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花に染む/くらもちふさこ

2012年01月24日
4088655974花に染む 1 (クイーンズコミックス)
くらもち ふさこ
集英社 2010-08-19

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4088656210花に染む 2 (クイーンズコミックス)
くらもち ふさこ
集英社 2011-03-18

by G-Tools

花に染む 3 (クイーンズコミックス)
くらもち ふさこ
4088656539



3巻まで出て第一部完・・・・・・というところで、感想書いてみます。
駅から5分」の、今流行の言葉で言うとスピンオフと言うか・・・「駅から5分」がこの「花に染む」のスピンオフか・・・どっちも実は「本編」と言えるので、やっぱり「スピンオフ」なんて言いたくないな~と思いますけども・・(^^ゞ。

「駅から5分」は花染町を舞台に繰り広げられる、さまざまな「主人公」の物語ですが、その中でも中心となっているのは、花染高校の生徒会執行部であり、生徒会会長の圓城陽大。
この「花に染む」では彼らの物語が展開しています。
どうして陽大が2学年遅れているのか。
どうして陽大と雛の姉弟が、ああいう冷たい関係なのか・・・。
その秘密がいよいよ明らかに!!

主人公は陽大でも雛でもなく、ましてや水野ろうらでもなく、花乃。陽大の同級生です。
陽大は最初から花染町の住人だったわけじゃなかったんですね。
雛とは実の姉弟ではなかったんですね。
そして、雛とは昔・・・お互いに思い合っていたんですね。
なんかビックリする背景があったので、最初は戸惑いました(^_^;)。
お馬鹿な私は少し付いていけなくて「あれ?なんか読み飛ばしたのかも」と思うぐらいに「駅から5分」で知っている圓城きょうだいの姿とは別の姿がありました。
あんなにクールな陽大も、もっと小さいころはあんなにも無邪気で可愛い笑顔を見せていたんですね。
すごく悲惨な過去があったのです、陽大には。
そして、その一端を自分の責任として背負っています。
自分が許せない、そして雛を許せない。
だけども、本当の本心はきっと・・・・・・?

花乃は陽大に「親友」と言われたことで、その居心地をよしとし、そこにあえて甘んじています。
本当は好きなのに、揺らぐことのない「親友」と言うポジションにいることで安心を得て、自分をごまかしている。
水野楼良が、「駅から5分」で急速に弓道が発達したからくりは、花乃のお陰だった。
雛も花乃も陽大を愛しているはずなのに、心に秘め、結果的に楼良の応援をする形になってしまってます。

ひゃ~・・・・・切ない・・・!!!!!

水野楼良は雛も、結局花乃も「好感」を持ってる。

何と言う四角関係!!どうなるんだろう??この恋の行方。
誰もが「主人公」であり、誰もが「ハッピーエンド」になると思ってしまう、その「誰」っていうのが3人もいた日にゃ、いったいどうなるんですか!!
誰の恋の成就を願って読めばいいのでしょうか!!
ああ、悶絶。
陽大が3人以上必要ではありませんか????


悶絶と言えば、陽大。読めば読むほどカッコいいですね。
セクシーだわ。
花乃の後ろに立って弓を射るシーンがあるけど、本当にゾクゾクします。
早気がなおるシーンで花乃は感動でトリハダ立ててますけど、こっちは陽大のセクシーさにトリハダものです!

そしてやっぱり「駅から5分」とのリンクがあちこちに!!!
だからまた「駅から5分」を読み返してしまいました。
ああこのシーンのイリヤはこんな状態だったのか~!みたいな新発見が嬉しい。
くらもちさんの鬼才っぷりが遺憾なく発揮されています。
すごいお方です。

お願い、早く続きを出してくださいね(*^_^*)





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砂の栄冠/三田紀房

2012年01月22日
砂の栄冠(1) (ヤンマガKCスペシャル)
三田 紀房
406361977X


今回の「このマンガがすごい2012」男編で見事第二位を獲得したのが「グラゼニ」って言う漫画。
それは読んでないんですけど、Amazonの「クリック!なか見検索」で見た感じ、そして聞くところによると、プロ野球の「お金」に関する話らしいですね。
「グラウンドにはゼニが詰まっている」ということから「グラゼニ」って言うタイトルになったとか。

