡」につかれていたのだった。
しかし、恋しい男が来ない真澄は、自分の体を水鏡にくれてやってもいいとさえ、思うのだった…。
めずらしく、ギンコに惚れる女登場??
めちゃくちゃ渋くてカッコ良いギンコですが、あんまりモテてるところ見たことないよね。
行く先々で、モテまくってたら違う話になってしまいそうだモンね(笑)。
「雷の袂(いかずちのたもと)」
その家の大きな木に、何度も雷が落ちると言う。
それはなんらかの要因が働いている…蟲かも…と、ギンコはやってきた。
その家の息子レキのヘソに蟲が住み付いていて、いつもその木の下で雷に打たれると言う。
レキは母に愛されない子供だった…。
蟲:招雷子(しょうらいし)
上空に住む蟲だが、落雷の拍子に地上に落ちる。
自力で上空に戻れないため、木の窪みや人のヘソに入り込んで、養分となる雷が落ちるのを待つ。
愛せない母に、子供の「想い」が切なく胸を打つ。
「棘のみち(おどろのみち)」
とある山の中で蟲の異常が見つかった。
淡幽に頼まれてギンコがそこに行くと、一度生命を失った植物が、息を吹きかえしていた。
その場を取り仕切る蟲師である薬袋(みない)一族のクマドに出会ったギンコは、後をついて森の奥深くに入り込んでいくのだった…。
薬袋一族に課せられた、過酷な運命とは…。
ギンコ、最大のピンチ?
蟲:核喰蟲(さねくいむし)
棘の道に住み、魂を食う。
なにも感じないクマドが哀れでもあり、しかし、寄り添おうとする淡幽の優しさにほっとする一遍。
蟲師 (6)
漆原 友紀

+++6巻+++
「天辺の糸(てんぺんのいと)」
普段は尾のついた風船のような形をしていて
光脈筋の遥か上空で、小さな蟲を食べて生きている。
でも、エサに不足すると、糸のような触手を垂らす。
蟲の名は「天辺草」。
この糸に触った少女、吹の物語。
吹にはこの蟲が「ほうき星」のように見えた。
もしも、人には見えない彗星が、自分だけに見えたら
それは彗星じゃなくて、天辺草かも…。
明るくなったら空の星は見えなくなっても
本当はそこに在る。それを忘れないで…。
「夜を撫でる手(よるをなでるて)」
腐酒(ふき)、光酒の腐れたもの。
本来なるはずの蟲になれずに赤い泥状になって
地下水から湧き出るが毒性が強く、口に入ると死ぬ。
稀に毒に耐える体質の人間がいるが
宿主となり不思議な力を得る。
その力を持つ兄、辰と弟卯介の物語。
山の中でひっそりと生きるきょうだいの姿が印象的。
「雪の下(ゆきのした)」
雪蟲には色んな種類があるらしい。
一見、雪の結晶と似た形だけど
ちょっと異形。
『雪ならし』は動物の足跡に住み着く蟲で
コレが多いと足跡がたちまち消えてしまう。
狩りや人探しには、ちょっとお邪魔な存在。
『雪団子蟲』は雪の上を転がって雪だまになり
時には大きくなって木にぶつかり雪崩を起こしたりもする。
『常雪蟲』は群で行動して、動物の固体を特定して
まとわりつく。そして体温を奪う。
その動物などの周りにはいつも雪が降っているように
見える。
ギンコのハナシを聞いていた妙はトキのところへ
ギンコを連れて行く。
トキの周りにはいつも雪が深く積もり
本人も寒さを感じないのだ。
湖で妹を亡くしたそのときから…。
妹の死を受け入れていくトキ、トキを思う妙の気持ちが
心に沁みる一編です。
その他「囀る貝」「野末の宴」収録
モノトーン調の静謐な空間に身を置くような
そこだけ時間がゆったり流れるような
不思議で心やすまる雰囲気のマンガです。
画力が凄いので(マンガ家さんは誰でもうまいけど)
特にカラーの水彩画は独特の趣があり、魅入ってしまうのです。
こんな不思議な物語を次から次へよくまぁ
思いつく、と尊敬。
短編集「フィラメント」感想と、「蟲師」DVD、サントラ情報はこちら。
蟲師 7 (7)
漆原 友紀

+++7巻+++
「花惑い(はなまどい)」
ギンコは有名な桜の木を見ようと思い立ち、立ち寄ってみた。
だけど、桜は枯れてしまっていて花をつけた形跡はない。
その側には、医者が住み、遠方からも薬を求めて訪れる人がいた。
ギンコがそこで見た不思議な物言わぬ若い女、佐保。
医者と思っていた男は、実は庭師で何代もかけて桜を守ってきたのだった。
そして、男は不思議な恐ろしいやりかたで佐保を守っていたのである…。
蟲:木霊
木霊の宿った木は長寿になるが、動物に入り込むと五感を麻痺させる。
桜って、ほんと、ちょっとホラーですよね…。
綺麗で恐ろしい。
「鏡が淵」
森の奥の沼で、こない男を待ちつづけ、やがては体を壊してしまった娘、真澄。しかし、体調が悪いのは気持ちのせいだけではなく、蟲のせいでもあった。
その蟲は「水鏡」。池の水面に映った動物の姿を真似て陸に上がり、後を付いて歩くうちに本人と入れ替わり、「実体」を得ることで自由に動き回るようになる。
真澄は、「水鏡」につかれていたのだった。
しかし、恋しい男が来ない真澄は、自分の体を水鏡にくれてやってもいいとさえ、思うのだった…。
めずらしく、ギンコに惚れる女登場??
めちゃくちゃ渋くてカッコ良いギンコですが、あんまりモテてるところ見たことないよね。
行く先々で、モテまくってたら違う話になってしまいそうだモンね(笑)。
「雷の袂(いかずちのたもと)」
その家の大きな木に、何度も雷が落ちると言う。
それはなんらかの要因が働いている…蟲かも…と、ギンコはやってきた。
その家の息子レキのヘソに蟲が住み付いていて、いつもその木の下で雷に打たれると言う。
レキは母に愛されない子供だった…。
蟲:招雷子(しょうらいし)
上空に住む蟲だが、落雷の拍子に地上に落ちる。
自力で上空に戻れないため、木の窪みや人のヘソに入り込んで、養分となる雷が落ちるのを待つ。
愛せない母に、子供の「想い」が切なく胸を打つ。
「棘のみち(おどろのみち)」
とある山の中で蟲の異常が見つかった。
淡幽に頼まれてギンコがそこに行くと、一度生命を失った植物が、息を吹きかえしていた。
その場を取り仕切る蟲師である薬袋(みない)一族のクマドに出会ったギンコは、後をついて森の奥深くに入り込んでいくのだった…。
薬袋一族に課せられた、過酷な運命とは…。
ギンコ、最大のピンチ?
蟲:核喰蟲(さねくいむし)
棘の道に住み、魂を食う。
なにも感じないクマドが哀れでもあり、しかし、寄り添おうとする淡幽の優しさにほっとする一遍。
蟲師 (6)
漆原 友紀

+++6巻+++
「天辺の糸(てんぺんのいと)」
普段は尾のついた風船のような形をしていて
光脈筋の遥か上空で、小さな蟲を食べて生きている。
でも、エサに不足すると、糸のような触手を垂らす。
蟲の名は「天辺草」。
この糸に触った少女、吹の物語。
吹にはこの蟲が「ほうき星」のように見えた。
もしも、人には見えない彗星が、自分だけに見えたら
それは彗星じゃなくて、天辺草かも…。
明るくなったら空の星は見えなくなっても
本当はそこに在る。それを忘れないで…。
「夜を撫でる手(よるをなでるて)」
腐酒(ふき)、光酒の腐れたもの。
本来なるはずの蟲になれずに赤い泥状になって
地下水から湧き出るが毒性が強く、口に入ると死ぬ。
稀に毒に耐える体質の人間がいるが
宿主となり不思議な力を得る。
その力を持つ兄、辰と弟卯介の物語。
山の中でひっそりと生きるきょうだいの姿が印象的。
「雪の下(ゆきのした)」
雪蟲には色んな種類があるらしい。
一見、雪の結晶と似た形だけど
ちょっと異形。
『雪ならし』は動物の足跡に住み着く蟲で
コレが多いと足跡がたちまち消えてしまう。
狩りや人探しには、ちょっとお邪魔な存在。
『雪団子蟲』は雪の上を転がって雪だまになり
時には大きくなって木にぶつかり雪崩を起こしたりもする。
『常雪蟲』は群で行動して、動物の固体を特定して
まとわりつく。そして体温を奪う。
その動物などの周りにはいつも雪が降っているように
見える。
ギンコのハナシを聞いていた妙はトキのところへ
ギンコを連れて行く。
トキの周りにはいつも雪が深く積もり
本人も寒さを感じないのだ。
湖で妹を亡くしたそのときから…。
妹の死を受け入れていくトキ、トキを思う妙の気持ちが
心に沁みる一編です。
その他「囀る貝」「野末の宴」収録
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2006年02月26日
B級グルメ倶楽部
今 市子

今市子さんにはまり中 第5弾!(しつこいですか~)
第1弾⇒百鬼夜行抄
第2弾⇒大人の問題
第3弾⇒いとこ同士
第4弾⇒あしながおじさん達の行方
今回の「B級グルメ倶楽部」は、著者ご自身の言葉によると「禁断のタイムカプセル第2弾」とのこと。
表題作は2編に別れてて、2編目は書き下ろしだそうです。
第一話では、高校時代お互いに好き同志でありながら、すれ違ってしまった二人が社会人になって再会し、ようやく積年の想いを遂げることが出来る…のか??と言う話です。「?」も含めてね。
これだけでも充分おもしろい物語で完結度は高いんですけど、ふたりの続きが気になって仕方がないと思うので、書き下ろしで続編を書いてもらって正解です!
この続編が、ますます欲求を満たしてくれて、(と言っても、激しいシーンはありませんので。)ニンマリさせてくれます!
主人公の吉野(彼は世間にカミングアウト済み)が好きになった相手は、高校時代はバドミントン部でセンパイだった鬼塚耕三。その名のとおり、怖いイメージ。
でも、彼も主人公のことが好きで好きでたまらないという感じが、なんか…
むふふ…
…って感じなんですね(笑)。(こればっか)
いいです。二人の距離が縮まるまでの紆余曲折。
ちょっと、萌え?(笑)
背広同士の絡み…。会社の給湯室で抱き合う、キスする、背広の男たち。うーん、衣擦れの音が聞こえそうで…良いわ~~~(爆)。
そして同時収録の「微笑」
これも昔の知り合いが、偶然出会って昔話をして、そして積年の想いを遂げる…と言う話ですが。
今まで読んだ今市子作品の中で一番「それらしい」描写がありました。
でも、そんな直接的なものじゃなくて、とってもソフトです。
いや~~。いいもんですね。こう言うのも。
普通の男女の恋愛よりも切なさが、倍増しします。
「絶対0度」「-6m」「灯をかかげて」
これは連作になってて、「木村&為永シリーズ」です。
BLですが、ホラーとの合体。
著者が子宮筋腫で手術したときのエッセイマンガ「病院日記」も収録。
BLにはまる女の気持ちが、ひじょーーによくわかる今日この頃。
うーん、やばいかも。
誰か…
止めてください…。
いや…、止めないで(爆)。
今 市子

