2008年03月15日
![]() | 3月のライオン 1 (1) (ジェッツコミックス) 羽海野 チカ 白泉社 2008-02-22 by G-Tools |
ご存知「ハチクロ」の羽海野さんの新刊。
今度は将棋の世界です。
少年棋士の桐山零が主人公。
冒頭は久しぶりに会った父親との将棋の対戦の場面。
零は、勝つんですがそれはちっとも嬉しそうな「勝ち」じゃなく、痛々しさすら感じさせます。
その後に、その「父」とは、実の父親じゃなく「義父」であること、本当の親きょうだいは、亡くなっている事。義父に大切に育てられはしたけれど、しかし、それが零にとって、かならずしも「幸せ」ではなかったこと・・・などが、読むうちに分かってきます。
しかし、零にはこころを開く事ができる3姉妹の存在が。
長女(祖父の和菓子屋さんや、叔母のキャバレーで働いて姉妹を育てている)あかり、二女(中学生)ひなた、三女(保育園児)モモの3人は、なにかにつけ零に優しい。(そして愉快、とっても)
プロの棋士でありながら、将棋を心から楽しんでいるようには見えない零。
こころに哀しみや苦しみを抱えているのが、読むうちにわかり切なくなりますが、この3姉妹は零に落ち込むスキを与えません。
そのテンポのよさや優しさが、羽海野さんらしい筆致で伝わってきて、グッド!引き付けられる作品です。
天敵・・・というか、将棋のライバルの二階堂君なんかもいい味ですね。「ヒカ碁」風の登場シーンは大うけしました!
それ以上に、メチャクチャ受けたのが「異母の糸」ですけど。(笑)
今後も、すごく期待が持てる作品です。
個人的には、主人公の零くんの傷つき具合はもちろん気になるんですけど、育ての親の幸田ファミリーが気になります。
幸田のお父さんは、零を引き取った事はすごく立派だと思う。そして将棋の才能を育て上げた事も。どうしたって、自分の子どもを贔屓してしまいがちだと思うのだけど、幸田父は冷静に客観的に、零と子どもたちを天秤に掛ける、そして勝っている零に肩入れをする。
その結果、自分たちの子どもはどうなったか、自分と子どもたちとの関係は?
幸田のこどもたちも、やっぱり傷ついたのです。
ある意味、両親がいるのに愛情を実感できずに苦しむこの姉弟は、零よりも寂しい境遇かもしれません。もちろん、親の愛はあるに決まっている。でも愛情って、伝わらなかったら意味がない。子どもたちに親の愛がきちんと伝わり、親子の絆を復活してもらいたいと思います。
あさみさんにお借りしました。ありがとうございました。
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