2005年09月23日
いらかの波 (1)
河 あきら

●いらかの波
別冊マーガレット:1977年4月号~翌年5月号まで連載
引き続き1978年から連載再開され1980年11月号まで連載されました。
ストーリーは、両親を失い養護施設で育った主人公の渡が、小林家に引き取られて、成長していくドラマだ。亡くなった父親と同じ大工を目差すわたるだけど、義父はそれをのぞまず考え方の違いから確執を展開しつつ、でも養父母とも信頼関係を築き上げていくまでを笑いと共に爽やかに描き上げた名作です!
連載当時人気が高く、一旦連載終了したもののまた復活したんだったように思う。わたしはリアルタイムで読んでました。しかも、渡と同世代。ものすごく共感を覚えたり笑いながら読んでいた。大好きだったなぁ。
何が面白いって渡のハチヤめちゃぶりが面白かった。
最初は全然仲が良くなく性格的にも正反対の小西と木内も、渡を中心に「3バカトリオ」とまで呼ばれるような悪ダチに…(この『悪ダチ』って言うのが時代を感じる?)。
3人プラス渡が尊敬する大工の棟梁の娘、茜、そして茜の友達なおちゃん。このなおちゃんが最初は渡を大好きで、彼女が渡を見る視線があまりにも美化してるのがおかしかったりね。
渡が目立つので、番長に目をつけられちゃうんだけども、実はこの番長はいいところのぼっちゃんだったりして、渡の義父の取引先のエライさんの息子だったことが発覚してから、仲良くなったのだっけ。
で、番長、なおちゃんに一目ぼれしてしまい、最初は怖がられるんだけど、病気で寝込んだ時に花束と共に日参したり、元来ええとこの坊ちゃんなので、礼儀正しかったりして親にも気に入られちゃう。いつしかなおみも番長の良さに気付き二人は人目をはばからぬ両思いのカップルに。きわめつけのなおみの目で見た番長の美化された姿にのけぞりましたがな(笑)。
そしてなんと言っても忘れちゃいけないのが、小林家の隣に住む島津亮。渡が転校してきたときは、現役の生徒会長だったために、渡は彼を「生徒会長」って呼んでます。で、3年になり、生徒会長を引退してからは「もと生徒会長」と呼ぶように…。
この人がメチャカッコいいのに、やってることがバカみたいだし、渡に振り回されてクールな私生活がボロボロになっていくのがおっかしかったなぁ!
もともと、河あきらさんの笑いって言うのが大好きだったので、この作品も本当に好きでした。
でも、高校生になってからの渡はなんか、どことなくカリスマ性がなくなってふつーの男の子になってしまったみたいでだんだんと、つまらなくなったんだった。
なぜか?
今読み返してみたら当然の成り行きだろうけどシニカルで割りと無表情で、COOLだった渡が小林家の両親と言う、ユニークで暖かい家族に恵まれ先生や良い友人に恵まれ、性格も緩やかになっていったと思う。
読んでいる方は物足りなかったけど。
↓少々ネタばれあり。
河 あきら