今市子さんにはまり中 第5弾!(しつこいですか~)
第1弾⇒百鬼夜行抄
第2弾⇒大人の問題
第3弾⇒いとこ同士
第4弾⇒あしながおじさん達の行方
今回の「B級グルメ倶楽部」は、著者ご自身の言葉によると「禁断のタイムカプセル第2弾」とのこと。
表題作は2編に別れてて、2編目は書き下ろしだそうです。
第一話では、高校時代お互いに好き同志でありながら、すれ違ってしまった二人が社会人になって再会し、ようやく積年の想いを遂げることが出来る…のか??と言う話です。「?」も含めてね。
これだけでも充分おもしろい物語で完結度は高いんですけど、ふたりの続きが気になって仕方がないと思うので、書き下ろしで続編を書いてもらって正解です!
この続編が、ますます欲求を満たしてくれて、(と言っても、激しいシーンはありませんので。)ニンマリさせてくれます!
主人公の吉野(彼は世間にカミングアウト済み)が好きになった相手は、高校時代はバドミントン部でセンパイだった鬼塚耕三。その名のとおり、怖いイメージ。
でも、彼も主人公のことが好きで好きでたまらないという感じが、なんか…
むふふ…
…って感じなんですね(笑)。(こればっか)
いいです。二人の距離が縮まるまでの紆余曲折。
ちょっと、萌え?(笑)
背広同士の絡み…。会社の給湯室で抱き合う、キスする、背広の男たち。うーん、衣擦れの音が聞こえそうで…良いわ~~~(爆)。
そして同時収録の「微笑」
これも昔の知り合いが、偶然出会って昔話をして、そして積年の想いを遂げる…と言う話ですが。
今まで読んだ今市子作品の中で一番「それらしい」描写がありました。
でも、そんな直接的なものじゃなくて、とってもソフトです。
いや~~。いいもんですね。こう言うのも。
普通の男女の恋愛よりも切なさが、倍増しします。
「絶対0度」「-6m」「灯をかかげて」
これは連作になってて、「木村&為永シリーズ」です。
BLですが、ホラーとの合体。
著者が子宮筋腫で手術したときのエッセイマンガ「病院日記」も収録。
BLにはまる女の気持ちが、ひじょーーによくわかる今日この頃。
うーん、やばいかも。
誰か…
止めてください…。
いや…、止めないで(爆)。
2006年02月24日
いとこ同士
今 市子

今市子さんにはまり中、その3弾です。
第1弾⇒百鬼夜行抄
第2弾⇒大人の問題
この本は、今市子さんの昔の作品集みたい。
同人誌や商業誌に発表されたものだそう。
表題の「いとこ同士」と「けど…」と「逢いびき」は連作になっていて、無論いとこ同士でありながら恋人となる二人の青年の、後ろめたさや切なさを描いてあります。
いとこということは、自分の親から見たら血のつながった「甥ッ子」なんですから、罪悪感やばれたときのことを思うと胃の縮むような思い、だけど彼とは別れられないという気持ちを秤にかけてはグラグラ揺れる様子を、淡々と描いてあります。
官能的なシーンは殆どないのだけど、それでもなんか…ぐふふ~…♪って感じ?(笑)この二人のその後がどうなったのか、続きが読みたいもんですわい。
「黒いレインコート」
これが全然BLって感じではなく、解説にも「女の子が描きたかった、自分の中では宝生舞ちゃんのイメージ」とのことです。
「森に行った日」
これまた姻戚関係のBLです。
朝輝(ともてる)と、亮は叔父と甥の関係。
でも、実際には血はつながってないのです。
朝輝の姉が結婚した相手の息子が、亮だった。だから、血のつながりはないんだけどだからといって、どうどうとは出来ず…。
そこに、姉に子供が生まれる。
その子は朝輝にとっては小さな甥に、亮にとっては弟になるわけです。
自分たちの関係がその赤ちゃんに及ぼす影響などを考えて、二人の気持ちは揺れ動く。その機微を描いた作品です。
今さんの描くカップル、この本では、ひとりがストレートヘアで、片方はウェーブヘア。どうでもいいようなことだけど、なんとなくそう思いました。
「人魚の破片」
これは以前、人魚のような少年と一夜をともにした男が、その少年に似た男をバーで見つけ、その思い出を語ると言うもの。
「週末」
書き下ろしで、「いとこ同士」の続編となっています。
これによると、なかなか二人はうまく行ってるようで、ほっとできる小編。
それにしてもですね、こう言うの読んでると、ほんとうに世の中にはこのような嗜好の人が、こんなにたくさんいらっしゃるのかしら?と、思うのです。
しかも、イイ男ばっかりなので、イイ男同士でくっついてもらったら、女にイイ男が回ってこないのでは…と、本気で心配になりました…。
今 市子

今市子さんにはまり中、その3弾です。
第1弾⇒百鬼夜行抄
第2弾⇒大人の問題
この本は、今市子さんの昔の作品集みたい。
同人誌や商業誌に発表されたものだそう。
表題の「いとこ同士」と「けど…」と「逢いびき」は連作になっていて、無論いとこ同士でありながら恋人となる二人の青年の、後ろめたさや切なさを描いてあります。
いとこということは、自分の親から見たら血のつながった「甥ッ子」なんですから、罪悪感やばれたときのことを思うと胃の縮むような思い、だけど彼とは別れられないという気持ちを秤にかけてはグラグラ揺れる様子を、淡々と描いてあります。
官能的なシーンは殆どないのだけど、それでもなんか…ぐふふ~…♪って感じ?(笑)この二人のその後がどうなったのか、続きが読みたいもんですわい。
「黒いレインコート」
これが全然BLって感じではなく、解説にも「女の子が描きたかった、自分の中では宝生舞ちゃんのイメージ」とのことです。
「森に行った日」
これまた姻戚関係のBLです。
朝輝(ともてる)と、亮は叔父と甥の関係。
でも、実際には血はつながってないのです。
朝輝の姉が結婚した相手の息子が、亮だった。だから、血のつながりはないんだけどだからといって、どうどうとは出来ず…。
そこに、姉に子供が生まれる。
その子は朝輝にとっては小さな甥に、亮にとっては弟になるわけです。
自分たちの関係がその赤ちゃんに及ぼす影響などを考えて、二人の気持ちは揺れ動く。その機微を描いた作品です。
今さんの描くカップル、この本では、ひとりがストレートヘアで、片方はウェーブヘア。どうでもいいようなことだけど、なんとなくそう思いました。
「人魚の破片」
これは以前、人魚のような少年と一夜をともにした男が、その少年に似た男をバーで見つけ、その思い出を語ると言うもの。
「週末」
書き下ろしで、「いとこ同士」の続編となっています。
これによると、なかなか二人はうまく行ってるようで、ほっとできる小編。
それにしてもですね、こう言うの読んでると、ほんとうに世の中にはこのような嗜好の人が、こんなにたくさんいらっしゃるのかしら?と、思うのです。
しかも、イイ男ばっかりなので、イイ男同士でくっついてもらったら、女にイイ男が回ってこないのでは…と、本気で心配になりました…。
2006年02月23日
大人の問題
今 市子

今 市子さんにはまり中♪
ということで古本屋さんで物色。
(古本屋と言う当たりがしみったれてるか)
見つけたのはちょっぴりボーイズラブ関係の本がある付近。
私は知らなかったんだけど、今さんというのはBL出身なんですね。
でも、中身を見たら激しい描写がなかったので買って来ました。
たしかにゲイのお話。でも、BLって感じがしない作品。
主人公の原嶋直人。
5歳の時に父親がゲイに目覚めて両親は離婚。
以来、15年母親との二人暮し。
時々、父親は母親に(別れた妻に)自分の恋愛相談などを持ちかけたりして、その度に母親は腹立ちながらも仲裁に出かけたりして、奇妙な家族関係は続いてきた。
が、ここに来て、父親の本気の「結婚宣言」。
相手はモチロン男なので、結婚=養子縁組という形をとるそうだ。
それで、直人を交えて4人で会食をしようということになったのだけど…。
これは、ゲイそのもののお話というよりは、家族にゲイを持つことの戸惑いやそのことが引き起こすいろんな問題など、どちらかというと、振り回される家族側の目から見た物語。
直人自信はノーマルなので、父親やその恋人エビゴロー(本名:海老悟郎)を認めたくなかったり、反発してみたり。しかし、それでもなんとなく家族としての関係が出来上がっていく様子が、ユーモラスに見事に描かれている。
直人の母親や、エビゴローの兄や、直人のGFやいろんな人たちの、思いや事情との絡み合わせが見事で、すごく面白かった。
今さんってストーリー作りがものすごくお上手!!
ボーイズラブ…わたしも、読んだことはあるんだけど、出来れば美しい男同士の耽美系のものが好み。でも、この直人の父親ってふつーのおっさんで、中年のサラリーマンなんです。このおっさんのボーイズラブ(中年のおっさんでもボーイズラブというのか??)なんて、ちょっとイヤ・・・、と思っても不思議はなかったんだけど、これが全然違和感なく、受け入れられたのだ~。
それどころか、登場人物の中で一番好感をもてたのがこのお父さんだったりしてね。
激しい描写はなくとも、父親とエビゴローとはちょっとしたラブシーンがあるんだけど、これもなんか結構イイ感じでした。
ボーイズラブで胸キュン…なんて、わたしにはありえないと思っていたのに。
どうしよう、はまったら…(笑)
今 市子

