2006年02月19日
IS 1―男でも女でもない性 (1)
六花 チヨ

IS…インターセクシュアル。半陰陽。
男ではなく、女でもない。
日本では古来「ふたなり」と呼ばれたらしい。
原因はわからないけど、2000人にひとりの確率で生まれてくる「第3の性」。
確率から言えば日本人口に対して6万人のISが存在するはずだけど、その問題のデリケートさから表面化することはまれで、「その子の幸せのために隠し通される」のが一般的傾向。
生まれてすぐに、その子供の性別を親は決定し、性器形成手術を受け、体型の違いを無くし、その後はホルモン投与によって「決定された性」で生きていくことになる。
世の中には性区別としては「男」と「女」の区別しかないのだから・・・。
こんなデリケートで難しい内容を取り上げたのがこの六花チヨさんの「IS~男でも女でもない性~」です。
本書の中にも書いてるけど、「隠したい」ことなんですね。殆どの人にとっては。でも、知ってみると身体的なこと以外にも精神的な苦しみや社会的な立場、偏見や無理解、保険の利かない治療の場合もあり、大変な苦しみを背負っていることが分かります。そのなかで、この作品の登場人物たちが前向きにひたむきに生きている様子に、読者は胸打たれないわけに行きません。
最初に読んだとき、涙が流れて仕方がなかったです。
1巻では「ヒロミ」と「竜馬」の二人のケースについて
そして2巻以降は、「春」が生まれたときから成長する過程を、家族と共に問題に真っ向から取り組んでいく様子を描いてあります。
読んでよかったです。あさみさんにお借りしました。ありがとう♪
1巻CASE1:ヒロミ
生まれた時にペニスのように肥大したクリトリスと癒着した膣、卵巣と精巣をひとつずつ体内に持ってうまれました。
戸籍の性別欄は空欄のまま女の子としてそだったヒロミ。
成長するにつれ、女友達に生理が始まったりブラを着け出したりするようになっても、自分にはそれがないばかりか、声が太くなりすね毛が生えてくる。なぜ自分の体は人とは違うのか…。ヒロミは悩みながら成長します。
そして、社会人になり、好きな人ができる。
ISのヒロミの恋。
普通の女の子が人を好きになるのとは訳が違いました。
このヒロミが恋を知ったことで生じる様々な悲しみや苦しみを描いてあるのですが、そこからヒロミが選んだ結末が前向きで感動的です。
時には絶望し、小さい時に手術を受けたりしてくれなかった母親を恨んだりもするのだけど、そこからヒロミは立ち上がるのです。
そして訴えます。わたしたちを分かって…と。
声も出せずに震えているわたしたちを知ってください。
そして愛することを認めて欲しい…と。
六花 チヨ

IS…インターセクシュアル。半陰陽。
男ではなく、女でもない。
日本では古来「ふたなり」と呼ばれたらしい。
原因はわからないけど、2000人にひとりの確率で生まれてくる「第3の性」。
確率から言えば日本人口に対して6万人のISが存在するはずだけど、その問題のデリケートさから表面化することはまれで、「その子の幸せのために隠し通される」のが一般的傾向。
生まれてすぐに、その子供の性別を親は決定し、性器形成手術を受け、体型の違いを無くし、その後はホルモン投与によって「決定された性」で生きていくことになる。
世の中には性区別としては「男」と「女」の区別しかないのだから・・・。
こんなデリケートで難しい内容を取り上げたのがこの六花チヨさんの「IS~男でも女でもない性~」です。
本書の中にも書いてるけど、「隠したい」ことなんですね。殆どの人にとっては。でも、知ってみると身体的なこと以外にも精神的な苦しみや社会的な立場、偏見や無理解、保険の利かない治療の場合もあり、大変な苦しみを背負っていることが分かります。そのなかで、この作品の登場人物たちが前向きにひたむきに生きている様子に、読者は胸打たれないわけに行きません。
最初に読んだとき、涙が流れて仕方がなかったです。
1巻では「ヒロミ」と「竜馬」の二人のケースについて
そして2巻以降は、「春」が生まれたときから成長する過程を、家族と共に問題に真っ向から取り組んでいく様子を描いてあります。
読んでよかったです。あさみさんにお借りしました。ありがとう♪
1巻CASE1:ヒロミ
生まれた時にペニスのように肥大したクリトリスと癒着した膣、卵巣と精巣をひとつずつ体内に持ってうまれました。
戸籍の性別欄は空欄のまま女の子としてそだったヒロミ。
成長するにつれ、女友達に生理が始まったりブラを着け出したりするようになっても、自分にはそれがないばかりか、声が太くなりすね毛が生えてくる。なぜ自分の体は人とは違うのか…。ヒロミは悩みながら成長します。
そして、社会人になり、好きな人ができる。
ISのヒロミの恋。
普通の女の子が人を好きになるのとは訳が違いました。
このヒロミが恋を知ったことで生じる様々な悲しみや苦しみを描いてあるのですが、そこからヒロミが選んだ結末が前向きで感動的です。
時には絶望し、小さい時に手術を受けたりしてくれなかった母親を恨んだりもするのだけど、そこからヒロミは立ち上がるのです。
そして訴えます。わたしたちを分かって…と。
声も出せずに震えているわたしたちを知ってください。
そして愛することを認めて欲しい…と。
CASE2:竜馬
生まれたとき、外見からは判断されなかったケースのようです。
小さいころから、男の子でありながら女の子たちの遊びに惹かれ、しぐさも言葉使いも女の子のようだった。
成長して思春期になって彼女が出来ても体が反応しない。
それどころかだんだんと滑らかになる自分の体に戸惑います。
喘息がきっかけで病院を訪れた竜馬は、医者から「ISです」と告げられる。
戸籍上の性別は「男」。その性別に「こころ」が違和感を抱いている。
このまま男として生きていくことに疑問を感じる竜馬が選んだ道は…。
2巻以降
CASE3:春
幸せ一杯の若い夫婦に生まれた初めての子供は真性半陰陽の子供だった。
苦しみ悩んだ末に、夫婦は子供の性別を決めず「IS」として育てようと決心するのです。でも、その後ヘルニアになり手術が必要になった時に、やむを得ず精巣を取ります。
しかし、春と名づけられたその子が、自分で自分の性を決められるように、体は女の子でもやはりISとして育てようと、夫婦は決意します。
春の前には幾多もの偏見や無理解が立ちはだかる。
それでも、家族のサポートと持ち前の明るさで乗り越えてゆくのです。
春は戸籍上は女の子でありながら、自分を「ぼく」といい、男の子のように育ちます。
そんな春がいつしか悩みだします。
「僕のおチンチンはいつになったら生えてくるの?」
家族の愛に支えられながらもやはり、悩みや苦しみは長じるにしたがって出てくる、その様子が春の成長と共にリアルに描かれていて、ものすごく説得力と迫力があります。
泣けることもあるし、力をもらうこともある、読みながらなんども泣いたり頷いたり、そして感動させられて…。
とくに印象的だったのがランドセルのエピソード。
男の子は黒、女の子は赤、いまでこそいろんな色が増えてきたとは言え、やはり子供の持ち物は色で男女を区別して、その代表的なものがランドセルと言えますよね。
春は戸籍上は女の子、でも、今まで男の子として生きてきた。友達だって男の子ばかりだし、みんな春を男の子だと思ってる。そんな春は何色のランドセルを買えばよいのか迷います。
結局、親友のレオン君のおかげで素敵なランドセルを買うことに落ち着くのだけど、やはり、そのままと言うわけには行きませんでした。
小学5年生、春に初潮が訪れるのです…。
3巻からは、女子高生として入学した春がそれまで以上に厳しい現実に直面して、そして恋もして…。
目が離せない展開で連載中です。オススメ!!!
本書にて紹介されている「三毛の庭」はこちら
そして六花チヨさんの公式サイト「六花亭」はこちら。
5巻の感想はこちら
IS 2―男でも女でもない性 (2)
六花 チヨ

