2006年08月02日
![]() | 天然コケッコー (1) くらもち ふさこ 集英社 1995-07 by G-Tools |
![]() | 天然コケッコー (1) くらもち ふさこ 集英社 2003-08 by G-Tools |
いつもなら「映画化」と聞くと「いやだー!!原作の雰囲気が壊れる!!絶対に原作を超えることはムリ。やめて欲しい」なんて真っ先に思うのですが、この作品に関してはなぜかそこまで嫌だとは思えないんです。
それよりもくらもち作品のメディア化ということがうれしいって言うか誇らしいというか、そんな気持ちも大いにあるのです。
ということで映画化企画で、天コケの詳しい内容の紹介など。
その他のくらもち作品のレビューリストはコチラからどうぞ♪
「天然コケッコー」通称「天コケ」。
原作は「コーラス(集英社)」の創刊後まもなく1993年の№3に「性格の良い大沢くん」としてまず単発で掲載されました。
その後コーラスが月刊誌になり(それまでは季刊誌だったかな)1994年の7月号から連載が開始されました。
島根県の田舎を舞台に、自然の中でのびやかに成長してゆく少女「そよ」たちの日常を、著者くらもちふさこさんならではの優しい視点で描いた、ほのぼのコメディです。
あるとき東京から転校してきた大沢君を中心に色めき立ちざわざわするそよたち女の子。
大沢君は都会の風をそよたちの村に吹き込むのです。
そよたちは大沢君の影響を受けるのだけど、大沢君だって田舎ライフが身についてゆき満喫していくのです。でもそれはそよちゃんというそんざいがあったればこそ♪都会育ちのしゃれた感性の大沢君と田舎で純粋培養されたそよちゃんとの、ちょっと「ずれ」た感じがまたほほえましいのです。
登場する脇役たちの一人ひとりが、もの凄く個性的でまるでリアルの「友達」みたいに思えてくるのはくらもちさんの技量のなせる業!
何よりも魅力的なのは、全編にあふれる「人が人を大事に思う優しさ」!
読めば読むほどに味わいが出てくる愛しい愛しい作品です。
漫画家は映画監督のようなもの、脚本からカメラワークから何から何まで一人で受け持つと言われるけれど、くらもちさんの作品ほどそれを痛感させるものはないです。くらもち作品のすばらしさを「天コケ」で心から堪能してください。
ちなみに、舞台の設定は「香取郡木村町稲垣」で、隣が「森町」「中居町」「草薙町」。確かなことは順次読み返してからお知らせします。くらもちさんや聖千秋さんだったか、多田かおるさんだったかスマップ登場当時からキムタクのセクシーさに目をつけてらしたんだけど、その後国民的アイドルに成長したスマップとキムタクを見て、やはりくらもちさんたちは審美眼が優れてるのだなぁと感心したことですよ。
感想はコチラにもあります。よかったらご覧下さいね。
1巻収録ストーリー
●性格の良い大沢くん
●scene1:そよ風の誘惑
●scene2:大沢くんへ 花子より
●scene3:あっちゃんの夢
●性格の良い大沢くん
言わば「天コケ」のプロローグ的ストーリーなのですが、後に物語の核となるすべての登場人物がバランスよく配置されていて、されどもこの一遍だけ読んでも充分に短編としての充足感が味わえる、くらもちさんの天才を痛感する作品となっています。
のどかな田舎の中学校に転校生がやってきた。
主人公の右田そよは3人のクラスメート(中学生3人で一クラスで勉強してる)の中では最年長の中学2年生。転校生が同じ年と知り、初めて出来る同級生に心を躍らせるそよちゃん。
しかし、転校生が来る前に色々とめぐらせていた想像とは裏腹に、大沢君はずけずけと本当のことを言うちょっぴり憎たらしい男の子だったのです。
大沢くんがきたことでちょっとだけ?舞い上がってしまって、いつもトイレについていったり、粗相の後始末をするなど、世話の焼けるさっちゃんを疎ましく思ったり、大沢くんが気になってしかたなかったりという心の機微をみせて自分でもイライラしてしまうそよ。
結局さっちゃんは膀胱炎だったとわかり落ち込むのだけど、さっちゃんはそよちゃんのことをちっとも恨んだりしてなくて、このそよちゃんのわだかまりが解けるシーンて言うのが胸打つシーンで泣けるのです。
