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かなしみの名前中原中也の言葉

2006年07月20日
かなしみの名前中原中也の言葉
中原 中也〔著〕 / 斎藤 孝編
大和書房 (2006.7)
通常24時間以内に発送します。

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今日はとあるマンガをゲットしに書店に赴きまして…。つらつら新刊の平積みを眺めたりしておりますと、この本があったのでついつい手にとって眺めまするに、最後まで読んでしまいました。
そもそも中也の詩は結構長く感じるのだけど(わたしだけか?)この本では、著者の印象に残る言葉なのであろう、詩の中の一部分を切り取って、白黒写真(モノクロームって言うのか?)を背景に、ちょっと変わったフォントで書いてあって、スタイリッシュな感じで読みやすい。

この中也の「湖上」って詩がありますね。

ポッカリ月が出ましたら、
舟を浮かべて出掛けませう。
波はヒタヒタ打つでせう、
風も少しはあるでせう。

沖に出たらば暗いでせう、
櫂から滴垂る水の音は
昵懇しいものに聞こえませう、
――あなたの言葉の杜切れ間を。

月は聴き耳立てるでせう、
少しは降りても来るでせう、
われら接唇する時に
月は頭上にあるでせう。

あなたはなほも、語るでせう、
よしないことや拗言や、
洩らさず私は聴くでせう、
――けれど漕ぐ手はやめないで。

ポッカリ月が出ましたら、
舟を浮かべて出掛けませう、
波はヒタヒタ打つでせう、
風も少しはあるでせう。

わたしが初めて知った中也の詩なので、そのときを思い出します。
なんか、詩集とか流行ってたんですよ。
詩の投稿とか、イラスト付きで出して、掲載する雑誌があって。
いや、流行って言うのは違うのかなぁ…。
そんなこた、どうでもいいんです。
この「湖上」がすごく効果的に使われてて、雰囲気にぴったりなマンガをご紹介しようかと思って…。
前置きが長すぎるね?^^;
別にたいした記事じゃなくってごめんなさいね!(苦)
で、ご紹介したいマンガ、それはこれ
4088644298薔薇のほお
岩館 真理子
集英社 1999-04

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この作品の感想はコチラです。

それと、中也の詩で思い出すマンガ…。
「宿酔」

朝、鈍い日が照つてて
  風がある。
千の天使が
  バスケットボールする。

私は目をつむる、
  かなしひ酔ひだ。
もう不用になつたストーヴが
  白つぽく錆びてゐる。

朝、鈍い日が照つてて
  風がある。
千の天使が
  バスケットボールする。

この詩が登場する作品は吉村明美さんの「薔薇のために」です。
奇しくも二つの作品両方のタイトルに『薔薇』がついてるじゃないですか!!
ブスでデブのゆりちゃんが義兄弟たちのところでいじめられつつも真の愛をつかんでゆくと言う、北海道を舞台にしたステキな物語なんです。
ブスででぶで自分に自身の持てないゆりちゃんの変貌振りが、読者に勇気をくれると言うか、すみれさんがカッコよすぎというか。(笑)
またいつか、感想書きたい作品です。
409134481X薔薇のために (1)
吉村 明美
小学館 1992-09

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