2006年05月18日
![]() | 死刑囚042 (1) 小手川 ゆあ 集英社 2002-10-18 by G-Tools |
週間ヤングジャンプに2002年の15号から不定期連載され、増刊の『漫革』2005年1/15号にて連載終了した作品です。
+++あらすじ+++
死刑囚 042号 田嶋良平
立件できた分だけでも7名殺害
ヤクザがらみの賭けボクシングでのことだった。
この死刑囚を使って政府はある実験を試みる。
政府は死刑制度と終身刑の廃止を決定した。
その代わりに受刑者には、国民に死ぬまで無料奉仕させると言う案を出した。
刑務所内での活動に限界があるが、かといって凶悪犯人を世の中に戻すことも出来ない。
そこで考案された、とあるチップ。
これは、その脳の興奮状態が殺人の域にまで達すると、脳が爆発すると言うもの。
このチップを受刑者の脳に埋め込み、一般世間に復帰させると言う、その初の実験のモデルケースとして選ばれたのが、田嶋良平だった。
「やります、外に出られるなら」
と、二つ返事で実験体となることを承諾。
手術、リハビリ、心のケアなど、様々な問題をクリアして、田嶋良平は外界に出る。
二度と見ることの出来ない外の世界に触れ、田嶋の目からは涙が流れるのだった。
それをみた、実験の責任者である、法務省の椎名博士は
「今日のことは忘れるなよ
何度も思い出すんだ つらかったら」
と暖かい言葉をかける。
そして、田嶋良平が派遣された仕事先は「市立 集英高校」だった。
田嶋はそこで「042号」として、校内の様々な雑用をこなす。
そして椎名博士たちスタッフは別室でモニターを見ながら042号の様子を観察する。
(田嶋には心拍なども分かる発信機がついています)
042号を「おしに」ともじって怖がったり蔑んだり、様々な反応を示す生徒たち。
なかには、爆発するシーンが見たいから、やつを怒らせよう…と目論む輩も…。
しかし、ゆめという名の盲目の少女、そしてボランティアで彼女のサポートをす古家(こうけ)あやの等との接触や、学校での作業の一つである花壇の手入れなどを、まじめにするうちにだんだんと冷え切っていた田嶋の心に、温かみが沸いてくる。
そんな田嶋に、最初は「実験体」と割り切っていた椎名博士もだんだんと惹かれてゆくのだった。
++++
結局、実験開始から3年で主人公は死にます。なんとそれが1巻の後半には明記されてる。なので、この田嶋が良い人になっていって、周囲とも仲良くなっていくのがなんとも切ないのです。
もうすぐ死ぬんだー…と、分かっていれば尚の事。
また、登場人物が良い人が多いのでね。ゆめちゃんやあやの、椎名も結局田嶋にほれ込んじゃうし、椎名が元彼女と結婚できたのだって、田嶋の言葉がきっかけだったり(結婚式がまた感動的で~~)
ま、もともと、田嶋の凶暴性は作品中では出てこないから。チップを埋められてるから興奮したらダメなので、凶暴性はまったくなりを潜めてる。
なので、どう考えてもこの人が凶悪殺人鬼なんて思えないって言うのも大きかったなぁ。
いつまでも、この平穏で幸せそうな暮らしが続けばいいのに!って願ってやまなかったのだけど、やっぱ、最初に「3年で死ぬ」って書いてあるんだから…。
最期は泣けましたねぇ…!!!
この元々好人物であったと思われる田嶋がなぜ殺人鬼になったのか、それには理由があります。理由が読者にわかるのは最期のほう。もう、田嶋が死ぬ直前です。
それは ↓ココからネタばれ。反転してね。
子どものころに6年間行方不明だった田嶋。戻ってきたときは性格が違い、凶暴で残酷な子どもになっていた。田嶋はその6年の間、異常快楽殺人鬼に誘拐され、ひどい虐待を受けていた。そのとき何人も同じ年頃の子どもが誘拐されていて、同じ目に合い殺されていった。田嶋はその死体のあと始末などを手伝わされて、ついには殺人鬼をその手で殺して、ようやく監禁生活から逃れたのだった。
田嶋の最期はあっけない。
結局実験は失敗。チップが不良品だったのだ。誤作動を起こし、田嶋の次の被験者である053号(湯川安貴、田嶋のあとに集英高校にやって来た。かわりに田嶋は老人ホームに)が死んでしまったためだ。
実験は打ち切りとなり、刑務所に逆送される田嶋。
今では田嶋が自分にとってなくてはならない存在となってしまった椎名は泣くが、田嶋は笑顔で刑務所に戻る。そして半年後、刑は執行されたのだった。
辛いラストだけれど、みんな田嶋の分も精一杯生きる!と言うメッセージが爽やかでもあり…。
イイ感じのラストでした!
ちぇりさんからお借りしました。ありがとうございました♪
死刑囚042 (2)
小手川 ゆあ