●いらかの波
別冊マーガレット:1977年4月号~翌年5月号まで連載
引き続き1978年から連載再開され1980年11月号まで連載されました。
ストーリーは、両親を失い養護施設で育った主人公の渡が、小林家に引き取られて、成長していくドラマだ。亡くなった父親と同じ大工を目差すわたるだけど、義父はそれをのぞまず考え方の違いから確執を展開しつつ、でも養父母とも信頼関係を築き上げていくまでを笑いと共に爽やかに描き上げた名作です!
連載当時人気が高く、一旦連載終了したもののまた復活したんだったように思う。わたしはリアルタイムで読んでました。しかも、渡と同世代。ものすごく共感を覚えたり笑いながら読んでいた。大好きだったなぁ。
何が面白いって渡のハチヤめちゃぶりが面白かった。
最初は全然仲が良くなく性格的にも正反対の小西と木内も、渡を中心に「3バカトリオ」とまで呼ばれるような悪ダチに…(この『悪ダチ』って言うのが時代を感じる?)。
3人プラス渡が尊敬する大工の棟梁の娘、茜、そして茜の友達なおちゃん。このなおちゃんが最初は渡を大好きで、彼女が渡を見る視線があまりにも美化してるのがおかしかったりね。
渡が目立つので、番長に目をつけられちゃうんだけども、実はこの番長はいいところのぼっちゃんだったりして、渡の義父の取引先のエライさんの息子だったことが発覚してから、仲良くなったのだっけ。
で、番長、なおちゃんに一目ぼれしてしまい、最初は怖がられるんだけど、病気で寝込んだ時に花束と共に日参したり、元来ええとこの坊ちゃんなので、礼儀正しかったりして親にも気に入られちゃう。いつしかなおみも番長の良さに気付き二人は人目をはばからぬ両思いのカップルに。きわめつけのなおみの目で見た番長の美化された姿にのけぞりましたがな(笑)。
そしてなんと言っても忘れちゃいけないのが、小林家の隣に住む島津亮。渡が転校してきたときは、現役の生徒会長だったために、渡は彼を「生徒会長」って呼んでます。で、3年になり、生徒会長を引退してからは「もと生徒会長」と呼ぶように…。
この人がメチャカッコいいのに、やってることがバカみたいだし、渡に振り回されてクールな私生活がボロボロになっていくのがおっかしかったなぁ!
もともと、河あきらさんの笑いって言うのが大好きだったので、この作品も本当に好きでした。
でも、高校生になってからの渡はなんか、どことなくカリスマ性がなくなってふつーの男の子になってしまったみたいでだんだんと、つまらなくなったんだった。
なぜか?
今読み返してみたら当然の成り行きだろうけどシニカルで割りと無表情で、COOLだった渡が小林家の両親と言う、ユニークで暖かい家族に恵まれ先生や良い友人に恵まれ、性格も緩やかになっていったと思う。
読んでいる方は物足りなかったけど。
↓少々ネタばれあり。
なんか、最後の方の渡はやたら大口を開けてにかにか、笑ってる明るすぎる少年になり登場の頃の「何が何でも大工になるんだ~」といういわばだだっこみたいな部分がなくなりもっと、将来に関して建設的に考えたりして。
人を困らせるだけの存在であったのが後輩の面倒を見たりして連載当初とは性格が変わりすぎたかな?
でも、今読んでみると、この、おやじさんの心境が痛いほど分かるんだね~。たとえば、自分を他人行儀に「おじさん」と呼んでるけど、もうちゃんとした養子なんだから「おとうさん」と呼んでほしい とか。
高校に行ってほしいのに、言う事を聞かない渡にハラハラしたり、なんとか、その気になってほしがったりして。
受験の発表の時なんて、渡は合格するんだけど連絡が届かなくておとうさんは、てっきり不合格と思い込む。家に帰ったお父さん、それでも、渡を責めることなく「これからの事はいっしょに考えよう」と、励ます。そして、「実は合格した」と聞いたとき一気に感激が押し寄せて、これ、コメディだもんね、涙が「どばっ」とあふれるお父さんのバックに葛飾北斎の波の絵みたいな、押し寄せる涙?の津波。これがまた、笑えるのに泣けるんだなー。お父さんの気持ちが痛いほど分かるように私もなったと言う事?(笑)。
それから、ある夏休み大工仕事に熱中する渡にちょっと、嫉妬しておとうさん、たいした怪我でもないのに大怪我の振りをして寝込んでしまう。真似だけね。
それに対して渡がとってもかいがいしい。大工の仕事が大好きで、やりたくて仕方ないはずなのにおとうさんの看病のために、仕事を休んじゃう。
このときのお父さんの感激がまた、ぐっと伝わってきて泣けるんだね~。
連載当時は、この頃は、渡が「ふつー」になってきて興ざめしてしまっていたと思うけど今読むと、大感動なのだ!!
このように、子どもであった時に持った感想と今読んだ感想と ぜんぜん違ったりしてそれっておもしろいね。
大人になって、子どものときの無鉄砲だったかも知れないけど、純粋な気持ちを忘れてしまい、我が子の気持ちがわからなくなったりした時に、
あるいは、日々に疲れ、子供の頃に戻りたいなぁなんて思うときなんかに、もう一度読み返してみたい名作です。笑って笑ってホロリ!元気が貰えること間違いなし。
読み返してみませんか?
いらかの波 (2)
河 あきら

