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「オル窓」第2部/池田理代子

2006年05月01日
「オルフェウスの窓」第2部感想 その2
その1はこちら
オル窓関連の感想目次はこちら

次は、イザークがであった鬼才ピアニスト、ラインハルトの義理の母、フローラ・フォン・エンマーリッヒ(しとみさん、ご指摘ありがとうございました)と、ラインハルトにピアニスト生命を絶たれたヨーゼフの婚約者エルヴィラのはなし。

ラインハルトは子どものころ女の子の姿で世間を驚かせた天才ピアニスト。
その才能を自慢していたラインハルトは、当時のライバル、ヨーゼフに自作の楽譜を渡しました。それは悪魔のような曲で、魅入られたヨーゼフはその曲のために指をだめにしてしまったのです。
その後のヨーゼフはアル中となり、ピアノ界から姿を消してしまう。
ラインハルト自身も指を壊してし待ったのは皮肉ですが。
イザークはこの悪魔の曲に見入ってしまい、そのために指を壊しかけています。
その縁で、ヨーゼフと知り合い、ヨーゼフを捜し歩いているエルヴィラにヨーゼフの居所を教えます。
ヨーゼフは実は、ラインハルトがこっそり面倒を見ていたのです。
エルヴィラはヨーゼフの居所を知ると同時に、ヨーゼフの変わり果てた姿のわけを知ります。
さて、ラインハルトは義理の母親と不義密通中。
わかい情熱でクラフト夫人を連れ去りたいのだけど、踏み切れないクラフト夫人。それもそのはず、ヴォルフィという可愛い息子もいて、どうしてもラインハルトのようには考えられないのです。
そんな二人の関係を、ヨーゼフをこんな姿にされた復讐に使おうと目論むエルヴィラ。
クラフト夫人の可愛いヴォルフィを誘拐します。
そして、ヨーゼフを連れて家に戻る前に、ヴォルフィを開放するのだけど、その前にラインハルトと、クラフト夫人の関係を教えるのです。
自分の愛して止まない母親を汚された…!!そう感じたヴォルフィは、ラインハルトを撃ちます!!
ラインハルトは、イザークに指を直すための練習曲を残して、この世を去るのでした。
エルヴィラ…彼女の復讐はほんの少し、真実を教えただけ。
でも、その結果を見れば、なんと壮絶な復讐を遂げたことになるのか。
小石を池に投げ込んで、何倍もの波紋が広がるように。
憎しみに駆られた女。この第二部の中で唯一、負のパワーにのみ操られる女です。



最後に、イザークの妻ロベルタと、ロシアから来たバイオリニスト、アナスタシアについて。


アナスタシアは新進のバイオリニスト。イザークと一緒にリサイタルを開くことになります。彼女がイザークを指名したのだけど、それにはわけがあったのです。
実はアナスタシアはクラウスの知り合いでロシアの革命分子。演奏旅行の名を借りて地下活動をしているのです。

一方ロベルタはウィーンで娼婦をして暮らしていた。
イザークの成功を喜び、匿名で真っ赤なばらを送ったりしています。
そんなロベルタが偶然、アナスタシアの落としたメモを拾います。メモは地下活動に関する内容だった。そのメモが「客」の目に触れたことから、ロベルタは「スパイ」として捕まってしまうのだけど、アナスタシアの名前を出すことは、イザークにもきっと不幸が起きると思う。ロベルタはアナスタシアがイザークの恋人だと早合点していたので。なので、アナスタシアをかばい、投獄されます。
アナスタシアはロベルタが無実を訴えないのを不思議に思いながらも、このままそしらぬ顔でロシアに帰る道を選ばず、出頭します。イザークへクラウスからの心からの言葉「イザーク、おめでとう!」と、ミハイロフ家のストラディバリをたくして…。
ドイツに強制送還されるしかないロベルタを、イザークは捨てておけず結婚というかたちで助ける。
が、下町育ちで上流階級の暮らしもしきたりも何も知らないロベルタは社交界にもなじめない。しかし、ロシアの皇太子妃がイザークの演奏会の席で声をかけてくれたことからたちまち貴族たちにも受け入れられるように…。
でもその遊びは下品で、賭博もして、負けが込むとイザークの演奏で支払いを済ませたりなんともメチャクチャなことをしてしまう。いろいろ我慢してきたイザークだったが、戦争があり、出兵。
敗北したドイツは満足に食料も買えず苦しい日々が続きます。
そんな時、ロベルタが身ごもるのですが、同時にイザークの指が動かないと言う衝撃の事態に、ロベルタは妊娠したことを言い出すことが出来ません。それどころか、指が動かないと言うショックで取り乱すイザークを守るのは自分なのだと決意します。
お金が必要なロベルタは、イザークの作曲を売ってしまうのだけど、それはイザークが大手出版社と契約を交わした曲でもあった。一足先に三流出版社から本が出てしまったことで、イザークの信用はがた落ち、違約金を支払うために家を売りに出すことになります。
そんな時、イザークの主治医から「指が治るかもしれない」と聞かされたロベルタ。なんとしてもお金を作ろうと決心し、元の商売に足を踏み入れてしまいます。
が、それがイザークに知れるところとなってしまい、激怒したイザークについに追い出されてしまいます。そしてロベルタはひとりで出産するのだけど、産後の肥立ちが悪くついに死んでしまうのです。
イザークが駆けつけたときは、最後のとき。
生まれたばかりの赤ん坊「ユベール」をたくします。
「頭が悪いからいい名前が浮かばなかった
 元気な産声が『この世に生まれた喜びの声』に聞こえた」
と、名前の由来を語った後
「悪い奥さんで…
 苦しめてばかりで…
 許してくれる?イザーク
 幸せにしてもらって…
 ほんと…に…
 ほんとに…
 あ…たし…
 うれし…かっ…」
と最後の言葉を述べて息を引き取ります。
赤ちゃんがおなかにいると言えば、イザークはきっとロベルタを許したのではないか。でも、それをせず、イザークの怒りを受け止め黙って出て行ったロベルタ。
最初からあんまり好きなキャラではなかったんだけど、この潔い死に様に涙が止まりませんでした。

このように、「オル窓」の第二部は華麗な女たちの競演が見どころの一つなのです。

イザークはロベルタの死後レーゲンスブルグへ帰ります。
そして、ザンクト・ゼバスチャンの前で、ユリウスと再会するのですが、その話はまた次回にも。

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[あ行のマンガ家]池田理代子 | Comments(1) | Trackback(1)
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第2部からは掲載誌を週刊マーガレットから月刊セブンティーンへ移しての連載となりました。これは理代子先生の希望で、ロシア革命などの歴史的部分を深く描きたいので低年齢の読者に

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