IS 3―男でも女でもない性 (3)
六花 チヨ

IS 4―男でも女でもない性 (4)
六花 チヨ

IS 5―男でも女でもない性 (5)
六花 チヨ

生まれたとき、外見からは判断されなかったケースのようです。
小さいころから、男の子でありながら女の子たちの遊びに惹かれ、しぐさも言葉使いも女の子のようだった。
成長して思春期になって彼女が出来ても体が反応しない。
それどころかだんだんと滑らかになる自分の体に戸惑います。
喘息がきっかけで病院を訪れた竜馬は、医者から「ISです」と告げられる。
戸籍上の性別は「男」。その性別に「こころ」が違和感を抱いている。
このまま男として生きていくことに疑問を感じる竜馬が選んだ道は…。
2巻以降
CASE3:春
幸せ一杯の若い夫婦に生まれた初めての子供は真性半陰陽の子供だった。
苦しみ悩んだ末に、夫婦は子供の性別を決めず「IS」として育てようと決心するのです。でも、その後ヘルニアになり手術が必要になった時に、やむを得ず精巣を取ります。
しかし、春と名づけられたその子が、自分で自分の性を決められるように、体は女の子でもやはりISとして育てようと、夫婦は決意します。
春の前には幾多もの偏見や無理解が立ちはだかる。
それでも、家族のサポートと持ち前の明るさで乗り越えてゆくのです。
春は戸籍上は女の子でありながら、自分を「ぼく」といい、男の子のように育ちます。
そんな春がいつしか悩みだします。
「僕のおチンチンはいつになったら生えてくるの?」
家族の愛に支えられながらもやはり、悩みや苦しみは長じるにしたがって出てくる、その様子が春の成長と共にリアルに描かれていて、ものすごく説得力と迫力があります。
泣けることもあるし、力をもらうこともある、読みながらなんども泣いたり頷いたり、そして感動させられて…。
とくに印象的だったのがランドセルのエピソード。
男の子は黒、女の子は赤、いまでこそいろんな色が増えてきたとは言え、やはり子供の持ち物は色で男女を区別して、その代表的なものがランドセルと言えますよね。
春は戸籍上は女の子、でも、今まで男の子として生きてきた。友達だって男の子ばかりだし、みんな春を男の子だと思ってる。そんな春は何色のランドセルを買えばよいのか迷います。
結局、親友のレオン君のおかげで素敵なランドセルを買うことに落ち着くのだけど、やはり、そのままと言うわけには行きませんでした。
小学5年生、春に初潮が訪れるのです…。
3巻からは、女子高生として入学した春がそれまで以上に厳しい現実に直面して、そして恋もして…。
目が離せない展開で連載中です。オススメ!!!
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そして六花チヨさんの公式サイト「六花亭」はこちら。
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