で、今回私が読んだ「砂の栄冠」は、「グラゼニ」がプロ野球ならこちらは高校野球、高校野球と「お金」です。
基本的に「学校」の「部活」なんだから、お金の話は置いといて・・・
爽やかにできる限り頑張って、練習して努力して栄冠を勝ち取っていく・・・というのが、一般的なイメージと言うか。
でも現実には、お金があるなしで部の強さに影響があるのは一目瞭然。
金銭に実力が左右されるなんてあってはならないという気がしますが、現実は・・・。
金があれば設備も整う、設備がよければよりよい練習が出来る、そして強くなれば人材も集まる。
そしてどんどん強くなれる。


あるとき一人の高校球児がいきなり1000万と言う大金を託されちゃうんですよ。
最初は「使わない」とか言ってるんですけど、結局あれやこれやと使ってしまうのですね。
もちろん使い道は野球に関する内容ですが、一介の公立高校の野球部が強くなるためにはどうするべきか、どういうお金が必要か、あるいは私立の強豪チームとの違いは何か・・などなど、ただ高校野球を「さわやかですがすがしいスポーツ」と見るのではなく、別の角度にライトを当て、今までの常識を覆すモンダイサク・・いや意欲作です。

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主人公の七嶋裕之は埼玉県の県立樫野高校の2年生。
樫野高校野球部は学校創立100周年に向けて、甲子園出場がかなうように強化されたチームで、
県大会決勝まで進むも惜しくも敗退。主力選手が引退したあとのチームでは主人公七嶋だけが唯一の逸材。
誰もが甲子園出場は夢とあきらめかけたとき、
いつも練習や試合を見に来ている謎の老人「トクさん」が、七嶋に1000万円と言う大金を渡し、
これを自由に使ってチームを強化し甲子園出場を果てしてくれと言う。
そのお金は甲子園に出場したあかつきに、応援費用として使おうと思っていたものだと言うが、
今回の大会が終ってからトクさんには、
「応援費用ではなくチームのために使うべきだった」と言う後悔の念があったのだ。
老いた自分の代わりに七嶋を指名し、そのお金を託したのだった。。。
あまりの大金に臆した七嶋も、トクさんの熱意に負け受け取ることに・・・。
トクさんの気持ちを受けて、七嶋は「本気」になり、甲子園出場を誓う。
そのとき応援費用として使うまで、このお金はショート定位置の地面の中に深く埋めて、
絶対に使わないとトクさんに宣言したのだった。
本気になった七嶋はまず、甲子園に試合を見に行くことにする。
が、離婚後ナースの母親と二人暮らしの七嶋には甲子園までの電車賃を捻出できない。
そこで、「絶対に使わない」と宣言したばかりのお金を早速掘り出して使ってしまうのだった・・・・。

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個人的なことを言いますと、ウチは娘が野球部のマネージャーをしてます。
だから娘の学校は地区予選から応援に行くし、甲子園も見るようになりました。
(自分が高校時代は結構熱心に見てましたよ。近年は地元の勝敗と決勝は見ますという感じでした。)
このマンガを読んで納得することや目からうろこ・・みたいなことがたくさん書かれてて面白かった。
たとえば自分がどんなチームを応援するか・・・・
そりゃやっぱり、地方から有力選手を集めてます!みたいな学校より断然地元選手が中学軟式から上がってきました・・みたいな公立高校の肩入れをしますね。
去年の大会でもあったけど(多分毎年どこの学校でもあるんだろうけど)、ずいぶん北のほうの学校だけど監督も選手も関西弁・・みたいな学校だと、インタビュー聞いたとたんに応援する気が失せたりして・・(^_^;)。
その点、秋田の能代商業みたいな学校はめちゃめちゃ応援しますよね。
まるで縁もゆかりもない学校だけど、記事の切抜きまで残してます(笑)。
「砂の栄冠」には、甲子園ファンの常連さんたちが、七嶋に「勝つ秘訣」を教えてくれます。
その中に「観客を味方につける」と言うものがありました。
観客が味方になれば甲子園は宇宙空間になり、そうなれば「勝てる」のだそう・・・。
観客に好かれるには、礼儀正しくはきはきして道具も大切にし「良い子」でいること。
近年は丸刈りじゃなくて、伸びた髪のチームもあるんですが、やっぱり好感度と言う点では「五分狩り」ですよね!(笑)
攻守の交替のときもキビキビ!!が基本だし。
極細眉毛はいけませんよね~~(笑)。
で、そういう好感度の高い学校が負けていても粘り強くあきらめない姿でついには逆転勝利なんかすると、見ているほうとしては「達成感」みたいなものを味わえたりして嬉しいものでしょう。
甲子園には「筋書き」がある。ファンの力は偉大で、ファンの念が試合を動かしていく・・と言うのが、甲子園マニアの言い分です。
七嶋もそういう意見に目を白黒させていますが、忠実に守って行こうとします。
七嶋意外はほんとに頼りにならない守備が下手な駄目チームなんですが、それを七嶋が上手く引っ張っていくんですよ。
それはとても「良い子」では出来ません。
「良い子」の皮を被った「腹黒」くんでないとならないのです。
そんな七嶋の腹黒い頑張りと、チームがどこまで着いていくか、そして、駄目監督ガーソやOB会との確執など。
以前読んだ「ラストイニング」も、高校野球を「爽やか」じゃないほうから見てて面白かったけど、今回もかなり面白いです。
七嶋だけじゃ、お金の使い方も全然パッとしないんだけど(笑)女子マネージャが結構な剛腹でして。
1000万円と言うお金度どう使うのか、どうチームを強化していくのか、見ものです。

