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…すぎなレボリューション/小池田 マヤ

2007年09月21日
…すぎなレボリューション (1)
小池田 マヤ

406337405X

関連商品
…すぎなレボリューション (3)
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こちらも、ネッ友さんのブラッドさんにお借りした漫画です。ありがとうございます。
地味なOLがいきなりのロストバージンから本当の恋をして、紆余曲折の末にそれを成就させるも、お互い思い合いながらもすれ違いを繰り返す。その間にどんどん強く逞しくなり、もともと持っていた夢に近付いてゆくサクセス系ラブストーリーです。
非常に珍しいのはこれが4コマ漫画だということ。
それでいて、ストーリー漫画だということ。
4コマ目にきちんとオチをとりながら、うまく長編ストーリーにしている・・・稀有な才能を感じました(何様)。


あらすじ+++++++++++++++

地味でダサいお局OLの倉井すぎな、彼女は会社内でも浮いた存在で友達もいないどころか恋人もいない、そしてバージンのまま29歳になったような恋に縁のない女性。
しかし、会社の飲み会があった翌日、すぎなが自分の家で目覚めてみれば、たしかに初体験、いわゆるロストバージンをいたした痕跡が!!!
まるで記憶にないすぎな。焦ります。
でも会社でも誰もそんなそぶりを見せない。

実はすぎなには、片思いの相手がいました。日置君です。(「へき」と読みます。うちらの地方では「ひおき」ですけど)
すぎなは「初体験をした相手は日置くんであってほしい」と言う願いを持ち(でも、彼からはそんなそぶりも雰囲気も伝わらない)少しでも日置くんにふさわしい女になれるようにと、メガネからコンタクトに、メイクもして女性らしく、そして何よりも人に対する態度を一転して軟らかなものに努力して変えてゆきます。
もともと仕事の出来るすぎなは、とっつきやすくなったことで、元来美肌の持ち主であったことから急速に女に磨きがかかり、今までと打って変わってモテ系女に大変身。
さぁ、日置くんはそんなすぎなに振り向いてくれるのでしょうか。


+++++++++++++++

この作者は女性心理のつぼを見事についてきています。
すれ違いのじれったさと言い、ちょうど良い加減のセクシーさと言い・・。その場面もどぎつくはないけど、そこが良くて、すごくドキドキさせられました。

すぎなは何度も変わってゆきます。脱皮を繰り返すように。
地味で暗いOLから、好感度の大きいモテ系OLに、次は挑発的で攻撃的なイジワルOLに、、、時には母性本能たっぷりの優しい妻のように、そしてデキるOLに・・・と。何度も変わります。
だけど、本当のすぎなは、一体どれなのか。
結局それを最初から分かっていたのが日置だということ。
時々、この日置が無性に憎たらしかったり頼りなかったり、バカだったりとムカつくんですが、すぎなのことを一番分かっているのは彼なんですよね。

最後まで「油断大敵」な展開でいったいどうなるやら、と思いましたが。女はこんな風に男に求められたい、と言う気持ちを持っているのではないかなと。それを見事に「4コマ」と言う形で作り上げた作者には、非凡を感じます。

ラストは大きな感動が待っています。オススメ!!



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恋のめまい愛の傷/一条 ゆかり

2007年09月21日
4088641965恋のめまい愛の傷 (1)
一条 ゆかり
集英社 1995-07

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4088642058恋のめまい愛の傷 (2) (ヤングユーコミックス―Chorus series)
一条 ゆかり
集英社 1995-09

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4086182653恋のめまい愛の傷
一条 ゆかり
集英社 2004-12

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コーラスで94年7月号から95年3月号まで連載された作品です。
連載当時、コーラスで読んでいました。
連載陣の中でもかなり楽しみにしていた作品でしたが、こうして単行本になったものを読むと、今さらその面白さに一気読みさせられます。
一条さんの作品は、たいてい暗ーいド・シリアスか明るいコメディに別れるのですが、この「恋のめまい愛の傷」はタイトルからしてわかるように、ド・シリアス。ドロドロの展開ですが、主人公のひたむきなところや誠実さが、女性から見ても好感が持てるので後味の良い作品になっています。
タイトルも良い。「恋」はめまいに襲われるようなもの、「愛」は傷を伴うもの・・・。うーん、スタイリッシュ!