今 市子さんにはまり中♪
ということで古本屋さんで物色。
(古本屋と言う当たりがしみったれてるか)
見つけたのはちょっぴりボーイズラブ関係の本がある付近。
私は知らなかったんだけど、今さんというのはBL出身なんですね。
でも、中身を見たら激しい描写がなかったので買って来ました。
たしかにゲイのお話。でも、BLって感じがしない作品。
主人公の原嶋直人。
5歳の時に父親がゲイに目覚めて両親は離婚。
以来、15年母親との二人暮し。
時々、父親は母親に(別れた妻に)自分の恋愛相談などを持ちかけたりして、その度に母親は腹立ちながらも仲裁に出かけたりして、奇妙な家族関係は続いてきた。
が、ここに来て、父親の本気の「結婚宣言」。
相手はモチロン男なので、結婚=養子縁組という形をとるそうだ。
それで、直人を交えて4人で会食をしようということになったのだけど…。
これは、ゲイそのもののお話というよりは、家族にゲイを持つことの戸惑いやそのことが引き起こすいろんな問題など、どちらかというと、振り回される家族側の目から見た物語。
直人自信はノーマルなので、父親やその恋人エビゴロー(本名:海老悟郎)を認めたくなかったり、反発してみたり。しかし、それでもなんとなく家族としての関係が出来上がっていく様子が、ユーモラスに見事に描かれている。
直人の母親や、エビゴローの兄や、直人のGFやいろんな人たちの、思いや事情との絡み合わせが見事で、すごく面白かった。
今さんってストーリー作りがものすごくお上手!!
ボーイズラブ…わたしも、読んだことはあるんだけど、出来れば美しい男同士の耽美系のものが好み。でも、この直人の父親ってふつーのおっさんで、中年のサラリーマンなんです。このおっさんのボーイズラブ(中年のおっさんでもボーイズラブというのか??)なんて、ちょっとイヤ・・・、と思っても不思議はなかったんだけど、これが全然違和感なく、受け入れられたのだ~。
それどころか、登場人物の中で一番好感をもてたのがこのお父さんだったりしてね。
激しい描写はなくとも、父親とエビゴローとはちょっとしたラブシーンがあるんだけど、これもなんか結構イイ感じでした。
ボーイズラブで胸キュン…なんて、わたしにはありえないと思っていたのに。
どうしよう、はまったら…(笑)
2006年02月21日
百鬼夜行抄 (1)
今 市子

これはいいです!
どっちかと言うとホラーに分類されても良いと思う。
幽霊とか妖怪とか、この世のものではないモノ…妖魔が見える少年が主人公で、その妖魔たちと、時には対決したり、時には馴れ合いながら織り成す不思議ワールドの物語りです。
特にわたしのお気に入りは「尾白」「尾黒」!!
「青嵐」もよいけどね。
これらは何かと言うと、主人公である飯嶋律の式神(守護妖怪?)なんです。
青嵐は、律のおじいさんであり作家であった飯嶋蝸牛(いいじまかぎゅう:本名は、飯嶋怜)の家来みたいな(体を蝸牛にもらったから)妖魔で、蝸牛は自分が死ぬ時に孫の律を守るようにと命令して死んでいった。なので、青嵐は新しい体をもらってその側で律を守ってるのです。その新しい体って言うのが、問題なんだけどね(笑)⇒「律の父親」の体なのです。
尾黒と尾白は、自分たちの住処である大きな古木が切り倒されたりして、住処がなくなったので、飯嶋家の桜の木に住まわせてもらうことに。
そのときから従順な律の下僕となるんだけど
この2羽がもう、めちゃくちゃ愉快なヤツらなんです!
この物語の中で、この2羽ほどのステキな登場人物(妖魔)はいません!
大好き♪
物語にはいろんなおどろおどろしい妖魔が出てきて、時にはゾクッとすることもあるけど、それよりもなによりも、この不思議で幻想的な世界に魅了されます。
暗くて怖い…でも、優しくてユーモラス!
連作短編集で、一話独立なのだけど、一話一話のクオリティーもかなり高い!
よくも、こんなにたくさんの不思議なお話を発信しつづけることが出来ると思うと尊敬です!!
また、主人公の律が淡々と物事を受け止めて、クールで、でも優しい、なんとなく「動物のお医者さん」のハムテルを思い出すのはわたしだけ?動物たちや菱沼さん、漆原教授なんて言うつわものを相手にして、いつも冷静クールだったハムテル、この律も案外動物(菱沼、漆原)が妖魔に代わっただけで、似たような反応ですよね。
律の従姉妹の司ちゃんと晶ちゃんもいい味です。特に見えるのに認識しようとしない司ちゃん、彼女をまた尾黒尾白が「姫」と呼び、楽しげに酒盛りしたりするところなんて、混ぜて~!と言いたいぐらいですね。
オススメはこれ↓
なんと、フィギュア付きなんですよ~。
いいです。欲しい♪
百鬼夜行抄 5巻セット
【Amazonオリジナル特典・尾白&尾黒フィギュア付き】
今 市子

綺麗でしょ~~。こんなのも♪↓
ドラマCD 百鬼夜行抄 第2巻~闇からの呼び声~
イメージ・アルバム 石田彰 井上和彦

百鬼夜行抄イラストコレクション
今 市子

今 市子

これはいいです!
どっちかと言うとホラーに分類されても良いと思う。
幽霊とか妖怪とか、この世のものではないモノ…妖魔が見える少年が主人公で、その妖魔たちと、時には対決したり、時には馴れ合いながら織り成す不思議ワールドの物語りです。
特にわたしのお気に入りは「尾白」「尾黒」!!
「青嵐」もよいけどね。
これらは何かと言うと、主人公である飯嶋律の式神(守護妖怪?)なんです。
青嵐は、律のおじいさんであり作家であった飯嶋蝸牛(いいじまかぎゅう:本名は、飯嶋怜)の家来みたいな(体を蝸牛にもらったから)妖魔で、蝸牛は自分が死ぬ時に孫の律を守るようにと命令して死んでいった。なので、青嵐は新しい体をもらってその側で律を守ってるのです。その新しい体って言うのが、問題なんだけどね(笑)⇒「律の父親」の体なのです。
尾黒と尾白は、自分たちの住処である大きな古木が切り倒されたりして、住処がなくなったので、飯嶋家の桜の木に住まわせてもらうことに。
そのときから従順な律の下僕となるんだけど
この2羽がもう、めちゃくちゃ愉快なヤツらなんです!
この物語の中で、この2羽ほどのステキな登場人物(妖魔)はいません!
大好き♪
物語にはいろんなおどろおどろしい妖魔が出てきて、時にはゾクッとすることもあるけど、それよりもなによりも、この不思議で幻想的な世界に魅了されます。
暗くて怖い…でも、優しくてユーモラス!
連作短編集で、一話独立なのだけど、一話一話のクオリティーもかなり高い!
よくも、こんなにたくさんの不思議なお話を発信しつづけることが出来ると思うと尊敬です!!
また、主人公の律が淡々と物事を受け止めて、クールで、でも優しい、なんとなく「動物のお医者さん」のハムテルを思い出すのはわたしだけ?動物たちや菱沼さん、漆原教授なんて言うつわものを相手にして、いつも冷静クールだったハムテル、この律も案外動物(菱沼、漆原)が妖魔に代わっただけで、似たような反応ですよね。
律の従姉妹の司ちゃんと晶ちゃんもいい味です。特に見えるのに認識しようとしない司ちゃん、彼女をまた尾黒尾白が「姫」と呼び、楽しげに酒盛りしたりするところなんて、混ぜて~!と言いたいぐらいですね。
オススメはこれ↓
なんと、フィギュア付きなんですよ~。
いいです。欲しい♪
百鬼夜行抄 5巻セット
【Amazonオリジナル特典・尾白&尾黒フィギュア付き】
今 市子

綺麗でしょ~~。こんなのも♪↓
ドラマCD 百鬼夜行抄 第2巻~闇からの呼び声~
イメージ・アルバム 石田彰 井上和彦

百鬼夜行抄イラストコレクション
今 市子

2006年02月21日
長い道
こうの 史代

夕凪の街 桜の国で、初めて知った(ゴメンナサイ)こうの史代さんの「長い道」ものすごく面白かったです!
「すてきな主婦たち」「月刊まんがタウン」などに連載されたものや、自費出版されたものをまとめたらしいです。
主人公の「道」さん。
何時の間にか「壮介どの」のお嫁さんに…。
ふたりの預かり知らぬ間に、二人の親同士が勝手に結婚を決めたらしく…。
壮介と言うのはとっても、甲斐性がなく無職でオンナったらし。
好みのオンナはお水系。
でも、突如お嫁に来た道はというと、とってもジミで、その上超天然!!
ふたりのすれ違いながらも、お互いを思いやるようになるまでのくだりが、なんと一話3ページと言う、小さなお話で構成されてて、現代風「小さな恋のものがたり」みたい。
考えてみれば、女の子は男に対して一途(チッチはサリーにぞっこんだったけど、はたしてこの道が壮介にぞっこん、と言えるのかはちょっと謎ですが)で、男はモテ系…。うーん、壮介が「もてる」とも言いがたいけど、ともかく、ちょっとチッチとサリーを思い出しました。
全編ともかく、すばらしいユーモアのセンスにあふれています。
ユーモアと言っても、馬鹿にしたり蔑んだりは一切なし!!
ほのぼのとして優し~~~い感じ、読むうちに知らずに微笑んでしまってる、そして壮介の気持ちの変化がなんとなく伝わってくる…。
どうして道が親の言い付けどおり、何も抵抗することなく壮介のところに来たのか、道は壮介をどう思っているのか、などの謎ははっきりとは描かれてないのだけど、なんとなく伝わってくるんです。
道っていうと、「ジェルソミーナ」を思い出します。
健気なところが似てるような…。
でも、道さん案外したたかでとっても芯が強い!
おふたりで幸せにネ♪と言いたくなりました。
あさみさんにお借りしました。ありがとう♪
こうの 史代

