「オルフェウスの窓」第1部のあらすじ

オル窓関連の感想目次はこちら


第2の柱は「イザークのピアニストへの道

これはまた読み応えがありますよ。イザークはそう好きなキャラじゃないけど、彼が音楽家として大成するのは応援してました!だって、支える妹のフリデリーケ14歳が余りにも可憐でいじらしいのだもん。彼女は実はイザークの本当の妹じゃなくて、イザークの両親に拾われた捨て子ちゃんだったのだ。で、親が死んでいくとき、イザークを頼む、とフリデリーケに言い残すのだ。それを守って一生懸命なフリデリーケのなんと、健気でいじらしいことか。しかし、親もさ〜イザークに「フリデリーケを大事にして」とか言い残すのならともかく、妹に兄を頼むなんて…。今わの際に「我が子かわいさ」が出てしまったのだろうか。かくして気の毒なフリデリーケは兄に恋する気持ちも封印して、イザークのライバルであるモーリッツに見初められて売春まがいの(いや、身体は売ってないし、モーリッツもそこまで卑劣じゃなかったけど気持ち的には身を売ってるのと同じだったんじゃないかな〜。なので、ばれたときイザークにもめっちゃ怒られたし。実際後で「あなたに助けられるぐらいなら身体売ったほうがマシ!」とか言うしね)ことしてまで兄を支えたのだよね。
イザークがピアノの家庭教師の仕事がなくなったのは、このモーリッツのせいなので、一概にイザークが甲斐性なしとばかり言えないのだけど。
イザークがそこまでモーリッツの憎しみを買ってしまったのは、復活祭の定期演奏会でレーゲンスブルグ管弦楽団と、そして高名な指揮者ベルンハルト・ショルツ氏と競演することが決まったから。なんとしても阻止したいキッペンベルグ一家(特にかーちゃん)はまず、姑息な手段でイザークのかわりにモーリッツに弾かせようとした。でも、あわやと言うところでヘルマン・ヴィルクリヒ登場!キッペンベルグ夫人に迎合しようとする教授陣相手に一歩も譲らず!
「わたしが選んだ!!そして、ベルンハルト・ショルツ氏が認められた!!何か異存がおありか!!」と啖呵を切るんだが、これがまたカッコいいのだよね!惚れ惚れ。
でも、懲りないモーリッツ母、ついにオペラハウスを抑えちゃう。もう、成すすべなし…。と思ったら
「君たちに必要なのは『いれもの』なのか!」と言うユリウスの言葉で、(実は「きらいだ!君もイザークも」と言う言葉が効いたのか?)クラウス達は公園で演奏会をすることにした。ショルツ氏はいったん帰ったのだけど、戻ってきて指揮してくれました。このあたりの感動は得も言われず。鳥肌モノです。あーすばらしい!!すべての生きとし生けるものに感謝を!って感じなんですよね!躍動感にあふれた演奏シーンは本当に見事でした。
このとき演奏したのはベートーベンのピアノ協奏曲第5番変ホ長調 「皇帝」作品73。こちらの鈴ちゃんの Classic MIDI にありますので、聴きたい方はどうぞ。(「MIDIファイル」⇒ベートーベンの「管弦楽曲」)
ショルツ氏の推薦で、ウィーン音楽院に留学できることになったイザーク。しかし、案外恋愛を大事にする情熱家なのね。ユリウスがいるレーゲンスブルグを離れない決意。
が!しかし、業を煮やしたモーリッツ母によってことごとくピアノの家庭教師の働き口を奪われてしまう。挙句イザークは酒場のピアノ弾きになるのであります。そして、髪を伸ばし大人っぽくなってユリウスをドキドキさせたり(笑)
でも、悲劇が待っているのだ。フリデリーケもまたモーリッツによって野菜売り場の働き口を追われ、場末の酒場でウェイトレスを…。そうしなければ生活を支えられないのだ。こうしてみると本当にモーリッツって嫌なやつだなぁ。「追い詰めて追いつめてどこまでも妨害してやるぞ」なんて、ほくそえんだり…。フリデリーケは結局病気になって死んじゃうんだけど、それもモーリッツが無理を強いたから。ああ、ひどいモーリッツ。フリデリーケの死ぬ場面は号泣!この第一部では一番泣いた!!
死ぬ間際に「おにいさん、わたしを愛してる?」と訊くんだけどこのセリフをじっと見てるだけで泣けますなぁ。ううぅ…。
イザークはその後、酒場のピアノ弾きがたたって(酒場で知り合ったロベルタがこの後イザークの妻に)演奏が荒れてしまうのだけど、ユリウスがロシアに行く時にはショルツ先生の進言によってウィーンへ行くことが決まってた。ほっと一安心…。
ユリウスが去って半年後、すっかりオヤジ…じゃなくて、オトナになったイザークが(もみ上げが〜)マリア・バルバラやモーリッツや(モーリッツ〜〜!おのれー!!と思うけど、こだわらないところがイザークのとってもエライところだよね!!)酒場のオヤジさんに見守られてウィーンへと旅だつのだった。

第1部:レーゲンスブルグ遍の感想
オルフェウスの窓で出会った悲劇の恋人たち
イザークのピアニストへの道
アーレンスマイヤ家に関わる秘密
わたしと「オル窓」思い入れ

第2部:ウィーン編の感想
その1
その2

2006年05月22日 [あ行のマンガ家]池田理代子 トラックバック:0 コメント:0












管理者にだけ公開する