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アンジェリク/木原敏江

2006年09月26日
アンジェリク

アンジェリク [少女向け:コミックセット]
木原敏江 秋田書店 by G-Tools
アンジェリク [文庫版:コミックセット]
木原敏江・A&Sゴロン 秋田書店by G-Tools

みどりいろ
わたしの好きな
みどりいろ
みどりの吐息
みどりの目

むかし
おとめが
おりました


時は17世紀、フランスの片田舎に、貧乏貴族の娘として育ったアンジェリク。貧乏であったがそれゆえに、当時の貴族にはありえない家庭的で愛情溢れた家族の中で、すくすくと天真爛漫に育ち、はだしで野山を駆け回るおてんば娘でありました。
そんなアンジェリクが、華やかなフランス宮廷を舞台に、波乱万丈な運命に翻弄されながらも、持ち前の明るさ強さ信念で、愛を貫きとおす人生を描いた大河ロマン!


のっけから、不幸の連続!
幼馴染のニコラが盗賊に奪われたり、城が盗賊に焼かれたり妹が殺されたり、そのうえ、自分もお金の為に身を売るような政略結婚をさせられるし、あれよあれよと転落していく中で物語が幕を開けます。

が、その不幸は一転!
結婚相手のジョフレがすんばらし~~~い男であったことから、アンジェリクの不幸は、幸せの絶頂へと転じていくのです。

しか~~し!!幸せは長く続かないのであります!!
ジョフレが時の王さま、ルイ14世ににらまれたりして、またまた不幸なことに!!

息をもつかせぬこの転落劇に、またたくまにのめりこみ、あっという間に読み終えた全5巻。最後は感動の嵐です!
詳しい感想は、↓からどうぞ。

ブラッドさんにお借りしました。ありがとうございました!





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[か行のマンガ家]木原としえ | Comments(13) | Trackback(1)

不思議な少年/山下和美

2006年09月23日
4063725391不思議な少年 5 (5)
山下 和美
講談社 2006-07-21

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時代や国や次元を超えて、空間を自由に飛びまわる不思議な少年。
彼の目を通して、人間の喜びや哀しみ、生きること死ぬこと、命を、人間の存在そのものを見つめる短編集です。
少年が主人公じゃなく、その場その場でエッセンス的な立場にある。でも、ものすごく大事な立場なんです。
わたしはこの漫画を読んで「火の鳥」を、思い出しました。
神のように人間を見守りつづける永遠の命。
だけど、神ではない。
わたしは地球の一部なのです、と言った火の鳥を。

今回ご紹介するのは5巻。
収録作品は
●フランツ・カウフマン博士
●40歳のOL村山香
●ルキ・イスカリオテ
●夫・恭平、妻・瑠璃子
●昭とたけしとヨシ坊と


あさみさんにお借りしました、ありがとうございました♪


++++++++++++++

●フランツ・カウフマン博士

90歳のカウフマン博士は、過去のありとあらゆる書物の重大な場面に登場している、その少年に目をつけた。神話などではなく、その少年は実在したのではないかと考える。考え抜いた結論は、その少年が出会った人々の記憶を捜査することができるというもの。
勇気を出して自分を解放すれば、新しいすばらしい世界が開ける。カウフマンが何故このように好きな研究を思い切り出来る境遇にあるのか、自分の過去を思い出す教授のすがたに胸打たれます。一歩を踏み出す勇気を出すことの大切さと、好きなことを一生やりぬく喜びを描いた感動作でした。
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[や・ら・わ行のマンガ家]山下和美 | Comments(2) | Trackback(0)

きょうの猫村さん/ほし よりこ

2006年09月19日
4838715951きょうの猫村さん
ほし よりこ
マガジンハウス 2005-07-14

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なんじゃーこりゃー…。

タイトルぐらいは聞きかじっていたので、その存在は知っておりましたが、よもやこんな漫画だろうとは…!!
エッセイか?と思っていたぐらいで、漫画と知って驚き、そしてページを開いてまたビックリ。一目見て脱力してしまいます。
一瞬、誰もが「これなら自分にも描ける!」と思うのでは?(笑)わたし思いました。はい。

