2008年06月23日
先日突然の訃報には、本当に驚かされました。
わたしも、自称、氷室ファンです。
自称というのは、筋金入りのファンの人から見たら「まだまだ!」って思われるかもしれないから。
わたしが氷室さんを好きになったのは、ご多聞にもれず、ジブリのアニメ「海がきこえる」を見て、まずはその続編に当たる「アイがあるから」を読みました。
ハマりました、ハマりました。
そして、本編も読み、やっぱりハマりました。
それから氷室さんの作品を読むようになりました。
このひとはコバルトの代表作家みたいな感じですが、わたしは残念ながらコバルトでは読んできてません。
コバルトは、わたしは第一世代って言うと口幅ったいようなカンジだけど、実際中学入学の頃、よその小学校から来てた女の子に、初めて借りたのがきっかけで、その頃は読み漁りまして。
借りて読んだので(当時から借り物の本読み生活)手元にはあまり残ってないんだけど、そうねぇ、吉田トシとか富島健夫とか?佐伯千秋とか・・・
ここが、コバルトには詳しいですが、まさにこのころの作家やタイトルに、ドンピシャ。
http://alisato.web2.jp/book/cobalt/year/1976.htm
今探してみたら、家にも一冊、富島健夫の本がありました(富島さんが亡くなった時も、なので、感慨深かったです)。
氷室さんは、もうちょっとあとのコバルトで活躍されたようですね。
近年、ジャパネスクシリーズをお友だちに借りて読んだけど、やっぱりとっても面白く読みました。
そのほかにも、ハマってから読んだのですが、どれもおもしろかった。
文章に勢いがあります。氷室さんの本を読んだ後は、自分の書く文章がちょっとだけ氷室さんに似てしまう(いや、実際は似ても似つかないのですが)ような気がするほど、引きずられるパワーがあると思います。
小説もいいのですが、わたしの一番好きなのは(「海がきこえる」のほかには)「冴子の母子草」(文庫版は「冴子の母娘草」)。
これは、冴子さんがお母さんとの旅行を通して、母子の確執をおもしろおかしく、しかしとてもシビアに、だけどもとても誠実に描いたエッセイで、世の中の全ての母親に、そして全ての娘に読んでもらいたい名作だとわたしは思っています。
このエッセイの中で、冴子さんが姪っ子さんに語る部分があるのです(姪と言うのは、姉の子どもなのだけど、事情がありその姪は冴子さんのお母さんと冴子さんが育てたようなものらしい)。
姪ちゃん(当時12歳)は、冴子さんに言うわけです。
「おばちゃん、30にもなるのに結婚できなくてかわいそうだね」と。
冴子さんはそれを聞き、家で自分の事をどんな風に噂しているかを垣間見るのです。(当時冴子さんは東京暮らし、実家は北海道)
そして、憤慨しつつもぐっと堪え、姪ちゃんに言うのです。
「好きな人と結婚するのはたしかに幸せの一つだけど、他にもたくさん、幸せはあるんだよ。
人間は、生まれてから学校へ行く、その間に親や学校の先生や近所の人が『値札』をつけてくれるんだ。
だけど、本当の大人になるということは、自分でその『値札』を付け替えていくと言う事なんだよ。
他人が「あんたには10万円の価値しかない」と言っても「自分には100万円の価値がある」と思ったら、100万円の値札を自分でつければいい。
逆に人が100万円の値札をつけてきて、それがいやだと思ったら自分で10万円の値札に付け替えても良いんだよ。
おばあちゃん(冴子さんのお母さん)は、叔母さん(冴子さん本人)のことを、30歳過ぎて値打ちが下がったと思ってる。それはそれでいい。人それぞれ考え方が違うんだから。
でも、叔母さんは自分のことを30歳過ぎて値打ちが上がったと思ってるんだよ」
と。
諄々と諭すのです。
この子、私の話わかってるのかなと思いながら。
このシーンを読んだ時、この姪の方はこの話を覚えてらっしゃるのかな?と、思いました。
そして、若かりし日の冴子さんの(享年だってお若いのですが)姿が、ありありと蘇るようで(実際にお会いしたことなどはないのですが)切なくなってくるのでした。
未読の方は、是非ともチェック入れていただきたいものです。
というわけで、氷室さんはマンガの原作も手がけておられまして。
このたび、未読であった原作マンガも読もうと思い、ゲットしたのが「ライジング!」。
藤田和子さんの絵によるマンガです。
おもしろかった!