巻末の対談「甲子園研究所」っていうのがまた興味深くて面白いんです。
たしかに甲子園に行くには1000万円なんかじゃ全然足りない。
いったい高校生のスポーツって何だろう?と考えてしまいます。
次に甲子園を見るときはまるで見る目が違うと思うなー・・・。
良いのか悪いのかしらないけど、さらに公立びいきになるんだろうなーとは思いますね。


高校野球・・って、プロ養成所であってはおかしいような気もするし、でもプロ入りと言う目標があればそれだけ強くなる力にもなるし。最終目標はいったいなんだろう?
いろいろと考えさせられて面白いですよ!



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生徒諸君!教師編 完結~最終章 旅立ち/庄司陽子

2012年01月20日
生徒諸君!教師編(25) <完> (Be・Loveコミックス)
庄司 陽子
406380321X



生徒諸君! 教師編、もうとっくに最終回を迎えているけど、今頃感想を書いております。(^_^;)
今は「最終章 旅立ち編」連載中ですね。
ナッキーはいま、フィンランドにいます。
自分の目指す「真の教育」を模索するために。

長いお付き合いの「生徒諸君」、あくたれ団。
きっと「教師編」や「最終章旅立ち編」を読んでる方々のほとんどは私と同じく、「昔から」のファンでしょう。
ファンの皆様はきっと、ナッキーと岩崎君が結ばれることを望んでらっしゃるのでしょう。
私ももちろん、そうです。
岩崎君の気持ちが報われたオリジナル版の最終回などは、本当によかったね!という安堵の気持ちと二人を祝福する気持ちで一杯だったんじゃないでしょうか。私はそうです。
でも、この「教師編」をずっと読んでいて、どうにもナッキーの岩崎君に対する態度があまりにもつれなくて、正直不信感がわいていました。
ときおり二人を脅かす沖田君の影。
死んだ人間には勝てないというけれど、まさにそのとおりで、序盤ではナッキーの教え子の叔父と言う人物が・・・そして後半では生徒のトビオが、沖田君の影を背負ってナッキーに近づきます。
ナッキーはまだまだ沖田君を忘れられず、引きずっていたんですね。
でも、良く考えてみれば、リアルタイムを生きる私たちにはもう何十年も時が過ぎて、連載開始のころはナッキーたちとほぼ同学年だった私は、もう孫がいてもおかしくない年齢・・・いませんし予定もないですが(^_^;)。
でも物語のナッキーにはまだ10年そこそこしか経ってないんだもんね。
そう考えるとそれは仕方がないことかも。
そして、ナッキーが沖田君を忘れられないのと同じように、庄司先生がきっと沖田君を忘れられないのではないでしょうか。
ナッキーと庄司先生、どちらの気持ちがどちらに憑依しているのか、それとも同じようにそう思っているのか。
でも、私たちはそんなナッキーを見たくなかったな~と言うのが本音です。
10年で愛した人を忘れるのはもちろん難しいことだと思うけど、なんてったって、ナッキーは超人だもん。
普通の人には出来ないこともやってのけるスーパーマンだもん。
忘れることが出来ないにしても、前を向いてほしいのです。
ナッキーが岩崎君に別れを告げたのは本当に辛いことで、ナッキーが岩崎君よりも教育を選んだ・・・って言うけど、おそらく相手が沖田君であれば、ナッキーが考える「真の教育を模索する」中にともに歩いている沖田君の姿もあったような気がするのは、うがちすぎなのでしょうか?
ナッキーの岩崎君への態度はあまりにも酷く、生徒諸君のファンは恐らく誰もこんな結末を望んでなかったと思うのですが。