大沢くんも本当は悪気がない人だと分かり、今後の二人がどうなるか、ワクワクさせるような終わり方をしています。
大沢くんは素直じゃないけど、そよちゃんにベタぼれしてるけども、これって一目ぼれですよね。素直じゃなくって態度では冷たいところが、ツボですねぇ♪
●scene1:そよ風の誘惑
アノラックが欲しいんです。大沢くんの。それは形がカッコよくセンスが良いからだと、そよちゃんは自分を納得させてるけど、本当は「大沢くんの」だから欲しいんです。こうやって、だんだんと大沢くんに惹かれていくのを自覚していくそよちゃんの描き方が自然で上手い~♪
アノラックと引き換えに「チュー」の約束をするんだけど、そのあたりの駆け引き?も笑える。チューしたくてたまらん大沢くん。東京の友達に自慢したくてたまりません。中学生らしくていいですね(笑)。
「キスなんてたいしたことないじゃん。挨拶みたいなもん。手も口も体の一部に変わりないんだから」
と言う大沢くんに「変わらんのなら、握手でもええってことじゃない?」とかわすそよちゃんと、自分の失言に気付いて愕然とする大沢くんが面白い♪
初登場!!強烈キャラのシゲちゃんの絡ませ方なんかもいいですね。
くらもちさんって先の先まで見えてるような作品構成で、あの時のあれがここに来てこう言う結果を…みたいな。それがすばらしいんです。
●scene2:大沢くんへ 花子より
大沢くんに村を気に入って欲しい。みんなは必死で大沢くんに気を使ったりしてます。そんな時「首吊りの木」のそばを通ることになって…。
シゲちゃんにつりに連れてかれた時の事を色々愚痴る大沢くんに、なぜかカチンと来たそよちゃんが気を悪くしてしまい、それを仲間と話し合う場面があるんだけどこの会話部分が面白い!
首吊りの木を避けて通ろうとするみんなと、その道を何故か通ろうとする大沢くんとのちぐはぐなやりとりが、やはり一転すっきり納得の物語に変身。
首吊り自殺をしたのは大沢くんの母親の同級生だったのです。
花を手向ける大沢くんの優しい一面と、大沢くんがいれば怖くないと言う、つまり大沢くんを頼りに思うそよちゃんの気持ちが微笑ましい一遍です。
そしてまたシゲちゃんの役割も…(すっぽかされ屋)
●scene3:あっちゃんの夢
あっちゃんは漫画家を目指してるのです。
今描いてるマンガは大沢くんをモデルにした漫画。
そよちゃんって本当は優しい子だけど、ちょっと天然が入ってるので(笑)時々無神経に(もちろん知らずに)あっちゃんを傷つけちゃうことがある。
そんなそよちゃんと、おとなしく夢見がちそして気配りの細やかなあっちゃんの性格の対比が良く分かるお話。
そして村では、一大イベントの祭りが!!
隣の森町で行われる4年に一度の祭りに行くのがみんなの楽しみらしく。
そこに大沢くんは向けて盛り上がるみんなと、静かに大沢くんへの思いを募らせるあっちゃんと早くも大沢くんとそよちゃんの仲を懸念して引き裂きにかかるシゲちゃんとのくんずほぐれつが面白いです。
しかし、耳が立ってると気にするあっちゃん。気持ちは良く分かりますよ。わたしも耳が大きい上に立ってるので、すっごく気になったもん。髪の毛で隠そうとすると髪が耳のあたりで膨れて余計に変な髪形になるんです。
あっちゃんは髪を結わえて耳を出したけど、わたしもベリーショートにして耳を思い切って出したことがあるけど、我ながら隠すよりも潔く出したほうが似合っていたし気分も明るくなったもんだ。
今じゃ、自分の耳がもしもアタマに張り付く形の耳だったらなんて想像も出来ない。わたしの耳は悪魔の耳、それでいいんです♪
なので、あっちゃんには親近感♪
天然コケッコー1巻
3巻
ハリウッドゲーム 1 (1) | |
![]() | くらもち ふさこ 集英社 2000 売り上げランキング : 937348 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
スポンサーサイト
⇒ short (06/24)
⇒ お (06/20)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ 六猫合体キャットマーズ (01/03)
⇒ 栗ごはん (10/21)