夕凪の街 桜の国で、初めて知った(ゴメンナサイ)こうの史代さんの「長い道」ものすごく面白かったです!
「すてきな主婦たち」「月刊まんがタウン」などに連載されたものや、自費出版されたものをまとめたらしいです。
主人公の「道」さん。
何時の間にか「壮介どの」のお嫁さんに…。
ふたりの預かり知らぬ間に、二人の親同士が勝手に結婚を決めたらしく…。
壮介と言うのはとっても、甲斐性がなく無職でオンナったらし。
好みのオンナはお水系。
でも、突如お嫁に来た道はというと、とってもジミで、その上超天然!!
ふたりのすれ違いながらも、お互いを思いやるようになるまでのくだりが、なんと一話3ページと言う、小さなお話で構成されてて、現代風「小さな恋のものがたり」みたい。
考えてみれば、女の子は男に対して一途(チッチはサリーにぞっこんだったけど、はたしてこの道が壮介にぞっこん、と言えるのかはちょっと謎ですが)で、男はモテ系…。うーん、壮介が「もてる」とも言いがたいけど、ともかく、ちょっとチッチとサリーを思い出しました。
全編ともかく、すばらしいユーモアのセンスにあふれています。
ユーモアと言っても、馬鹿にしたり蔑んだりは一切なし!!
ほのぼのとして優し~~~い感じ、読むうちに知らずに微笑んでしまってる、そして壮介の気持ちの変化がなんとなく伝わってくる…。
どうして道が親の言い付けどおり、何も抵抗することなく壮介のところに来たのか、道は壮介をどう思っているのか、などの謎ははっきりとは描かれてないのだけど、なんとなく伝わってくるんです。
道っていうと、「ジェルソミーナ」を思い出します。
健気なところが似てるような…。
でも、道さん案外したたかでとっても芯が強い!
おふたりで幸せにネ♪と言いたくなりました。
あさみさんにお借りしました。ありがとう♪
2006年02月20日
いつも上天気 (1)
聖 千秋

いつも上天気 (2)
聖 千秋

別冊マーガレットに1991年の9月号から翌年の9月号まで連載された人気作品です。
高圧的で無理解な母親に育てられた主人公、室口宝。
悲しみや寂しさを隠しながら、表面的には誰よりも元気で明るく、みんなにも笑いと楽しさを振り撒く毎日。
しかし、そんな彼女の内面の寂しさ、傷つきやすさに気付き、見守る少年潮崎遼。
彼との愛をその成長過程を通して描く感動作品。聖さんらしい明るさと切なさと、そして優しさがぎゅっと詰まった名作です!
有名な作家でプライドの高い母親からは疎まれ、宝の大好きな父親は母親に追い出されて、たまに帰ってきても金の無心。そして母親による父親の罵倒。
そんな光景を見ながら育った宝は、常に人の気持ちを最優先して、みんなのことばかり考える優しい子供なのですが、母親から叱られては落ち込んでひとりで泣いています。
母親に愛されたい、父親に側にいて欲しい。本当は寂しくてたまらない。
宝の悲しみが胸に迫ります。
そんな彼女を影から見守り、唯一彼女の本当の姿を理解し、次第に惹かれていく潮崎遼。バイオリニストとして輝く未来が待ってる期待の星。
彼が宝をそっと見守るところがいいんです。
宝も潮崎君が好き。
だけど、なかなか二人は結ばれません。
それは宝が「自分は男を不幸にする女」と、思い込んでるから。宝のおばあちゃんが幼いときから、宝に言いつづけたために、呪縛となってしまったのだ。
潮崎君が宝を必要としても、宝は素直に飛び込めない。
そのすれ違いがもどかしい。
読者はみんな思う。宝に幸せになって欲しい!と。
人一倍優しく思いやりのある宝だからこそ、宝こそが幸せになってもらいたい。
なのに、聖さんってば、二人をすれ違わせてばかり!もう、ほんとうにじれったかった!祈るような気持ちで読んだものでした。
宝が髪形を変えないのはなぜなのか、なんて小さなエピソードも印象的で忘れられません。
タイトルはジーン・ケリー主演のミュージカルだそう。
この映画のことを話題にして、潮崎君が宝に気持ちを伝えた海辺のシーンは、大好きなシーンです。
涙が出るぐらい、優しさに包まれる感じの物語です。
聖 千秋

いつも上天気 (2)
聖 千秋

別冊マーガレットに1991年の9月号から翌年の9月号まで連載された人気作品です。
高圧的で無理解な母親に育てられた主人公、室口宝。
悲しみや寂しさを隠しながら、表面的には誰よりも元気で明るく、みんなにも笑いと楽しさを振り撒く毎日。
しかし、そんな彼女の内面の寂しさ、傷つきやすさに気付き、見守る少年潮崎遼。
彼との愛をその成長過程を通して描く感動作品。聖さんらしい明るさと切なさと、そして優しさがぎゅっと詰まった名作です!
有名な作家でプライドの高い母親からは疎まれ、宝の大好きな父親は母親に追い出されて、たまに帰ってきても金の無心。そして母親による父親の罵倒。
そんな光景を見ながら育った宝は、常に人の気持ちを最優先して、みんなのことばかり考える優しい子供なのですが、母親から叱られては落ち込んでひとりで泣いています。
母親に愛されたい、父親に側にいて欲しい。本当は寂しくてたまらない。
宝の悲しみが胸に迫ります。
そんな彼女を影から見守り、唯一彼女の本当の姿を理解し、次第に惹かれていく潮崎遼。バイオリニストとして輝く未来が待ってる期待の星。
彼が宝をそっと見守るところがいいんです。
宝も潮崎君が好き。
だけど、なかなか二人は結ばれません。
それは宝が「自分は男を不幸にする女」と、思い込んでるから。宝のおばあちゃんが幼いときから、宝に言いつづけたために、呪縛となってしまったのだ。
潮崎君が宝を必要としても、宝は素直に飛び込めない。
そのすれ違いがもどかしい。
読者はみんな思う。宝に幸せになって欲しい!と。
人一倍優しく思いやりのある宝だからこそ、宝こそが幸せになってもらいたい。
なのに、聖さんってば、二人をすれ違わせてばかり!もう、ほんとうにじれったかった!祈るような気持ちで読んだものでした。
宝が髪形を変えないのはなぜなのか、なんて小さなエピソードも印象的で忘れられません。
タイトルはジーン・ケリー主演のミュージカルだそう。
この映画のことを話題にして、潮崎君が宝に気持ちを伝えた海辺のシーンは、大好きなシーンです。
涙が出るぐらい、優しさに包まれる感じの物語です。
2006年02月19日
IS 1―男でも女でもない性 (1)
六花 チヨ

IS…インターセクシュアル。半陰陽。
男ではなく、女でもない。
日本では古来「ふたなり」と呼ばれたらしい。
原因はわからないけど、2000人にひとりの確率で生まれてくる「第3の性」。
確率から言えば日本人口に対して6万人のISが存在するはずだけど、その問題のデリケートさから表面化することはまれで、「その子の幸せのために隠し通される」のが一般的傾向。
生まれてすぐに、その子供の性別を親は決定し、性器形成手術を受け、体型の違いを無くし、その後はホルモン投与によって「決定された性」で生きていくことになる。
世の中には性区別としては「男」と「女」の区別しかないのだから・・・。
こんなデリケートで難しい内容を取り上げたのがこの六花チヨさんの「IS~男でも女でもない性~」です。
本書の中にも書いてるけど、「隠したい」ことなんですね。殆どの人にとっては。でも、知ってみると身体的なこと以外にも精神的な苦しみや社会的な立場、偏見や無理解、保険の利かない治療の場合もあり、大変な苦しみを背負っていることが分かります。そのなかで、この作品の登場人物たちが前向きにひたむきに生きている様子に、読者は胸打たれないわけに行きません。
最初に読んだとき、涙が流れて仕方がなかったです。
1巻では「ヒロミ」と「竜馬」の二人のケースについて
そして2巻以降は、「春」が生まれたときから成長する過程を、家族と共に問題に真っ向から取り組んでいく様子を描いてあります。
読んでよかったです。あさみさんにお借りしました。ありがとう♪
1巻CASE1:ヒロミ
生まれた時にペニスのように肥大したクリトリスと癒着した膣、卵巣と精巣をひとつずつ体内に持ってうまれました。
戸籍の性別欄は空欄のまま女の子としてそだったヒロミ。
成長するにつれ、女友達に生理が始まったりブラを着け出したりするようになっても、自分にはそれがないばかりか、声が太くなりすね毛が生えてくる。なぜ自分の体は人とは違うのか…。ヒロミは悩みながら成長します。
そして、社会人になり、好きな人ができる。
ISのヒロミの恋。
普通の女の子が人を好きになるのとは訳が違いました。
このヒロミが恋を知ったことで生じる様々な悲しみや苦しみを描いてあるのですが、そこからヒロミが選んだ結末が前向きで感動的です。
時には絶望し、小さい時に手術を受けたりしてくれなかった母親を恨んだりもするのだけど、そこからヒロミは立ち上がるのです。
そして訴えます。わたしたちを分かって…と。
声も出せずに震えているわたしたちを知ってください。
そして愛することを認めて欲しい…と。
六花 チヨ