して、中身を読んでもう一度ビックリ!こんな発想できないー!やっぱり描けない!猫がフツーにしゃべってるんだもん!
まぁ、漫画なんて何でもアリなんだから、実のところそんなにはビックリしませんがね。(どっちやねん)

+++++++++

猫が二本足歩行でやってきて、村田家政婦と言う看板の家のチャイムを押す。
「一丁目の電柱の広告見てきたんですけどー
 求人してるって
 とりあえずあがっていいですか?」
働きたい、家政婦として。と言うのです。
「うちが出してるのは『求広告』だよ。猫に何ができるっての」
と、言う言葉に猫は持参のエプロンをきりりと締め(しかし、リボンはたてむすび)食器を洗ったり、掃除機をかけたり(その次のコマは何をやってるの?どなたか、教えてください)お風呂を洗ったり実演してみせ、ついにはおかみを
「むむむ
 つ…使える」
と唸らせ…そして一ヵ月後、猫村さん(と言うのがこの猫の名前だったのだ)は、すっかりこの村田家政婦の仲間となっていた…!!

+++++

物語は猫村さんがどうして家政婦で身を立てるまでに至ったか、それは以前の飼い主のぼっちゃんの事情が深く関わってくるんだけど、猫村さんのぼっちゃんへの思慕を絡めつつ、ある家庭に家政婦として派遣され、その家庭のなかで働く様子を描いているんですが。
この家庭がね、なーんか、目が離せないんですよ~。
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[は行のマンガ家]他 | Comments(8) | Trackback(0)

グスコーブドリの伝記/ますむらひろし

2006年09月19日
グスコーブドリの伝説

4594017789グスコーブドリの伝記―猫の事務所・どんぐりと山猫
ますむら ひろし
扶桑社 1995-07

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++++あらすじ+++++

イーハトーブの大きな森の中で生まれたグスコーブドリと、妹のネリ。
森の中で幸せに成長するが、グスコーブドリ10歳、ネリ7歳の時深刻な飢饉が世界を襲う。親はわずかな食料を残して森の中に出かけてしまった。むろん、子どもたちのために自らを捨てに行ったのだ。
その後訪れた謎の男にネリをさらわれてしまう。
ブドリのもとに、またしても見知らぬ男が現れてブドリたちの家を勝手に「イーハトーブてぐす工場」と看板を立てて使い始め、ブドリも働かされる。
火山が噴火して、降灰の為にてぐすも森もダメになりブドリはついにこの森を去ります。
そして、赤ひげの男のところでオリザを作る手伝いをしながら、クーポー博士の書物に感銘を受け、やがてはイーハトーブ市の学校のクーポー博士のところへ行き、そこから今度はイーハトーブ火山局のペンネンナーム技師に紹介してもらう。
火山局の中でブドリは生き生きと火山を観察し、人々の為に肥料入りの雨を降らせたりと大活躍をする。ネリも生きており再会を喜んだりもする。
しかし、いつか家族がバラバラになった冬を予感させる天候不順の年がやってきた。このままでは厳しい凶作となり、あの年の自分たちのように不幸な人々が増える…そう考えたブドリは、火山の一つをわざと噴火させて、気候を直すことを思いつく。
しかし、その火山を爆発させる役目を負った者は、生きては帰れないのだ。
ブドリは、自らその役目を志願するのだった。

++++++

この作品は、ますむらひろしさんの、宮沢賢治シリーズの第3弾。

同時収録は
「猫の事務所」「どんぐりと山猫」

第1弾は
425790061X風の又三郎
ますむら ひろし
朝日ソノラマ 1985-07

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第2弾は
4257900601銀河鉄道の夜
ますむら ひろし
朝日ソノラマ 1985-06