あらすじ+++++++++

主人公の更紗はフランスで知り合い、恋人になった婚約者の亮とともに日本に帰ります。3年ぶりの日本、空港に出迎えたのはもちろん初めてお目見えする婚約者の家族たち。そこで更紗は3年前に別れたはずの、年下の恋人、琳に再会したのです。

3年前・・・
ふたりは年齢差もなんのその、深く愛し合う恋人同士だったのですが、琳の気持ちがあまりにもエスカレート、更紗を愛しすぎて日常生活に支障をきたし、母親に知れるところとなり、心配した母親に更紗は別れさせられたのでした。

今目の前にいるのは、3年経ち、高校生当時の面影は無くすっかり大人の男になった琳と、自分たちを引裂いた憎むべき母親。彼らはなんと亮の弟であり、母親だったのです。(3年前は離婚してたが復縁した)

琳への想いを断ち切れないながらも、亮との生活を大切にしようと決心する更紗、更紗の気持ちを今度こそ大切にしようと決意する母親、更紗に捨てられてすっかり女性不信になり、セックスフレンドこそ大勢いるけれど本当に人を愛する事を忘れてしまった琳、そして何も知らずひたすら更紗を愛している亮・・・・。

更紗の愛の行方は・・・??

++++++++++++++++

一条さんの漫画は読ませます。スピーディです。逸らせません。
この漫画、全2巻っていうのも良いです。
最近長期化傾向にある連載マンガの中で、この2巻と言う短さで潔く、結末をきちんと落とし、消化不良でもなく感動を持って終わったことがすごく好ましいですね。(「プライド」も長くなって、最近ちょっと失速感が…)
そして登場人物たちがカッコイイ!見た目ももちろんカッコいいけど、なんちゅうの、生活スタイルとか、気持ちの持ち方とか収め方とか、なにもかもかっこいいです。
カッコよすぎるのが難点、って言う気持ちもありますが。まぁ少女マンガなので泥臭さは一切排除されていると言うか、逆に言えばそれが一条さんの持ち味ですよね。

更紗は結局琳と結ばれるのだろう、そうであってほしい!と言うのが一般的な読者の願い。でも、亮もカッコイイしなに不足ないパートナーで・・・と言うか、どっちかと言うと、夫にするのはこのタイプに限るよね。琳は更紗に捨てられたと誤解しているから、女を憎んでいるけれど、誤解が解ければ「年下」「イケメン」「ソフト開発=エリート」と3拍子そろっているし、まぁどっちに転んでも更紗には美味しいに違いない。

ラストはキレイにまとまりすぎですが、それでこそ少女マンガ!それでいいのです。この後、冠婚葬祭や法事などで(法事をするような家には見えないけど)一家が集まるときにはかなり気まずい思いをするだろうとか、更紗は今妊娠していたらどっちの子かわからんぞ、とか、そんなことは考えず、この気持ちよい爽やかなラストを楽しみたい作品です。
今思うと、展開としてはもっとドロドロになる可能性もあったのに(たとえば、もっと亮が豹変して更紗を苦しめるとか←安易すぎ?)みんな善人のまますんなり終わったのが、最大の長所かもね。
ただ、琳にはもっともっと、嫉妬に苦しみ妄想炸裂で悶絶してもらいたかったかも(笑)。



ブラッドさんにお借りしました。
ありがとうございました。





↓アジアドラマにもなっています。
主演は「流星花園~花より男子」で日本でも人気急上昇アイドル“F4”のジェリー・イェン。すごい人気みたいですね。

B0007OE74E恋のめまい愛の傷~烈愛傷痕~[2枚組 DVD-BOX]
ジェリー・イェン
エスピーオー 2005-04-08

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[あ行のマンガ家]一条ゆかり | Comments(7) | Trackback(0)

デトロイト・メタル・シティ/若杉 公徳

2007年09月19日
4592143515デトロイト・メタル・シティ 1 (1)
若杉 公徳
白泉社 2006-05-29

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4592143523デトロイト・メタル・シティ 2 (2) (ジェッツコミックス)
若杉 公徳
白泉社 2006-10-27