IS…インターセクシュアル。半陰陽。
男ではなく、女でもない。
日本では古来「ふたなり」と呼ばれたらしい。
原因はわからないけど、2000人にひとりの確率で生まれてくる「第3の性」。
確率から言えば日本人口に対して6万人のISが存在するはずだけど、その問題のデリケートさから表面化することはまれで、「その子の幸せのために隠し通される」のが一般的傾向。
生まれてすぐに、その子供の性別を親は決定し、性器形成手術を受け、体型の違いを無くし、その後はホルモン投与によって「決定された性」で生きていくことになる。
世の中には性区別としては「男」と「女」の区別しかないのだから・・・。
こんなデリケートで難しい内容を取り上げたのがこの六花チヨさんの「IS~男でも女でもない性~」です。
本書の中にも書いてるけど、「隠したい」ことなんですね。殆どの人にとっては。でも、知ってみると身体的なこと以外にも精神的な苦しみや社会的な立場、偏見や無理解、保険の利かない治療の場合もあり、大変な苦しみを背負っていることが分かります。そのなかで、この作品の登場人物たちが前向きにひたむきに生きている様子に、読者は胸打たれないわけに行きません。
最初に読んだとき、涙が流れて仕方がなかったです。
1巻では「ヒロミ」と「竜馬」の二人のケースについて
そして2巻以降は、「春」が生まれたときから成長する過程を、家族と共に問題に真っ向から取り組んでいく様子を描いてあります。
読んでよかったです。あさみさんにお借りしました。ありがとう♪
1巻CASE1:ヒロミ
生まれた時にペニスのように肥大したクリトリスと癒着した膣、卵巣と精巣をひとつずつ体内に持ってうまれました。
戸籍の性別欄は空欄のまま女の子としてそだったヒロミ。
成長するにつれ、女友達に生理が始まったりブラを着け出したりするようになっても、自分にはそれがないばかりか、声が太くなりすね毛が生えてくる。なぜ自分の体は人とは違うのか…。ヒロミは悩みながら成長します。
そして、社会人になり、好きな人ができる。
ISのヒロミの恋。
普通の女の子が人を好きになるのとは訳が違いました。
このヒロミが恋を知ったことで生じる様々な悲しみや苦しみを描いてあるのですが、そこからヒロミが選んだ結末が前向きで感動的です。
時には絶望し、小さい時に手術を受けたりしてくれなかった母親を恨んだりもするのだけど、そこからヒロミは立ち上がるのです。
そして訴えます。わたしたちを分かって…と。
声も出せずに震えているわたしたちを知ってください。
そして愛することを認めて欲しい…と。
2006年02月15日
君は僕の太陽だ(1)
聖 千秋

君は僕の太陽だ(2)
聖 千秋

君は僕の太陽だ (3)
聖 千秋

教師と生徒の恋愛シリーズ第4弾!
今回はやはり大好きな聖千秋さんのこの作品をご紹介。
ちょっと異色なのは、先生が女で生徒が男と言うところ。
とうぜん、女性のほうが年上です。7歳年上。
そしていつもなら、片想いが両思いになる過程をドキドキしながら見守ったりするんだけど、今回はほぼ最初から恋人同士の関係です。
このストーリーはちょっぴり意地っ張りな二人がお互いを思いながら、さりげなく守りあいながらさらに距離を縮めていくところに、醍醐味があると思います。
まず、主人公は東都大学を主席で卒業した栗山仙子。
高校を退学になるかならないかと言うひとりの男子高校生(まぁいわゆる、フリョー?)を、大学時代に家庭教師として教えていた。それが、清原忍。
結局、そこでは忍は退学してしまうのだけど、仙子の赴任先の英成ケンストン高等学校に新一年生として入学してくる。
二人は恋人でありながら、先生と生徒という関係なのです。
仙子のモットーは「愛と勇気」。
夢と希望をもって、高校教師になった仙子。しかし、現実は甘くない!
サブいギャグで生徒を白けさせてしまったり、一人で熱くなって生徒の気持ちを引かせてしまったり…
なので、生徒からは嫌われ馬鹿にされ、同僚からも受け入れられず、高校の中ですごく孤独で浮いた存在に…。
そんな仙子には、いろーんなトラブルが降りかかる。
そこで頼りになるのが忍と言うわけです。
仙子は年上で先生だけど、年下の忍は仙子のカッチョいいナイトって感じ。
しかし、仙子もただ守られてるだけと言う訳じゃない!
忍と恋人になってから、仙子だってどんどんと変わってゆく。
強く、たくましくなってゆくのだ。
生徒を体張って守ったりもする!
そんな仙子が大好きだし、忍とお互いに守りあっている関係が好き♪
特に4巻、ついに二人が本音をぶつけ合いUFOを背に?したキスシーンは感動!そして、忍、カッコいい~~♪
「愛と勇気」…クサイですよね。
聖さんの作品って、クサいんですよ。
でもね、そのクサさが全然嫌味でも古臭くも説教臭くもないの。優しさがあって、テーマが重くてもおおらかさと朗らかさで、重さも自然に受け入れられて、自然に泣けてきてしまう。そんな聖さんの作品、素敵ですよ♪
聖 千秋

君は僕の太陽だ(2)
聖 千秋

君は僕の太陽だ (3)
聖 千秋

教師と生徒の恋愛シリーズ第4弾!
第1弾…純情クレイジーフルーツ
第2弾…海の天辺
第3弾…I love her
今回はやはり大好きな聖千秋さんのこの作品をご紹介。
ちょっと異色なのは、先生が女で生徒が男と言うところ。
とうぜん、女性のほうが年上です。7歳年上。
そしていつもなら、片想いが両思いになる過程をドキドキしながら見守ったりするんだけど、今回はほぼ最初から恋人同士の関係です。
このストーリーはちょっぴり意地っ張りな二人がお互いを思いながら、さりげなく守りあいながらさらに距離を縮めていくところに、醍醐味があると思います。
まず、主人公は東都大学を主席で卒業した栗山仙子。
高校を退学になるかならないかと言うひとりの男子高校生(まぁいわゆる、フリョー?)を、大学時代に家庭教師として教えていた。それが、清原忍。
結局、そこでは忍は退学してしまうのだけど、仙子の赴任先の英成ケンストン高等学校に新一年生として入学してくる。
二人は恋人でありながら、先生と生徒という関係なのです。
仙子のモットーは「愛と勇気」。
夢と希望をもって、高校教師になった仙子。しかし、現実は甘くない!
サブいギャグで生徒を白けさせてしまったり、一人で熱くなって生徒の気持ちを引かせてしまったり…
なので、生徒からは嫌われ馬鹿にされ、同僚からも受け入れられず、高校の中ですごく孤独で浮いた存在に…。
そんな仙子には、いろーんなトラブルが降りかかる。
そこで頼りになるのが忍と言うわけです。
仙子は年上で先生だけど、年下の忍は仙子のカッチョいいナイトって感じ。
しかし、仙子もただ守られてるだけと言う訳じゃない!
忍と恋人になってから、仙子だってどんどんと変わってゆく。
強く、たくましくなってゆくのだ。
生徒を体張って守ったりもする!
そんな仙子が大好きだし、忍とお互いに守りあっている関係が好き♪
特に4巻、ついに二人が本音をぶつけ合いUFOを背に?したキスシーンは感動!そして、忍、カッコいい~~♪
「愛と勇気」…クサイですよね。
聖さんの作品って、クサいんですよ。
でもね、そのクサさが全然嫌味でも古臭くも説教臭くもないの。優しさがあって、テーマが重くてもおおらかさと朗らかさで、重さも自然に受け入れられて、自然に泣けてきてしまう。そんな聖さんの作品、素敵ですよ♪
2006年02月13日
I love her (1)
いくえみ 綾

学校教師と生徒の恋愛シリーズ第3段はこちら!
いくえみ綾さんの「I love her」です。
別マ 1992年12月号から1994年7月号まで連載。
主人公の三賀花、両親の離婚によって引越し、転校をすることに。
引越し先のアパートの隣室に挨拶に行ったとき、その相手の若い男が花の目の前でぶっ倒れる!救急車で運ばれたその男は夕方には、無事に帰り花の家でずうずうしくもスキヤキを一緒に食べることになった。
翌日、転校先の高校に初登校して見れば、なんと担任はアパートの隣の、例の男だったのだ!!
と言うところから始まりまして、
結局「となり」という「特別」な関係がそのまま恋愛感情に発展。
でも先生は「みんなの先生」であり、特にこの先生、名前は新藤央人(しんどうひろと)でみんなから「しんちゃん」と呼ばれているのだけど、若くてカッコよくって友達の延長のようなアニキのような先生で、もてないわけがなく、全女生徒の憧れみたいな…。
その「みんなの」先生とどのように距離を縮めていくかが胸キュンの展開なんです!!
花には強力なライバルがいて、これが結構同姓に嫌われる典型のようなタイプの西脇艶香。最初は艶香は単なるライバルなんだけど、彼女と奇妙な連帯感により友情が芽生えたり。
でもやっぱり、このマンガは読者をときめかせる!
しんちゃんとの成り行きもそうなんだけど、元カレが花に会いにきたところなんかも結構ツボ!ああ、いいなぁ、青春だなぁ!!(笑)
だけどね、やっぱり、しんちゃんですよ!
嵐の夜から、4巻のラスト女子トイレの場面から5巻冒頭の掃除道具入れ、そして、「ごほうび」のドライブ、しんちゃんの気持ち…。
あの辺の…あー、何度読んでもにやける~~!
って感じ。
いいよねぇこういうの、女の子なら誰でも憧れるんじゃないかな~。
いくえみさんは好きな作品たーくさんあるけど、これはトップ3に入ります。
オススメよん。
I love her (2)
いくえみ 綾

I love her (3)
いくえみ 綾

I LOVE HER [少年向け:コミックセット]
いくえみ綾

ひとつ、ショックなのは今読み返したら…
花のお母さんよりも、わたしのほうが年が上だよ。
花がちょうど、うちの長女(第二子)の年なんですもん。
花ママ…若くて綺麗でかわいい…。ちょっとガックリ…(爆)。
いくえみ 綾

