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クリスマス/山岸凉子

2007年01月05日
xmas

新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
ということで、「クリスマス」とは時期が多少ずれていますが気にしないで下さい(笑)。
山岸凉子さんの、地味だけれど感動的な作品をご紹介します。
わたしが持ってる本で言うとボニータコミックス(秋田書店)の「黄泉比良坂」に収録されています。
この本の収録作品は
●黄泉比良坂(よもつひらさか)
●クリスマス
●海底(おぞこ)より
●シュリンクス・パーン
●幸福の王子
の5作品となっています。

件の「クリスマス」は、この本のほかに朝日ソノラマのサンコミックス『赤い髪の少年』と『山岸凉子全集27・クリスマス』にも収録されているそうです。この情報はお客様のカジックさんから頂きました。ありがとうございます。

さて、この物語の内容は・・・。
女心の恐ろしさや人の心の闇の部分を描くのがとっても上手いおりょーさまですが、こんな心温まる素敵な物語もあります。インパクトがどうしても「黄泉比良坂」や「海底より」よりも弱いので失念していたのですが(汗)今さらですがご紹介したいと思います。

主人公のジョルジュは両親の離婚により、親戚中をたらいまわしにされていた可愛そうな少年。
今回フォーク家に引き取られます。
そこでも一族に冷遇されるのですが、ただ一人親身になってくれたのがミス・スックでした。
彼女は40を越して独身で、度外れた内向的な性格で、草花とジョルジュのような子ども相手にしか普通に話せないような女性だったのです。
それゆえフォーク家においてもジョルジュ同様、一家から(女中からさえも)軽くあしらわれ、ないがしろにされているのです。
心を開いているのは犬のパディだけ。
なので、逆に新参者で子どものジョルジュが彼女の「騎士にならねば」と思うのでした。
物語は、こんな風にふたりきりで心を通わせあったミス・スックとジョルジュが過ごした5年間を、後の大人になったジョルジュが回想する形で語られます。
特に印象的な二人の最後のクリスマスとなったその年のこと、いつものように親戚や知り合い、慈善団体や大統領にクリスマスケーキを送り、不器用にみすぼらしいツリーを楽しそうに飾りつけ、そして、二人でプレゼントの交換をするのです。
ケーキを包む包装紙を集めるのに、ひとの捨てようとする包装紙を嫌味を言われながらももらったり、ツリーに飾るオーナメントを買うお金がないので不器用な飾りを手作りするのですが、その二人の様子がとっても温かく胸を締め付けます。
交換するプレゼントは毎年決まって「凧」なのです。
それはお金をかけずに作れるから・・・。
だけど、この凧を飛ばす二人の幸せそうな事・・・。
そしてミス・スックは言うのです。

わたしはねぇ
死ぬときに初めて神さまがお姿を現してくれるのかと
ずっと思っていたのよ
でもそうじゃないのね
わたしたちは毎日神さまにお会いしているのよ
今こうして この丘であなたとパディと
凧をあげながら
この美しい風景の中にいる このことが
神さまにお会いしているのと同じ事なのよ
このことを忘れないようにしましょうね ジョルジュ
このことをね


このあと、ジョルジュは寄宿学校に入れられてしまうので、二人は離れ離れになってしまいますが、お互いを思いやる気持ちが切なく読者の胸を打ちます。
ミス・スックは毎月、手紙とともに5セントを送ってくるのです。
この5セントは、お金がないミス・スックが山で採った薬草を売って作るなけなしのお金なのです。
いつしか、愛犬(と言うよりただ一人の肉親のような存在の)パディが死んでしまい、独りぼっちになってしまったミス・スック。
その後、自身も風邪をこじらせてあっけなく死んでしまいます。
その手紙は涙でかすんでどうしても読むことが出来ません。
ミス・スックが最後のクリスマスのときに、凧をあげながら言った言葉が思い出されるジョルジュなのでした。

