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天上の虹/里中満智子

2004年05月15日
天上の虹 19―持統天皇物語 (19)
里中 満智子
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とにも、かくにも、里中さんの構成力のすごさ。
全編とってもわかりやすい!
そして、人物設定がとってもしっかりしてる。
このひとは、こういう性格でこういう考え方だから、こういうときにはこう行動する…というようなことがすっごくリアルに描けるのは里中さんならではだと思う。
だからストーリー展開も無理がないし、読みやすく面白い!
歴史観も、里中さんなりにじっくりと練ってあり、むちゃくちゃ勉強したんだろうな~っていうのがよくわかる。
内容は、大化の改新、壬申の乱…と、激動の時代に生きた人々を描いてある。
天智天皇、天武天皇、持統天皇、額田王、柿本人麻呂、文武天皇、中臣鎌足、藤原フヒト…などなど…
まるで本当にこんな事があり、こういう会話があり、こういう流れとなっていたのかと思わせるほどの説得力。
わたしとしては、壬申の乱で破れて極刑にされた大友皇子が、忘れられません。
子供のころは、大海人皇子にやたら敵愾心を剥き出しにして、すっごく嫌なやつだったんだけど、成長するにつれ文学を愛し理解し、その才能を発揮した。
大海人が乱を起こした時、自分が退けばそれで良いのなら退こうと言う考えが頭を掠めるが、天皇ともなると自分の意見だけでは行動できないのだ。
不本意ながらも気概ある死をえらんだ大友がとっても哀れで可哀想で…
19巻まで読んで、一番泣けたのが大友の死だった。

ネッ友のあさみさんにお借りしました。ありがとうございました!
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[さ行のマンガ家]里中満智子 | Comments(2) | Trackback(0)
Comment
short様。お返事ありがとうございます。残念ながら里中満智子展には行けません。同じ関西地方といっても我が家から飛鳥まではかなり遠くてそう何回も行けるような場所ではないし、交通費も相当痛いので・・・

19巻・20巻買いましたよ。氷高皇女の若いのに凛とした清々しさいいですね。でも1番記憶に残ったのは紀皇女の凄まじい死に方・・・今まで登場した全人物の中で1番インパクトが強かったかも。

「長屋王」の話は前に人から見せてもらいましたよ。長屋王も魅力的ですよね。確か、里中先生が高市皇子に育ちのよさを加えたとどこかで書いておられた気がします。
この漫画は中断してからその後読んでいなくて、未完のまま終わったのかなあと思っていたんですよ。でもまたこちらのブログのおかげでその後も続いているのを知り、また昨日飛鳥へキトラ古墳の壁画を見に行って里中満智子展が後日開催されるのを知り、突然続きを読みたくなってしまい、昨日帰りがけに未読の17・18巻を買いに走りました。20巻までほしかったけど「生徒諸君」もあるから一度に買えなくて。でも読んでみて即続き買いたい!と思ってしまいました。

shortさんは男性陣ではどなたがお好きですか?私は若い頃の大海人皇子と武市皇子ですが、大友皇子は確かに忘れられませんね。死ぬ時も印象的ですが「武市の元へ行きたいか?」と言った時の寂しげな表情には胸を締め付けられました。そういえば息子の葛野王は落ち着いた魅力的な男性になりましたね。

女性で好きなのは額田王と御名部皇女・阿閉皇女の姉妹ですね。自分の恋に正直な但馬皇女もインパクトが強い。讃良は最近お疲れな感じが痛々しくなってきたので。

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