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となりの住人/岩館真理子

2005年07月15日
となりの住人
岩館 真理子
4088504526


収録作品

◆となりの住人…1978年
◆さたでい・ぱあく…1978年
◆約束…1979年
◆メモランダム…1979年

◆となりの住人

「となりの住人」には珍しく関西系の言葉を喋る男が出てきます。一見チャランポランに見えて、しっかりした精神とさりげない優しさを持ち合わせているこの男性、わたしのなかではかなりポイント高いです。

+++あらすじ+++

主人公の窪田慶子は一人暮らしを始めたが、近所の人が口をそろえて慶子に注意することは「となりの住人には気をつけろ」。
慶子のアパートのとなりの住人は「変態」のようだ?
彼は堤おさむ、謎の要注意人物。
それもそのはず、堤が慶子に自己紹介をしようとしたり、話し掛けようとすると、慶子は人々の忠告に従ってソッコーで逃げてしまうのだから。
これでは堤の何人たるか分かるわけもないというもの。
しかし、そんな中でもほんの少しの観察で、そんなに変人や痴漢には見えないと、警戒を緩めていくと…。
慶子の母親は女優だったのですが、離婚寸前、それをきっかけとした一人暮らしだったのだけど、母の撮影現場で偶然堤を見つけて、やっと、堤がカメラマンだったと知る慶子。
そして堤も慶子と、慶子の両親の事情を知ることになる。
いよいよ、秒読み段階だった離婚が正式になった時、傷ついた慶子を癒したのは、優しい雨ととなりの住人だった。

そのシーンは、無言で雨の中でただ座ってるだけ、というとってもシンプル。シンプルなんだけど、雨の中で徐々に癒されていく主人公と、堤のやさしさが読者の胸を打つ名シーンだ。
マンガの中のふたりは、雨入りのコーヒーを飲んじゃう堤がおかしくて笑ったりしてる。泣いてないんだけど、読者はほろっと来る場面です。


数年後、ふたりは「おとなりさん」ではなく、同居人に♪
そして、カワユイ娘までいっしょにいるんですね~!!
素敵な物語で、大好きです!
カメラマンなのでちょっと鶸俣昇くんを思い出しますね^^



◆さたでい・ぱあく
土曜日の公園で知り合ったかっこ良い高校生の男の子、片桐くん。
主人公の園子ちゃんは彼に一目ぼれしてしまいます。
もうひとり、憧れのおねえさん白菊さん。彼女もいつも土曜日の公園で物静かにヴェルレーヌやリルケの詩集なんぞを読んでる素敵な人。
ふたりに近づこうと、園子ちゃん、一生懸命になります。
家に帰ると俗物のお兄ちゃんを馬鹿にしたりしながら(笑)
この園子ちゃんの可愛いこと!!(笑)
だけど、その男の子の実態は!!実は
おにいちゃんの悪ダチだったんですね~。
ほんとはニーチェもベートーベンも縁がないのになんで、そんな「振り」をしていたかと言うと…!
園子ちゃんは、いつの間にか、片桐くんと白菊さんの取り持ちをやってたんです。
それがばれる日曜の公園…。土曜の公園とは全然違う雰囲気の日曜の公園の描写が面白い。
失恋してしまう園子ちゃんのいじらしさや、失恋から立ち直るきっかけが「やきいも」だったりするあたりのユーモアとか切なさとかの絶妙なバランスが見事!!とってもとっても可愛い物語で、これまたグー♪
◆約束