学校教師と生徒の恋愛シリーズ第3段はこちら!
第1弾…純情クレイジーフルーツ
第2弾…海の天辺
第4弾…君は僕の太陽だ
いくえみ綾さんの「I love her」です。
別マ 1992年12月号から1994年7月号まで連載。
主人公の三賀花、両親の離婚によって引越し、転校をすることに。
引越し先のアパートの隣室に挨拶に行ったとき、その相手の若い男が花の目の前でぶっ倒れる!救急車で運ばれたその男は夕方には、無事に帰り花の家でずうずうしくもスキヤキを一緒に食べることになった。
翌日、転校先の高校に初登校して見れば、なんと担任はアパートの隣の、例の男だったのだ!!
と言うところから始まりまして、
結局「となり」という「特別」な関係がそのまま恋愛感情に発展。
でも先生は「みんなの先生」であり、特にこの先生、名前は新藤央人(しんどうひろと)でみんなから「しんちゃん」と呼ばれているのだけど、若くてカッコよくって友達の延長のようなアニキのような先生で、もてないわけがなく、全女生徒の憧れみたいな…。
その「みんなの」先生とどのように距離を縮めていくかが胸キュンの展開なんです!!
花には強力なライバルがいて、これが結構同姓に嫌われる典型のようなタイプの西脇艶香。最初は艶香は単なるライバルなんだけど、彼女と奇妙な連帯感により友情が芽生えたり。
でもやっぱり、このマンガは読者をときめかせる!
しんちゃんとの成り行きもそうなんだけど、元カレが花に会いにきたところなんかも結構ツボ!ああ、いいなぁ、青春だなぁ!!(笑)
だけどね、やっぱり、しんちゃんですよ!
嵐の夜から、4巻のラスト女子トイレの場面から5巻冒頭の掃除道具入れ、そして、「ごほうび」のドライブ、しんちゃんの気持ち…。
あの辺の…あー、何度読んでもにやける~~!
って感じ。
いいよねぇこういうの、女の子なら誰でも憧れるんじゃないかな~。
いくえみさんは好きな作品たーくさんあるけど、これはトップ3に入ります。
オススメよん。
I love her (2)
いくえみ 綾

I love her (3)
いくえみ 綾

I LOVE HER [少年向け:コミックセット]
いくえみ綾

ひとつ、ショックなのは今読み返したら…
花のお母さんよりも、わたしのほうが年が上だよ。
花がちょうど、うちの長女(第二子)の年なんですもん。
花ママ…若くて綺麗でかわいい…。ちょっとガックリ…(爆)。
2006年02月12日
海の天辺 (1)
くらもち ふさこ

先生と生徒の恋愛モノの決定版というと、わたしにとってはこの作品!
1988年12月号~1990年3月号まで別冊マーガレットに連載。
当時リアルタイムで別マの読者であったわたしは、この作品が一番楽しみで、そして読み終えるとしばし余韻に浸ってしまい、この作品に恋愛感情のようなものを抱いていたように思う。変ですけど(笑)。
河野先生がメッチャカッコよくってツボなのは間違いなかったけれど、それよりもストーリー自体が好きだった。この作品には夢中になりました。
ストーリーは、中学3年生の主人公椎名和佳子が担任の河野和彦を好きになり、一途でいじらしい恋心を先生にぶつけていくと言うもの。
これがもしも、高校生だったらまた、ちょっと生々しい部分があったり恋愛の中にも計算のようなものも見えたりするかも知れないのだけど、シーナは中学生ですから、その気持ちがとっても一途で可愛らしく、おばさん(わたし)は心からシーナの恋を応援していて、成り行きとしては当然、河野先生との恋が成就するような気もしたのだけど、強敵エンドーくんが余りにも良いキャラだったので、ひょっとしてくらもちセンセーは、河野センセーとよりもエンドーとシーナをくっつけるつもりでは!!??と、ハラハラしながら読んだものです。
タイトルからして、初恋を追う人魚姫のように、シーナが先生一筋なのは分かっているのに、どうしても遠藤くんのことが気になってしまった。
くらもちせんせいにファンレターまで出しました(笑)。「シーナと先生をくっつけてね」みたいな感じの。真剣だったわたし。すでに子持ちでしたけど(笑)。
いつもいつも思うのは、くらもちせんせいの作品はストーリーの構成が立体的。個々のエピソードのつながりが平面ではなく多角的なのですね。
それに、教室の様子やクラスメートたちの会話や雰囲気が、ものすごくそれらしくてリアル。
登場人物たちのそのひととなりもうまく作られていて「いるいる、こんなヤツ!!」みたいな。生徒もそうだし、先生たちもね。
一番の魅力は、シーナの一途さ、そしてシーナの愛しさです。
そして最初はただの教え子として…まぁ、それにしてはちょっと特別扱い?という気もするけど、ま、教え子に対する感情の範囲で接していた河野先生が、だんだんとシーナに特別な感情を持ち始めていくところが、ドキドキワクワクでした!
時には優しく甘く…でも、時には冷たく突き放し…この緩急の使い分けがまたくらもち作品の男たちに共通するスタイルで、ファンとしては溜まりません!!
賀茂川に迎えにきてくれたとき、
お弁当を食べてくれたとき、
原宿に迎えにきてくれたとき、
そして、誰もいない職員室での1コマ
お正月の初詣…
どれもが胸キュンです
コミック版は表紙が素敵なんですよ!!

くらもち ふさこ

先生と生徒の恋愛モノの決定版というと、わたしにとってはこの作品!
1988年12月号~1990年3月号まで別冊マーガレットに連載。
当時リアルタイムで別マの読者であったわたしは、この作品が一番楽しみで、そして読み終えるとしばし余韻に浸ってしまい、この作品に恋愛感情のようなものを抱いていたように思う。変ですけど(笑)。
河野先生がメッチャカッコよくってツボなのは間違いなかったけれど、それよりもストーリー自体が好きだった。この作品には夢中になりました。
ストーリーは、中学3年生の主人公椎名和佳子が担任の河野和彦を好きになり、一途でいじらしい恋心を先生にぶつけていくと言うもの。
これがもしも、高校生だったらまた、ちょっと生々しい部分があったり恋愛の中にも計算のようなものも見えたりするかも知れないのだけど、シーナは中学生ですから、その気持ちがとっても一途で可愛らしく、おばさん(わたし)は心からシーナの恋を応援していて、成り行きとしては当然、河野先生との恋が成就するような気もしたのだけど、強敵エンドーくんが余りにも良いキャラだったので、ひょっとしてくらもちセンセーは、河野センセーとよりもエンドーとシーナをくっつけるつもりでは!!??と、ハラハラしながら読んだものです。
タイトルからして、初恋を追う人魚姫のように、シーナが先生一筋なのは分かっているのに、どうしても遠藤くんのことが気になってしまった。
くらもちせんせいにファンレターまで出しました(笑)。「シーナと先生をくっつけてね」みたいな感じの。真剣だったわたし。すでに子持ちでしたけど(笑)。
いつもいつも思うのは、くらもちせんせいの作品はストーリーの構成が立体的。個々のエピソードのつながりが平面ではなく多角的なのですね。
それに、教室の様子やクラスメートたちの会話や雰囲気が、ものすごくそれらしくてリアル。
登場人物たちのそのひととなりもうまく作られていて「いるいる、こんなヤツ!!」みたいな。生徒もそうだし、先生たちもね。
一番の魅力は、シーナの一途さ、そしてシーナの愛しさです。
そして最初はただの教え子として…まぁ、それにしてはちょっと特別扱い?という気もするけど、ま、教え子に対する感情の範囲で接していた河野先生が、だんだんとシーナに特別な感情を持ち始めていくところが、ドキドキワクワクでした!
時には優しく甘く…でも、時には冷たく突き放し…この緩急の使い分けがまたくらもち作品の男たちに共通するスタイルで、ファンとしては溜まりません!!
賀茂川に迎えにきてくれたとき、
お弁当を食べてくれたとき、
原宿に迎えにきてくれたとき、
そして、誰もいない職員室での1コマ
お正月の初詣…
どれもが胸キュンです
コミック版は表紙が素敵なんですよ!!

2006年02月11日
純情クレイジーフルーツ (続1)
松苗 あけみ

純情クレイジーフルーツ 続編 [少女向け:コミックセット]
松苗あけみ

「純情クレイジーフルーツ」に続編登場。
「ぶ~け」に1985年2月号から1988年3月号まで連載。
主な登場人物紹介などはこちらをどうぞ!
「純クレ」で、丸ノ内女学園を去ってアメリカに行ってしまった小田島先生を忘れられない実子。しかし、小田島雄一郎が帰ってきた!
小田島先生はしかし、丸ノ内女学園には戻らず、お嬢様学校の麻布聖女館に赴任する。訪ねた実子が見たのは一緒に暮らす聖女館の美少女、小田島微笑(おだじまえみ)だった。二人の関係は!!
と言うところから始まりますが、純クレ本編よりもパワーを増して、面白さも倍増!女子高生たちをこんなにリアルに等身大に描いてあるマンガも滅多にない!!実像ってこんなもんだよね。
この4人ってばいつも一緒にいる仲良しなんだけど、すぐに1:3になってしまう。ひとりがいなくなると後の3人で固まって、そのひとりの悪口や不満をぶちまけたりして(笑)
続編では、実子と小田島先生のロマンスが中心だけど、他の3人にもロマンスが!!
まず、桃苗にも苺野公次クンと言う彼が出来ます!苺野クン、小学生の同級生で、桃苗の名前を馬鹿にしていじめてたんだよね。でも、それは好きだったからいじめちゃったと言うことで…♪
苺野クンのおかあさんがメッチャはめをはずした美人で、桃苗もちょっとでも綺麗になるように努力したり。でも、二人は地味なオタク系のカップルでお似合いなんですねぇ♪
そしてみよちゃん。バイト先で知り合った梨畑くんという彼が!
みよちゃんってばワガママで気が強い!最初は梨畑くんが嫌いで「そのふっくらしたほっぺたが嫌いなの!もう電話してこないで!!」なんて堂々と言い切ったりして。でも、育ち良し、頭良し、性格良しの梨畑くんにいつのまにかぞっこんに♪みよちゃんのお姉ちゃんの妊娠結婚出産なんてエピソードもあって、高校時代にずいぶん大人になっていくみよちゃん。姪っこの名前は「愛良(あいら)」ちゃん。名付け親はみよちゃんたちのお父さんよ♪
沢渡くんは、4人のなかで一番充実した女子高ライフを送ったわね!外見が男らしくて、くるみちゃんっていう野獣のような女の子にモテてしまったり、みよちゃんの仮想彼氏にさせられたりしたこともあったけど、野菜原さんっていうかわいい後輩から「センパイほど女らしい人はいません!!」なんて言われて慕われて…。小田島先生がいなくなって新しく担任になった甘夏城太郎先生が好きになって、セーターを編んだりして。卒業のときは、沢渡くん見てたら感動して泣けましたよ。先生の婚約者がまた、良い人で癒されました。
卒業後、世界のスーパーモデルになっちゃうのよね。パリの何とかって言うブランドの専属モデルになったりミラノの何とかって言うデザイナーからプロポーズされたり。でも、沢渡くんは「日本人じゃなきゃイヤなの!!」って(笑)。
さて、実子。
松苗 あけみ

