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銀のロマンティック…わはは/川原 泉

2006年07月12日
4592118049銀のロマンティック…わはは
川原 泉
白泉社 1986-07

by G-Tools


『笑う大天使』と共にわたしが川原さんの作品中一番すきなのがこれ!!『銀のロマンティック…わはは』です。

まず、そのプロローグで一気に釣り込まれました!だってね、フィギュアのペアのスケーター二人が、銀盤の上でにこやかに輝くようなツーショット。

彼らは織る
銀色に透明な
真のロマンティック・スケートを…
無敵のロマンティックを


完璧に『少女マンガ』の世界です!!
が、その直後
ふたりは「わはは~」と笑いながら

なんちゃって…
なんちゃって…
なんちゃって…


と、遠ざかってゆく。
この「なんちゃって…」に、川原漫画の真骨頂を見るような気がするのです。


主人公は由良更紗。
父親は高名なバレエダンサーである。
父親は更紗をバレリーナにしようと日夜特訓をするが、人間には向き不向きと言うものがあり、更紗には「バレエ」のような優雅さと情緒豊かな細やかな表現を必要とする感性の世界は、まったく不向きであった。
何せ更紗が足を上げたりポーズをつけようとすると、その動作には『ブン!ブン!』という音が唸るほどパワフルなのだ。
だけど、更紗には実力があった。その実力は、もう一人の主人公、影浦忍に会った時、開花への道をたどることになる。
影浦忍はスピードスケートの選手で将来を嘱望された若手実力者であった。が、国際選手権の試合中イワン(のばか)と接触して転倒、足を故障してしまう。

二人は偶然何の気なしに訪れたスケートリンクで出会い、互いのジャンプを披露しあう。それを見ていた烏山公明、巴きょうだいのコーチに見初められ、フィギュアへの道を歩み始めるのだ。
バレリーナを目指しながらも、情緒的な何かが欠落しているために(いや、表現力が欠落していると言ったほうが正しい?)足踏み状態の更紗と、怪我をして復帰したとて、スピードの落ち込みは避けられずスランプだったスピードスケータの忍。フィギュアはずぶの素人が、いつしか強力なペアに成長してゆく物語なのである。

面白かったのは、ふたりの演技シーンですね。

フィギュアの関東選手権。まずはS・P!
二人は完璧にワザをこなしてゆく。
解説は木枯(こがらし)さんだ!!(五十嵐じゃなく)
スプリット・ダブル・ルッツ
スパイラル・ステップ・シークエンス
ダブル・ルッツ
チェンジ・シット・スピン
デス・スパイラル
ダブル・トゥラッソーリフト
キャメル・スピン
それらを二人は「ほい!」「あ、ほい!」「ほほいの」「ほい!」「よいしょっ」「あ、よいしょっ」「あ、どっこいしょっ」なんて掛け声をかけながらこなしてゆくんである。
翌日のフリー演技でも、影浦・由良ペアは「シャキーン」「シャキシャキ」「シュバッ」と快調な演技。
どうです?
フィギュアの演技の擬音とは思えないでしょう?(笑)

で、結局二人は初出場の初優勝と言う快挙を!!
次はNHK杯だが、コーチはここで二人の欠点を指摘する。それは技術点に比べて芸術点が明らかに低いということ。コーチは世界選手権のビデオでウラジミール・ステファノフとタチアナ・ペトルセワの優勝の演技を見せる。その情熱的な演技にぼ~~~~~然とする由良と影浦。
その二人に「情緒」のなんたるかを説明するコーチ!!それは

「氷の上のリリカルマジック!!」「叙情性の魔法、観る者の共感を呼び、魅了し、そして感動の嵐、貴方と私の魂の共鳴、氷上の奇蹟、…それを私は銀のロマンティックと呼んでいるのだ!!(個人的に)


結局二人はその意味をつかみきれずに臨んだNHK杯で5位と言う結果に。(エキジビションでは男女逆転のペアの演技を披露して大人気!場内バカうけ!拍手の嵐!笑いの渦!!わたしも見たいぞ、こんなの!!)
どうしても、情緒的な芸術点に関して理解できないふたりは、ジャンプに活路を見出す。
クワドラプル
4回転ジャンプである!!