わたしのお話はこれでおしまいです
空が晴れわたってきました
このマンハッタンではめずらしいことです
わたしは今も このように
晴れわたった冬の空を見上げると
一対の凧が風をきって あがっているように
思えてなりません




4253091210黄泉比良坂
山岸 凉子
秋田書店 1985-11

by G-Tools

4049230275クリスマス
山岸 凉子
角川書店 1987-11

by G-Tools

4257913886赤い髪の少年
山岸 凉子
朝日ソノラマ 2000

by G-Tools

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[や・ら・わ行のマンガ家]山岸凉子 | Comments(8) | Trackback(0)
Comment
つるさん、バストは骨が出っ張っていますがよろしいですか?(^_^;)
「山岸凉子のカテゴライズの夜は更けて」すばらしいですね~・・・。
なんか、わたしも誰か一人の漫画家さんを対象にこんな風に極めたサイトを作りたかったようにも思ったのですが、誰か一人になんて絞れなくって・・・。くらもちさんとか岩館さんとか、挑戦したかったけど・・。もうすでに素晴らしいサイトさんがあったしね・・・。「山岸カテゴライズの」は、検索してると良くかかってきます。ここで見ているとわたしが読んだ事のない漫画が結構あるわぁ。網羅したい。つるさんはもちろん、全読破でしょうか。ここのお客様で120冊ぐらい揃えてらっしゃるつわものさんがいらっしゃいます。そこまでは無理でも、全部読みたいなぁ・・。しかしこう言うサイトの管理人さんたち、文章力もサイトの構成もしっかりしていて読ませますねぇ。見習いたいのですが・・・以下略。

「学園のムフフフ」は、小学校の6年の時に、クラスで一番秀才の女の子が「読んで読んで!」と、当時の雑誌からその「ムフフフ」だけ切り取って厚紙で表紙をつけて持ってきてくれました。「ゆうれい談」とか読んでた後だったと思うけど、ギャップに驚いた記憶があります。。「かぼちゃ」は寝てる間に夢のようにキスされるところに萌え!なーんて、書いていて恥ずかしいったら!(笑)

「副馬」そうそう、ありました。「時じくの香の木の実」にはいってた。なんだか好きなんです。そっか、御伽噺のようで好きなのかな。日本昔話大好きだし?「笛吹き童子」と似てるってわたしも賛成です!

「幸福の王子」わたしもね~これ、書こうかなと思ったんですが、やっぱりつるさんんにもツボなのねん。「にんじん」って、西洋の子ども名作全集みたいなのはたいてい明るい話が多いですよね。たまには「フランダースの犬」もあるけど、おおむね明るくて泥臭さがないの。現代の子どもが読んでも憧れる世界観があるんです。それに引き換え日本の子ども向けの作品って結構暗いイメージ。わたしは好きですが、坪田譲二とか。でも憧れはそこにないのです。「にんじん」だけは日本の全集も負けちゃう暗さと陰湿さがあるように感じて、とてもとても理解できませんでした。今度もう一度読んでみようと思います。

>結局どれも好き!!
そこに究極の大賛同を送ります♪なんか、色々書きたいことがあるけど、書ききれなくてごめんなさい。わたしも長いよ(笑)
いろいろ
最後のコマの脇、と書いちゃったけど見直したら左下でした。『A Christmas Memory Truman Capote』と書いてあるのです。
A Christmas Memoryという原作があるということかな?と長いこと思ってたんですが↓ココで詳しく知りました。

http://kategories.com/yamagishi/bungaku.htm

…うまく張り付いたのかしら、『山岸凉子のカテゴライズの夜は更けて』という山岸さんファンのサイトで、その「山岸凉子文学館」というページのずっと下のほうに書いてありました。

