2006年04月12日
![]() | 赤目 白土 三平 小学館 1998-09 by G-Tools |
引き続き「金魚屋古書店」3巻関連で白土三平作品をご紹介。
「赤目」です。
白土作品は、忍者モノのほかに、虐げられた農民モノがあります。「カムイ伝」も、そのカテゴリ。
あの作品も、殿様にたてつく農民たちがそりゃもうひどい拷問をうけるのだけど、この「赤目」も冒頭から延々と、伊予の殿様の残虐非道な農民に対する仕打ちが描かれております。
最初、赤目 っていう、忍者の集団があったのかと思って読み始めたんだけど、全然違った…!!
以下あらすじです。
++++++
永禄年間、その地の領主、伊予の守信平の恐怖政治は農民を苦しめていた。
刀の切れ味を試すように農民の首を切り落とすのはあたりまえ。年貢を取るために、村人から人質をとり、体を土に埋め首だけ出しておく。それだけでも残酷なのに、飢えた野犬が近づいて首を生きながらに、食い荒らす。
そして、ついに妊婦のおなかを切り裂き…。
領主の横暴と、食糧難から農民は一揆を企てるがことごとく敗れる。
そんな中、身重の妻を惨殺された松造は、領主への復讐を誓い、鍛錬に励む。
でも、鍛錬しても身につかないものもいるのだ。松造は忍者の修行を諦めざるを得なかった。打ち捨てられた松造は野犬に襲われ九死に一生を得るが、隻眼隻脚となってしまう。
そうこうするうちにも、元の領主伊予の守の暴虐はやまず、それどころか残虐さは加速度を増していた。蓑踊り、それは蓑をつけさせられ、生きたまま蓑に火をつけられる拷問。焼かれた人は踊るように狂い死ぬ。
そんな風に父親を殺されたこども、平太。
平太は、上人様と呼ばれる隻眼隻脚の坊主と一緒にいて、復讐のときを待っている。
力を合わせて領主を倒そうという農民たちの、たくらみが領主に漏れていて見せしめに惨殺され、生き埋めにされ、村民自身の手で殺すように強要される。
なぜこんな目にあうのだと泣き崩れる農民たちに、平太と一緒にいた坊主が「赤目様のたたりだ」という。
赤目とはウサギのことだ。
ウサギを大事にすれば、きっと幸せが来るだろう、そう言う坊主の言葉にすがって、農民たちはウサギを保護し始める。「赤目教」が広まったのだ。そんな折、イナゴの大発生で稲が食い尽くされ深刻な飢饉が訪れる。
ますます、人は赤目教にはまりこみ、ウサギを大事にしていくのだ。
が、これにより崩れた生態系。
ウサギの大繁殖により、ウサギを食べる肉食獣も繁殖した。とくに山猫。
しかし、ウサギの不自然な大繁殖は、ウサギの中に疫病を蔓延させウサギの姿が一掃されてしまう。(これは実際『シートン動物記』にも載ってるそうです)
肉食獣が、えさとしているウサギがなくなったことで、矛先が人間に!
各地で山猫に襲われる被害が出た。
領主伊予の守も、黙っておれず討伐隊を繰り出す。
が、ことごとく全滅。
農民たちが、領主に陳情する。山猫を何とかしてくれと。そこで、領主は山猫退治を農民たちにやらせることを思いついた。
領主は、農民に山猫退治をさせようと、武器を持たせる。
それこそが、そのときこそが、隻眼の上人、つまり松造の待っていた瞬間だった。農民たちは、与えられた武器で一揆を仕掛け、ついに城を陥落、焼き討ちにしてしまう。
逃げ出した領主伊予の守を、松造が、惨殺。
その目は狂気に操られていた。
意味不明のことをつぶやきながら、気味悪く笑いながら、松造(上人)はいずこへか消えていくのだった…。
うちにあるのはこれ↓珍しいのでは!


「赤目プロダクション」のロゴです。見えにくいけど。

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