あまりにも報われなすぎの岩崎君に同情を禁じえません~(TOT)
すぐに気持ちに踏ん切りをつけて、沖田君のお墓へいっしょにお参りした岩崎の態度は本当に立派で、今後幸せになってくれることを念じてやまないのですが、まだどこかできっと二人が結ばれると期待してしまいます。
ナッキーはフリースクールを作るでしょう。
校長は金田先生・・・そしてそこに教師として岩崎君の姿があれば良いなぁ・・・と。
もしもそうでないのであれば、正直言ってこの先を読む気力がくじけそうです・・・・(^_^;)。
でも内心、岩崎君にはもう、ナッキーを忘れたほうが幸せになれるよ!と言ってあげたい気も・・・。
庄司先生が現状の教育に問題を提起しているのは良く分かるのですが・・・いかんせん問題が大きいですからね。
フリースクールをひとつ作るにしても、それだって大変だろうけど、教育制度を変えるって言うことは・・・うーん・・。
ナッキーのことだからフリースクールを作りその中でだけ理想の教育をすれば良いって言うことでもないだろうし。
今後も引き続き見守りたいと思います。がんばりましょう。みなさん!

生徒諸君! 最終章・旅立ち(1) (Be・Loveコミックス)
庄司 陽子
4063803236

生徒諸君! 最終章・旅立ち(2) (BE LOVE KC)
庄司 陽子
4063803309


楽天ブックスはポイントがついてお得ですよ♪

[さ行のマンガ家]庄司陽子 | Trackback(0)

岳 15/石塚真一

2012年01月16日
岳 15 (ビッグ コミックス)
石塚 真一
409184085X


「岳」も15巻まで来ていますね。
ここではえらい大変な事態になっています。
私は連載雑誌を拾い読みしていて、少しだけ読んでいたのですが、こうしてコミックでまとめて読むと迫力があります。
山に登ると言うことは、事故、そして死とは隣合わせ。
それは登山者も、レスキュー隊も同じこと。
巻末にあるように、ヘリコプターでの救助が早いか遅いかで明暗が分かれるということも。
今回も牧さん大活躍なのですが・・・それだけではほっとできないほどの緊急事態で、胸が痛くなりました。
たとえ事故にあっても、決して誰かのせいにしたり誰かを恨んだりしない姿勢を持つ、「奥さん」には深く感銘を受けましたよ。(ネタバレをなるべく回避で書いているので、わけの分からない書き方になってしまいました)
三歩の内面も・・・・
「山だから」
この一言で全てが分かると言うか。
くよくよしているわけじゃないけど、むろん仲間の重大な事故は三歩にも大きな影響を与えています。
でも冷静だし・・・やっぱり悲しみ方なんかも男らしいですね。
「自分の責任だ」と思い悩み落ち込み、辞表まで出そうとする久美ちゃんの気持ちも良く分かるし、すごく辛いんだけど、でも前向きな感じで少しだけほっとします。

さてこの後、三歩は日本を離れますね。
いま連載雑誌では ヒマラヤ編かなんかで、これまた緊迫感のある状況になっています。
いつまでも目が離せませんね。

巻末で触れられている本がこれです↓ 

空飛ぶ山岳救助隊 (ヤマケイ文庫)
羽根田 治
4635047318






追記

本日1月19日発売の最新号のビッグコミックオリジナルの「岳」・・・・・・
三歩が・・・
三歩が・・・・

Read more "岳 15/石塚真一"
[あ行のマンガ家]石塚真一 | Comments(0) | Trackback(0)