舞台はフランス。珍しいですね!
フロランスを取り巻く3人の男たち。
ギイとシモンと三郎。
ケンカばかりするから、フロランスは「3年待って」と言います。
3年後の、12月31日に、そのとき自分は誰を選ぶか決めますと言うのだ。
その3年の間に、シモンは作家としての登竜門であるゴンクール賞を受賞。
三郎はショーのプロデューサーとしての道を着実にすすみつつある。
ギィだけはしがないバスの運転手。
だから、ギィは売れっ子モデルのフロランスに、手紙なんて送れないのですが…。
約束の12月31日、ノートルダムに、やってきたのはシモンと三郎。
ただし、2人にはフィアンセがいます。
ギィは運転手としての仕事があるという口実を自分で言い聞かせて、約束の場所へ行こうとしない・・・。
でも、やっぱり、決意してその場所に1時間遅れで行って見ると…
フロランスが本当に待っていたのはギィだったのです。
3年と言う月日は、フロランスがギイのために用意した年月。
3年あれば、ほかの2人へのコンプレックスも消えて自分に気持ちを打ち明けてくれるだろうと、フロレンスは思っていたのでした。


◆メモランダム

北先生が好きな及川瞳。でもちっとも素直になれず反抗してばかり。
瞳は迫り来る卒業を待っていました。
卒業して先生と生徒の関係でなくなったら、きっと素直に好きと伝えるんだ…。
瞳にはいつも親友の真樹がくっついてて、この真樹を北先生が熱いまなざしで見つめているのを、瞳は知っています。
でも、そのまなざしの本当の意味は…。
北先生は、真樹のこと瞳の恋敵だと思っていたのでした!(笑)

雪の中、先生が瞳に気持ちを打ち明けて、何度も振り返りながら去っていくシーンが印象的。こういうのが少女マンガの醍醐味だもんね。
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[岩館真理子]Review | Comments(2) | Trackback(0)
Comment
Re: No title
こうちゃんさん いらっしゃいませ
せっかくウチの拙ないサイトに来てくださったのに、
私にはまったくわかりません・・
申し訳ないです

あとで、記事としてあげてみます。
ひょっとしてお返事がどなたかから届くかもしれませんので
またお越しになってご覧下さいね。
No title
探し物があってこちらにたどり着きました。
20年以上前の少女マンガの作品名をご存知でしたら教えてください。
どうしてもこの作品をもう一度読みたくて探しています。

①この作品は短編であり、いろんな作者さんの作品が収録されているコミックスの1作品でした。
②岩館真理子さんの「となりの住人」や池野恋さんの「ときめきトゥナイト」などの時代です。
③出版社はまったく分かりません。
④内容は
・主人公は男女共学の中学生か高校生である。
・主人公の三つ網の女の子(たしか赤毛でそばかすもあったかも)はクラスメイトの黒髪で長い髪の女の子
(たしか転入生)と仲良くしたいと思う。
・三つ網の子は黒髪の子をイスに座らせ、教室で髪をとかしてあげる。その際にきれいな黒髪をほめる。
・しかし、黒髪の子は「ああ、髪の毛を他人に触られるのはいやだな、きもちわるい・・」と思いながら我慢する。
もちろん三つ網の子が好意から髪をとかしてくれているので我慢していたのですが、我慢できなくなり、
三つ網の子を突き飛ばし、イスから立ち上がり教室から出ようとしてそのまま失神してしまったように記憶しています。
突き飛ばされた三つ網の子は窓ガラスにひじをあててしまい、怪我をする。ひょっとしたらそのときの血をみて黒髪の子は
失神したのかもしれません。
・三つ網の子はたしか赤毛だったような気がします。おてんばな子です。
・黒髪の子はおとなしく色白です。
・三つ網の子と仲良くなりだんだんと明るい性格になってきた黒髪の子は、三つ網の子がひそかに思いをよせていたクラスメイト
の男の子と一緒に下校したりと親密になっていく。
・おそらく黒髪の子と男の子は付き合いだし、三つ網の子はひとり秋風ふく校舎で泣くのでした。

そのコミックスの巻末の作品は時代劇のような作品で、追っ手から逃げる男が小屋に逃げ込み、小屋に住む女におかゆか
なにかをたべさせてもらう。その女の幼い子どもは逃げてきた男を「とうさま、とうさま」と父親とかんちがいする。
追っ手が小屋に入ってきて、男はかくれる。追っ手に「人を殺した男を追っている。知らないか?」のように聴かれ女は「知りま せん」と男をかくまう。

情報がすくなくてすみません。

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