一気読みです。
感想はまた別の機会に。
ライジング! (2) (小学館文庫)
藤田 和子

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ライジング! (4) (小学館文庫)
ライジング! (1) (小学館文庫)
ライジング! (3) (小学館文庫)
ライジング! (7) (小学館文庫)
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わたしも、自称、氷室ファンです。
自称というのは、筋金入りのファンの人から見たら「まだまだ!」って思われるかもしれないから。
わたしが氷室さんを好きになったのは、ご多聞にもれず、ジブリのアニメ「海がきこえる」を見て、まずはその続編に当たる「アイがあるから」を読みました。
ハマりました、ハマりました。
そして、本編も読み、やっぱりハマりました。
それから氷室さんの作品を読むようになりました。
このひとはコバルトの代表作家みたいな感じですが、わたしは残念ながらコバルトでは読んできてません。
コバルトは、わたしは第一世代って言うと口幅ったいようなカンジだけど、実際中学入学の頃、よその小学校から来てた女の子に、初めて借りたのがきっかけで、その頃は読み漁りまして。
借りて読んだので(当時から借り物の本読み生活)手元にはあまり残ってないんだけど、そうねぇ、吉田トシとか富島健夫とか?佐伯千秋とか・・・
ここが、コバルトには詳しいですが、まさにこのころの作家やタイトルに、ドンピシャ。
http://alisato.web2.jp/book/cobalt/year/1976.htm
今探してみたら、家にも一冊、富島健夫の本がありました(富島さんが亡くなった時も、なので、感慨深かったです)。
氷室さんは、もうちょっとあとのコバルトで活躍されたようですね。
近年、ジャパネスクシリーズをお友だちに借りて読んだけど、やっぱりとっても面白く読みました。
そのほかにも、ハマってから読んだのですが、どれもおもしろかった。
文章に勢いがあります。氷室さんの本を読んだ後は、自分の書く文章がちょっとだけ氷室さんに似てしまう(いや、実際は似ても似つかないのですが)ような気がするほど、引きずられるパワーがあると思います。
小説もいいのですが、わたしの一番好きなのは(「海がきこえる」のほかには)「冴子の母子草」(文庫版は「冴子の母娘草」)。
これは、冴子さんがお母さんとの旅行を通して、母子の確執をおもしろおかしく、しかしとてもシビアに、だけどもとても誠実に描いたエッセイで、世の中の全ての母親に、そして全ての娘に読んでもらいたい名作だとわたしは思っています。
このエッセイの中で、冴子さんが姪っ子さんに語る部分があるのです(姪と言うのは、姉の子どもなのだけど、事情がありその姪は冴子さんのお母さんと冴子さんが育てたようなものらしい)。
姪ちゃん(当時12歳)は、冴子さんに言うわけです。
「おばちゃん、30にもなるのに結婚できなくてかわいそうだね」と。
冴子さんはそれを聞き、家で自分の事をどんな風に噂しているかを垣間見るのです。(当時冴子さんは東京暮らし、実家は北海道)
そして、憤慨しつつもぐっと堪え、姪ちゃんに言うのです。
「好きな人と結婚するのはたしかに幸せの一つだけど、他にもたくさん、幸せはあるんだよ。
人間は、生まれてから学校へ行く、その間に親や学校の先生や近所の人が『値札』をつけてくれるんだ。
だけど、本当の大人になるということは、自分でその『値札』を付け替えていくと言う事なんだよ。
他人が「あんたには10万円の価値しかない」と言っても「自分には100万円の価値がある」と思ったら、100万円の値札を自分でつければいい。
逆に人が100万円の値札をつけてきて、それがいやだと思ったら自分で10万円の値札に付け替えても良いんだよ。
おばあちゃん(冴子さんのお母さん)は、叔母さん(冴子さん本人)のことを、30歳過ぎて値打ちが下がったと思ってる。それはそれでいい。人それぞれ考え方が違うんだから。
でも、叔母さんは自分のことを30歳過ぎて値打ちが上がったと思ってるんだよ」
と。
諄々と諭すのです。
この子、私の話わかってるのかなと思いながら。
このシーンを読んだ時、この姪の方はこの話を覚えてらっしゃるのかな?と、思いました。
そして、若かりし日の冴子さんの(享年だってお若いのですが)姿が、ありありと蘇るようで(実際にお会いしたことなどはないのですが)切なくなってくるのでした。
未読の方は、是非ともチェック入れていただきたいものです。
![]() | 冴子の母娘草 (集英社文庫) 氷室 冴子 集英社 1996-06 by G-Tools |
というわけで、氷室さんはマンガの原作も手がけておられまして。
このたび、未読であった原作マンガも読もうと思い、ゲットしたのが「ライジング!」。
藤田和子さんの絵によるマンガです。
おもしろかった!
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感想はまた別の機会に。
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