AX
fc2ブログ

半神/萩尾 望都

2007年06月14日
4091910173半神
萩尾 望都
小学館 1996-08

by G-Tools


収録作品
●半神  1984/1 プチフラワー
●ラーギニー  1980/2 SFマガジン
●スロー・ダウン  1985/1 プチフラワー
●酔夢  1980 イラスト集「金銀砂岸」
●ハーバル・ビューティー  1984/10 ぶ~け
●偽王  1984/9 プチフラワー
●温室  1975/5
●左ききのイザン  1978
●真夏の夜の惑星  1990/11
●金曜の夜の集会  1980/11 SFマガジン

なんと言っても圧巻は「半神」。16ページの作品なのです。
腰でくっついている双子の姉が「わたし」です。
わたしの養分を吸い取り、わたしよりも健康そうで美しい妹。知能が低く、一人では満足に食事もできない妹の世話は全てわたしの仕事になってしまっているのです。自分にかかる負担や、美しく誰からも愛される妹への憎しみと羨望。しかし、いよいよ二人を離す手術が行われた時、わたしは・・・。

16ページというと、漫画スクールの投稿作品の規定ページ数!描いてみれば結構長く、そして短く、むずかしいページ数です。(単に実力がないだけとも言う)それを思うと(比較するほうがおこがましいのですけど)この完成度の高さにまず驚く、いや、驚くというのは違うかも・・・ひれ伏してしまいます。そして物語が持つメッセージ。わたしの中にある愛憎と葛藤、アイデンティティーの喪失、不安・・・主人公の感情に圧倒され言葉もありません。いやいや、ほんとに言葉もありません。

先日からアップしている山岸凉子作品、と、「半神」はMMさまにお借りしました。ありがとうございました♪
スポンサーサイト



[は行のマンガ家]萩尾望都 | Comments(9) | Trackback(0)
Comment
Re: 初出誌
通行人A様。
ご親切にありがとうございます(*^_^*)
さっそく書き足しておきました。
感謝です♪

初出誌
せっかく初出誌書いておられるようなので。

金曜の夜の集会もSFマガジンです。
ラーギニーともども家にあります。
温室と左ききのイザンは家にある単行本に書いてあったかもしれないので確認しておきます。。。
Re: No title
通りすがりさん
コメントありがとうございます。
やっぱり事実は重いものですね。ごく健康に育っている、マナカナちゃんみたいな(彼女たちも二卵性双生児なのだそうです)タイプもあるし、こればかりは・・・命は授かったものということを、痛感します。

No title
結合双生児ではありませんが、中学生の時の同級生に、二卵性双生児なのに妹は背が高くて元気溌剌で友達が多く、姉は背が低くて青白くて…という対照的な姉妹がいました。その後大学の授業で、二卵性の場合、一方の卵が他方の卵の養分を吸収してしまうことがあり、吸収されたほうは大抵自然に流産するということを知って、そういうことだったのかと合点がいくとともに何とも言えない気持ちになりました。というわけでこの作品はとてもフィクションと思って読めません…。
わたしは実は望都さまのSF苦手・・・(^_^;)昔は喜んで読んだけど(スターレッドとか)今はもう読みたくないなぁ・・・という不届きモノです。でも「イグアナの娘」も「半神」もよかったぁ~~!どっちかというと「イグアナ」が好きです。望都さま、天才!と思います。
才能
 「イグアナの娘」 とこの 「半身」 は萩尾 望都氏のSF以外の作品ではもっとも好きというかグサっと来ます。凄い才能ですよね~。
>tooru_itouさん
本当にすごい、すごすぎる作品でした。
読めてよかった~。読まなかったら「そん」って言う感じ。
だいたい、わたしって語彙が貧困で文章力もなく、こう言う名作を紹介するだけの言葉がありません。
ともかく、皆さんに読んでいただきたい。
今でもまだ「漫画なんて」と低く見ている人たちがいます。
そういう人には是非読んでもらって「ぎゃふん」と言ってもらいたいですね!

>高さん
やっぱりみなさんお読みでいらっしゃいますね。
こんなすごい作品がこの世にあろうとは。
高さんの言われるとおり、長編はいくらでもあるし、それなりに感動も出来ます。(書けないけど(^^ゞ)
でも、こんなにも短い物語の中にこんなに凝縮した「生きるとは?」みたいな「命とは?」みたいな、人生の根本問題を描いた作品は他にないでしょうね!
一番の名作、確かにそうです。うなづけます。すばらしい。
打ちのめされました。
shortさん、こんにちは♪
「半神」、ものすっごい名作ですよね。これだけのものをたったの16ページで描ききっていることにまずビックリしました。
でももしからしたら、短い中に凝縮しているからこそ、このお話の素晴らしさが浮き立ったのかな? 最近は長いお話が多いから、こういう作品に出会うと余計に感動してしまいます。
萩尾さんの中で一番好きなものと聞かれたら「トーマの心臓」か「スターレッド」ですが、一番の名作と聞かれたら、迷わず「半神」です。
「半神」は読んで、自分んトコにカキコしたんでそれを引っ張り出して編集(^o^)。
 読んで(萩尾望都)の凄さを思い知らされました♪。たった(16ページ)で
つるさんが言われるように、『慟哭ともいえる深い哀しみを描いています』。
完全に脱帽デス♪。トミーさんの言われるように、泣ける『名作です』。
 是非、一人でも多くの人に読んで欲しい短編の『名作です』♪(^o^)。
>ひれ伏してしまいます。・・。ほんとに言葉もありません。
~このshortさんのコメント、その気持ちが良~く解かりますデス♪。

管理者のみに表示