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炎トリッパー/高橋留美子

2006年12月06日
4091218571高橋留美子傑作短編集―〈保存版〉るーみっくわーるど (2)
高橋 留美子
小学館 1995-02

by G-Tools


るーみっくわーるど2巻に収録されている「炎トリッパー」は面白いですよ!
最初はわたしはこれ、テレビアニメで見たんです。
「犬夜叉」を観た(読んだ)時にこの「炎トリッパー」を思い出した人も多かったのではないでしょうか?
設定もよく似てますよね。

主人公の涼子(すずこ)はごく普通の女子高生。
たまたま遭遇したコンビナートのガス爆発に巻き込まれ、目が覚めてみればそこは戦国の世の中。累々と横たわる死体の数々。死体から金目のものを取りに荒くれどもがやってきて襲われそうになる。そこを救ってくれたのは宿丸という若者だった。
宿丸につれられて村に行けば、「すず」と言う名の妹が宿丸にはいた。
一夜明けて涼子は、ガス爆発のときに一緒にいた近所の幼稚園児(たぶん)の周平の洋服を、宿丸の家で見つける。
周平も一緒にこの時代にきたらしい??周平はどこに?
態度はがさつで戦国児丸出しだが宿丸は涼子に優しい。
もとの時代に帰れなければ、ここで宿丸を頼って生きるしかないと涼子は思う。
と、あるときふと、すずの持っている鈴に目を留めた涼子。
自分もまったく同じ鈴を持っていたことを思い出す。そして…。
(続きは↓のほうで、ネタばれあり)

るーみっくわーるどの2巻には他に
●ザ・超女(1980年)
●怪描・明(1981年)
●笑え!ヘルプマン(1981年)
●戦国生徒会(1982年)
●闇をかけるまなざし(1982年)
●笑う標的(1983年)
●忘れて眠れ(1984年)
●われら顔面仲間(1984年)
が収録されています。



B00005N42Oるーみっくわーるど 炎〈ファイヤー〉トリッパー
高橋資祐 金春智子 島本須美
ビクターエンタテインメント 1991-07-26

by G-Tools


「炎トリッパー」続き

すずの持っている鈴は、両親が涼子を拾ったときに涼子が身に付けていた鈴だった…。
涼子はじぶんが、すずではないかと思いつく。
もしもそうだとしたら自分は宿丸の妹なのか。
そのとき、宿丸たちの宿敵、赤馬たちが村を襲い火をかけてきた。
涼子とすずのいる小屋も火に巻かれてしまった。
その火のなかで、涼子は炎に飲まれそうになりながらふっと姿を消す、すずを目のあたりにする。
呆然とする涼子と宿丸に襲い掛かる赤馬。
燃え盛る柱で二人を潰しにかかろうとしたとき、涼子は自分の能力を発揮する。
炎を見たときの恐怖心が、涼子をタイムスリップさせるのだった。
宿丸とふたりで元の世界に戻った涼子は、宿丸の傷の手当をして、盲腸の手術のあとに気付いた。
それはガス爆発に巻き込まれる前に、涼子が周平に見せてもらった「盲腸の手術のあと」だった・・・。
宿丸は周平だったのだ。
どうしても戦国時代に帰ると言う宿丸と、涼子は運命を共にする決意をして、ガス爆発の起きる時間にコンビナートに出向く。
ガス爆発にわざと巻き込まれて、もう一度戦国時代に行く涼子。
そこは、宿丸の村。
二人が帰ったことを喜ぶ村の連中に宿丸は言う。
「祝言のしたくでもしやがれ!!」と。


1ポンドの福音   
専務の犬   
人魚の森  
人魚の傷  
夜叉の瞳  
めぞん一刻  
らんま1/2
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[た行のマンガ家]高橋留美子 | Comments(7) | Trackback(1)
Comment
れんどうさん、いらっしゃいませ♪
ふーむ、戻ることはできないのですか?
やっぱり難しいですけど、また機会があればその本を読んでみたいです。
でも、多分わたしには理解不可能だろうなぁ~。
物理の成績が壊滅状態だったんですもん。
しかし、ホーキングさんの本より先に「炎トリッパー」が発表になってると言うことがすばらしいですよね。
ほんとにすごい人です。
タナトスのことお知りませんでしたが、何を読んでも高橋さんの懐の広さに驚かされます。
「がんばり末世」にしても、弥勒菩薩と主人公が「食か信仰か」で争うのは、ナンセンスに見えておくが深いなぁって言う感じでした。
奥の深いことをばかばかしくナンセンス風に描き、だけど、理屈コネまくりみたいなのが、高橋留美子さんの偉大な所ですよね。
こんにちは、shortさん。

そうです、並列世界。まさにパラレルワールドそのものです!。これは時期的に言えば炎トリッパー以降に話題になった、ホーキング宇宙を語る、という本で、有名になった世界でもトップクラスの物理学者、ホーキング博士が提唱した仮想理論の中のタイムトラベルについての中で言われている事らしい。(ごめんなさい。私はその本を読んでいなくて、テレビで放映されていたものを思い出しただけです。)それによると

タイムトラベルするなら行った先の時空は無限に広がっていなければならず、タイムトラベラーは同じ時空に戻る事は不可能というものでした。

…………この理論を高橋留美子氏は知っていたのだろうか?。…………ああっ、女神様っ。(……もうええっちゅうねん!)

