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KILLA/大和和紀

2006年10月16日
4062603802Killa (1)
大和 和紀
コミックス 1998-01

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4062603810Killa (2)
大和 和紀
コミックス 1998-01

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4062603829Killa (3)
大和 和紀
コミックス 1998-01

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KILLA [少年向け:コミックセット]
大和和紀
B00007CE6W


「はいからさんが通る」の連載終了後に、雰囲気のまるで違うくらい感じの物語を書きたかったと、表紙カバーの折り返しに大和氏自身のコメントがあるように、悪役を主人公とした「ピカレスク・ロマン(ワルモノが主人公の物語)」だそうです。

主人公は、キラ=クイーン。イギリスはロンドンの演劇界に彗星のごとく現れて、話題をさらいます。ずぶの素人だと思えば見事なまでの演技を見せて、演劇界を驚かせるのですが、じつは彼には育ての演劇の師匠がいたのです。それはフレドリック・ライモン。かれは昔、新人だった(今では大物俳優)ドレイクによって貶められ、俳優生命を絶たれたという恨みがあったのです。それでキラを育て演劇界に殴り込みをかけて、ドレイクに復讐しようと言う魂胆だった。
それは一見成功したかに見える。だけど、じつはキラはフレドリックが思うほどに生易しい存在ではなかった。キラはキラで野望の塊だったのです。
演劇界を手がかりに、キラが目指しているものは…。


野望のために、愛さえも利用するものでしかない冷酷無比な主人公にゾクゾクさせられます。不思議なもんで、悪いことをやってるのになぜか応援してしまう。もっともっと冷酷になってほしいと願ってしまうのは何故?(笑)
彼の毒牙をいち早く悟った少女マドロンは何かと親友アリスとキラの仲を裂こうとしたり立ち回ります。本来ならばこちらのマドロンを応援するのが普通の感覚だと思うのだけど、作品中では目障りなんですねぇ…。あんた、引っ込んでなよ!!って感じで、邪魔者扱い。でも結局マドロンもキラを愛しているとか言い出すし、余計に腹立たしかったり。しない?(笑)
そんな彼の唯一のウィークポイントは盲目のチェスプレイヤー、アレク。彼にだけは思いっきりやさしい顔を見せるキラ。このギャップがまた読者心をそそります!!
アレクは読者にも聖域で、彼だけはなんとしても守りたいし、キラには裏切ってほしくないのです。これが少年だからね。女だったらぜひとも裏切ってもらいたいと思うかもしれないけど(笑)。しかし、キラの心がなかなか見えないものですから、ひょっとしてアレクのことも裏切るんじゃないだろうか?と言う不安で、これまたドキドキさせられちゃう。
次第にキラの出生に秘密があることが分かり、なんと、自分たちは異母きょうだいだと知るキラとマドロン。異母きょうだいは少女マンガでは定番なので予想しておりましたが。辛い決別があります。ふたりは表面上は反発しつつも、心の中では確かに惹かれあっていたのだから。でもそれも血のなせるワザだったのでしょうかね?
企業家として目下の敵であるマドロンの父親(自分の父親でもある)、ムーアにたいし最後の戦いを挑むキラ。マドロンもショックだったが実はムーアの資本源の多くは、兵器製造による利益だったのだ。キラはその兵器工場を爆破させようとする。
が、止めようとしたアレクが巻き込まれて死んでしまう。
光をなくして、キラは孤独に帝王への道を歩きつづける決意を固めるというラストです。

なんとも中途半端で、ちょっと宙ぶらりんの後味の悪いラストだと思うけど、これも狙いの一つでしょう。その後のキラがどうなったのか、ひょっとして世界一の資本家になったかもしれないし、ヒットラーのような独裁者にもなったかもしれないし、逆に、今まで自分が滅ぼしてきた人々のように自分も誰かに滅ぼされたかも知れないし…それは想像してくださいと。

ぜひともこの続きを描いてほしかったですね。構想では、キラとマドロンに子どもが出来てその子が主人公の続編があったとのこと。実現されなかったのは惜しいです!!

