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「オルフェウスの窓」第3部

2006年06月08日
前回の続き…前回の記事はこちらデス(新窓開きます)

オル窓関連の感想目次はこちら


◆その1◆

幼い頃のアレクセイのカワユさ、そして、ドミートリィの男らしさに悶絶!
あ、泣き所でしたね。ごめんなさい。
おばあさまにいびられながらも健気におばあさまに愛情を抱いていくアレクセイの姿。
おばあさまも、口や態度ではアレクセイに冷たく当たるけど、本当は愛情深い人なのだということが分かる、黒い子馬マルコーをくれたところとか、雨の中追い出しておきながら自分も倒れるまで探しちゃうところとか…屈折したこのひとの感情も泣けますね。
号泣度 ★

でも、なんと言っても!!

最初はやはり『ドミートリィの銃殺』でしょう。
ドミートリィ、最期はアルラウネの名前でもなくおばあさまでもなく(←ないでしょうけど)「アレクセイ……!!」って叫びながら死んじゃうあたりが…泣けるね~。
第3部全体で1300~1400ページくらいあるのに、そのうちのたった100ページ過ぎに死んじゃうのも泣ける。もっと出てほしかった~~。惜しまれます。
号泣度 ★★


◆その2◆

革命家として成長してゆくアレクセイは次第にアルラウネとは思想を違えて行く。先にボリシェビキのもとに走ったズボフスキーの後を追い、アレクセイはモスクワへ。ここでユリウスと衝撃の再会があるのだけど、それを振り切って!そして、とめようとしても声も出ない、心の中はたくさんの言葉が渦巻いているのに、何も言えないアルラウネ。
正直、ユリウスとよりアルラウネとの決別のほうが泣ける~~。支えられていたのは自分のほうだったと気付くアルラウネにどうして一緒に泣かずにいられようか。
号泣度 ★★★

◆その3◆

アルラウネはアレクセイを追って結局モスクワへ。そしてそこで、アレクセイたちの仕掛けた爆薬で渡ろうとした橋もろとも爆死。こんなにも残酷な幕切れがこの2人の、義姉弟であり同志であるこの2人の結末とは…!!ユリ・クラの幕切れに勝るとも劣らぬ壮絶さ、残酷さではありませんか。
号泣度 ★★★

◆その4◆

その後シベリアに流刑となったアレクセイ、辛い出来事の連続です。仲間が狂い死にしたり、焼身自殺したり。兵士に陵辱されそうになる女をかばって兵士にたてついたアレクセイは、外で木に吊るされるんだけど(ふつー、死ぬでしょ?それか手足が凍傷でもげるとか…でも、それは言わないお約束!)兵士に打ち据えられながらも、アレクセイに食料を与えようとする同志の励ましにより、アレクセイのくじけそうだった気持ちがあらたに燃え上がる感動的な場面!!

おれは鋼鉄《はがね》となろう
一打きたえられるごとに
より強くなって
みごとな鋼鉄になろう


号泣度 ★★

◆その5◆

モスクワではラスプーチンの力がますます肥大しており、皇后を思いのままに操っている。そしてモスクワ知事であるレオニードの父親をクビにして殺してしまうのだけど、そのときのレオニードが見せた涙!!自分が迎えに行けばよかったと言う後悔と、鬼の目に浮かぶ涙!
そして、レオニードだけではなくリュミドールやヴェーラたち家族の哀しみ、悔しさ、ここも泣けます。それに、ユリウス相手に泣いてるレオニードを見たときのアデールの気持ち、これもなんか、泣けるよね。何もかも諦めたような孤独な姿が印象的であることよ。
号泣度 ★★

◆その6◆

再びシベリア。アレクセイついに脱出のとき!6年ぶりですよ。6年、よく生きてたよね。仲間が、アレクセイを先に脱出させようとするのだけど、ここんとこ、泣ける~。監獄が火事になり、アレクセイは隠れてた樽を転がして外に出してもらえて助かったけど、他のみんなは…。

きょうからおまえの命はおまえひとりだけのものではない
死んでいった同志たちから託された
祖国への熱い思いを
せつない夢を
せめて胸のうちにきざみこんでおいてやれ
さあ……みろよ アレクセイ
大地だ……
受けとるがいい
みんなが命をかけ おまえにくれた自由だ……!


号泣度 ★★★

◆その7◆

その脱出の直後、アレクセイはラジオ放送でイザークの演奏を聴きます。
アナスタシアがヨーロッパへ演奏旅行をすると聞き、もしもウィーンで、イザーク・ヴァイスハイトと言うピアニストにあったら「心からのおめでとうを おれからだと……!」と、伝言したまさにそのとき、ラジオから流れるピアノの音。

“皇帝”だ……  こ…れは……
あいつだ!イザークが弾いているんだ……
あの野郎以外にだれがこんなベートーベンを弾くものか!
おれにはわかる……
これはイザークヴァイスハイトの“皇帝”だ!!