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出版社が「グスコーブドリの伝記」が扶桑社なのに、ほかの本は朝日ソノラマになってますが詳しくはわかりませんが、扶桑社から3作品とも文庫として出版されているようです。

はなちゃんにお借りしました。ありがとうございました♪

4480020098宮沢賢治全集〈8〉注文の多い料理店・オツベルと象・グスコーブドリの伝記ほか
宮沢 賢治
筑摩書房 1986-01

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さてここでご紹介したいものが2つあります。

ひとつはますむらひろしさんの原作がアニメになること。
この2006年10月に、ますむらひろしさんの原作「アタゴオルは猫の森」が映画化されます。
映画の公式サイトはこちら
なんと、主人公が我らが山ちゃん、山寺宏一さんですよ♪

以前「銀河鉄道の夜」も長編アニメになりましたが、このますむらひろしさんのコミックを映画化したものだったのですね。

ますむらひろしさんの「ごろなお通信」はこちらです
Read more "グスコーブドリの伝記/ますむらひろし"
[ま行のマンガ家]他 | Comments(0) | Trackback(0)

アマリリス/岩館真理子

2006年09月15日
アマリリス 1 (1)
岩館 真理子
4088645324


岩館真理子作品のレビューリスト

今は残念ながら廃刊(休刊?)となった集英社のヤングユーで1999年の5月号から2005年の11月号まで連載されました。

休刊が2005年の11月号をもって…なので、「アマリリス」の連載終了と同じと言うことになりますよね。この号のヤングユーは最終回ラッシュだったそうですけど。
その後は同社の「コーラス」に移られたそうですが、「ぶ~け」に続き集英社の雑誌が廃刊(というか休刊…違いはあるのか?)となり、寂しく感じます。
(「ハチクロ」はこの「ヤングユー」から「コーラス」に場を移して連載されましたね)


さて、この作品、主人公は「桃田さん」。
出版関係の会社に勤めていたのだけど、退職して「花屋さん」を始めることに。
そこからスタートする、すれ違いラブコメディなんです。
相手は元同僚の赤井さん。
花粉症でちょっぴりぼーっとしていて頼りない感じもするけど、イイ男で(これが肝心)すごくクールなんです。クールというのとはちょっと違うかな。桃田さんとは基本的には両思いなんですが、いいトシした男女がいつまでも、一線を超えずにうだうだと恋人になるんだか、ならないんだか…そこまでを、うだうだと描く物語。

もちろんこの場合の「うだうだ」は誉め言葉。
もたつく二人の仲とは裏腹に、物語自体にはもたつきを感じないのが岩館さんのすごいところです。
二人の関係はもたついてるけど、ユニークな脇役たちの登場で、物語はとってもスピーディーで(?)テンポ良く、面白くおかしく笑いの内に読ませられてしまう!
岩館真理子ワールド独特の笑いと間。
堪能してください♪

物語の内容は…↓
Read more "アマリリス/岩館真理子"
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ハチミツとクローバー 10巻

