2007年02月03日
![]() | 土星マンション 1 (1) 岩岡 ヒサエ 小学館 2006-10-30 by G-Tools |
「しろいくも」「花ボーロ」の岩岡ヒサエさんの第3弾。
今回はなんとSFです!ちょっとびっくり。
でも、あのほのぼのとした世界観は変わらずに。
もっと研ぎ澄まされている感じ。
そして、今まで読んできた中で共通して言えるのは、この人の持つ優しいユーモアセンスが、すごく心地よいと言う事。
とつとつとした素朴な味わいのある、決して派手ではないし、大笑いするような場面はないのだけど、ぷっと吹き出したりにんまり口元がにやけたり・・・そんな優しい笑いが、全編通して心地よいのです。
設定は、遠い未来?
地球は地上では誰も生活していなくて、地上35000メートルの上空に、土星の輪のように地球を取り巻くパイプを作り、人々はそこで生活しているのです。
パイプは3層に分かれてて、最上層はお金持ちの人たちが住むところ、中層は学校などの公共施設があり、最下層は一般庶民が住むところになっています。
主人公は、この最下層に住む少年ミツ、中学を卒業したばかりだけど職に着きます。亡き父親と同じ、窓拭きと言う職に。
はじめはあまり状況がよく把握できなかったのだけど、読むうちにおいおい分かってきます。
窓拭きってなんなのか
なぜミツが一人で暮らしているのか、
この世界で人がどう言う風に生きているのか
ミツの父親はどうして死んでしまったのか
ミツがそれをどう考えて受け止めているのか・・・
などなど。
一話一話、ゆっくりと読者に分かってくるのです。
ミツの父親は窓拭き仲間にも信頼されていたひとりで、その息子だからミツはみんなに受け入れられ守られるけど、それを快く思わないものもいたりして、ただ心地よいだけじゃないミツの世界。
そのなかで、だんだんと大きくなり、窓拭きとしても一人前になってゆくミツを心から応援したい。
個人的には、ミツの相棒でありよき理解者でもある仁さんが好き!
おじいさんと言うか結構トシとったおじさんなんだけどね。
いい味!こう言う人を描かせたらこの人上手いですね。「花ボーロ」でも益本先生とか面白かったし。
それにしても、上空35000メートルから見る世界って・・・どんなだろう。そして、そこで作業する過酷さって・・・。
遠い将来、実際にこんな世界になるんだろうか。
雲の上に思いをはせながら読んでみたり・・・。
スポンサーサイト
⇒ short (06/24)
⇒ お (06/20)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ short (05/23)
⇒ 六猫合体キャットマーズ (01/03)
⇒ 栗ごはん (10/21)