2007年02月13日
![]() | LA QUINTA CAMERA~5番目の部屋 オノ ナツメ 小学館 2006-07-28 by G-Tools |
オノ・ナツメさんってお初です。
軽妙で味わいのある不思議なタッチのイラスト風の絵柄で、淡々ととあるアパート(というか、普通の家に下宿人を置いている)の人々の生活を描いています。
マッシモがこの家の主。
同居人は、気障でちょっとクセのあるチェレ、
陰気に感じるぐらい物静かなアル、
街頭で笛を吹いたりしているルーカ
この4人の住人に、あるときは海外からの留学生であるシャルロット、日本からはアキーオ(秋雄)、またあるときはフライドポテト好きのアメリカ人、そして最後の受け入れは81歳の学生ブルック。
彼らが織り成す物語がしみじみと心に迫ります。
大きなドラマティックな出来事は無いけど、誰かが誰かを大切に思いながら気持ちよく暮らしている彼らの姿がとっても心地よいです。
わたしもこんな所に住みたいと、思わずにはいられないです。
最初はシャルロットは手違いでこのマッシモの家に来てしまったんだけど、その前に街で偶然ルーカたちと知り合っていて、すんなりなじんでしまうのです。その後はこの家を離れて暮らし始めたようだけど、マッシモの経営するバール(立ち飲みカフェのような所らしい)で働き、みんなとの縁は切れず良い付き合いを・・・。
そのうちに、だんだんとアルに惹かれてゆき、バツイチだというアルの事情を知り(子どもがほしかったアルに対し、元妻は子どもは要らないというので、それが元で別れたのに、元妻はさっさと再婚してその男の子どもを生んでいた)傷つくアルに「わたしが子どもを生んであげる!」と大胆告白をしてしまいます。
マッシモが下宿を解散する決意をしたのは、マッシモの恋人のアンナが妊娠したから。二人は結婚して一緒に暮らす事にしたからです。
でも、マッシモはみんなとの生活が捨てがたく、解散によってルーカとチェレが街を離れると知りとっても落ち込んでしまう。それをまたみんなで慰めるのだけど、このあたりの暖かさはウルウルとしてしまいます。離れていてもみんな友達、そして、子どもが生まれたらきっと飛んで来るし、アルとシャルロットが結婚しても絶対に飛んでくると言うその言葉がまた、暖かい。
最後の受け入れとなった学生は81歳のブルックでしたが、彼女がすごくとぼけた感じのおばさんで笑えました。でも、彼女は実はハリウッドノシナリオライターで、この下宿屋の話をいつか必ず映画にするというのです。
きっと良い映画になるでしょう・・・。
番外編では、アルがこの下宿に来る事になったいきさつや、みんながいないマッシモの家で一人寂しく正月を迎えるアキーオや、アキーオが作るお雑煮をみんなで食べる話など、良い余韻が残ります。
素敵な一冊。おススメです!
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