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4592143531デトロイト・メタル・シティ 3 (3)
若杉 公徳
白泉社 2007-04-27

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バンド名は「デトロイト・メタル・シティ」。インディーズ悪魔系デスメタルのカリスマ的人気を誇るバンド。「昨日は母さん犯したぜ、今日は父さんほってやる」とか「すべての女をレイプせよ」とか「メス豚どもを売り飛ばせ」とかこう言う歌詞の楽曲でライブ会場内は興奮の坩堝!
そのボーカル、クラウザー(曲も作っている)・・・しかし、その実態、根岸崇一くんは、実は心優しい青年で、おしゃれでPOPな歌が大好きで(カヒミカリィのファン)、田舎の母を大事にし「お母さんにも『いい感じの歌ね』と誉められるような歌がうたいたい」それが願いなのです。
願いとは裏腹に、やりたい曲は誰にも受けず認められず・・・やりたくないデスメタルは熱狂的なファンがいて、止めたくても止められず。そのギャップが面白いのですが、特におかしかったのは、あるとき田舎に帰ったらお母さんが「DMC(デトロイト・メタル・シティ)」のバンドTシャツを着ていたとき。しかも弟までがDMCに毒されているのです。
なんとも申し訳ない気持ちになってしまう根岸君。弟を「更生する」ことを決意して、なんとクラウザーの姿に。この「更生」がすっごくおかしかったですね。
「織田信長を本能寺で暗殺したのは誰?」と勉強まで教えようとするクラウザーにたいして、根岸弟は「それはクラウザーさんでしょ!!クラウザーさんが殺したんだ!!」と。「たしかに裏では自分が動かしたのだが、表向きは明智光秀と言う事になっている」と教えながら心の中で「俊くん(弟の名)こんなにバカだったんだ」と呆れる根岸くん。
一事が万事こんな調子で、おばかなんだけどどこかこの根岸君の自虐的な苦しみに、読んでるこっちも胸が切なくなるマンガですね(え?)。
[や・ら・わ行のマンガ家]他 | Comments(2) | Trackback(0)

万福児/下吉田 本郷

2007年09月19日
万福児
万福児下吉田 本郷

集英社 2006-05-19
売り上げランキング :

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万福児 2 (2) 万福児 3 (3) (クイーンズコミックス) サムライカアサン (クイーンズコミックス―コーラス) サムライカアサン 2 (2) サムライカアサン 3 (3) (クイーンズコミックス)



ちょっと不気味だけど、汚くはない。可愛くないけど、味がある。いやらしい笑顔だけど、憎めない。触りたくないけど、ずっと見ていたい、おおむねキモいのに時々ミョーにキュート・・・とっても不思議な脱力系幼児キャラ、福志ちゃん(ちゃん付けが似合わん!)が大活躍のナンセンスギャグマンガ登場!

ペンタッチがサッパリ系でくどくどしくないので読みやすいにしても、これが少女マンガ誌連載って言うのがまずビックリ。最初青年誌系の雑誌連載だと信じて疑わなかったもん。「コーラス連載」の文字見てびっくりしましたよ。我が目を疑った!なぬ??と。いつの間にコーラスはこのようなマンガを連載する事になっていたんだぁ~!!ま、確かにペンタッチ的には「少女系」なんでしょうけど。言われてみればそこはかとなく上品で、少年系にありがちな下品さはない。たとえウンコを扱っていても。そこんとこは少女マンガとしての気概みたいなのがあって好感が持てますね。(何様じゃ)

福志くんは幼稚園児ですが、万福寺の息子。真っ当でモラリストのお父ちゃんと、かなり羽目がはずれているお母ちゃんとの3人暮らしです。(近所に仙人のように暮らしている身内あり)
福志の奇想天外な行動も面白いけど、クレヨンしんちゃんに見るミサエのような母ではなく、この福志の母文子さんは福志に輪をかけたような奇想天外な発想の持ち主で、この福志と文子と言う二人のコンビネーションが強烈で絶妙!!素晴らしいです。(ビックリんこ、とか、ハゲメット、とか、足の指のまた洗い器←もっとそれなりの名前が欲しい所だけど、とか笑える!)