そういえばザ・超女に出てくるマリス(でしたっけ?。)の母星はタナトス。(の、様な気が……。)タナトスって死の神って知ってました?。私、つい最近知りました。こういうバックグラウンドも総て把握されていての設定なのでしょうね。

神話から最新科学まで。ああっ、女神様っ。………(もう、ええ。)

………おそまつ。

れんどう
れんどうさん、いらしゃいませ♪
タイムパラドックスのご説明ありがとうございます。
なるほど、並列世界というものがあるんですね!
パラレルワールドのようなものですね??
そっか、あのすずこは別のすずこだったのか~!!
でも、涼子がそっちに行ってしまったら、元の世界では涼子は行方不明とかになってしまうのかな?
やっぱりすべては理解できないようです。
うーん、難しい!
こんにちは、shortさん。

早速ですが、タイムパラドックスについてこの様なお話があります。

並列世界。

そう、SFの世界ではあまりにも有名なこの設定。これがタイムパラドックスの矛盾をほぼ、解決してくれるそうです。

そう。このいま、我々の住む世界をAの世界とします。時間を飛び越えて過去、あるいは未来の世界に行ったとします。するともうそこは我々の住む世界とは違うBという、Aとそっくりの世界だという事なのです。
ですから、そこにいる自分はB世界の自分で全く違う自分である、という事らしい。つまり、時間を飛び越えるのではなく、空間を飛び越えるのです。当然、A世界に自分はいない。だから過去に飛び越えて親を殺しても自分は存在する。そこは別の世界だから。
恐らく鈴子は自分と違うすずを見て、自分だと錯覚したのでは?。そこまで高橋留美子氏は計算していたのではないかと……。
恐るべし!、高橋留美子氏の知識。あのお方こそ天地創造の、ああっ!女神様。

…………おあとがよろしい様で。

れんどう
れんどうさん、いらっしゃいませ♪
コメントありがとうございます!!
今回はすっごく興味深いお話をしていただけてありがとうございます!
すごいすごい!いしいひさいちさんにそんなコメントを貰われていたんですね!
たとえけなされたとしても嬉しい気がするのはわたしだけ?(笑)
わたしも投稿したことはありますが、どうしてもBクラス止まりで恥ずかしい限りです。

おっと、高橋留美子さんの話でしたね(笑)。
戦国時代に女子高生、って言うだけですけどね、犬夜叉とかぶる部分は。
でも、アニメで見たときは「なんて面白い話なんだー」と感動すら覚えました。
今冷静に考えてみると「タイムパラドックスはどうなってる?」なんて思うんですけど。タイムトラベルモノは真剣に考えると考えるほど、混乱してきますね!(笑)

各方面で「1ポンドの福音」連載再開を歓迎しています。
わたしも嬉しい。また、あの「クイボク」畑中耕作の活躍が見られるのかな~と、楽しみですね♪
ふたたび、れんどうです。

上のコメントを間違えてしまいました。

正しくは、かごめとあるのは涼子です。
ごめんなさい。(><)
おひさしぶりです、shortさん♪。

しかし、よくもまあ次々とあれほどのアイデアが出てくるものですね、高橋留美子氏♪。私も若い頃は、漫画家を目指し、勉強したけれど、あそこまでのアイデアは中々出てこないもんです。これでもデビュー前のいしいひさいち氏からアイデアだけならプロ級なんだけど、絵柄が古臭い、と言われた事もあったのですが……。

あの才能には嫉妬すらしてしまいます。
(いやいやこれは雑魚の戯言です。聞き流して……いえ、読み流してください。汗 笑)

なるほど、犬夜叉と炎トリッパーか……。

私はまったく気づきませんでした。
………鈍感………???。

でも確かに似てますな。
あっ、でも視点を変えれば、犬夜叉はパッケージ、パーティとしてのお話しで、炎トリッパーはかごめの恋愛ストーリーとして見ていたからかな?。そういう見方もあったのね。恐れいりました。

れんどう

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炎トリッパー炎トリッパー(ふぁいあートリッパー)は高橋留美子の短編漫画作品である。1983年に週刊少年サンデー増刊号に掲載された読みきり作品であり、「高橋留美子傑作短編集2」に収録されている。また1986年にはOVAとしてアニメが製作され、一部地方テレビ局において