スピカ ~羽海野チカ初期短編集~

2012年01月14日
459219232Xスピカ ~羽海野チカ初期短編集~ (花とゆめCOMICSスペシャル)
羽海野チカ
白泉社 2011-07-20

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タイトルどおり、羽海野チカさんの初期短編集です。
短編と言っても、本当に短編で、中にはたった6ページのものも。
でも、完成度が高いです~。
さすが羽海野さん。
心がほっこりする珠玉の短編集です。

「3月のライオン」の、ひなちゃんと高橋君の原点になったかも、と著者自ら語る「スピカ」。
バレエを続けたいけれど、それよりも進学が大事と言う母親に、自分のいかにバレエを好きか、気持ちを分かってもらえず伝えることも難しく感じて行き詰っている少女が、怪我からメンバーをはずれマネージャー行に徹している野球部員に出会うことで、自分の好きなことをやりとげる自信をつかむ物語。
淡い二人の気持ちも可愛いです。
泣いてもやめられないほど好きなものがあるというのは良いことだ。
良い台詞です(*^_^*)

ちびっ子探偵が活躍する「ミドリの犬」と「はなのゆりかご」も良いんだけど、個人的にはほんのりとBLテーストの入った「夕陽キャンディー」が良いわ~~。
たった6ページで、二人のほんの短い短い時間を切り取っただけのお話なんですが、これがもう、胸キュンキュン鳴ってしまうのです。なんたって先生がイケメンなんだもん!!カッコいいわ!!
ほんのりと甘くてすっぱくて、切ない物語。大好きです!

押尾守監督の「パトレイバー」や「イノセンス」に対する思いを描いた「イノセンスを待ちながら」も良いですね。
いや、私はどっちのアニメも見てないんですけども・・・(^_^;)

ちなみにこのマンガは、収益の全てを東日本の震災復興義捐金に当てられているそうです。
[あ行のマンガ家]羽海野チカ | Comments(0) | Trackback(0)

世界の果てでも漫画描き 2 エジプト・シリア編 /ヤマザキ マリ

2012年01月13日
世界の果てでも漫画描き 2 エジプト・シリア編 (創美社コミックス)
ヤマザキ マリ
4420220562


ご存知「テルマエロマエ」の著者による、エッセイ漫画です。
ご主人、ペッピーノとの出会いや結婚に至るいきさつも書かれていて、それもとっても興味深いのですが(だんなさん、古代ローマオタクで、話が合う著者にぞっこんになったらしい。)タイトルにもあるように、エジプトやシリアと言う、日本からはちょっと距離感のあるイスラム国家の生活が紹介されていると言う点で、かなり希少なエッセイマンガと思います。
観光で訪れる人も中にはいらっしゃるでしょうが、やっぱり観光目的地としては欧米諸国にはかなわないのでは?(あるいは近いところのアジア圏か)
わたしなんぞは海外旅行経験のない化石のような人間ですから(^_^;)こういう旅行記って大好きなんです。
あ、旅行記じゃないけどね。
この人たちは旅行じゃなく、そこに住み着いてまで、その土地を堪能しようとする貪欲さがあり(主に夫のペッピーノ氏の意向なんですけど)それをマリさんがこうしてマンガにしていることで、かなり、両国のようすが良く分かります。
エジプトではなんとか無事に結婚式を挙げ、はれてご夫婦になったお二人。
その結婚時のようすが描かれて面白いのですが、個人的にはやっぱり「シリア編」に圧倒されました。
シリアって、本当に未知の国に近いのです。
なんでシリアに行ったのか・・ペッピーノ氏がエジプトに「飽きた」から・・・のようです(^_^;)
シリアの首都はダマスカス。
世界で最も古くから人が住んでいる古代都市であり、世界遺産だそうですね。
ペッピーノ氏、とにもかくにも精力的です。
貪欲にこの古代都市をくまなく探検、観光しようとします。
マンガで紹介されるシーク(市場)やモスク、キリストの教会まで、とても興味深く面白いです。
・・・が、マンガで読んでも疲れるぐらいたくさんの場所を回りまわっているお二人、実際にこれをやったとしたら、さぞ疲れちゃうんじゃないでしょうか(^_^;)
おしまいには、シリアを一週間で一周するという無謀にも思える(シリアの面積は日本の半分なのだそう)旅に出てしまいます。もちろん二人で・・・。
そこには、我らが教科書で習うメソポタミア文明の遺跡があったり、古代ローマ都市があったり、そりゃもう桁違いの壮大な歴史ロマンが繰り広げられ、かなり圧倒されました。
それをじかに見たらやっぱり感慨深いだろうし感動するとは思うのですよ。
この私でさえ「行って見たいかも!!」と言う気分になりました。
でも、大変そう・・・・(^_^;)

