2007年12月21日
![]() | 悪いのは誰? 1 (1) (クイーンズコミックス) 松田 奈緒子 集英社 2006-03-17 by G-Tools |
![]() | 悪いのは誰? 2 (2) (クイーンズコミックス) 松田 奈緒子 集英社 2006-08-18 by G-Tools |
お初の漫画家さんで、この本もなんとなくAmazonの書評で、高評価が付いていたので興味を惹かれました。
うーん、正直、Amazonの書評の感じほど、わたしは面白いとは思えなかったんだけど、2回目を読んだ時には、なるほどねぇって言う感じで、コレは結構何度も読んで噛み砕いてやっとそのよさが分かってくる作品かもしれない。
主人公の晴(男)は、外洋航海士の父親を海の事故で亡くしてから、母と二人で生きてきた公務員。恋人のちさはメイクアップアーティスト、ひょんなことから今をときめく大手のメイクアップアーティスト、MIHICに見出されそこで働き出します。
なぜか、微妙に歯車が狂い始め、ちさ本人は変わらないんだけど、晴やMIHICのスタッフの気持ちに、小さなわだかまりが出来て行き、ついには「破局」が訪れるまでを描きます。
「破局」は、誰の破局なのか、そして、その直接の原因は一体誰にあるのか。
まさに、「悪いのは誰?」というタイトルの通りの物語です。
ちさという主人公の恋人(というか、こちらも主人公)ですが、まぁ前向きだし明るいしいい子なんだけど、仕事がらみの飲み会で、取引相手もいるのに、その場で自分の身内の事を「パパ、ママ、おばあちゃん」と呼ぶ子どもっぽがある。。それが本筋にからんでくるので、著者も意図してそう言わしめたと思うけど。
最初は分からないんだけど、付き合ううちにその人となりがよく見えてくる。ちさの場合、自分はそんなつもりもないのに、周囲の人を傷つけたり怒らせたりする人間なのですよね。
これは、勝手に怒ったり傷ついたりする方に非があるともいえます。ちさには全然悪気はないのだから、それを「悪意」に取ると言うのは人間性が悪い。
でも案外、人間関係ってそういう部分があるのでは?
その中から、「それでもちさが好き」と言ってくれる人と付き合っていけば良いのです。でも、会社とかの閉鎖社会だとそういうわけにも行かないですね。
自分では何気なく発した一言が、相手に大きな影響を与えてしまう。
でも、言った本人は全然それに気づいてない。
悪いのは誰、
言ったほうか、それを悪意に捻じ曲げてしまう受け手のほうか。
きっぱり別れてしまう明と暗。爽やかさと後味の悪さが入り混じったラストが印象的でした。
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