死刑囚042 (3)
小手川 ゆあ

死刑囚042 (4)
小手川 ゆあ

死刑囚042 5 (5)
小手川 ゆあ

田嶋はそこで「042号」として、校内の様々な雑用をこなす。
そして椎名博士たちスタッフは別室でモニターを見ながら042号の様子を観察する。
(田嶋には心拍なども分かる発信機がついています)
042号を「おしに」ともじって怖がったり蔑んだり、様々な反応を示す生徒たち。
なかには、爆発するシーンが見たいから、やつを怒らせよう…と目論む輩も…。
しかし、ゆめという名の盲目の少女、そしてボランティアで彼女のサポートをす古家(こうけ)あやの等との接触や、学校での作業の一つである花壇の手入れなどを、まじめにするうちにだんだんと冷え切っていた田嶋の心に、温かみが沸いてくる。
そんな田嶋に、最初は「実験体」と割り切っていた椎名博士もだんだんと惹かれてゆくのだった。
++++
結局、実験開始から3年で主人公は死にます。なんとそれが1巻の後半には明記されてる。なので、この田嶋が良い人になっていって、周囲とも仲良くなっていくのがなんとも切ないのです。
もうすぐ死ぬんだー…と、分かっていれば尚の事。
また、登場人物が良い人が多いのでね。ゆめちゃんやあやの、椎名も結局田嶋にほれ込んじゃうし、椎名が元彼女と結婚できたのだって、田嶋の言葉がきっかけだったり(結婚式がまた感動的で~~)
ま、もともと、田嶋の凶暴性は作品中では出てこないから。チップを埋められてるから興奮したらダメなので、凶暴性はまったくなりを潜めてる。
なので、どう考えてもこの人が凶悪殺人鬼なんて思えないって言うのも大きかったなぁ。
いつまでも、この平穏で幸せそうな暮らしが続けばいいのに!って願ってやまなかったのだけど、やっぱ、最初に「3年で死ぬ」って書いてあるんだから…。
最期は泣けましたねぇ…!!!
この元々好人物であったと思われる田嶋がなぜ殺人鬼になったのか、それには理由があります。理由が読者にわかるのは最期のほう。もう、田嶋が死ぬ直前です。
それは ↓ココからネタばれ。反転してね。
子どものころに6年間行方不明だった田嶋。戻ってきたときは性格が違い、凶暴で残酷な子どもになっていた。田嶋はその6年の間、異常快楽殺人鬼に誘拐され、ひどい虐待を受けていた。そのとき何人も同じ年頃の子どもが誘拐されていて、同じ目に合い殺されていった。田嶋はその死体のあと始末などを手伝わされて、ついには殺人鬼をその手で殺して、ようやく監禁生活から逃れたのだった。
田嶋の最期はあっけない。
結局実験は失敗。チップが不良品だったのだ。誤作動を起こし、田嶋の次の被験者である053号(湯川安貴、田嶋のあとに集英高校にやって来た。かわりに田嶋は老人ホームに)が死んでしまったためだ。
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辛いラストだけれど、みんな田嶋の分も精一杯生きる!と言うメッセージが爽やかでもあり…。
イイ感じのラストでした!
ちぇりさんからお借りしました。ありがとうございました♪
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