2005年10月18日
Kiss+πr2
くらもち ふさこ

●たいへんおまたせしました 別マ1986年5月号
●Kiss+πr2 別マ 1986年7月号~翌年1月号まで
まず、「たいへんおまたせしました」が短編で、「Kiss…」は続編として連載されています。
主人公は、とっても不運な男の子、雑賀喜由(さいがきよし)。
あるとき生まれて初めてのバレンタインチョコをもらう。
しかも見知らぬ女の子がいきなり家の前に立ってて…。
雑賀くんは素直に「嬉しい」と思えなくて「毒でも盛られてないだろうか」なんて真剣に心配してしまうような性格だ。
案の定、彼女がお茶を淹れようとしてガスを使ったとき、そこから火事になってしまう。
「やっぱりなー」と、言う感じの雑賀クンだけど、帰り際に彼女が「おわび」のつもりで手渡していった宝くじの券が…。
と、始まりはこんな感じですが、この物語はまず主人公が男の子と言うことが珍しい。でも、ちっとも違和感がなく、めっちゃリアル!
くらもち ふさこ

●たいへんおまたせしました 別マ1986年5月号
●Kiss+πr2 別マ 1986年7月号~翌年1月号まで
まず、「たいへんおまたせしました」が短編で、「Kiss…」は続編として連載されています。
主人公は、とっても不運な男の子、雑賀喜由(さいがきよし)。
あるとき生まれて初めてのバレンタインチョコをもらう。
しかも見知らぬ女の子がいきなり家の前に立ってて…。
雑賀くんは素直に「嬉しい」と思えなくて「毒でも盛られてないだろうか」なんて真剣に心配してしまうような性格だ。
案の定、彼女がお茶を淹れようとしてガスを使ったとき、そこから火事になってしまう。
「やっぱりなー」と、言う感じの雑賀クンだけど、帰り際に彼女が「おわび」のつもりで手渡していった宝くじの券が…。
と、始まりはこんな感じですが、この物語はまず主人公が男の子と言うことが珍しい。でも、ちっとも違和感がなく、めっちゃリアル!
男の子から見た女の子…
雑ちゃんの目を通して描かれる女の子たちが個性的で面白い。
葵、冬子、アポ、それぞれが面白いんだけどね。
もちろん私はチョコレートの彼女、葵チャンが大好き。
雑ちゃんがあるとき、葵を訪ねていく、
家族にものすごく自然に迎え入れられ、彼女が自分を
家の中でどんな風に伝えていたか、
彼女の口から知るのではなく、家族の態度から推して知る。
そして「たいへんおまたせしました」という
タイトルの意味がわかるのです。
なんという素敵なオチなんだろう!と感動しますよ!
「Kiss+πr2」では、新登場のポパイ。
この人がわたしは好きですね!!面白い!!
「たいへん…」からの友達の青沼くんとの絡みも合わせて、ポパイの存在感がすごく光ってた。彼なしに「Kiss+…」は成立しないのです。
それに、いつもながら個々のエピソードに無駄がなく全てがうまく絡み合ってて、このエピソードの積み重ねがセリフや説明がなくても、心理や状況を説明していくと言う、物語運びのうまさがひときわ光ってるような気がして、毎回と言うか本作でもやっぱり唸ってしまう。
雑ちゃんを好きなアポが、友達のためとはいえ雑ちゃんにちょっとでも接触したくてティッシュを借りる…この、なんでもないエピソードがどんどん膨らんでいく。あるいはポパイの家族とテレビに出演する、そこから雑ちゃんが葵への思いを再認識する。などなど、こう言うつながり方がほんとにスマートなんですよ。
会話のひとつひとつも、やっぱりリアルにして平凡にあらず。
いくら誉めても誉めたりない~。
雑ちゃんの目を通して描かれる女の子たちが個性的で面白い。
葵、冬子、アポ、それぞれが面白いんだけどね。
もちろん私はチョコレートの彼女、葵チャンが大好き。
雑ちゃんがあるとき、葵を訪ねていく、
家族にものすごく自然に迎え入れられ、彼女が自分を
家の中でどんな風に伝えていたか、
彼女の口から知るのではなく、家族の態度から推して知る。
そして「たいへんおまたせしました」という
タイトルの意味がわかるのです。
なんという素敵なオチなんだろう!と感動しますよ!
「Kiss+πr2」では、新登場のポパイ。
この人がわたしは好きですね!!面白い!!
