AX

スポンサーサイト

--年--月--日
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告

赤き血のしるし/河あきら

2006年08月30日
赤き血のしるし



ブログで漫画の紹介をするからには絶対にはずせないのが、この河あきらせんせいの一連の「不良シリーズ」(笑)。変なネーミングでゴメンネ。聞くところによると「バッドエイジシリーズ」って言うってほんと?

収録作品は


●赤き血のしるし 1973年 別マ7月号
●ウルフガール「狼少女」サチ1972年 デラ・マ春の号
●雪のマフラー 1973年 別マ2月号
●She is he?「彼女は彼?」 1970年 別マ4月号
●サチコの子犬  1969年別マ4月号(デビュー作!!)

それぞれ掲載

++++++++++++++

●赤き血のしるし

まず、表題作の「赤き血のしるし」から。
時代を感じる漫画ですよ。
なんと言っても、主人公の林遼子は、新潟から4月に東京に出てきて(中学卒業してすぐに、この当時ならおそらく「集団就職」と思います。今の人たちは集団就職って言ってもわからないかもね。高度成長の果てになくなっていったらしい。わたしだって詳しくは分からないけど。くわしくはこちらを。ウィキペディア)昼間は小さな工場で働きながら、夜は夜間の定時制高校で勉強しているのだ。
彼女は引っ込み思案で付き合い下手で、職場の人間関係にも上手くなじめず、寂しい生活を苦にして、同じデスクを使う「昼間の生徒」に手紙を書くのだ。そしてそれを机に忍ばせる。「文通してください」と。
メールもケータイも無い時代、文通って言うのが結構大事なコミュニケーションの手段であった時代。これも今の若い人たちには分からないだろうな。

話が横道にそれるけど、石垣に手紙を入れて文通すると言う話もあったんだけど、アレは何の漫画だったっけ…。クラスメートに見つかって揶揄されてたエピソードがあったような。

ともかく、見知らぬ人とこうして文通と言う手段で、友達になって欲しいと思う遼子。
しかし、返事はなく自分の浅はかさを悔やむのだけど、実はその相手は直接遼子を待ってくれていた。その相手というのが、一級年上の相原隆。
二人は急速に親しくなっていき、「遼子」「隆」と、お互い名前を呼び捨てにする間柄に。
でも、じつはこの隆、いわゆる不良で。
不良って言うのも、今の感覚とは違うんだよね。
昔の不良って言うのはね!硬派なの!
硬派って言葉ももう、死語なのだろうか(笑)。特に少女マンガの中に出てくる「不良」たちは、親が無理解で、実は金持ちだったり、実は成績優秀だったりするのがミソです。で、反体制っぽいの。これってやっぱ学生運動の名残なのかな?えわたしは学生運動の時代の人じゃないので、そこんとこちょっと分かりませんが。
で、ご多分に漏れず、隆は家が医者、自分も実は成績優秀。だけど、勉強漬けで親の言いなりの毎日に嫌気が差して横道にそれちゃうわけだ。
だけど、いつかは無医村の医者になるっていうステキな夢を持ってるの。
無医村とかもね…結構時代を感じますよね。今もあるだろうけど、昔はもっと多かったと思うので。

おきまりなのが遼子の職場でのいじめ。若い男の主任に気に入られれば、その主任を好きなお局にいびられる。
一方隆は不良グループを抜けたいが、仲間がそれを許さず、遼子を人質に取ってしまう。また、お堅い親もどこの馬の骨とも知れぬ遼子との交際を認めない。
二人の前途は暗澹としています。

結局、ふたりを引き離そうとする周囲に対して「ふたりの血はもうべつべついはできやしない」と、リストカットする遼子。
目覚めたとき、そこには穏やかな隆がいる。周囲が理解を示してくれたと、遼子を励ます。生きていればきっと分かってもらえるんだと言う明るいラストに救われるのだけどね。

タイトルの「赤き血のしるし」って言うのはですね…。
遼子と隆は、ちょっとしたけんかをしちゃう。隆の素行について遼子が諌めるようなことを言って怒らせたんだね。
でも、隆は遼子の誕生日を覚えていてアパートまでお祝いにきてくれたのだ。そのとき遼子が何をしていたかというと、ショートケーキをひとつだけ買って、自分のためにバースデイパーティーもどきをしている。マッチの火をふっと吹き消し「ハッピーバースデートゥーミー」なんて言って。その虚しさに胸を突かれて涙を流したりして、寂しいバースデイを過ごしていたのだ。
そこに登場した隆に感激して、ケーキを切るねと言いながらナイフで誤って自分の手のひらを切ってしまう。
隆がそこでしたことは、自分の手をわざとナイフで傷つけて血を流し、遼子の流れている血と混じらせたんです。
「ふたりの血がひとつにまじわって ふたつの心をひとつに…」
とかなんとか。
リストカットのあとで入院している遼子に、隆が輸血して本当に二人は血の交わりを持つと言うラストなのだけど、少女マンガとは思えないぐらい泥臭いと言うか、任侠が入ってると言うか(笑)
でも、そこが大好きです!!