2006年09月11日
4088653580ハチミツとクローバー 10 (10)
羽海野 チカ
集英社 2006-09-08

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6年間かけて連載された人気作品、ついに完結です。作者の羽海野さん、お疲れ様でした。正直言って最初は、ただの『ちょっぴり切ないラブコメ』だと思ってました。もっと正直言いますと、わたしのことですが、この年齢になってくると恋愛体質の人物を見ているのが辛いというか(笑)。あゆなんて特に。
恋愛の描き方もいろいろあるけど、この作品のあゆの気持ちはちょっとわたしは引いてしまったかな。すみません。
リカさんにもイライラさせられた。真山にもね。
付いていけないと感じる部分も多々ありましたが、それを凌駕するのは作品自体が持つ瑞々しさ、「若さ」というパワー、そして「生」にたいするマジメさ、一所懸命さ…などなどでした。二次元ではなく三次元的な立体感を感じる作品でした。
特に竹本くんのひたむきさも良かったのですが、はぐちゃんの強さにものすごく惹かれました。中でも一番強烈にショックを受けたのが、アメリカに旅立った森田のことを、竹本がはぐみに帰ってきて欲しいかと問い掛けるシーン。きっぱりと「帰って来て欲しくない。やりたいことをやったほうがいい」という意味のことを言うのだけど(手元に本がないのでセリフ分からず)あのときのはぐちゃんの強さにパンチを浴びた感じでした。自分が弱いからなおのこと、はぐちゃんの強さにしびれた。
そして事故があり、またそこでも、はぐちゃんの強さにノックアウトされた。振られてしまってるのからこその、竹本くんの優しさにもジーンとしました。
そのふたりのやりとりが好きです。
ラストはなんてあたたかい終り方なんでしょう。女心の機微もどっかに置いてきたオバハンですが、このラストには泣けて泣けて・・・。

ステキな物語をありがとうございました。
羽海野さんに心からお礼を言いたいです。

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[あ行のマンガ家]羽海野チカ | Comments(4) | Trackback(2)

ブレーメンII /川原 泉

2006年09月10日
ブレーメンII (5) Jets comics
ブレーメンII (5) Jets comics川原 泉

白泉社 2004-09-29
売り上げランキング : 5001

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
ブレーメンII (4) ブレーメンII (3) ブレーメンII (2) ブレーメンII (1) レナード現象には理由がある

ブレーメンII (3)
川原 泉
4592132432



面白かった!!さすが川原教授!!
初期の絵柄から見ればずいぶん雰囲気が変わってしまい、おまけにSF…ちょっと目が怖い…などの理由で、この本に取り掛かるまでにちょっと一押しが必要で、いつもよりも時間余分に頂きました。
しかし、いったん入り込んでしまえば、いつもどおりの川原節。
とぼけてて、のほほ~~んとしていて、平和主義で(SFなのに武器不携帯)、優しく温かい。なによりも深い人間愛が描かれている!!人間だけじゃない、命そのものを大切にする心が。
やはり、川原作品に外れなし!と思った次第。


アンドロイドはミスティー・ブルーの夢を見るか?宇宙の食欲魔人の続編です。
↑は「カレーの王子さま」に収録。

西暦2306年8月15日、大型輸送船『ブレーメンⅡ』就航。
少子化により人口は激減しているのに、宇宙開発はさくさく進み、広大な宇宙で思いっきり人手不足となり人類はとっても困ったことになっている。
アンドロイドだの、高度な知能を持つものはものすごく高価だから使えない。
反対に、ワシントン条約での手厚い保護のため動物たちが急増。
パンダなんか道端にゴロゴロいる状況なんです!!(見てみたい!!)
そこで登場するのはディーター・モーゲンスターン博士。
博士がバイオテクノロジーを駆使して作り上げたのは…

なんと、人間と同じ知能を持つ動物たちだった!!

さて、大型輸送船ブレーメンⅡの機長に任命されるは、イレブン・ナインの異名をとる(誤差が思いっきり少ない=メチャクチャ優秀)なキラ・ナルセ。
マウンテンゴリラのダンテ君を副機長に迎えてクルーにも様々な動物たちを乗せていざ出航だ!!
そこに、プラス異星人、火星人のリトル・グレイ。別名くつくつ虫がくっついてきて、ブレーメンⅡは、色んな星で出会いや事件を経験しつつ、宇宙を旅するという物語なのです。
クルーが襲われる事件があったと思えば、社長であるナッシュ・オリジナルが乗り込んでいたり(コピーのほうがよっぽど社長らしいのだ!)ステルス・スーツを着込んだ動物好きのジャック・王がブレーメンを狙って乗り込んだりと、気が休まる暇がないぐらいいろいろな事件が持ち上がる。
きわめつけは


