2014年09月24日
唐突に、こんな短編のご紹介です。
いくえみ綾さんの「My dear BF」と言う作品です。
コミックとしては、「愛があればいーのだ」の巻末に同時収録されています。
いくえみ綾the best 1―Premium!長編セレクションにも収録されているようです。
いくえみさんの作品の中で、私が好きなのが
「ベイビー・ブルー」
「10年も20年も」
そしてこの「My dear BF」です。
いつかご紹介したいと思っていました。
なんとなく、今日書きたくなりましたので、書いてみます。
と言っても、そんなにたくさん書くことはありません。
ぜひとも読んでください、と言う感じです。
「10年も20年も」も夏の物語ですが、この「My dear BF」も夏の物語。
(「ベイビー・ブルー」は冬です)
青春って、夏が似合いますよね(笑)
年を取るほどに夏が嫌いになっていきますからね(^-^;
では、↓ ネタバレしています。
読みたくない人はスルーしてくださいませ。
****************************
ああ・・・・・・・・
くたびれた・・・・・・
15年も生きちまったい
もー
おしまいだからよー
神様
なんか願いごとの
ひとつも
きーてくんねーかよー
な?
あ
きーてくれんの?
マジで
マジで?
んじゃ俺あれだわ
いっつも
家の前通る
あの子
あれと
仲いくなりてー
冒頭でこうつぶやいているのは、犬なのです。
そして物語はもうひとりの主人公、佐藤由美の視線へ。
由美は16歳。
陸上部でしたが、怪我をして走れなくなりました。
走ることが大好きだった由美。
奇跡が起きて、足が治って、また将来を嘱望されるようなスプリンターになりたいと願っています。
そんな由美の前に突然現れた男の子。
自分を「犬」と自己紹介した彼は、抱いていた小さな犬を由美にくれました。
そして言うのです。
「ずっと見てた。また会いたい」と・・・。
自分のことを何度か「犬」と言った後「島田次郎」と名前を言った彼。
その日から、由美と次郎の付き合いが始まりました。
「あしたは何してあそぶ?」
と次郎はいつも言うのです。
走れなくなって、自分への絶望や、周囲の冷たい反応に傷ついていた由美。
ときには涙を流すこともありますが、次郎が真剣になって
自分の代わりに怒ったり、泣いたり、慰めたりしてくれるのでした。
天真爛漫で、ストレートで無邪気で明るくて優しくて、子どものようで、
「由美ちゃんと話せて うれしー」と言ってくれる「ジロちゃん」。
走れなくて辛い夏休み、毎日一緒に過ごして
いつしか、次郎を好きになっていった由美。
ジロちゃんがいてくれたから、走ることをあきらめられた。
走れなくなったことを受け入れられたのです。
けれど、由美は気づきます。
次郎が犬だということに。
勝手に頭をなでるひとがいること
川遊びをしていて、人に笑われたこと
次郎が家に上がった後は泥だらけになっていたこと・・・・
すべてが、次郎が犬だと、物語っていました。
だけど、由美には人間の男の子にしか見えないんです。
これが「奇跡」でしょうか。
由美は、
どうしてほかのみんなには、ジロちゃんがわんこに見えるのかわからない。
自分にとっては、ジロちゃんはジロちゃんで、わんこじゃない・・と。
そして結論。
アタシ
わんこ相手に
しゃべったりキスしたり
笑ったりおこったり
泣いたりしてる
あぶない女の子に
なるワ
次郎はそれを聞いて、嬉しく思いながらも、
寿命が来たと言って去っていきました。
由美に対して、「失望しちゃだめだよ」と言い残し、由美を励まして・・・。
由美に残されたのは、しまだじろう・・と、書かれたジロちゃんの「名札」・・
次郎が「大好きな人が書いてくれた」と言った名札だけでした。
ひとしきり泣いて元気を取り戻す由美。
学校は新学期です。
ジロちゃんの「失望しちゃだめだよ」ということばを思い出し、頑張っています。
と、そのとき、廊下ですれ違った男の子。
何気なくすれ違ったその男子は・・・「ジロちゃん」でした。
でも、その男子は、由美を一瞥しただけで行ってしまいました。
次の瞬間、その男子が由美の元へ引き返します。
「あのっ・・・
へんなことをいーますけどー
俺んちの犬が夏休み中に死んだんですよね」
と、唐突に話し出すのです。
由美は涙を浮かべながら男子の話を聞いています。
男子は自分の身に起きた不思議な出来事を、一生懸命説明します。