なんと、公式ウェブサイトがあるのですよ。
興味のあるひとは是非とも見てね。

「万福児」公式サイトはこちら
「福志成長日記(管理人は文子さん?)」はこちら

[さ行のマンガ家]他 | Comments(0) | Trackback(0)

僕のやさしいお兄さん/今 市子

2007年09月11日
4832284789僕のやさしいお兄さん 1 (1) (花音コミックス)
今 市子
芳文社 2007-08-29

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これまた今市子の真骨頂と言う感じの胸キュンじりじりじれったいBL作品。「夜と星のむこう」よりも、より「あしながおじさん達の行方」に似ている感じがしました。

おじいちゃん、大じいちゃんと3人暮らしの主人公、聖(さとし)15歳。空手道場の仲間に指摘され自分がゲイだと目覚めて、2丁目デビューを果たし、そこでたちまち恋に落ちます。ところが一目惚れした「王子」と、何故か義兄弟になり、同居する羽目になるというハナシ。

この物語は大変、人物相関がややこしい。「あしながおじさんたちの行方」の時も、かなり難しかったけど、今市子さんの物語はこう言う部分でかなり複雑なものが多いですね。ついていくのが大変ですわ(^^ゞ

まず、聖の父親にしろ、実の母にしろ、父親の再婚相手にしろ、離婚再婚が多すぎる!
聖の母は、聖の父親と結婚→離婚→鉄平の父と再婚→離婚(鉄平を引き取る)。
聖の父親は、彰人の母親と結婚→離婚→聖の母と再婚→離婚→彰人の母と再々婚→離婚。
彰人の母は、聖の父親と結婚→離婚→再婚→離婚。


で、このたび聖が同居することになったメンバーは、
聖の母、
聖の母が再婚して別れた相手の連れ子である葛飾鉄平、
聖の母親違いの兄、柏原彰人
以上4人の奇妙な同居が始まったと言うわけです。

スキだけど義兄弟になってしまい同居までしているので、自分の気持ちを抑えなくてはならない、なのに、そこに好きな相手がいるので悶々とする気持ちが面白く切なく胸キュンなのです。今後どうなりますか、今はまだ序章って言う感じかも。

このハナシのなかでは断然、聖の母親がオカシイ。
一気に、二人の男の子を引き取ってむさくるしいトシゴロの男3人と一緒に暮らすとは、普通の感覚ではありえません。自分の息子でも手を焼くトシゴロなのに、自分の息子の聖だけなら話は分かるけど、離婚した相手の息子を二人も!19歳とか24歳とか。もっと小さい子供だったら分からんでもないのですがね。
ん~~それとも、離婚したのがもっと前で、鉄平はもっと小さかったかな。それにしても24にもなって血のつながらない母親と同居しているこの男ってどうなんでしょう。さっさと独立しろと言いたいような。臨時教員と言う職業柄、実入りが良くなく、独立できないとか?でもその辺深く追求するとハナシがつまらないのでスルーしましょう。でも、みんなには「恋人と一緒に暮らす準備中」って言ってたんですよね。母親の元を去る気持ちはあったと言うわけか。
おっと話がそれましたが、母親の話に戻って・・・もともと、そんな風に常識では図れない神経の持ち主である母親なのですが、やっぱり同居の「ムリ」がたたって段々と壊れていく様子が面白いですね。「男」を描くこの手のマンガの中で、今市子さんの描く女性像はしっかりと設定されてて面白いです。彰人の母親もちょっと変・・・。

主人公二人の恋の行方に関しては、今後の展開が非常に気になる!
楽しみです。
ぐっふっふ~♪


しかし、聖、15歳にしては経験豊富すぎですよね~。
あと、大じいちゃん、カッコよい♪
楽園」の川江とか「幻月楼」の若旦那や与三郎、「百鬼」の律みたいな萌えキャラがいないのがちっと寂しいかな(~_~;)
[あ行のマンガ家]今 市子 | Comments(2) | Trackback(0)