純情クレイジーフルーツ 続編 [少女向け:コミックセット]
松苗あけみ

「純情クレイジーフルーツ」に続編登場。
「ぶ~け」に1985年2月号から1988年3月号まで連載。
主な登場人物紹介などはこちらをどうぞ!
「純クレ」で、丸ノ内女学園を去ってアメリカに行ってしまった小田島先生を忘れられない実子。しかし、小田島雄一郎が帰ってきた!
小田島先生はしかし、丸ノ内女学園には戻らず、お嬢様学校の麻布聖女館に赴任する。訪ねた実子が見たのは一緒に暮らす聖女館の美少女、小田島微笑(おだじまえみ)だった。二人の関係は!!
と言うところから始まりますが、純クレ本編よりもパワーを増して、面白さも倍増!女子高生たちをこんなにリアルに等身大に描いてあるマンガも滅多にない!!実像ってこんなもんだよね。
この4人ってばいつも一緒にいる仲良しなんだけど、すぐに1:3になってしまう。ひとりがいなくなると後の3人で固まって、そのひとりの悪口や不満をぶちまけたりして(笑)
続編では、実子と小田島先生のロマンスが中心だけど、他の3人にもロマンスが!!
まず、桃苗にも苺野公次クンと言う彼が出来ます!苺野クン、小学生の同級生で、桃苗の名前を馬鹿にしていじめてたんだよね。でも、それは好きだったからいじめちゃったと言うことで…♪
苺野クンのおかあさんがメッチャはめをはずした美人で、桃苗もちょっとでも綺麗になるように努力したり。でも、二人は地味なオタク系のカップルでお似合いなんですねぇ♪
そしてみよちゃん。バイト先で知り合った梨畑くんという彼が!
みよちゃんってばワガママで気が強い!最初は梨畑くんが嫌いで「そのふっくらしたほっぺたが嫌いなの!もう電話してこないで!!」なんて堂々と言い切ったりして。でも、育ち良し、頭良し、性格良しの梨畑くんにいつのまにかぞっこんに♪みよちゃんのお姉ちゃんの妊娠結婚出産なんてエピソードもあって、高校時代にずいぶん大人になっていくみよちゃん。姪っこの名前は「愛良(あいら)」ちゃん。名付け親はみよちゃんたちのお父さんよ♪
沢渡くんは、4人のなかで一番充実した女子高ライフを送ったわね!外見が男らしくて、くるみちゃんっていう野獣のような女の子にモテてしまったり、みよちゃんの仮想彼氏にさせられたりしたこともあったけど、野菜原さんっていうかわいい後輩から「センパイほど女らしい人はいません!!」なんて言われて慕われて…。小田島先生がいなくなって新しく担任になった甘夏城太郎先生が好きになって、セーターを編んだりして。卒業のときは、沢渡くん見てたら感動して泣けましたよ。先生の婚約者がまた、良い人で癒されました。
卒業後、世界のスーパーモデルになっちゃうのよね。パリの何とかって言うブランドの専属モデルになったりミラノの何とかって言うデザイナーからプロポーズされたり。でも、沢渡くんは「日本人じゃなきゃイヤなの!!」って(笑)。
さて、実子。
2006年02月10日
奇しくも?フィギュアの荒川静香選手も、安藤美姫選手と同じプッチーニのオペラをフリー曲にしたとのこと。
「トゥーランドット」はプッチーニの絶筆となった未完の大作。
蝶々夫人
里中 満智子

↑この中に収録されています。
ストーリーをご紹介します。めっちゃ凄いストーリーですよ。簡単に言うと、究極のワガママ皇女がとある王子の愛に目覚める、と言う話です。
しかし、そのワガママぶりたるや、前代未聞。
詳しい内容は↓
+++あらすじ+++
トゥーランドットは清国の皇女で、絶世の美しさを誇る。
結婚を申し込む男が絶えないが、その条件は厳しいものだった。
ひとつ、王族の息子であること。
ふたつ、皇女の出す問題を正解すること。
それが出来なければ、結婚を申し込んだ王子は斬首されて殺される。
ことごとく討ち死にさせられた王子たち。
それははるか昔にこの王室から連れ去られて無残な死を遂げたロウ・リン姫の復讐だと、トゥーランドット皇女は言うのだ。
この皇女によってペルシャの王子が斬首される場面に、ある国を反逆者たちによって追われた王と息子が再会する。そこで、この王子は皇女を見初め、自分も婿に立候補するのだ。
まるで自ら火の中に飛び込むような、この王子であったが、どうしても皇女を娶りたい。
さて、姫の出す条件のひとつ、王族の息子であると言う条件は当てはまっているので、ふたつめの「問題」に挑む王子。
謎はみっつ。
そして見事に王子はそれをみごと正解!!!
歴代初めて、皇女と結婚する資格を得る!!
だけど、皇女がここで、まさかの拒否!!!
そしてあろうことか、難問をクリアした王子に向かって「こんなに拒んでおるわたしを得るのが嬉しいのか!汚らわしい!」と面罵するんです。
読んでるとこの時点で完璧に、わたしなんぞはこの皇女に対して拒否反応しかないのよね。
こんな皇女にどうして執心するのか、王子よ、なぜなんだ、と問いたい。
きれいだったら性格は無視ですか。と。
あまりにも拒否してパニックに陥る皇女を見て、皇子は提案するんです。わたしもあなたに謎を出しましょう。夜明けまでに答えがわかれば、結婚はやめましょうと。そしてわたしは死にましょう、と…。おいおい、死ぬことはなかろうと思うのですがね。その謎とは「わたしの名前を当ててみなさい」と言うもの。皇女は「しめしめ、絶対に突き止めてやる」と、ほくそえむ。
皇女は家臣に名前を突き止めるように命令するんだけど、突き止められなかったら家臣全員死罪!という過酷な条件を出す。
家臣たちは死にたくないので、王子に「あの皇女のことは諦めて他の女で手を打ってください」と頼み込むんだけど「いや、わたしにはあの皇女以外にない」とにべなく拒否。
そこで、王子の父王登場。家臣たちに見つかってしまうんである。皇女は父王とそのお付きの奴隷上がりの女中(リュウという名前で、内心王子を慕っている)に拷問を掛けて名前を聞き出そうとするんです。
そこで、リュウは王子をかばって自ら死ぬ。短剣で胸をさして。
なぜ?
そこまでしても、皇女が欲しいと言うこの王子の気が知れないです。
結局王子は強硬手段に出る!強引に皇女の唇を奪うのだ!!
そのとき、皇女に取り付いていたロウ・リン姫の霊魂??が昇華されるんですね。
そして自分の名前を名乗る王子。「わたしの名前はカラフです」と。
皇女の叫びは「わたしは勝った!彼の名を知った!!彼の名は『愛』です。わたしは愛を受け入れます」と皇帝に宣言。
ふたりはついに結ばれると言う…
めでたしめでたし
…
とは思えませんねー!!!
どんな物語やねん!!と、怒りが湧いてきましたけどこれをオペラでやると良いのかもね。ちょっと理解できません。
その三つの謎はこちらです↓
「トゥーランドット」はプッチーニの絶筆となった未完の大作。
蝶々夫人
里中 満智子

↑この中に収録されています。
ストーリーをご紹介します。めっちゃ凄いストーリーですよ。簡単に言うと、究極のワガママ皇女がとある王子の愛に目覚める、と言う話です。
しかし、そのワガママぶりたるや、前代未聞。
詳しい内容は↓
+++あらすじ+++
トゥーランドットは清国の皇女で、絶世の美しさを誇る。
結婚を申し込む男が絶えないが、その条件は厳しいものだった。
ひとつ、王族の息子であること。
ふたつ、皇女の出す問題を正解すること。
それが出来なければ、結婚を申し込んだ王子は斬首されて殺される。
ことごとく討ち死にさせられた王子たち。
それははるか昔にこの王室から連れ去られて無残な死を遂げたロウ・リン姫の復讐だと、トゥーランドット皇女は言うのだ。
この皇女によってペルシャの王子が斬首される場面に、ある国を反逆者たちによって追われた王と息子が再会する。そこで、この王子は皇女を見初め、自分も婿に立候補するのだ。
まるで自ら火の中に飛び込むような、この王子であったが、どうしても皇女を娶りたい。
さて、姫の出す条件のひとつ、王族の息子であると言う条件は当てはまっているので、ふたつめの「問題」に挑む王子。
謎はみっつ。
そして見事に王子はそれをみごと正解!!!
歴代初めて、皇女と結婚する資格を得る!!
だけど、皇女がここで、まさかの拒否!!!
そしてあろうことか、難問をクリアした王子に向かって「こんなに拒んでおるわたしを得るのが嬉しいのか!汚らわしい!」と面罵するんです。
読んでるとこの時点で完璧に、わたしなんぞはこの皇女に対して拒否反応しかないのよね。
こんな皇女にどうして執心するのか、王子よ、なぜなんだ、と問いたい。
きれいだったら性格は無視ですか。と。
あまりにも拒否してパニックに陥る皇女を見て、皇子は提案するんです。わたしもあなたに謎を出しましょう。夜明けまでに答えがわかれば、結婚はやめましょうと。そしてわたしは死にましょう、と…。おいおい、死ぬことはなかろうと思うのですがね。その謎とは「わたしの名前を当ててみなさい」と言うもの。皇女は「しめしめ、絶対に突き止めてやる」と、ほくそえむ。
皇女は家臣に名前を突き止めるように命令するんだけど、突き止められなかったら家臣全員死罪!という過酷な条件を出す。
家臣たちは死にたくないので、王子に「あの皇女のことは諦めて他の女で手を打ってください」と頼み込むんだけど「いや、わたしにはあの皇女以外にない」とにべなく拒否。
そこで、王子の父王登場。家臣たちに見つかってしまうんである。皇女は父王とそのお付きの奴隷上がりの女中(リュウという名前で、内心王子を慕っている)に拷問を掛けて名前を聞き出そうとするんです。
そこで、リュウは王子をかばって自ら死ぬ。短剣で胸をさして。
なぜ?
そこまでしても、皇女が欲しいと言うこの王子の気が知れないです。
結局王子は強硬手段に出る!強引に皇女の唇を奪うのだ!!
そのとき、皇女に取り付いていたロウ・リン姫の霊魂??が昇華されるんですね。
そして自分の名前を名乗る王子。「わたしの名前はカラフです」と。
皇女の叫びは「わたしは勝った!彼の名を知った!!彼の名は『愛』です。わたしは愛を受け入れます」と皇帝に宣言。
ふたりはついに結ばれると言う…
めでたしめでたし
…
とは思えませんねー!!!
どんな物語やねん!!と、怒りが湧いてきましたけどこれをオペラでやると良いのかもね。ちょっと理解できません。
その三つの謎はこちらです↓
2006年02月08日
蝶々夫人
里中 満智子

