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IS―男でも女でもない性/六花 チヨ

2009年02月05日
IS 14―男でも女でもない性 (14) (講談社コミックスキス)
IS 14―男でも女でもない性 (14) (講談社コミックスキス)六花 チヨ

講談社 2008-11-13
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IS 13―男でも女でもない性 (13) (講談社コミックスキス) IS 12―男でも女でもない性 (12) (講談社コミックスキス) IS 11―男でも女でもない性 (11) (講談社コミックスキス) IS 10―男でも女でもない性 (10) (講談社コミックスキス) IS―男でも女でもない性 (6) (講談社コミックスKiss (599巻))


今回は9~14巻まで読みました。
お互いのことを大切にしたいハルと伊吹ですが、周囲はますます悪意をぶつけてきて、悲しい思いをたくさんしなくっちゃなりません。見ているだけで切ないです。
そんな中でもやっぱり人に対する思いやりをわすれず、自分の気持ちにまっすぐなハルや伊吹、そして友だち・・・みんなの気持ちが温かくて強くて、読んでいるだけでウルウルと来てしまいます。
この物語を読むだけで「インターセックス」に対して理解ができるのかと言うと、正直それは分かりません。この記事を前回書いたときに、世間の認識が偏っているように感じるという内容のコメントをいただきましたし。。(下部コメント欄参照して下さい)
だけど、この漫画は登場人物たちのつながりを見ただけでもホントに得るものが沢山あると思うのです。性別を越えても、インターセックスであってもなくても、ハルたちの姿に共感や感動を感じると思うのです。
14巻ではいよいよハルたちも社会人。
答えは中々出ませんが、これからも頑張る姿を見ていきたいです。

以前の感想は↓です。


4063406180IS―男でも女でもない性 (7) (講談社コミックスKiss (618巻))
六花 チヨ
講談社 2006-11-13

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今の時期、就学児へのCMが目立つようになりました。
ランドセルです。
最近はいろんな色のランドセルがありますね。ビックリするぐらい多彩。
でも、大半の子どもたちはオーソドックスに黒や赤、ちょっと冒険してピンクやブルーって言う感じでしょうか。もう、小学生の子どもがいないのでよく分かりませんが。
でも、きっぱりと、男の子の色と女の子の色に別れる子どもの持ち物(の代表格がこのランドセル)、世の中にはそのどちらを持てばいいのか分からない、どちらを買うにも抵抗があると言う人たちが存在します。
それがこの漫画の主人公、ハルの持つ特徴である「IS」です。
インターセクシャル、半陰陽、男でもない、女でもない人たちです。
男か女か2極しかない世の中、それ以外の人がいるなんて(この場合は性同一性症候群と言う意味ではなく)わたしはこの漫画を読むまで知りませんでした。
知らず知らずに、自分の認識の中でしか物事を見られなくなっているということに、改めて気付かされハッとします。

詳しいあらすじは過去の記事からどうぞ。こちら


今回8巻までを読んだのですが、高校生になりISをカミングアウトしたハル。皆に理解して欲しいという願いをこめて「IS質問箱」を設置します。
そして、ハルには男か女かどちらの性を選ぶかと言う大きな決断が迫っています。
女の子に変わってゆく体に、違和感と抵抗を覚えたハルは男の子として生きる決意を一端はするのですが、でも、それも何だか違う・・。
男の制服で登校することを認められ、男子としての生活が始まってから、なおさらに自分が男子とは違うと言う事を見せ付けられたり、女の子と一緒にいる方が気が楽だということに気付いたり、ハルの心の揺れ動く様子がリアルに丁寧に描かれています。
ハルに「男子」になられた周囲の戸惑いなどもあわせて、みんなの気持ちがすごく丁寧に書かれていてとってもリアルに伝わってきます。
また、ハルの友達のよし子を通じて、恋人とのあり方、今話題のデートDVのことも考えさせられます。自分を大切にする事を皆に伝えていると思う。


ハルと伊吹の関係もこの先気になるのですが、美和子とレオンも。
レオン、いい奴ですよね。
ランドセルの事をおもうとき、レオンの素晴らしさを思い出します。
「おれ、ハルと一緒に育ったから、男がいて女がいてISがいるのが当たり前になってる」というレオン。ISに限らず、レオンのようにいろんな人がいるということをみんなが認め合ってゆく社会というのは、理想の社会なのだと思う。
この漫画はそのことについて、深く考えさせられる素晴らしい作品です。
重いけど、みんなに読んでいただきたい作品です。
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[や・ら・わ行のマンガ家]六花チヨ | Comments(3) | Trackback(1)
Comment
sandさん、はじめまして。
拙ブログにようこそお越し下さいました。
コメントをいただきありがとうございます!
お正月を挟み、お返事が大変遅れてしまい申し訳ありませんでした。

ISの当事者でいらっしゃるとの事で、いろいろなHPを教えていただき、ありがとうございます。
見てまいりましたが、やっぱり漫画をただ一つ読んだだけの一読者から見たら、当事者の方々の抱えるご苦労はもっと深刻なのだと思いました。
とくにメディカルディスプレイの話などは衝撃でした。
漫画にはそんなことまでは出てきませんものね。
漫画の作者である六花さんもきっと念入りに取材などされ熟考の末に、なるべくリアルなものを書こうと思われてると思うのですが、それでも当事者の方から見たらかんり違和感があるのでしょうね。
わたしも、漫画をそのまま鵜呑みにしてしまうと言う単細胞の点を反省しなければと思います。
ご紹介のサイトはもう少しじっくり読んで見たいと思います。
ありがとうございました。
ちゃんとした事実を伝える資料をいくつか載せておきます。どうか、参考にしてください。(全部頭に h をつけてくださいね)
ttp://macska.org/article/129
ttp://www.intersexinitiative.org/japan/
ttp://weblog.barairo.net/index.php?categ=1&year=2006&month=2&id=1139400501
ttp://d.hatena.ne.jp/macska/20051230/p2
ttp://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/2207/sakai/030616.html
ttp://www.isna.org/index.php
こんにちは。はじめまして。
六花チヨさんの「IS」、私も読んでます。春君の純情、とってもいいですね。
実は・・・、私もIS当事者なのですが、ただ、今一般に広がっている「インターセックス」というもののイメージが、偏ったものになっていることには少し戸惑いを感じている当事者の方が多いのです。
ランドセルの話で言うなら、切実に、男の子色女の子色のどちらかを選びたいと思っている当事者の方がほとんどなのですよ。
この思い自体に、合っている間違っているはないと思います。

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