このサイトさん覗くと止められなくなるよ~~お時間あるときどうぞ。

泣くよね~~
>わたしの肩を貸してあげましょう!(笑)
うゥン、バストが良い~~~

「かぼちゃの馬車」って変わった話だよね…トキメキはあるけど、なんか「恋愛!」って感じが薄い恋愛モノというか。トレヴァス君が主人公より幼く見えたのもあるんだけど、トレヴァス君は甘やかされる当主で、クラシニーラは相変わらずこき使われる状況で、これで恋愛が成り立つのかなぁ、とかクラシニーラはなんか別にトレヴァス君でなくても良いみたいに淡白で、あのこき使われる生活になにげに馴染んじゃうし…でもなんかお洒落で感じが良くて。ほかに類を見ないというか…他作家のものだけじゃなくて山岸さん自身にも類似する作品ないよ~な…まぁ、「学園のムフフフ」も類似品のない感じがするけど…

>赤い髪の少年
ちょうど今持ってきた、クリスマスが収録されてるのがサンコミックスの『赤い髪の少年』です。「にんじん」ですね。
うん、にんじん可哀想ですね。お母さん、酷いんですけど、この主人公のエマニュエルが言う『悲しみや苦しみをうまく表現できない人っているんだよ』のあたりが印象的だったのです。可愛がっていた猫を殺したにんじんに、君はあの猫を好きだっただろう、おかあさんも同じで、君を憎んであんなことをするのじゃなく、そうせざるを得ない悲しい人なんだ、っていう話が…今書きながら思い出したんだけど私も最初はあまり印象に残らなくて、何かの機会に再読したとき、深いな~~と思ったような。人の感情って必ずしもまっすぐ表れないよね、っていろんな作品から気づかされるけど私にはコレもそのひとつになりました。

埴輪の馬の足の話は「副馬(そえうま)」でした。『時じくの香の木の実』に収録されてました。コレちょっと「笛吹き童子」のお話と似てるよね、笛直してあげるところ。「副馬」は御伽噺みたいですね。正直者の働き者が真面目にやっててハッピーエンド、っていう。だけど民話みたいなのよりもっとぐっと胸に迫ってくるような印象がありました。

「薄桜」、ウッウッウッ、儚い…
唇を避けたキスはもしかしたら病気がうつる事を恐れて?でもあったのかなぁと思うと荒男さんの心が切ない。一応若いのでいきなりフィジカル展開を避けて(←荒男さんが)のことに見えたんだけど。

あのスミマセン、長いですね。
でも前回送信してから思い出した、「幸福の王子」!!泣くんです!私!たまらん!『やつの名前を呼びたかったけど俺は知らない!』ああああッ、バスト貸してください。

明るい終わり方のも怖いのも好きだ、結局どれも好きぃ~~~
つるちゃん(笑)
わたし今この本(黄泉比良坂)を探しているのですが、この記事をアップしてから行方不明(^_^;)。最後のコマの小さい文字ってなんでしょう。気になる気になる!え?「クリスマス」がカポーティの自伝?ちょっと混乱しています。本当に合った話なのでしょうか<「クリスマス」
うーん、なんとしても探さねば、どこに行ったのやら。
しかし、良いお話ですよね。自分のあらすじもう一度読んで、またじーんとしてしまいました(笑)つるさんも泣けますね?いいよいいよ、泣いても良いとも、わたしの肩を貸してあげましょう!(笑)
「夏の寓話」はありますあります。これも良いですね。って言うか泣ける。「かぼちゃの馬車」はウィットの利いた小粋な物語で結構にんまりしていい感じです。めずらしくトキメキがありますね。
「赤い髪の少年」って、「にんじん」の漫画化ですよね?これ、イマイチわからないのです。お母さんが酷いんですもん。にんじんがかわいそうなだけの物語かなと思ってて、あんまり深く読んだことがないです。でもおりょーさまが漫画にするぐらいだから良い話なんですよね・・・。にんじんの母親は親としてどうなの?と思ってしまいます。