このシリア編は次巻に続くそうです。
ぜひとも読みたいものです。

ヤマザキマリ 感想のリスト
テルマエ・ロマエ 1巻
同 2巻
同 3巻
それではさっそくBuonappetito!
モーレツ!イタリア家族
世界の果てでも漫画描き 2 エジプト・シリア編
[や・ら・わ行のマンガ家]ヤマザキマリ | Comments(0) | Trackback(0)

ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~ /吉本浩二(宮崎克・原作)

2012年01月04日
ブラック・ジャック創作秘話~手治虫の仕事場から~ (少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)
ブラック・ジャック創作秘話~手治虫の仕事場から~ (少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)吉本浩二

秋田書店 2011-07-08
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すっかり年も明けていますね。
昨年はどうも更新が滞り気味でした。
今年はもうちょっと頑張って更新したいと思います。
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。


さて、2012年の初読みはこれ!!
「ブラックジャック創作秘話」
ご存知「このマンガがすごい」オトコ編の第一位獲得作品です。
私も買ってきました!
巨匠、手塚治虫先の生前をよく知り、マンガ作品に関わった人たちの証言を元に、いかにして「ブラックジャック」が生まれたか、そしてそこにどれほどの修羅場があったかを描いています。

マンガ好きなら絶対にはずすことは出来ない手塚マンガ。
「ブラックジャック」を読んだことがないとしたら、それこそ、マンガ好きとしては「モグリ」と言われても仕方がないと思われます~~~。

この作品、あまりに有名な、手塚漫画のなかにおいても、特に人気を誇る代表作のひとつ…私ももちろん大好き!!
中学のころから夢中で読んでいました。
当時は「火の鳥」にもハマってましたね。
手塚先生、このころはその2本のほかに「ブッダ」「三つ目がとおる」「シュマリ」「ユニコ」「どろんこ先生」「メタモルフォーゼ」という、合計8本の連載を持っておられたらしいですね。
この「ブラックジャック」は、先生の大当たり作品だけど、その直前は大スランプで人気も落ち、マンガもヒットしない不遇のじきだったとのこと。それがこの「ブラックジャック」の大当たりで先生、息を吹き返し、次々とヒット作品を生み出したと。
だから、「ブラックジャック」はきっと手塚史において、重要なポイントなんでしょう。

本書を読むと、知らずに涙がわいてきます。
もっと手塚作品を読みたかったなぁ・・・と。
ああ、この作品が出来る裏に、こんなにも大変なことがあったんだなぁ・・・
先生は、まさに命を削るように、マンガを描いておられたんだなぁ・・・・
寝る間も惜しみ、一年に一日の休みもなく、
飛行機の中でさえガリガリとマンガを書く姿、
目で原稿を食らうように描く姿、
過去の原稿が全て頭の中に入っている・・・
まさに天才と言われるゆえんの手塚先生の姿がここに余すことなく(いやきっと、ここに書かれているエピソードはひと握りなんでしょうね)描かれていて、先生、マンガをかいてくださって、残してくださって、読ませてくださってありがとうございます、と言いたくなるような気がするんです。

特に印象に残っているのは
「僕は漫画投稿作品の審査員なんかしたくない。ぼくが投稿したいんです」と言う台詞ですかね。
手塚先生と言う方は・・・・・・・と、絶句してしまいました。

漫画と言う点でも面白いですが、一般のファンが手塚先生を知ることが出来る、貴重な資料と言う点でも、「このマンガがすごい オトコ編第一位」は文句なく納得!!!
新年初読み作品として、とても満足のいく作品でありました。
[や・ら・わ行のマンガ家]他 | Comments(2) | Trackback(0)
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