ユリウスもこの放送を聴いていて想いがレーゲンスブルグに飛んでる~~~!!
号泣度 ★★

◆その8◆

レオニードがユリウスに最初で最後のキスをして、彼女を手放し(このときのユリウスもまた、なんと申しましょうか…やれやれ…って感じ。誰でもいいのか!みたいなね(苦笑)イザークとも良く似た局面があったよねぇ…まったく…)われわれは自分たちの信じる道を行くのだ という決意、ヴェーラとレオニードの何も言わなくても分かり合える関係っつーかこの2人もいわゆるベストカップルのうちに入りますよね。わたしはこのときのヴェーラがとっても好きなんです。
号泣度 ★

◆その9◆

やっとアレクセイとユリウスが再会。ユリウスの記憶喪失に呆然とするアレクセイだけど、やはりこの2人の再会には胸が熱くなります。
号泣度 ★

◆その10◆

アントニーナとミハイルの死
これはねー、女と生まれたからには死ぬほどの恋をしたい…と思う部分も確かにある。と思う、自信ないけど。アントニーナとミハイルはいわゆるロミオとジュリエットみたいな関係になってしまい、そうなると余計に燃え上がるのが男女の定め。この2人の不倫には、じつは作中一番萌える~!
おれと同じくらいにおれたちの思想も愛さなければお前とおれは一緒になれない、というようなことを言うんですが、結局ミハイルも彼女と死ぬことをえらんだわけで。ほんとなら、彼女を殺して自分は革命運動を続行するはずだったんだけど…。第3部の中で一番『愛された感』が強いのはこのアントニーナかもね…と思うのです。
号泣度 ★★

◆その11◆

いよいよ来ました。ガリーナの死。もっとも悲劇的な彼女の死…。
ミハイルがアントニーナに望んだ「自身と同じくらいに思想も愛せ」と言うのをガリーナは身を持ってやってるわけです。フョードルが好きだから思想も勉強して。健気ですよね。
そのガリーナが憲兵の手にかかって死んでしまうんです。
ユリウスをかばい、声をあげたらユリウスまで見つかってしまうと、黙ってヤられて死んでいく…。
帰ってきて惨状を目の当たりにして愕然とするフョードルにガリーナの最後の言葉は

ご…めんなさ…い……
フョードル  わた…し……
…だめだったわ
ね……
わ…わたしたちの あか…ちゃん……
か…わい…そうな……


そして、フョードルの気持ち…

これからは ずっといっしょだ…
おまえだけがおれの女房だ
死ぬまで決して忘れない
祖国解放への夢も
働く者が 平和に幸福に
暮らせる日への夢も……
これからはおれの胸の中に
2倍の大きさにふくらんで
おれを励ましてくれるだろう
なあ  ガリーナ……


そんな最期を遂げてしまったガリーナを抱いて一言も恨み言を言わず、フョードルはアレクセイに「その人はガリーナが命をかけて守った人だ。闘いだけが人生じゃない、愛が人を強くするのだ。自分を甘やかしてはいけないが厳しすぎる必要はないのだ」と諭すのです。
号泣度 ★★★
そしてアレクセイはユリウスを受け入れる決意を…。

◆その12◆

オル窓ファン、アレクセイファンを驚愕と衝撃と悲鳴の坩堝に陥れた「シチューよりおまえが食べたい」発言。別の意味で号泣。
号泣度 ★★★



◆その13◆

ラスプーチンの凄まじい死に様も印象的ですが、その前のアデールの気持ちに泣かされます。そんなことならアアタ、もっと素直になっておけばよかったのに…というのは、当事者でないから言えること。かもね。
号泣度 ★

◆その14◆

おばあさまとアレクセイとの再会シーン。
おばあさまったら最初またまた冷たくアレクセイを突き放そうとするでしょ。
もう、ほんと、素直じゃないんだから。
よく生きてておくれだった、おまえが生きていると言うことをこころの支えとして生きてきた、おまえのことを一日だって思わない日はなかった…
って、もう、この態度とこころの中が180度違うあたりが憎たらしいけどいじらしい不器用なおばあさま。好きです。
号泣度 ★★

◆その15◆

ロマノフ王朝をなんとか守ろうと言う気持ちで頑張ってる我らがレオさま。でも当の皇帝には思いが通じず。内閣制度を承認せよと申し出ても断固拒否、そのうえ国会の解散要求まで出して、ロシア国内のすべての人民を敵に回してしまう。
蜂起した人民を見てはじめてロシア皇帝はコトの深刻さを知る。遅いっちゅーねん!!
そして、王位を退位すると…。
1917年3月2日、ロマノフ王朝の終焉。
レオさま二度目の涙…。
号泣度 ★★