いらかの波 (3)
河 あきら

いらかの波 (4)
河 あきら

いらかの波 (5)
河 あきら

いらかの波 [少女向け:コミックセット]
河あきら

人を困らせるだけの存在であったのが後輩の面倒を見たりして連載当初とは性格が変わりすぎたかな?
でも、今読んでみると、この、おやじさんの心境が痛いほど分かるんだね~。たとえば、自分を他人行儀に「おじさん」と呼んでるけど、もうちゃんとした養子なんだから「おとうさん」と呼んでほしい とか。
高校に行ってほしいのに、言う事を聞かない渡にハラハラしたり、なんとか、その気になってほしがったりして。
受験の発表の時なんて、渡は合格するんだけど連絡が届かなくておとうさんは、てっきり不合格と思い込む。家に帰ったお父さん、それでも、渡を責めることなく「これからの事はいっしょに考えよう」と、励ます。そして、「実は合格した」と聞いたとき一気に感激が押し寄せて、これ、コメディだもんね、涙が「どばっ」とあふれるお父さんのバックに葛飾北斎の波の絵みたいな、押し寄せる涙?の津波。これがまた、笑えるのに泣けるんだなー。お父さんの気持ちが痛いほど分かるように私もなったと言う事?(笑)。
それから、ある夏休み大工仕事に熱中する渡にちょっと、嫉妬しておとうさん、たいした怪我でもないのに大怪我の振りをして寝込んでしまう。真似だけね。
それに対して渡がとってもかいがいしい。大工の仕事が大好きで、やりたくて仕方ないはずなのにおとうさんの看病のために、仕事を休んじゃう。
このときのお父さんの感激がまた、ぐっと伝わってきて泣けるんだね~。
連載当時は、この頃は、渡が「ふつー」になってきて興ざめしてしまっていたと思うけど今読むと、大感動なのだ!!
このように、子どもであった時に持った感想と今読んだ感想と ぜんぜん違ったりしてそれっておもしろいね。
大人になって、子どものときの無鉄砲だったかも知れないけど、純粋な気持ちを忘れてしまい、我が子の気持ちがわからなくなったりした時に、
あるいは、日々に疲れ、子供の頃に戻りたいなぁなんて思うときなんかに、もう一度読み返してみたい名作です。笑って笑ってホロリ!元気が貰えること間違いなし。
読み返してみませんか?
いらかの波 (2)
河 あきら