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[か行のマンガ家]川原泉 | Comments(6) | Trackback(0)

貴船の道/山岸凉子

2006年09月08日
貴船の道
緘黙の底 (しじまのそこ)
鬼子母神

以上三作品は、↓でご紹介した「黒鳥(ブラックスワン)」の同時収録作品です。

貴船の道
浮気相手がいる夫を残してしんでいく妻。
穏やかに死んで行きたいのに、夫が自分の死に「喜悦」の表情を浮かべたように見えて、心安らかではない死となってしまった。
そこに当然のように後添えとして入ったのが、不倫相手。
しかし、いきなり幼い二人の子どもの「母親」になり…。

結局、亡くなった元妻の面影におびえながら生活してて、夫はと言えば帰りは遅く家庭を顧みない。そこで初めて自分が、元妻の生前にどういう仕打ちをしてきたのか、この女に分かるのだけどその心理描写はお見事。
形は「略奪愛」ではないけど、妻が死んで「嬉々として」彼氏と結婚した形になるだろうと思うのだけど、それはそれほど幸せなことなのか。
苦しむ彼女に読者は、同情してしまうのでは?
そして、案外献身的な姿に好感も…。
不倫相手と言うと無条件に「悪」としてみてしまいがちだけど、すこし違うポイントから見れば、また別の感情が湧いてくる。
それにしても、いろんなところで妻の「亡霊」のようなものにおびえるんだけど、それは「幽霊の正体見たりなんとやら」の部分もあり…と、言い切れないところが山岸作品の怖いところですね!



緘黙の底
性的虐待の話。↓


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[や・ら・わ行のマンガ家]山岸凉子 | Comments(0) | Trackback(0)

プライド/一条ゆかり

2006年09月06日
プライド 1 (1)
プライド 1 (1)一条 ゆかり

集英社 2003-08-19
売り上げランキング : 13642

Amazonで詳しく見る
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プライド 2 (2) プライド (3) プライド (4) プライド (5) プライド 6 (6)



「正しい恋愛のススメ」とか「おいしい男の作り方」とか、楽しくって面白いんだけどもなーんか軽すぎで、ちょっと遠ざかっていた一条ゆかり作品。なんか坊さんの娘と牧師(神父だったか?)の娘の話もあったけど、殆ど読む気も起こらないほど気持ちが離れてしまっていたの。
この「プライド」が評判がいいのは知っていたけど、読む気も全然なかったんですよね。正直な気持ち。
でも、久しぶりに読ませて頂いて、これは面白い!!のっけから釣り込まれてしまった!!
歌の世界版「ガラスの仮面」とも言えるような人間関係。しかしかなりドロドロとえぐい部分もあり、目が離せません。

そして何よりも声を大にして言いたいのは、内容もさることながら、画力!!いつまでたっても絵がきれい!!
残念ながら年を経るごとに画力が落ちたり、絵の雰囲気の方向が変わっていってしまったりと言う漫画家が多い中、一条さんのレベルの絵をこうも長年にわたって維持していると言うのは、これはやはりすごいことです。

とりあえず、今日はこれだけ言いたいぐらい興奮しました。
今度きちんとあらすじのご紹介などします。

ブラッドさんにお借りしています。ありがとうございます!

[あ行のマンガ家]一条ゆかり | Comments(8) | Trackback(0)

グリーンハウスはどこですか?/岩館真理子

2006年09月04日
グリーンハウスはどこですが


グリーンハウスはどこですか
岩館 真理子
4088503708


◆グリーンハウスはどこですか? 1976年週間マーガレット40~50号
◆あの星をひとつぶ  1972年週間マーガレット33号

うれしい♪
このコミックだけ探してもなかったんだけど、ようやく入手の運びとなりました。わーい♪♪

時期としては「ふたりの童話」と「17年目」の間に出版されたコミックでかなり初期の作品といえますね。初々しいです^^

(その他の岩館真理子作品のレビューリストはこちら


◆グリーンハウスはどこですか

ある日、下宿家の「グリーンハウス」にやってきた、ウルトラ方向音痴の女の子、小川理津。グリーンハウスに来る前にあまりに迷ったために行き倒れてしまい、下宿屋のおばさんの息子健太郎に背負われて…。
グリーンハウスにはいわれと言うか、思い出があるんです。
下宿家の現オーナー(このひとのおじいちゃんが元々下宿家のオーナーだったんだけど引退して今の健太郎の母に代替わりしたのです)が娘時分のはなし。

