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妖精王/山岸凉子

2007年05月19日
youseiou



念願の「妖精王」。お友達のお陰で読むことが出来ました。ありがとう!Mさま~♪

連載は、1977年(昭和52年)の「花とゆめ」9号から翌年の21号まで隔号で連載。「セイレーン」「ハーピー」など、この「妖精王」にも登場する妖精たちの短編も書かれていますが、集大成と言う感じでしょうか?

物語は、今読んでも非常に面白い胸が踊るドキドキわくわくのファンタジーです。絵はもちろん古いけどね、5巻という長さだけどあっという間に読めてしまいました。


主人公は『爵』と書いて「ジャック」と読みます。
日本人です。でも曾祖母がイギリス人なのです。
がり勉の受験生だったけど、肺をわずらい北海道の親戚に療養のために居候に来たジャック。最初は勉強の事が気がかりで、北海道にも親戚のいとこたちにも馴染めないんだけど、身の回りで不思議な現象がたびたび起きて、気をとられます。そのうちに風野 燐(ふうの りん)といういとこが現れ、初対面だけど妙に懐かしい気分にさせられたり。燐はじゃっくに角笛のペンダントをくれます。しかし、その角笛を奪おうとして登場した美女(その正体はダークエルフの女王クイーン・マブ)のせいでジャックは夢の中で危ない目にあいます。そこに助けに登場したのが風野燐、夢の中では「クーフーリン」と名乗ります。クーフーリンはジャックを助け「角笛を決して手放してはいけない」と言うのですが、しかし結局角笛はすぐに燐の愛馬ケルピーによって奪われてしまうのです。
角笛を探してジャックは「月影の窓」から不思議な世界へ入り込みます。そこが妖精たちの世界、ニンフィディアだったのでした。
小鹿の妖精プックと友達になったジャックは角笛を探すけれど、クイーン・マブが仕掛けた鶏頭蛇尾獣(コカトライス)に、プックが大怪我をさせられてしまいます。その怪我を治すには、黄泉の国に通じる井戸の番人、井冰鹿(イヒカ)に「悩む者」と言う薬を分けてもらわねばならない。大変な思いをしてなんとか井冰鹿のもとへたどり着いたジャックはそこで大事な角笛と引き換えに「悩む者」を分けてもらいます。
しかし、素直に「ありがとう」と言うジャックに、心を開いた井冰鹿は、角笛を返してくれるのでした。
さて、「現実の世界」に戻ったジャックですが、燐から自分が「妖精王」だと知らされます。
ニンフィディアはかつて妖精王ナッドとその子グィンとによって治められていたのです。そしてジャックがそのグィンが復活した姿だと、リンは言います。ジャックが「妖精王」なのです。クーフーリンはグインの第一の従者だったのです。

同じ頃、人間界でも地震が頻繁に起きたりして不穏。それはクイーン・マブがダークエルフと手を組み、人間界を支配しようとしているからでした。それを防ぐためには、クイーン・マブの「水の指輪」を奪わねばならないのです。
「水の指輪」とはクイーン・マブが「グィンが失った言葉」を水に閉じ込めて指輪にしたものなのです。
新しい妖精王としてジャックは、プックとともに魔州湖(ましゅうこ)を目指すのでした・・・・。


と、こんな感じの物語で
このあとは次々と登場する妖精たちと仲間になったり、あるいは敵として戦ったりしながら、お助けアイテムをゲットしてラスボスであるクイーン・マブを倒すまでを描いてあるのです。
そりゃもういろんな妖精たちや化け物たちが次から次へと登場して、それらを倒していくのが爽快なのですが、そこには独特の繊細さがあり切なさがあります。
わたしが印象に残っているのは、オホーツクの海の精メリジューヌです。風の精シルフィードの姉妹の中の一人ユーナの魂を奪ったメリジューヌ。返して欲しい姉のシルフィードたちは魔州湖への道を教える代わりにユーナをメリジューヌから救って欲しいとジャックに頼みます。頼まれたジャックはオホーツク海に行き、メリジューヌの弱点の髪を引っ張り地上に引き上げます。そこで分かったメリジューヌの正体は海蛇だったのです。自分の醜さでは誰にも愛されないと言う絶望の中で、船乗りたちの魂を奪うことで寂しさを紛らしていたのです。
でも、ユーナの前に本当の自分をさらけ出してしまったメリジューヌは、ユーナの魂も、船乗りたちの魂も開放して海の底に消えます。誰にも愛されない事を嘆き、独りぼっちになったメリジューヌが気の毒で、哀しかったです。同情を寄せたジャックにメロウの真珠をくれました。本当は優しい海の精なのですね。
もう一人印象的だったのはナメクジおばさんですね。その女のマントの中に入って、胎児のように幸福感に包まれるジャック。ナメクジおばさんは退治されてしまうけど、おばさんがくれた不思議なナイフはいつもジャックを助けたし、また、ジャックに大切なヒントをくれたりします。気味の悪い姿だけど、愛情があるこのなめくじおばさんも哀しい存在でした。
クイーン・マブに利用され、隠したいのに悪魔である自分の姿を隠せないルシフェや、本とはジャックが好きなのに、最後は哀れな結末を迎えてしまった可哀想なサラ、ダークエルフとクイーン・マブの崩壊に自分も身を投じた井冰鹿も切なく哀しかったです。


しかし、やっぱりなんといってもわたしはクーフーリンがカッコよかったなぁ。でもあんまり登場しなかったので残念(笑)
井冰鹿はなんでもデヴィッド・ボウイがモデルのようです。わたしは全然デヴィッド・ボウイを知らないんですが(名前しか)たとえば池田理代子さんの「オルフェウスの窓」にはダーヴィドという、この井冰鹿に似た人物が登場するし、また木原敏江さんの漫画にも登場しますね。みなさん同じようにデヴィッド・ボウイをモデルとしているのね!!と、思ったしだいです。

「グインが失った言葉」というのは「信頼」それを取り戻す事で、クーフーリンの赤枝の騎士団が復活し、角笛を7回吹き鳴らすとダークエルフは崩壊したのです。
そして気が付けば現実世界に戻っていたジャック。2ヶ月の間行方不明ということになっていました。
でも、燐は発見されず・・・。
ジャックはもう北海道を離れる気持ちはありません。燐や妖精たちにまた会えるかもと思い北海道に留まります。
いつかまた、会えると良いね。

わくわくして、はらはらして、切なくて心暖まるファンタジーでした。これもやっぱり名作!!読めてよかったです!!

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[や・ら・わ行のマンガ家]山岸凉子 | Comments(1) | Trackback(0)
Comment
そういえば、私もこの漫画過去に人から借りたことあった!すっかり記憶の底から脱落していたけれど、shortさんの詳細な解説でそういえばこんな場面もあったなあと今懐かしく思い出している最中です。

私の頭の中をなぜかぐるぐる廻って離れないのが貴腐。ワインの妖精だったように思うんですが、ジャックにとって味方だったのかそれとも触れたら危険な存在だったのかどうしても思い出せない・・・

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