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砂の栄冠/三田紀房

2012年01月22日
砂の栄冠(1) (ヤンマガKCスペシャル)
三田 紀房
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今回の「このマンガがすごい2012」男編で見事第二位を獲得したのが「グラゼニ」って言う漫画。
それは読んでないんですけど、Amazonの「クリック!なか見検索」で見た感じ、そして聞くところによると、プロ野球の「お金」に関する話らしいですね。
「グラウンドにはゼニが詰まっている」ということから「グラゼニ」って言うタイトルになったとか。

で、今回私が読んだ「砂の栄冠」は、「グラゼニ」がプロ野球ならこちらは高校野球、高校野球と「お金」です。
基本的に「学校」の「部活」なんだから、お金の話は置いといて・・・
爽やかにできる限り頑張って、練習して努力して栄冠を勝ち取っていく・・・というのが、一般的なイメージと言うか。
でも現実には、お金があるなしで部の強さに影響があるのは一目瞭然。
金銭に実力が左右されるなんてあってはならないという気がしますが、現実は・・・。
金があれば設備も整う、設備がよければよりよい練習が出来る、そして強くなれば人材も集まる。
そしてどんどん強くなれる。


あるとき一人の高校球児がいきなり1000万と言う大金を託されちゃうんですよ。
最初は「使わない」とか言ってるんですけど、結局あれやこれやと使ってしまうのですね。
もちろん使い道は野球に関する内容ですが、一介の公立高校の野球部が強くなるためにはどうするべきか、どういうお金が必要か、あるいは私立の強豪チームとの違いは何か・・などなど、ただ高校野球を「さわやかですがすがしいスポーツ」と見るのではなく、別の角度にライトを当て、今までの常識を覆すモンダイサク・・いや意欲作です。

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主人公の七嶋裕之は埼玉県の県立樫野高校の2年生。
樫野高校野球部は学校創立100周年に向けて、甲子園出場がかなうように強化されたチームで、
県大会決勝まで進むも惜しくも敗退。主力選手が引退したあとのチームでは主人公七嶋だけが唯一の逸材。
誰もが甲子園出場は夢とあきらめかけたとき、
いつも練習や試合を見に来ている謎の老人「トクさん」が、七嶋に1000万円と言う大金を渡し、
これを自由に使ってチームを強化し甲子園出場を果てしてくれと言う。
そのお金は甲子園に出場したあかつきに、応援費用として使おうと思っていたものだと言うが、
今回の大会が終ってからトクさんには、
「応援費用ではなくチームのために使うべきだった」と言う後悔の念があったのだ。
老いた自分の代わりに七嶋を指名し、そのお金を託したのだった。。。
あまりの大金に臆した七嶋も、トクさんの熱意に負け受け取ることに・・・。
トクさんの気持ちを受けて、七嶋は「本気」になり、甲子園出場を誓う。
そのとき応援費用として使うまで、このお金はショート定位置の地面の中に深く埋めて、
絶対に使わないとトクさんに宣言したのだった。
本気になった七嶋はまず、甲子園に試合を見に行くことにする。
が、離婚後ナースの母親と二人暮らしの七嶋には甲子園までの電車賃を捻出できない。
そこで、「絶対に使わない」と宣言したばかりのお金を早速掘り出して使ってしまうのだった・・・・。