しかし、さすがに4回転は生易しくできるワザではない!
二人はジャンプのタイミングがイマイチ分からない!
そこで、二人を助けたのが、犬のポチである!!
ポチが「よーく見てておくんなさいよ」となぜか任侠言葉でキメてから、ジャンプして見せるんです!
そして気を失うポチ…。

…嬢ちゃん坊ちゃん…
見ておくんなさいましたか?
これが野生の回転タイミング
一介の犬のあっしにできる事といえば
これくらい…

わかった わかったぞポチ
君が身を持って教えてくれた4回転のタイミング
決して無駄にはしない
ありがとう…

人間と犬の染色体を越えた
ヒューマン・アプローチ
ポチ
---その愛


ま、その後影浦の足の怪我が悪化したため、出場するはずの世界選手権を一時は棄権しようとしたりするんだけど、ふたりは選手権に出場。そして見事な演技で観客を魅了することになる。
ふたりは伝説になったのでした…。

面白くっておかしくって、そして感動の巨編。
一瞬、今までの少女マンガの数々のフィギュア漫画と比較してしまうのだけど、これは全然別物。川原流の大傑作フィギュア漫画なのでした。


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[か行のマンガ家]川原泉 | Comments(4) | Trackback(1)
Comment
高さん、コメントありがとうございます!
そちらの川原さんの記事にTBさせていただきましたが、届いていますでしょうか?
よろしくお願いしますね~。
これ、いいですよねぇ。「愛のアランフェス」で培ったフィギュア好き精神(ってほどのことはないんですけど)このマンガでガラガラと崩れ去りました(笑)
もう、ダイスキです♪
「ゲートボール」は今読み中、「甲子園」は読みました。
アップしますのでお待ちくださいね~♪
shortさん、こんにちは。
『銀のロマンティック』、大好きでなのでまとめてもらえて嬉しいです。お疲れ様です。
この頃描かれていた『甲子園の空に笑え!』とか『美貌の果実』『ゲートボール殺人事件』とか、おかしくてのんびりして、少し切なくて好きだったなぁ・・・(遠い目)。
次はぜひ『甲子園』を・・・(^^;
わーい♪
tooru_itouさん、いらっしゃいませ♪
コメントありがとうございました♪
まとめたと言うか、ダラダラ書いたと言うか…。
こんなのですけど、読んでくださって
ありがとうございます!!
鈴木佐藤ペアのこともいったんは書いたのですが
あまりに長くなったので消しちゃいました。
気持ちとしてはもっと微に入り細を穿つように
書きたかったのですが…^^;
冒頭の「なんちゃって…」とか
特訓で足が細くなった影浦が帰還したときの
「由良…」ユラ…(ゆらっとゆれた)とかの
なんか、妙にツボが効くんですよね!
無論ポチも!

フィギュアはわたしも大好きですよ。
ジャネット・リンからじゃないのでしょうか?(笑)
カルピスのCMはインパクトがありましたよね!
伊藤みどりちゃんは、東海地区ということで、気分的には殆ど地元感覚。(と言っても、愛知県民から見れば我が三重県人はどうしようもなく田舎ものなので、同列にされたくないと思いますが)小さいときから応援していましたよ。
浅田姉妹も安藤美姫選手も、応援しています♪
ところで!
男女逆パターンのエキジビション、本当にあったんですね!全然知りませんでした~。見たかったです~!!
すきって言いつつも、この程度。てへへ^^;
きっとみんなびっくりされたでしょうね。
そりゃ、きっと「銀のロマンティック」を知ってる人たちは思い出したことでしょうて。でも、アイスダンスじゃなくって、リフトもジャンプもありの影浦由良ペアの競技は、やはり、真似できないと思います♪
川原さんは偉大ですねぇ♪

『大傑作』『銀のロマンティック…わはは』
 short さん、『銀のロマンティック…わはは』まとめてくれて有難う♪(^o^)。私が川原作品中一番好きなのがこれなんです。「花ゆめ」掲載時のを切り抜いて持ってるくらいです♪(^o^)。フィギュア漫画として、まさに『面白くっておかしくって、そして感動の巨編』で『大傑作』だと思います。
 我が家は渡部絵美さんの頃からのフィギュアスケートふぁんでして、私は伊藤みどり選手のふぁんでした~♪(^o^)。ジャンプはフィギィアの華ですもの♪。
 余談ですが、エキシビションで男女パート入れ替えの演技をやったのを実際に観た事があります。確かこの組だと思うんだけど・・2002年(アメリカ・ソルトレークシティー)冬季五輪優勝者アニシナ&ペイゼラ(フランス)。(フランス)のアイス・ダンスのペアである事は間違いないんです。観た瞬間、(川原泉)「銀のろまんちっく・・わはは」を想い出したのを強烈に憶えてます。観衆一同驚いてました(笑)。男女ペアでなくアイス・ダンスのペアだからこそ男女パート入れ替えの演技が出来たんですね。

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