いらかの波 (3)
河 あきら

いらかの波 (4)
河 あきら

いらかの波 (5)
河 あきら

いらかの波 [少女向け:コミックセット]
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Comment
わぁ。こちらにもコメントありがとうございます!!
いらかの波はとっても大好きな作品なのでコメント嬉しいです♪
そう、渡の夢は赤いかわら屋根の家を作ること。それが亡くなったお父さんの夢でもあったんですよね。
小林家に引き取られてきたとき、家を見て開口一番「かわらの屋根じゃないんだな」って言うんです。
最初は渡に自分の価値観を押し付けていた(それでも、すごくいいヒトなんですよ)お父さんが、だんだんと渡の夢に理解を示していく様子が感動的なんですよね。
受験生や、思春期をお持ちのお母さんお父さんに必読!!って感じでおすすめしたいです♪
メグさん♪また、よかったら見にいらして下さいね。コメントもご面倒じゃなかったらお待ちしています♪
ありがとうございました!!
いらかの波はとっても大好きな作品なのでコメント嬉しいです♪
そう、渡の夢は赤いかわら屋根の家を作ること。それが亡くなったお父さんの夢でもあったんですよね。
小林家に引き取られてきたとき、家を見て開口一番「かわらの屋根じゃないんだな」って言うんです。
最初は渡に自分の価値観を押し付けていた(それでも、すごくいいヒトなんですよ)お父さんが、だんだんと渡の夢に理解を示していく様子が感動的なんですよね。
受験生や、思春期をお持ちのお母さんお父さんに必読!!って感じでおすすめしたいです♪
メグさん♪また、よかったら見にいらして下さいね。コメントもご面倒じゃなかったらお待ちしています♪
ありがとうございました!!
懐かしいです。
友達から借りて読んだ記憶が・・・
思い違いかもしれないんですが、確か渡君の夢って赤い屋根の家を建てることじゃなかったかな?
違ったかな? 夫の実家の屋根は赤っぽい色の瓦なんですがそれを見たときにこの漫画を思い出していたんです。
ぜーーーんぜん違う漫画だったりして..
友達から借りて読んだ記憶が・・・
思い違いかもしれないんですが、確か渡君の夢って赤い屋根の家を建てることじゃなかったかな?
違ったかな? 夫の実家の屋根は赤っぽい色の瓦なんですがそれを見たときにこの漫画を思い出していたんです。
ぜーーーんぜん違う漫画だったりして..
いらっしゃいませ。りっちーさん。
りっちーさんも別マ、読んでいたんだね。
島津亮生徒会長ね!
いいキャラだったね^^
>孤児院の帰りにお父さんお母さんと呼ぶシーン
で、りっち-さんは泣いたの?
わたしはそこも良かったけど泣くほどではなかったのですよ、
人によってやっぱ、感動する部分って違うのね~。
今思うとあのお父さんも相当ユニークなキャラクターだったね。
「家族って血のつながりだけじゃない」
ほんとそうだよね。
今読み中の「東京タワー(リリーフランキー)」にもそのあたりのことが出てきて、りっちーさんのコメントと重なる部分がありました!
わすれなぐさ、あったねー。読んだけど、
どんな話だったっけ…^^;
幼いきょうだいの話だった?
あれは五本指の歌 かなんかだったし…。
うーん。思い出せないよ~。
りっちーさんも別マ、読んでいたんだね。
島津亮生徒会長ね!
いいキャラだったね^^
>孤児院の帰りにお父さんお母さんと呼ぶシーン
で、りっち-さんは泣いたの?
わたしはそこも良かったけど泣くほどではなかったのですよ、
人によってやっぱ、感動する部分って違うのね~。
今思うとあのお父さんも相当ユニークなキャラクターだったね。
「家族って血のつながりだけじゃない」
ほんとそうだよね。
今読み中の「東京タワー(リリーフランキー)」にもそのあたりのことが出てきて、りっちーさんのコメントと重なる部分がありました!
わすれなぐさ、あったねー。読んだけど、
どんな話だったっけ…^^;
幼いきょうだいの話だった?
あれは五本指の歌 かなんかだったし…。
うーん。思い出せないよ~。
この世代だよん♪
多分リアルタイムで読んでると思う。
私はお隣の生徒会長さんがおもしろくて好きだった(笑)
あと、渡が自分の育った孤児院を訪れたときに、今のお父さんが迎えにきて・・・その帰りについに「お父さん、お母さん」って呼ぶシーンはコメディだったけど泣けたなあ。
こうして見ると昔っから自分の中で「家族って血のつながりじゃないぞ」と思ってたのがわかっておかしいです。
「ゆがんだ太陽」もよかったですが、「わすれな草」(だったよね?)も好きでしたー♪
多分リアルタイムで読んでると思う。
私はお隣の生徒会長さんがおもしろくて好きだった(笑)
あと、渡が自分の育った孤児院を訪れたときに、今のお父さんが迎えにきて・・・その帰りについに「お父さん、お母さん」って呼ぶシーンはコメディだったけど泣けたなあ。
こうして見ると昔っから自分の中で「家族って血のつながりじゃないぞ」と思ってたのがわかっておかしいです。
「ゆがんだ太陽」もよかったですが、「わすれな草」(だったよね?)も好きでしたー♪
ブラッドさん。こっちもありがとう♪
持っていますよん、「ゆがんだ太陽」!
http://homepage2.nifty.com/shortpage888/manga/kawa.html
このシリーズ、私も大好きで、「いらかの波」の前にはこう言うの書いておられたんです。
コメディとシリアス、どっちも大好きです。
バッドエイジシリーズと言うらしいです。
これも、順次ちゃんとした感想
書いて行きたいです♪(野望に終ったりして)
ブラッドさん、よかったら読みますか?
持っていますよん、「ゆがんだ太陽」!
http://homepage2.nifty.com/shortpage888/manga/kawa.html
このシリーズ、私も大好きで、「いらかの波」の前にはこう言うの書いておられたんです。
コメディとシリアス、どっちも大好きです。
バッドエイジシリーズと言うらしいです。
これも、順次ちゃんとした感想
書いて行きたいです♪(野望に終ったりして)
ブラッドさん、よかったら読みますか?
このお話は、なんとなくしか覚えていないので、たぶん連載を読んでたのだと思いますが、渡くん、好きだったなー。
もう1回、ちゃんと全部読みたいです。
河あきらの作品では「ゆがんだ太陽」というコミックスを持ってました。(今はない)
これまた、印象に残るセリフがあって覚えてます。ヤクザの息子である高校生が同級生の女の子に向かって「俺の女になるか。一生食うにゃ困らねえぞ」って言うのですが、なんだか官能的でドキドキしました。
奥のある大人っぽいストーリーでした。
もう1回、ちゃんと全部読みたいです。
河あきらの作品では「ゆがんだ太陽」というコミックスを持ってました。(今はない)
これまた、印象に残るセリフがあって覚えてます。ヤクザの息子である高校生が同級生の女の子に向かって「俺の女になるか。一生食うにゃ困らねえぞ」って言うのですが、なんだか官能的でドキドキしました。
奥のある大人っぽいストーリーでした。
⇒ short (06/24)
⇒ お (06/20)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ 六猫合体キャットマーズ (01/03)
⇒ 栗ごはん (10/21)