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個人的なことを言いますと、ウチは娘が野球部のマネージャーをしてます。
だから娘の学校は地区予選から応援に行くし、甲子園も見るようになりました。
(自分が高校時代は結構熱心に見てましたよ。近年は地元の勝敗と決勝は見ますという感じでした。)
このマンガを読んで納得することや目からうろこ・・みたいなことがたくさん書かれてて面白かった。
たとえば自分がどんなチームを応援するか・・・・
そりゃやっぱり、地方から有力選手を集めてます!みたいな学校より断然地元選手が中学軟式から上がってきました・・みたいな公立高校の肩入れをしますね。
去年の大会でもあったけど(多分毎年どこの学校でもあるんだろうけど)、ずいぶん北のほうの学校だけど監督も選手も関西弁・・みたいな学校だと、インタビュー聞いたとたんに応援する気が失せたりして・・(^_^;)。
その点、秋田の能代商業みたいな学校はめちゃめちゃ応援しますよね。
まるで縁もゆかりもない学校だけど、記事の切抜きまで残してます(笑)。
「砂の栄冠」には、甲子園ファンの常連さんたちが、七嶋に「勝つ秘訣」を教えてくれます。
その中に「観客を味方につける」と言うものがありました。
観客が味方になれば甲子園は宇宙空間になり、そうなれば「勝てる」のだそう・・・。
観客に好かれるには、礼儀正しくはきはきして道具も大切にし「良い子」でいること。
近年は丸刈りじゃなくて、伸びた髪のチームもあるんですが、やっぱり好感度と言う点では「五分狩り」ですよね!(笑)
攻守の交替のときもキビキビ!!が基本だし。
極細眉毛はいけませんよね~~(笑)。
で、そういう好感度の高い学校が負けていても粘り強くあきらめない姿でついには逆転勝利なんかすると、見ているほうとしては「達成感」みたいなものを味わえたりして嬉しいものでしょう。
甲子園には「筋書き」がある。ファンの力は偉大で、ファンの念が試合を動かしていく・・と言うのが、甲子園マニアの言い分です。
七嶋もそういう意見に目を白黒させていますが、忠実に守って行こうとします。
七嶋意外はほんとに頼りにならない守備が下手な駄目チームなんですが、それを七嶋が上手く引っ張っていくんですよ。
それはとても「良い子」では出来ません。
「良い子」の皮を被った「腹黒」くんでないとならないのです。
そんな七嶋の腹黒い頑張りと、チームがどこまで着いていくか、そして、駄目監督ガーソやOB会との確執など。
以前読んだ「ラストイニング」も、高校野球を「爽やか」じゃないほうから見てて面白かったけど、今回もかなり面白いです。
七嶋だけじゃ、お金の使い方も全然パッとしないんだけど(笑)女子マネージャが結構な剛腹でして。
1000万円と言うお金度どう使うのか、どうチームを強化していくのか、見ものです。

巻末の対談「甲子園研究所」っていうのがまた興味深くて面白いんです。
たしかに甲子園に行くには1000万円なんかじゃ全然足りない。
いったい高校生のスポーツって何だろう?と考えてしまいます。
次に甲子園を見るときはまるで見る目が違うと思うなー・・・。
良いのか悪いのかしらないけど、さらに公立びいきになるんだろうなーとは思いますね。


高校野球・・って、プロ養成所であってはおかしいような気もするし、でもプロ入りと言う目標があればそれだけ強くなる力にもなるし。最終目標はいったいなんだろう?
いろいろと考えさせられて面白いですよ!



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[ま行のマンガ家]他 | Comments(2) | Trackback(0)
Comment
Re: 読んでみました
あさみさん
コメントありがとうございます!(*^_^*)
お気に召しましたか~~よかったよかった!
きっとあさみさんも面白く読んでくださるだろうと思いましたよ。
早くも次も気になりますよね。
別方面から高校野球を見る・・・っていうんで「ラストイニング」をぱっと思い出したけど
あんまりちゃんと覚えてないので、ちょっと強引だったかなぁ・・とも思いましたが・・・(^_^;)
「ドラゴン桜」読んだことがないんです。
面白い漫画描く人は頭が良いよね(*^_^*)

読んでみました
そう期待してなかったんだけど、いやぁ好きですね~
こういう考え浮かびませんね。
「ラストイニング」引き合いに出てましたが、出来た監督とそうでない監督の対比が面白いです。
この漫画家さん「ドラゴン桜」の人でしょう。頭いいんですね。
女の子の瞳が見開いているのがちょっと怖いけど・・・ええ漫画読ましてもらいました。

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