「たいへん…」からの友達の青沼くんとの絡みも合わせて、ポパイの存在感がすごく光ってた。彼なしに「Kiss+…」は成立しないのです。
それに、いつもながら個々のエピソードに無駄がなく全てがうまく絡み合ってて、このエピソードの積み重ねがセリフや説明がなくても、心理や状況を説明していくと言う、物語運びのうまさがひときわ光ってるような気がして、毎回と言うか本作でもやっぱり唸ってしまう。
雑ちゃんを好きなアポが、友達のためとはいえ雑ちゃんにちょっとでも接触したくてティッシュを借りる…この、なんでもないエピソードがどんどん膨らんでいく。あるいはポパイの家族とテレビに出演する、そこから雑ちゃんが葵への思いを再認識する。などなど、こう言うつながり方がほんとにスマートなんですよ。
会話のひとつひとつも、やっぱりリアルにして平凡にあらず。
いくら誉めても誉めたりない~。
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Comment
つるさん、コメントありがとう
というか、的確な作品分析、ありがとうございます。
この漫画って、くらもち作品の中でも「好き」の上位に入らない、いわば目立たない作品ですよね。
それが不思議。
人物設定、それぞれの心理描写、小物の使い方、布石の敷き方、エピソードの絡め方、ものすごく上質な作品だと思うのです。
「ショパン」や「天コケ」「アンコールが3回」なんかが、よく上位になってるようだけど、たしかにそれらも悪くはないんですが、この「KISS+」や「いろはに」なんかももっと目立ってもいいのに~。。
でも、冬子とか「海の天辺」のキョーチとか、「カサノバ」の縁とか、「AGirl」のマユちゃんとか、結構友達関係で、嫌な女の子が良く出てくるんですが、くらもちさんはそういう女の子の書き方も巧いですね。徹底してる、でもやっぱり憎めない、最後まで「嫌なだけ」では終らない。このメリハリにやられちゃうんですよね~~。(天コケのあの子はイヤだったな。。。遠山さん)
青沼くんの転校や、あっちに行ってから会いに行く時のエピソードがまた好きで。。泣けます。
葵ちゃんと雑ちゃんの気持ちが寄っていくくだりは、少女漫画の真骨頂、少女マンガの正しいときめき方、ですよね~~♪
というか、的確な作品分析、ありがとうございます。
この漫画って、くらもち作品の中でも「好き」の上位に入らない、いわば目立たない作品ですよね。
それが不思議。
人物設定、それぞれの心理描写、小物の使い方、布石の敷き方、エピソードの絡め方、ものすごく上質な作品だと思うのです。
「ショパン」や「天コケ」「アンコールが3回」なんかが、よく上位になってるようだけど、たしかにそれらも悪くはないんですが、この「KISS+」や「いろはに」なんかももっと目立ってもいいのに~。。
でも、冬子とか「海の天辺」のキョーチとか、「カサノバ」の縁とか、「AGirl」のマユちゃんとか、結構友達関係で、嫌な女の子が良く出てくるんですが、くらもちさんはそういう女の子の書き方も巧いですね。徹底してる、でもやっぱり憎めない、最後まで「嫌なだけ」では終らない。このメリハリにやられちゃうんですよね~~。(天コケのあの子はイヤだったな。。。遠山さん)
青沼くんの転校や、あっちに行ってから会いに行く時のエピソードがまた好きで。。泣けます。
葵ちゃんと雑ちゃんの気持ちが寄っていくくだりは、少女漫画の真骨頂、少女マンガの正しいときめき方、ですよね~~♪
こんにちは。
「いろはに~」と「こんぺいとは~」を読んだら「Kiss+~」も読みたくなって再読してしまったよ…
私もポパイ大好きだけど葵ちゃん、イイですね~。全編葵ちゃんの温もりに満ちているというか。「雑ちゃんが感じた葵ちゃん」を読者も一緒に感じて「そばにいて欲しい」女性だと感じてしまうね。
ポパイの「クサい」たくらみも良かったけど冴えない青沼くん(かっこいくない男の子だよねぇ)が、もうあきらめてしまおうとしていた雑ちゃんにグッドタイミングで伝えた葵ちゃんの気持ちも良かったね…青沼くん自身が親友の雑ちゃんと離れなければならなくなったからこそ葵ちゃんの何気ない言葉をあんなふうに伝える事ができたのかもしれない。
雑ちゃんと一緒に過ごす時間が少なくなりそう、それが寂しい、なんてまるで誰からも求められてこなかった気分で生きてきた雑ちゃんには想像がつかなかっただろうね…泣ける。
葵ちゃんは平和な愛に満ちた温かい家庭で健康に幸せに育ってきた、という感じがとても良いよね。雑ちゃんちのように不幸を乗り越えてきた人にはそれだけの強さも育つけど葵ちゃんのように恵まれて育ってきた子にも太い生命力があると思う、強くて優しくて寛容な。
ポパイの家族もみょ~な連帯感があって良かったですね、ひねくれてるっぽいポパイもだから本当は「クサい」、泣ける~
「いろはに~」と「こんぺいとは~」を読んだら「Kiss+~」も読みたくなって再読してしまったよ…
私もポパイ大好きだけど葵ちゃん、イイですね~。全編葵ちゃんの温もりに満ちているというか。「雑ちゃんが感じた葵ちゃん」を読者も一緒に感じて「そばにいて欲しい」女性だと感じてしまうね。
ポパイの「クサい」たくらみも良かったけど冴えない青沼くん(かっこいくない男の子だよねぇ)が、もうあきらめてしまおうとしていた雑ちゃんにグッドタイミングで伝えた葵ちゃんの気持ちも良かったね…青沼くん自身が親友の雑ちゃんと離れなければならなくなったからこそ葵ちゃんの何気ない言葉をあんなふうに伝える事ができたのかもしれない。
雑ちゃんと一緒に過ごす時間が少なくなりそう、それが寂しい、なんてまるで誰からも求められてこなかった気分で生きてきた雑ちゃんには想像がつかなかっただろうね…泣ける。
葵ちゃんは平和な愛に満ちた温かい家庭で健康に幸せに育ってきた、という感じがとても良いよね。雑ちゃんちのように不幸を乗り越えてきた人にはそれだけの強さも育つけど葵ちゃんのように恵まれて育ってきた子にも太い生命力があると思う、強くて優しくて寛容な。
ポパイの家族もみょ~な連帯感があって良かったですね、ひねくれてるっぽいポパイもだから本当は「クサい」、泣ける~
こんにちは、コメントありがとうございます!