「天矛沼」の三話目の「薄桜」ってどうでしょ。入院中の少年たちの淡い心のふれあい、荒男の優しさと切なさに涙が出ます。あと、タイトルがまた分からない!埴輪の馬の足を直してあげたら、持ち主が喜んだ古代の物語です。短い話だけど結構印象的(その割りにタイトル忘れてる)
「シュリンクス・パーン」とかも好きだし「このはなさくやひめ」とか「貴船の道」みたいな明るい終わり方のほっとできる物語も好きです。

でも「クリスマス」は別格で感動的ですよね~・・・って、お客様に言われなければ思い出さなかったクセに、わたし(^_^;)

しかし、ぞぞっとする話もやっぱり好きなんですよね~~。「夜叉御前」みたいな。まぁどれも好きなんですよね結局。

わあ~~~ん、ひととおりくらもちさんに絡んでからほかは追い追い、と思っていたのに大好きな「クリスマス」を見つけちゃったので乱入、涙なしでは読めません!!
山岸さん作品、どれも好きですが個人的に特別みょ~に好きなのがこの「クリスマス」となぜか「かぼちゃの馬車」。

ずっと、最後の一ページのコマの脇に小ぃ~さく書かれた文字が気になっていて、わかったのはほんの3年ほど前でした。トルーマン・カポーティの自伝だったのか。。。「ティファニーで朝食を」の作者だとしか知らず読んだこともないのですが実際にあった話なんだなぁ(どこまで脚色されてるかわからないけど)と思うと感慨もひとしお。

少女の感性のまま年をとってついに大人の人間になりきらず妖精のように生きてあっけなく死んでしまったミス・スックと、子供ながらその妖精を人間たちから守るナイトになろうとしたナイーブな少年ジョルジュの静かな思い出がいつまでも心に残ります。。。泣くぞ~~~泣いちゃうぞ~~~いい?いい?わああ~~ん

「夏の寓話」とか「赤い髪の少年」とか「三色すみれ」とかも~~ど~したらいんだかわからない感動にじたばたしちゃう作品が山岸さんのものの中に時々あってつるちゃん困っちゃうのです…
>カジックさん
そうなんですか?
やぱり名作なんですね。だって山岸凉子先生の作品ですもん。
でも長いのでしょう?挫けてしまいます。
また読んだらモチロン感想アップしますよ。
わたしって、読んでるつもりでもこう言う要の作品を読まずに来ているのですよね。
昔に戻ったらもっともっと読み倒すと思うけど、最近根気がなくってね~。
嫌ですわ。トシですわ。おほほ。
こんばんは。

『アラベスク』、読みましたぞ~。
なかなか古本屋で見つけられなかったんですが、やっと、花とゆめコミックスの全巻セットを手に入れることができました。

こりゃ、予想をはるかに超える傑作ですわ。ただの根性ドラマとは違う、山岸先生ならではの奥深い世界に接することができて大満足でした。

shortさん、この名作もアップしてくれなきゃ~。
カジックさん♪
いらしてくださりありがとうございます!
今年もよろしくお願いします~^^

カジックさんのおかげで、おりょーさまの名作を記事としてアップする事ができました。
コメントを頂かなかったら、そして「ボニータの『黄泉比良坂』に収録」というレスを頂かなかったらこの記事は書かなかったと思います。
いやもう、どうしてこう言うすばらしいマンガをスルーしていられたのか、自分が信じられません。
それとも、年をとったからかな?(笑)
ミス・スックの心の美しさに涙なみだ。
神様、といっている部分を「しあわせ」と置き換えて、わたしは読んでみましたよ。
ほんとに、おりょーさまって短編の名手ですよね!

今年もたくさんマンガをご紹介できればいいなとおもってますので、どうぞまたお越しくださいませ。
お待ちしています♪
明けましておめでとうございます。

さすが、有言実行のshortさん、さっそくアップされたんですね。
解説読んでるだけで、じい~んと来ました。
この作品は「隠れた名作」という感じではないでしょうか。

今年も頑張ってください。
応援してまっせ~。

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