2007年01月10日
![]() | ミステリー館―少女漫画恐怖傑作選 (Part 1) 高口 里純 宝島社 1993-12 by G-Tools |
Bオフで偶然見つけた一冊。
なんと岩館真理子さんの短編、しかも未読の作品が収録されているオムニバス。
岩館さんだけはコンプリートしているつもりだったけど、まだまだだね。
ここに収録されているのは「千年眠らない」という短編。
掲載はmimiエクセレント1988年の№13
+++ストーリー+++
杞実子は一年前に恋人の貴雄に失踪されてから、ものすごくズボラな女になっていった。友達の花璃香が心配するけれど、ズボラは度を増すばかり。
眠るたびに弟の夢を見る杞実子はどこか危うげだ。
壊れたストーブを買い換えることはしないけど、興信所を使って貴雄の行方を捜したりしている。
そんな杞実子の勤めるデパートのコスメコーナーに時々現れる若い男。杞実子にわかりやすく自分をアピールしてゆくが、貴雄の事で頭が一杯の杞実子の目には入らないようだ。
そして、次第に杞実子の生活はすさんで行き、おしまいには部屋の鍵も掛けず窓も閉めずに、着替えもせずメイクも落とさず寝てしまうほど・・・。
花璃香は心配するが、ついに杞実子に告白する。
貴雄は失踪ではなく、杞実子に別れを告げて出て行ったのだと。
その現実から目をそらしているのが杞実子なのだと。
そして、自分は貴雄といっしょに北海道に行き祖父の牧場をやるのだと・・・。
杞実子は結局眠るたびにすべてを忘れていたのでしょうか。
貴雄と花璃香のことを・・・。
自分に別れを告げて出て行った貴雄の事を。
だけど、そんな杞実子に夢の中の弟は言うのです。
きみはもう
大人になって
忘れちゃいけないことが
いっぱいあるんだ
それがどんなつらいことでも
忘れないで
心に刻んで
待つんだよ
いつか褪せて
風化するまで
さて、男に捨てられた事を、正視することを拒んでしまい、自分の殻に閉じこもっていた杞実子ですが、デパートに訪ねてくる例の男、彼は実は、杞実子が貴雄を探すために依頼中の興信所の隣のビルに勤める男で、杞実子に思いを寄せているとうオチがついています。
だからちょっとほっとできる終わり方。
同時収録はこれまた豪華な執筆陣。
しかも、初出雑誌の出版社が集英社や白泉社や講談社、角川書店、大陸書房、サン出版など、多彩です。
また機会をつくってご紹介したいと思います。
●幸福のスタア/高口純里
●魔法人形/松苗あけみ
●ノーマンの部屋/谷地恵美子
●月の桂/吉野朔実
●永遠をみる丘/望月玲子
しかも、初出雑誌の出版社が集英社や白泉社や講談社、角川書店、大陸書房、サン出版など、多彩です。
また機会をつくってご紹介したいと思います。
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