同時収録に、書き下ろしのキラとアレクの子供時代の物語「クイーンズ・ギャンビット 女王手」があります。
キラとアレクの出会いは本編に登場しているけど、その後アレクがチェスのプレイヤーになるまでを幼いキラの才能の片鱗と共に描いてある。これがかなり短編にしてキレのある印象的な物語です。

悪い男に憧れませんか?

ブラッドさんにお借りしました。ありがとうございました♪
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[や・ら・わ行のマンガ家]大和和紀 | Comments(7) | Trackback(0)
Comment
キラは印象的でした
非常に印象的なお話でした。
マドロンは最後、アフリカの難民キャンプにボランティアに旅立つことになったかと思います。
一方キラの社長室には、軍の将軍が訪ねてくる。兵器の売買のためです。キラが納入した武器のせいでマドロンは死ぬことになるかもしれないと思いました。

それにしてもキラの周囲の人物のほとんどが死んでしまうとは、すさまじいお話ですね。生き残ったのは映画監督(名前忘れた)とマドロンだけ。しかし映画監督はアル中で廃人同然だしマドロンは先に述べたとおりアフリカに旅立ちます。

結局キラの周囲に残ったのは、無名の秘書など読者になじみのない人物ばかりでした。
>みずきさん♪
美しくて悪い男、それは乙女の永遠のあこがれだよね!(笑)
ラストね。美味くまとめることばが見つからなかったのでああ書いたと言うのもありますが(笑)
でも、どっかで「きっとキラは死ぬ」と思っていたのでちょっとびっくりさせられたねぇ。
デスノ昨日テレビでやっていたね。あっちのキラも悪いから、キラ=悪い男って言う事ね。お互い悪い男に骨抜きにされてみたいね!(笑)
こっちにもこんばんは!
私、これ持ってましたよーーー♪
私も悪い男好きです(笑)
(でも美しくないとダメ:大笑)
私はあのラストはもうキラが悪のままで貫き通すので、あれでよかったと思ってました。

デスノで「キラ」って出るとこのキラを思い出してましたよ(笑)
>ワルツさん♪
コメントありがとうございます♪
読まれていたのですね?わたしは全くの未読で懐かしいとかの感情もなくて、ただ新鮮でしたよ~~。アレクほんとうに愛しい人でした。
ワルツさんはクラシックもお詳しいし、演劇のほうもご覧になったり、わたしの未知の世界をよくご存知で刺激を受けます♪ガンダルフがリチャード三世だったのですね!実際に劇をご覧になったのかな。生の迫力は映画とはまた違うでしょうね♪
>ブラッドさん♪
大和和紀さんは「はいからさん」のあとはこのようなマンガを描かれていたんですね。
雑誌を読んでなかったからか、ぜんぜん記憶にありませんよ。
あさきゆめみし、とか「ハイヒールコップ」とか、すっごく色んなジャンルを描かれますね~。
改めてビックリでス!
キラのような冷たい悪いやつ、憧れる気持ちって女なら誰でもありますよね♪
しびれました~。
「100選」は、最近のは殆ど未読です。アニメになってるから知ってるのが多かったね♪

あ、今読み中の本が終ったら(これも借り本なのです)「彩雲国」いよいよ行きますね。多分一気読みしそうな予感です。お待たせしますがもう少々お時間くださいね♪
悪い男、いいですよね。
私は典型的な悪い男に惹かれてしまうタイプなので、現実でも苦労しておりまする。
KILLAみたいな男がいたらイチコロで参ってしまいますよ。
そしてできればアレクのような存在になるのが理想です。
ラスト、私はあれですっきり満足しました。

「メディア芸術100選・漫画部門」ですが、私こそ未読だらけでshortさんにはかなわないなあ、と思ってましたよ。
KILLA、懐かしいです。
この本で、「リチャード3世」の演劇にはまりました。
「指輪物語」のガンダルフ役の役者さんの、「リチャード3世」です。

盲目のチェスプレーヤー、アレク、魅力的ですね。

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