幻月楼奇譚 (2)/今市子

2007年09月11日
4199603557
幻月楼奇譚 2 (2) (キャラコミックス) (キャラコミックス)
今 市子
徳間書店 2007-08-25

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味噌屋の若旦那、升一郎と幇間(たいこもち)の与三郎が、妖しげなお茶屋「幻月楼」」でおりなす不思議で幻想的な物語第2弾!
(1巻の感想はこちら
今回は

・幻月楼の裏手にある「しげはま」というお茶屋で姿なき殺人事件が?ユウレイの顔が浮き出る庭石に封印された「秘密」とは!・・・・

・満開の桜の木下で人気芸者、勝於が殺されていた。升一郎は疑いをかけられるが。

・升一郎の幼馴染、呉服屋の若旦那のコウちゃんの縁談は叔母によって悉く破談の憂き目に。しかし、その叔母が毒を盛られて急死してしまった。生前懇意にしていた高利貸しの高田屋との関係は・・・。

・与三郎が欲しかった女は目の見えない芸者、お夕だった。時おり現れて人々を誘い込む「白い手首」とは。

と、さわりの部分を書いてみましたが、結構どの話も複雑で一読しただけでは、よく理解できませんでした(^^ゞ総じて言えるのは、やっぱり後ろからそっと抱きしめたり、軽く口付けをしたり、膝枕をしたり、口元を手で押さえたり、そんな二人のしぐさにドキドキさせられるっていうことです。じれったさがたまらない。若旦那、早くやってしまえ~!と、言いたくなるけど、やらないのが良いのかもね。(いいえ、ヤって欲しい。下品でゴメン)
[あ行のマンガ家]今 市子 | Comments(2) | Trackback(0)

土星マンション/岩岡ヒサエ

2007年09月08日
4091883664土星マンション 2 (2) (IKKI COMICS)
岩岡 ヒサエ
小学館 2007-06-29

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地上35000メートルの上空の、土星の輪のように地球を取り巻くパイプのなかで生活している近未来の(遠い未来?)人類。パイプを磨く仕事をしている、主人公ミツと彼をとりまく人々の物語第二弾!
1巻のご紹介感想はこちらです。

何か大きな事件やドラマティックな展開があるわけではないけど、相変わらずしみじみさせてくれる物語。
閉塞感と開放感が、みょーにバランスよく入り混じってる感じですよね。

土星の輪のようなパイプの中で暮らしている、その閉塞感、そこまで地球の環境が破壊されてしまったという絶望感、でもそんなものにはとうに慣れてしまってる、しかしやっぱり根底に流れる虚無感みたいなもの…どこか諦めてしまった感じがしてて、決して「ほのぼの」だけではないと思うのですが、ミツたちの人間関係がひたひたと胸に迫るのかな?ミツたちがパイプの外に出て窓を拭いているから、開放感があるのかなとか・・・思います。
[あ行のマンガ家]岩岡ヒサエ | Comments(0) | Trackback(0)

天然コケッコーの散歩路 増補版

2007年09月08日
天然コケッコーの散歩路 増補版 (クイーンズコミックス)
天然コケッコーの散歩路 増補版 (クイーンズコミックス)くらもち ふさこ

集英社 2007-07-19
売り上げランキング :

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コーラス 2007年 09月号 [雑誌] 天然コケッコー―映画ノベライズ (コバルト文庫 し 2-17) 言葉はさんかく こころは四角(初回限定盤)(DVD付) H (エイチ) 2007年 08月号 [雑誌] シネマガールズ (双葉社スーパームック)


遅ればせながら「天然コケッコーの散歩路 増補版」をゲット。
「増補版」と言うのは、念のために書きますと、2004年に出版された「増補版」じゃない、従来の「散歩路」に、今回の映画関連のページが31ページほど増えていて(大沢君の転入直前のエピソードの書き下ろしマンガもついています!)映画を見た人には嬉しさがプラスされているわけです。

