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アマリリス/岩館真理子

2006年09月15日
アマリリス 1 (1)
岩館 真理子
4088645324


岩館真理子作品のレビューリスト

今は残念ながら廃刊(休刊?)となった集英社のヤングユーで1999年の5月号から2005年の11月号まで連載されました。

休刊が2005年の11月号をもって…なので、「アマリリス」の連載終了と同じと言うことになりますよね。この号のヤングユーは最終回ラッシュだったそうですけど。
その後は同社の「コーラス」に移られたそうですが、「ぶ~け」に続き集英社の雑誌が廃刊(というか休刊…違いはあるのか?)となり、寂しく感じます。
(「ハチクロ」はこの「ヤングユー」から「コーラス」に場を移して連載されましたね)


さて、この作品、主人公は「桃田さん」。
出版関係の会社に勤めていたのだけど、退職して「花屋さん」を始めることに。
そこからスタートする、すれ違いラブコメディなんです。
相手は元同僚の赤井さん。
花粉症でちょっぴりぼーっとしていて頼りない感じもするけど、イイ男で(これが肝心)すごくクールなんです。クールというのとはちょっと違うかな。桃田さんとは基本的には両思いなんですが、いいトシした男女がいつまでも、一線を超えずにうだうだと恋人になるんだか、ならないんだか…そこまでを、うだうだと描く物語。

もちろんこの場合の「うだうだ」は誉め言葉。
もたつく二人の仲とは裏腹に、物語自体にはもたつきを感じないのが岩館さんのすごいところです。
二人の関係はもたついてるけど、ユニークな脇役たちの登場で、物語はとってもスピーディーで(?)テンポ良く、面白くおかしく笑いの内に読ませられてしまう!
岩館真理子ワールド独特の笑いと間。
堪能してください♪

物語の内容は…↓
つまりは桃田さんと赤井さんが恋人になるまで(というか結婚するまで)が描かれています。
でも、なかなかくっつかない二人。
赤井さんもイマイチ強引に桃田さんに迫ったりしない。なんか醒めた男。
それはユミちゃんという元彼女と別れたばかりだから。
女性に対して冷却期間を置きたいところなのかも知れない。
本当は義理の母であり元担任である亜矢子さんを想ってるのだ??
さて、主人公の桃田さん。
彼女が岩館作品にありがちな「天然」なのが、大いに物語を盛り上げてはいるのだけど、それよりも次々と発揮する意外性が笑わせてくれます!
まず、何よりも「ホラー好き」。これが尋常じゃないほどのマニアなのです。周囲の人をたじろがせるほどの。
そして大食い。
大の男ですら食べきれない大盛ラーメンをつるっと、喋りながらいつの間にか完食してる健啖家ぶり。
そして、意外と運動神経がいい!走らせれば忍者のように?早いし、運転も達者。レーサーとか刑事とかも職業の選択肢にはあったようです。
このあたりの「意外性」が次々と明るみに出てきて大いに物語を盛り上げますねー。
一方、この物語の見所は「恋のスクランブル」!
桃田さんとステキな雰囲気になって赤井さんを脅かすのは、謎の男。その実体はライバルの花屋の店長。そして、なーんと赤井の元カノのユミちゃんの兄!白雪兄。
これが、なんと桃田顔負けのホラー好きで、ふたりは赤井そっちのけで盛り上がります。
方や赤井はホラーが大の苦手。
この難しい三角?いや、四角関係が面白い!
桃田さん、ホラー好きな白雪兄、それとも女好きな赤井さん、さあ、どっちを選ぶ?
そして赤井さん、桃田か元カノのユミちゃんか、はたまた義理の母の亜矢子さんか、はたまた同僚の年上の小玉さん?小玉さんの娘の鈴ちゃん??さぁ、誰を選ぶの??


アマリリス 2 (2)
岩館 真理子
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アマリリス 3 (3)
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アマリリス 4 (4)
岩館 真理子
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4088646193アマリリス 5 (5)
岩館 真理子
集英社 2005-12-19

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「冷蔵庫にパイがひとつ」さま。

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