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そこをなんとか/麻生みこと

2008年03月15日
4592187857そこをなんとか 1 (1) (花とゆめCOMICSスペシャル)
麻生 みこと
白泉社 2008-03-05

by G-Tools


よしながふみさんの「大奥」や清水玲子さんの「秘密」を連載している『Melody』で、ただいま人気連載中の「そこをなんとか」のご紹介です。
主人公の改世楽子(かいせ・らくこ)通称「らっこ」。
弁護士は儲かると信じて、ギリギリの成績ながら司法試験に合格し、弁護士資格を取りました。
が、らっこが試験を受けたときは「より身近で、速くて、頼りがいのある司法へ」のスローガンの下、司法制度改革が行われ、司法試験の合格者は増え続けて、その結果新米弁護士の多くは就職難に困るという結果に。
らっこは、苦学生時代のバイト先(キャバクラで働いていた)の「つて」を頼りに、菅原耕太郎法律事務所に押しかけます。(ボス弁=事務所のボスがキャバクラの客で、就職先がないときは世話をしてやると、酒の席で安請けあいしたのです)
しかし、そこにいたのは、ボスより怖い先輩弁護士の東海林弘明。らっこをかんたんに働かせてはくれません。しかし、そこにらっこのキャバクラ時代の同僚が依頼人としてやってきた。依頼内容は「結婚詐欺で訴えられた」というもの。元同僚だからという理由で、強引に案件に突っ込んでいくらっこだが・・・。

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弁護士もの、で、とっても頼りなさそうな女性弁護士が主人公。
なかなか意表をつく設定で、面白いです。
まだ一冊しか読んでないのですが、彼女は「天然」なのが魅力ですね。
弁護士と言うのは、依頼されれば「実は悪人」「本当は犯人」であっても、弁護をしないといけないんですよね。
この、一番最初の案件ですが、結婚詐欺で訴えられていると言うキャバクラ時代の同僚、彼女と恋人との間に何があったのかを、読めば読むほどにこっちは「訴えられても当然だ」と思うのです。
で、普通なら、主人公のらっこがどう言う風にかして、元同僚を「改心」させるのじゃないかなぁと思うのですが、熱血ってかんじでもなくて、じつはそれはらっこの「天然ぶり」がものを言うって感じですかね。そして「ぼけ」には「ツッコミ」。これが先輩弁護士(アニ弁)の東海林の役目。
ボケて突っ込んでる間に、案件が解決に向かってゆくと言う感じ?
おミズ時代の「知恵」「経験」だとかの、うま~~く配合されてて、なかなか面白いです。

もうすぐ裁判員制度も始まる事で、いろんな「裁判もの」の本やらなんやら出てますけど、この「そこをなんとか」では、気楽に気軽に法律の勉強が出来る感じで、オススメです。
欄外コラムの、著者が取材のために傍聴した裁判の様子などが書かれている「ぶらり傍聴日記」も面白いですよ。


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