もちろん原作ファンにも、必読の一冊。
くらもちさんの素顔とか、カラーイラスト(扉絵)集も嬉しいけど、やっぱり一番は「ぷ~ちゃんの玉手箱」でしょうね!
仕事場や仕事風景ペン入れ過程など垣間見る事が出来て、本当にお宝ものです。くらもちさんのインタビューも絶対に読むべき!先生の天コケに対する想いがものすごく伝わります。
読者も、表紙絵なんかで、絶対に木村以外の人がいないことに安心感を得るのですが、やっぱりくらもちさん自信も「木村にはよその人の姿を描きたくなかった」と。意識されてたんだなぁと思うと嬉しくなります。
仲良しの多田かおるさんのことも出ていて、過去形で多田かおるさんを語ってるんだけど、現在形も混じってるのが切ない。多田かおるさんのことは、わたしも今でもちょっと泣きそうになります。

とか言いながら実は前回出版の増補版じゃないほう、つい最近ゲットしたばかり。読み比べてみたら、増補版のほうがお得感は確かにあります。書き下ろしマンガもついてるし。どっちにしろ、天コケファンは必読の書です!(今頃買った私が言う事じゃないけど(^^ゞ)
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天然コケッコー 特別編(コーラス)

2007年09月04日
B000V5DQ64コーラス 2007年 10月号 [雑誌]
集英社 2007-08-28

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scene.40の「?」に関するお話。
そよちゃんの卒業後、卒業アルバムをきむ中で見る村娘3人組。
アルバムから一枚のスナップ写真が登場します。
大事な写真?と思ったら、それは・・・!!


この「?」の日の後日談を思い出しているそよちゃん。
ねこ(一輪車)を貸してくれたスエばあちゃん。
あるとき怪我をして。

個人的に「おばあちゃん」には弱いので、このお話はツボ!そよちゃんの優しさが伝わってきて、立ち読みした(スミマセン)本屋さんで泣いてしまいました(笑)。
うまいなぁ、くらもちさん。やっぱり凄い人です。
シゲちゃんも、やっぱり憎めなくて。
原作はいいな♪

特別編の全3話、今月で残念ながら終わり。
スミマセン、すべて立ち読みで。
コミックになるのかな。待ち遠しいです。


B000TJ8YA0コーラス 2007年 09月号 [雑誌]
集英社 2007-07-28

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B000RZI9FGコーラス 2007年 08月号 [雑誌]
集英社 2007-06-28

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天然コケッコー7巻/くらもちふさこ

2007年09月02日
4088643402天然コケッコー (7)
くらもち ふさこ
集英社 1997-12

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天然コケッコー1巻 2巻 3巻 4巻 5巻 6巻

収録作品

●scene.27:中学生 高校生
●scene.28:よそもん
●scene.29:遊ぼう
●scene.30:村にテレビがやってきた
●scene.31:通学

さて、この「7巻」からそよと大沢君は高校生。丸坊主が原則の森高だけど、それを無視して大沢君は入学式に臨みます。
大勢のクラスメートにあこがれていたそよちゃん。だけど、いざ本当に大勢の同級生にかこまれるとみんなの声が、ざわめきを通り越して喧騒となってそよに襲い掛かりますが、果たしてそよちゃんは高校生活にすんなり馴染めるのでしょうか?

+++++++++++

わたしは全編を通してこの「scene.27」が大好きです。人いきれ(?)の中で戸惑い気分が悪くなるそよちゃんの最高の薬は、きむ中だった。。。そよちゃんの気持ちがひしひしと伝わるし、そして何も言わずにただ見守る大沢君がとても好き。そよちゃんが気付かないところで、そよを想って(心配して)いるこの大沢くんが、全編通して一番好きかも。(修学旅行の東京でそよちゃんが迷子になった時の大沢君も好きですよ、むろん♪あと、伊吹ちゃんたちの卒業式に探しに行くときとか・・・まぁ一杯好きなところはあるんですが。と言うか、好き、大沢君。)
それに、この回ではさりげなく挿入される二人の卒業後のきむ中の様子が、ものすごく愛しいのです。セリフは何もないけど話している事が手に取るように分かる気がする!このあとの、くらもちさんの後世に残る名作中の名作とわたしは思うのですが「scene.37」の「ときめき」はここから生まれたのでは?と、思うのはうがちすぎでしょうか。

ふたりが高校生になり、当然きむ中は中学生が3人になり寂しくなります。寂しいって言っても、みんなそれは当然のこととして受け止めている、でもそこここに漂う「寂しさ未満」の気持ちが、場面の一つ一つから伝わるのです。

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