別コミ、別フレ、別マというと、色んな出版社の雑誌を満遍なくって言う感じですね。
わたしはどちらかと言うと集英社一辺倒だったので、あんまり他の雑誌のマンガには詳しくないのですが。
集英社のなかでもくらもちさんと岩館さんが別格で大好きで、その気持ちはん~~~十年も経った今も変わりません。
お二人ともまだまだ現役で第一線で頑張っておられて、ファンとしては嬉しい限りです。
不破のマンガは「アンコールが3回」ですね。
どのマンガもおっしゃるように男の子が素敵でたまりませんでした。
クールで冷たくて、でもツボを押さえた優しさがあって、本当に憎いばかりです。
今連載中の「駅から5分」もとってもいいですよ。
もしももしも未読でしたら是非ともチェックしてみて下さいね♪
別コミ、別フレ、別マというと、色んな出版社の雑誌を満遍なくって言う感じですね。
わたしはどちらかと言うと集英社一辺倒だったので、あんまり他の雑誌のマンガには詳しくないのですが。
集英社のなかでもくらもちさんと岩館さんが別格で大好きで、その気持ちはん~~~十年も経った今も変わりません。
お二人ともまだまだ現役で第一線で頑張っておられて、ファンとしては嬉しい限りです。
不破のマンガは「アンコールが3回」ですね。
どのマンガもおっしゃるように男の子が素敵でたまりませんでした。
クールで冷たくて、でもツボを押さえた優しさがあって、本当に憎いばかりです。
今連載中の「駅から5分」もとってもいいですよ。
もしももしも未読でしたら是非ともチェックしてみて下さいね♪
はじめまして
現役でくらもちふさこにはまっていた者です。高校生から23才くらいまで別コミ・別マ・別フレ大好きの夢見る夢子さんでした(笑)
KISS+πr2は男の子が主役というところが良かったですよね。
連載になってからは、ますます雑ちゃんがカッコ良くなってきて胸キュンでした。雑ちゃんが冬子を愛したのも理解できちゃうし、アボが気になる存在なのも許せちゃうし、青沼くんやポパイみたいなお友達がいるのもわかっちゃうようなお得な人柄でしたよね。
雑ちゃんみたいな彼氏なら振り回されてみたいって思いましたもん(笑)
くらもちふさこ先生の漫画は主人公が愛する男の子がみんな素敵でタイプでした。女性も肉感的な色っぽいキャラが多く、貧相な自分と重ね合わせ羨ましく思ったものです。
「Aガール」の素敵なマネージャー不破類と型破りなタレントニ藤瑶子の二人も当時はまりました。
懐かしい漫画をたどるためネットサーフィンしています。
突然の書き込みお許し下さいませm(_ _)m
現役でくらもちふさこにはまっていた者です。高校生から23才くらいまで別コミ・別マ・別フレ大好きの夢見る夢子さんでした(笑)
KISS+πr2は男の子が主役というところが良かったですよね。
連載になってからは、ますます雑ちゃんがカッコ良くなってきて胸キュンでした。雑ちゃんが冬子を愛したのも理解できちゃうし、アボが気になる存在なのも許せちゃうし、青沼くんやポパイみたいなお友達がいるのもわかっちゃうようなお得な人柄でしたよね。
雑ちゃんみたいな彼氏なら振り回されてみたいって思いましたもん(笑)
くらもちふさこ先生の漫画は主人公が愛する男の子がみんな素敵でタイプでした。女性も肉感的な色っぽいキャラが多く、貧相な自分と重ね合わせ羨ましく思ったものです。
「Aガール」の素敵なマネージャー不破類と型破りなタレントニ藤瑶子の二人も当時はまりました。
懐かしい漫画をたどるためネットサーフィンしています。
突然の書き込みお許し下さいませm(_ _)m
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