◆その16◆

ここで、ユリウスとアレクセイの最後のひとときがあるのよね…。
号泣度 ★★

◆その17◆

そして元皇帝は、レオニードにユリウスの暗殺を命じる。
隠し財産のことを人民に知られるのを防ぐために。
それを命じられたレオニードの苦悩、ソファに寝転び腕で隠した目から流れる涙に、じーん。
レオさまが泣くとこっちも泣ける~~。
号泣度 ★★

◆その18◆

革命軍はアレクセイのおばあさまとユリウスに牙を剥く。
おばあさまの無残な姿をみたアレクセイの嘆きはいかほどのものか!!
このオル窓全編とおしてここが一番やりきれないです…。
他のどの場面よりも。

…こんなことがあるか……
いったいおれたちは
なんのためにいままで闘ってきたんだ…?

兄貴…聞いてくれよ 兄貴…!
おれたちが人生をかけて
闘いつづけてきたのは
いったいだれのためだったんだ!?

あんたが死んだのはだれのためだったんだ!?
民衆の答えが これだってのか……!?

こんなことって あるかよ!!


うおおおお~~~ん、うおおお~~~ん!
( ↑ わたしの泣き声)
号泣度 ★★★★★

◆その19◆

クーデターを決意したレオさまが、ヴェーラにユリウスを頼んだり、きょうだい二人で自分たちって不器用だったね~みたいな会話をしみじみと交わし、でも、心が通じ合ってたり…この一見冷たそうなきょうだいたちの心が実は愛と思いやりにあふれている。これほど仲の良いきょうだいもあんまりないと思うぐらいステキなきょうだいだわ、ここは泣ける!!
そして、末弟のリュミドールだけは、若い瞳で新しい世界を見つめて旅だっていく、その誇らしさとない交ぜになった喪失感に呆然とし、また感慨に浸るヴェーラの姿に泣ける。
っていうか、もうこのあたりまで来ると、涙が止まることないよね。ずっと泣いてます。
号泣度 ★★★

◆その20◆

ああ、ついに来たよ、ここまで。
アレクセイの死。
もう、呆然としてしまって涙もでやしない。

◆その21◆

クーデターが失敗に終わり、ついに来るべきときがきた。
ヴェーラと最後の別れをするレオさま。
この場面は…ほんと、号泣ですよ。
二人の間に言葉はないの。あっても、パスポートの写真がどうしたとか、どこどこの将軍が喚問をうけるとか、直接関係ない話ばかり。それも必要以上に明るく振舞うヴェーラに、泣けて泣けて。
それでも、ついには絶句してしまうヴェーラに
「ケレンスキーの手がまわらぬうちに早くいけ」
と、兄が言えば
「わかりました……
 おにいさま…ごきげんよう」
と、妹が手を差し出し
その手をしっかり握り、しばし無言で見詰め合った後、ふっと目を伏せて兄が言う
「さようなら……」
と。
号泣度 ★★★★★

◆その22◆

リュミドールを思い、それから執事に命じて最後のお茶を静かに飲み、そしてユリウスに思いを馳せて、自分の生きて越し方を振り返り、人生に悔いはないと確認し、自分の事を『心弱きひとりのおとこ』と呼び…
そして
そして…
号泣度 ★★★★

◆その23◆

国外逃亡をはかるヴェーラとユリウスのまえに、革命派の兵士となったリュミドールが行く手を阻む。が結局かれは姉たちを救ってくれます。このシーンも号泣!
ヴェーラのかつての恋人、エフレムのことを「ねえさまのことを本当に愛していたんだよ」と教えに来てくれたシーン、大好きです!
号泣度 ★★★★

まぁ、このあたりは涙が本当に止まらんってば。
そして2人はレーゲンスブルグに。


いくたびか人は
孤独のたたかいにおもむくために
ふるさとをあとにする
人が ふるさとを後にするのは
いつか傷ついて
幼子のように 魂をやすめに
もどってくるためなのだ
ふるさとは繁き緑に安息し
ふるさとはかぐわしき花の香に満ちる
ふるさとは豊かなるドナウにたゆたい
ふるさとはなつかしき鐘の響にふるえる

ふるさと……
わが心のレーゲンスブルグ……!!



そして舞台は衝撃の最終章へ…!!
つづく!

第4部の感想はこちら

「オルフェウスの窓」全体の感想ページの目次(ええ、目次つきなのよ)はこちらです。

同じ窓で開きます。
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[あ行のマンガ家]池田理代子 | Comments(1) | Trackback(0)
Comment
No title
楽しく懐かしく読ませていただきました。
◇その21◇
泣きました!
「おにいさま・・ごきげんよう。」
「さようなら・・。」
今でも泣けます。

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