とってもステキなカップルがいました。
その二人は結婚したに違いない。
で、オーナーは憧れのそのカップルがいつか訪ねてくれると思って待っているのです。オーナーはその男性が好きだったのです。

ところで、この理津。なんだか秘密めいている。やけに懐かしそうにこのグリーンハウスを見つめる眼差し、時々見せる寂しそうな表情などなど。
なにか、グリーンハウスに思い入れがあるのでは?

彼女は、オーナーの憧れのカップルの娘に違いない!と、下宿人たちは憶測を飛ばしあうのですが…。

そんな時、理津の弟まもるが理津を訪ねてくる…。


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あすなろ坂/里中満智子

2006年09月02日
B00007CGMFあすなろ坂 [文庫版:コミックセット]
里中満智子
講談社

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4062604280あすなろ坂 (1)
里中 満智子
講談社 1998-08

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4062604299あすなろ坂 (2)
里中 満智子
講談社 1998-08

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1972年から1978年まで講談社の月刊ミミにて連載された大河ロマンです。


幕末から昭和の敗戦まで、有馬芙美という名の1人の女性の波乱万丈な生涯を描きますが、その子々孫々、ひ孫の代まで主人公の血を引く女たちはみんなが波乱万丈な人生を送るんです。
視点を、主人公からその子どもたちへ、そしてまたその子どもたちの代へと移し変え、彼女たちが愛を貫きとおす様をドッラマティックに描いてあるんだけど、なぜかみんながみんなこっちの思うような相手と結ばれてくれない。ちょっとじれったいのだけど、それだからこそ真実味と迫力ある愛のドラマに仕上がっていると言えるでしょう。いかにも里中さんらしいストレートでダイナミックな大河ロマンですね。
そして、女達の生き様をいつもあすなろの木が見守っていると言う。
あすなろというと、井上靖氏の「あすなろ物語」なんかも髣髴としますが、ここでも「明日は桧になろう」としてなれない木だと説明されています。
しかし、この主人公たち(有馬家の女たち)の中で、ただひとり、詩絵という、芙美から言えば孫に当たる彼女が言います。
「ひのきじゃないのにひのきになりたがるなんておろかだわ
 あすなろはあすなろでいいじゃない
 そのかわり『ひのきよりいい木だ』と自分で思いこめばいいのに」
と。
この言葉が示すとおり情熱的な人生を送る詩絵です。

主人公は、芙美ですが、かのじょは幕末の戊辰戦争から、日進戦争、日露戦争、第一次世界大戦、太平洋戦争となんと5つの戦争、そして関東大震災を生き延びてきます。
長く生きると幸せもあるだろうけど、これでは哀しいことのほうが多い人生ともいえるのかも。
夫の死はとうの昔、孫のひとりが溺れ死に、そのために息子新之助の家庭がひび割れてくる。
娘も戦争、ファシズムの犠牲となって死んでしまうし、その孫は名前すら分からずに行方不明だし。
関東大震災では初恋の人(長男新之助の本当の父親)新吾を亡くしたり。
大きな不幸に見舞われつつも、人生の終焉には「くいはない、しあわせだった」と思える人生を歩んだ人です。(享年92歳!!、ということは1853年生まれ。安政ですよ。安政の始めの生まれです。この人!)


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[さ行のマンガ家]里中満智子 | Comments(6) | Trackback(0)
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