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忍者旋風/白土三平

2006年04月09日
忍者旋風 (1)
白土 三平
4091921477

忍者旋風 (2)
白土 三平
4091921485

B00007CFI2忍者旋風 [文庫版:コミックセット]
白土三平
汐文社

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金魚屋古書店」3巻、「明日の場所」で男たちが読みまくっていた白土作品のうちのひとつ、「忍者旋風<風魔忍風伝>」です。

私の持ってるのは、小学館文庫(なまずのロゴの文庫)です。奥付昭和52年。当時まだ中学生だった私は、ほんとは「サスケ」や「忍者武芸帳」が欲しかったんだけど、資金的に足りず(「サスケ」も「忍者武芸帳」も15巻を越える長編なんです)全4巻のこっちで手を打ったというわけでした。
(他に買ったのが「カムイ外伝」と「真田剣流」)

+++あらすじ+++

天下を取るために必要な秘術が書かれた「竜煙の書」という巻物をめぐって、繰り広げられる争いを中心に描かれた物語。

主人公は、「死神小僧」に身をやつす風魔の小太郎。
父親の風魔十方斎と袂を分かち、独自で竜煙の書の秘密を探ることになる。
そこで、小太郎が知った竜煙の術の秘密とは、世にも恐ろしい毒ガス製造法だったのだ。これは世の中に出してはならぬと、小太郎は巻物を抹殺する決意をする。
だが、巻物は、十方斎のほかにも、家康の命を受けた服部半蔵、秀吉の命を受けた美女丸、石川五右衛門、なき明智光秀の家来の念仏の七兵衛など群がるように奪い合いとなる。
そこに、伊東一刀斎や柳生石舟斎と息子又右衛門(のちの但馬の守)なども入り乱れて、大捕り物へと発展してゆく。

小太郎の産みの親との再会、そして育ての親同然の佐助と、その息子太郎との邂逅。など、もりだくさん。

++++

面白いのかどうかって言われると、物語は、時間、場所、敵、味方、人物が入り乱れて分かりにくいし、これは純粋に「忍者の戦い」を楽しまねばいけません。
主人公小太郎は正義の人で、イケメンだしカッコイイ。もうちょっと小太郎自身が忍術で活躍して欲しいと思うけど、いろんな忍軍の、いろんな術を楽しむということで、納得したい。
忍者基礎知識、みたいなのも、所々に紹介されてて、こう言うのでワザや武器、小ネタをつかむことも出来るので、隅々まで読むのがおすすめ。

ではちょっとした基礎知識を

●忍者は医者
怪我をしたら速やかに、自分で手当てをしないといけませんから。優れた医術を持っていたのは、忍者だったとのこと。

●一日四十里
忍者が一日で走る距離は一日で四十里。
約160キロメートルですよね。今は100キロマラソンなんてのもあるので、そう人並みはずれた距離とは思えないけど(自分には出来んけど)問題は速度。笠を胸に当て、落ちない程度の速さで走らねばなりません。時速で言うとどれぐらいだろうか?

●忍者の武器
○分銅鎖が好きです。かっこよくない?
○トンボ…分銅鎖の先に分銅の代わりに回転式手裏剣をつけたら「トンボ」という武器になります。
○微塵…一寸七分の鉄の輪に長さ一尺五寸の分銅ぐさりを3本つけたもの。すごい攻撃範囲が広い。
○風車…とっても大きな手裏剣。胴体が真っ二つに引き裂かれることも。しかし、どうやって隠し持っているのか、それが謎。

+++

ラスト「竜煙の書」は、書を書いた宗剣真自身の手で、風魔十法斎もろとも焼かれる。
最初から書くな、とツッコミ入れたくなるのは私だけではないはず(笑)
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[さ行のマンガ家]白土三平 | Comments(0) | Trackback(0)
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