キスシーンなんかもないのがいいの。
わたし世代の少女マンガ好きは絶対プラトニックが好きだと思う。
この泥臭さと潔癖さのハーモニーに、うちらやられてましたよね。



●ウルフガール「狼少女」サチ

これは気の弱い女性徒、サチが学園を仕切る不良たちをやっつけるために立ち上がりたいのに、自分の非力を嘆いているとき、親から伝授された狼の牙のペンダントを身につけると、月灯りに照らされると狼に変身する。その強さで不良たちから学園を守るのだけど、不良の黒幕はサチと行動をともにしていた一見品行方正な生徒会長で、表立って不良として学園を荒らしていた「狼グループ」の吉田は実はサチが好きだったと言う話。


●雪のマフラー

東北地方の山村で仲良く暮らすゆりと秀と稔。秀は捨て子だったのをゆりのじいちゃんに拾われた。じいちゃんはこけし職人。秀は恩返しのためにこけし職人の後を継ぐのだと、思っていたが、開校以来の成績優秀なため東京の学校に進学するように先生に言われる。
しかし、それは地元の有力者であり、ゆりを稔の嫁に欲しいと思っている稔の親が、邪魔な秀をゆりかた引き離すために仕組んだことでもあった。
ゆりを好きな稔だが、ふたりのためにゆりを逃がそうとする。が、つり橋が落ちて二人は雪深い谷底に…。
大学入試が終わり村に戻った秀は二人の事を聞き、自分も谷底に身を躍らせる。そしてゆりが自分に編んでくれたおそろいのマフラーを目にしてそこにゆりがいることに気付く。生前と変わらぬ顔で眠っているゆりと稔。
秀はゆりにそっとキスをして自分もそこに身を横たえる。雪が3人の上に優しく降りしきるのであった。

ひと言:「こけし」=「子消し」と言うのをこの漫画で知りました。これも時代を感じる作品ですねー。


●She is he?「彼女は彼?」 

喫茶店の看板娘の千秋は、実は男だった!!
転入した東中学校では、最初から女に間違えられて制服も女子用に。
男の子からもラブレターが!
でも、いつしか声変わりもあって、自分は男だとカミングアウト。
GFはボーイッシュな女の子なので、ショーウィンドウに映る二人の姿はどっちが男でどっちが女か分からないのです。


●サチコの子犬

犬が大好きなサチコ。でも、前に飼っていた犬がジステンバーで死んでからは犬を飼ってもらえない。実は隣に住む大学生のヒロシちゃんが好きなのだ。ヒロシちゃんがゴンという秋田犬を飼っているので、一緒に散歩などしたいので自分も犬が欲しい。
ヒロシちゃんにはステキなGFがいて、サチコと約束したゴンの散歩に一緒に行くという。ショックなサチコ。
でも、ちゃんと慰めてくれる存在もいる。ヒロシちゃんのGFの弟がクラスメートだったのだ。ふたりは、雑種だけど可愛いその男の子の犬を掛け橋に、きっと仲良くなることでしょう。

ひと言:犬を飼ったことが無いわたしは「ジステンバーで死ぬ」って意味がこの頃全然わからなかったよ。



■その他の河あきら作品のレビューはこちら

   わたり鳥は北へ
   太陽への道
   ゆがんだ太陽
   いらかの波
   赤き血のしるし
   木枯らし泣いた朝



■河あきら関連サイト

河のある風景
スポンサーサイト
[か行のマンガ家]河あきら | Comments(2) | Trackback(0)
Comment
Re: タイトルなし
Yoshiさん
コメントありがとうございます。

>シグナルの【二十歳のめぐりあい】が常に重なっています。

もうしわけないのですが、存じ上げませんでした。
youtubeで見られるようですので、今度見てみますね!(*^_^*)
銀色の髪の亜里紗と
シグナルの【二十歳のめぐりあい】が常に重なっています。




管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。