いよいよ始まるトリノ五輪で、フィギュアの安藤美姫選手がこの「蝶々夫人」を自分の演技曲にしたとのこと。
当地イタリアの作曲家プッチーニの有名なオペラですが、内容を知らない人も知ってる人もマンガで楽しんでしまおう!と言うのがこの本です。(多分)
ストーリーを大雑把にご紹介すると、アメリカの軍人ピンカートンが日本にいる間の現地妻に選んだのが芸者の蝶々夫人。
しかし、蝶々夫人はそれを本気の「愛」と、受け取ってしまうと言う悲劇です。
ピンカートンは軽い気持ちで、まるで二人の住む家を賃貸する契約を結んだのと同じ気持ちで、蝶々夫人を「娶る」のですが、蝶々夫人は結婚に当たって自分の家の宗教も捨て親戚縁者との縁も切ってしまうのです。
そんな蝶々を「しあわせにするよ、どこへも逃がさない。大事な宝物だ」と甘い言葉で酔わせるのですが…。
結局ピンカートンはアメリカに帰ってしまって音沙汰もなし。
しかし、それでも蝶々は待ちつづけます。周囲の「もう戻ってこない」という言葉には耳も貸さずに、ひたすら待って待って待ちつづけるのです。
3年後にようやく、共通の知り合いの領事にピンカートンから手紙が。
そこにはピンカートンがアメリカで結婚したと言う知らせが書いてあったのです。領事はそれを健気に待つ蝶々夫人にどうしても言い出せない。ピンカートンガ新妻を連れて長崎に、そろそろ着くころだと言うことも…。
しかし、領事も驚いたことに、蝶々夫人はピンカートンとの間に男の子を産んで育てていたのだった。
誰にも言われなくても毎日海を見ている蝶々には「エイブラハム・リンカーン」と言う名前の白い大きな船が入港したのを見て、愛しいピンカートンガ帰ってきたことを悟る。
そして、その日は歓迎の意味をこめて花びらを部屋に撒き散らし、ピンカートンを待つのです。しかし
待てども待てどもやはり、ピンカートンはこない。
ようやくやってきたのはピンカートンではなく(ピンカートンは3年待ちつづけた蝶々夫人に、どうしても会うのがこわくなったのだ)ピンカートンのアメリカ人の妻。それを見た蝶々はすべてを悟る。
そして、アメリカ人妻に息子をたくして、自分は父親のかたみの刀で自害して果てるのです。
++++++
なんとなく聞いたことがあるし長崎グラバー邸に行くと耳にもしますが、全ストーリーはマンガを読むまで知らなかったですね。
外国から見た日本の女ってこんな感じなんでしょうかね。
ちなみに、蝶々夫人は結婚したとき15才。死んだときは18歳です。
同時収録には
●トゥーランドット
●ラ・ボエーム
「マンガ名作オペラ」他にも出版されています。↓
ニーベルングの指環 (上)
里中 満智子

ニーベルングの指環〈下〉
里中 満智子

サロメ
里中 満智子

フィガロの結婚
里中 満智子

カルメン
里中 満智子

椿姫
里中 満智子

里中 満智子

いよいよ始まるトリノ五輪で、フィギュアの安藤美姫選手がこの「蝶々夫人」を自分の演技曲にしたとのこと。
当地イタリアの作曲家プッチーニの有名なオペラですが、内容を知らない人も知ってる人もマンガで楽しんでしまおう!と言うのがこの本です。(多分)
ストーリーを大雑把にご紹介すると、アメリカの軍人ピンカートンが日本にいる間の現地妻に選んだのが芸者の蝶々夫人。
しかし、蝶々夫人はそれを本気の「愛」と、受け取ってしまうと言う悲劇です。
ピンカートンは軽い気持ちで、まるで二人の住む家を賃貸する契約を結んだのと同じ気持ちで、蝶々夫人を「娶る」のですが、蝶々夫人は結婚に当たって自分の家の宗教も捨て親戚縁者との縁も切ってしまうのです。
そんな蝶々を「しあわせにするよ、どこへも逃がさない。大事な宝物だ」と甘い言葉で酔わせるのですが…。
結局ピンカートンはアメリカに帰ってしまって音沙汰もなし。
しかし、それでも蝶々は待ちつづけます。周囲の「もう戻ってこない」という言葉には耳も貸さずに、ひたすら待って待って待ちつづけるのです。
3年後にようやく、共通の知り合いの領事にピンカートンから手紙が。
そこにはピンカートンがアメリカで結婚したと言う知らせが書いてあったのです。領事はそれを健気に待つ蝶々夫人にどうしても言い出せない。ピンカートンガ新妻を連れて長崎に、そろそろ着くころだと言うことも…。
しかし、領事も驚いたことに、蝶々夫人はピンカートンとの間に男の子を産んで育てていたのだった。
誰にも言われなくても毎日海を見ている蝶々には「エイブラハム・リンカーン」と言う名前の白い大きな船が入港したのを見て、愛しいピンカートンガ帰ってきたことを悟る。
そして、その日は歓迎の意味をこめて花びらを部屋に撒き散らし、ピンカートンを待つのです。しかし
待てども待てどもやはり、ピンカートンはこない。
ようやくやってきたのはピンカートンではなく(ピンカートンは3年待ちつづけた蝶々夫人に、どうしても会うのがこわくなったのだ)ピンカートンのアメリカ人の妻。それを見た蝶々はすべてを悟る。
そして、アメリカ人妻に息子をたくして、自分は父親のかたみの刀で自害して果てるのです。
++++++
なんとなく聞いたことがあるし長崎グラバー邸に行くと耳にもしますが、全ストーリーはマンガを読むまで知らなかったですね。
外国から見た日本の女ってこんな感じなんでしょうかね。
ちなみに、蝶々夫人は結婚したとき15才。死んだときは18歳です。
同時収録には
●トゥーランドット
●ラ・ボエーム
「マンガ名作オペラ」他にも出版されています。↓
ニーベルングの指環 (上)
里中 満智子

ニーベルングの指環〈下〉
里中 満智子

サロメ
里中 満智子

フィガロの結婚
里中 満智子

カルメン
里中 満智子

椿姫
里中 満智子

2006年02月02日
戦線スパイクヒルズ 1 (1)
井田 ヒロト

戦線スパイクヒルズ 2 (2)
原田 宗典 井田 ヒロト

ノムラノブオ…高校3年受験生。
一見なんの変哲もない普通の高校生なんだけど、実は驚くべき能力があった。
それは…
すりの才能。
超能力とも言える淒ワザで、あっという間に相手の懐から財布を奪える。ともすれば気付かれる前に元にも戻せる。
しかし、その能力に気付いた人間がいた!
それは同級生の蕪木(カブラギ)こと、スウガク。
しらばっくれるノムラだったが、スウガクは執拗にノムラに迫る。
彼には驚くべき計画があった。
その計画とは、名門早慶大学への不正入学に関するもの。
その計画に、ノムラの能力がなくてはならないのだった。
どうするノムラ。
突然現れた謎の美少女、キクチを含め、物語はどこに向かうのか。
+++感想+++
これ、原田宗典さんの「平成トム・ソーヤー」と言う原作をマンガにしたものです。
原作、読みましたよ。
原作もかなり面白い!
ドキドキハラハラする。
マンガはどうかというと、ストーリーがもっと練れてる感じもする。
原作では描かれていなかったスウガクの個人的背景や
母親が変な宗教に浸かってるのは、原作も出てくるけど
この似非教祖と受験(シマコウってヤク●)との関わりなどにも
ペンが及んでいて
読み応えあるように、思います!
まだ2巻まで。
今後の発展を乞うご期待!!
原作はこちら↓
平成トム・ソーヤー
原田 宗典

ついでに、オススメ!!
スメル男
原田 宗典

井田 ヒロト

戦線スパイクヒルズ 2 (2)
原田 宗典 井田 ヒロト

![]() | 戦線スパイクヒルズ 3 井田 ヒロト 原田 宗典 スクウェア・エニックス 2006-03-25 by G-Tools |
ノムラノブオ…高校3年受験生。
一見なんの変哲もない普通の高校生なんだけど、実は驚くべき能力があった。
それは…
すりの才能。
超能力とも言える淒ワザで、あっという間に相手の懐から財布を奪える。ともすれば気付かれる前に元にも戻せる。
しかし、その能力に気付いた人間がいた!
それは同級生の蕪木(カブラギ)こと、スウガク。
しらばっくれるノムラだったが、スウガクは執拗にノムラに迫る。
彼には驚くべき計画があった。
その計画とは、名門早慶大学への不正入学に関するもの。
その計画に、ノムラの能力がなくてはならないのだった。
どうするノムラ。
突然現れた謎の美少女、キクチを含め、物語はどこに向かうのか。
+++感想+++
これ、原田宗典さんの「平成トム・ソーヤー」と言う原作をマンガにしたものです。
原作、読みましたよ。
原作もかなり面白い!
ドキドキハラハラする。
マンガはどうかというと、ストーリーがもっと練れてる感じもする。
原作では描かれていなかったスウガクの個人的背景や
母親が変な宗教に浸かってるのは、原作も出てくるけど
この似非教祖と受験(シマコウってヤク●)との関わりなどにも
ペンが及んでいて
読み応えあるように、思います!
まだ2巻まで。
今後の発展を乞うご期待!!
原作はこちら↓
平成トム・ソーヤー
原田 宗典

ついでに、オススメ!!
スメル男
原田 宗典

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