飼い犬が、死ぬ前しばらく家出していたこと
その間自分が、夢を見ていたこと
その夢の中で「あなた」と一緒に遊んだこと
そして由美に言うのです。
「あなた、ぼくを知っていますか!?」
由美は涙が止まりません。
ジロちゃんの残した名札を差し出して
「あなたが・・・・・・・
ジロちゃんの”大好きな人”・・・」
と言うと、男子も泣きながら小声で「ジロ」とつぶやきました。
ジロのつぶやき。
いやー
だって俺
犬だからよー
自分の顔がどんな
なんて
考えもしなかったさー
ハハハ
んーー
神サマって
けっこー
やってくれるよな
****************************
説明はいらないでしょうが・・・
余命わずかな犬が、神様にお願いして、好きになった人間の女子と友達になる。
飼い主の姿を借りて。
犬は結局寿命が来て死んでしまうけれど、その後女の子と飼い主が「出会う」と言う物語。
物語自体はシンプルでありがちなのかもしれませんが、ジロちゃんが可愛くて、
由美ちゃんも好感の持てる女の子で、とても良いお話です。
こちらも、読むたびに泣けてしまう名作です。
いくえみ綾さんの「My dear BF」と言う作品です。
コミックとしては、「愛があればいーのだ」の巻末に同時収録されています。
いくえみ綾the best 1―Premium!長編セレクションにも収録されているようです。
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いくえみさんの作品の中で、私が好きなのが
「ベイビー・ブルー」
「10年も20年も」
そしてこの「My dear BF」です。
いつかご紹介したいと思っていました。
なんとなく、今日書きたくなりましたので、書いてみます。
と言っても、そんなにたくさん書くことはありません。
ぜひとも読んでください、と言う感じです。
「10年も20年も」も夏の物語ですが、この「My dear BF」も夏の物語。
(「ベイビー・ブルー」は冬です)
青春って、夏が似合いますよね(笑)
年を取るほどに夏が嫌いになっていきますからね(^-^;
では、↓ ネタバレしています。
読みたくない人はスルーしてくださいませ。
****************************
ああ・・・・・・・・
くたびれた・・・・・・
15年も生きちまったい
もー
おしまいだからよー
神様
なんか願いごとの
ひとつも
きーてくんねーかよー
な?
あ
きーてくれんの?
マジで
マジで?
んじゃ俺あれだわ
いっつも
家の前通る
あの子
あれと
仲いくなりてー
冒頭でこうつぶやいているのは、犬なのです。
そして物語はもうひとりの主人公、佐藤由美の視線へ。
由美は16歳。
陸上部でしたが、怪我をして走れなくなりました。
走ることが大好きだった由美。
奇跡が起きて、足が治って、また将来を嘱望されるようなスプリンターになりたいと願っています。
そんな由美の前に突然現れた男の子。
自分を「犬」と自己紹介した彼は、抱いていた小さな犬を由美にくれました。
そして言うのです。
「ずっと見てた。また会いたい」と・・・。
自分のことを何度か「犬」と言った後「島田次郎」と名前を言った彼。
その日から、由美と次郎の付き合いが始まりました。
「あしたは何してあそぶ?」
と次郎はいつも言うのです。
走れなくなって、自分への絶望や、周囲の冷たい反応に傷ついていた由美。
ときには涙を流すこともありますが、次郎が真剣になって
自分の代わりに怒ったり、泣いたり、慰めたりしてくれるのでした。
天真爛漫で、ストレートで無邪気で明るくて優しくて、子どものようで、
「由美ちゃんと話せて うれしー」と言ってくれる「ジロちゃん」。
走れなくて辛い夏休み、毎日一緒に過ごして
いつしか、次郎を好きになっていった由美。
ジロちゃんがいてくれたから、走ることをあきらめられた。
走れなくなったことを受け入れられたのです。
けれど、由美は気づきます。
次郎が犬だということに。
勝手に頭をなでるひとがいること
川遊びをしていて、人に笑われたこと
次郎が家に上がった後は泥だらけになっていたこと・・・・
すべてが、次郎が犬だと、物語っていました。
だけど、由美には人間の男の子にしか見えないんです。
これが「奇跡」でしょうか。
由美は、
どうしてほかのみんなには、ジロちゃんがわんこに見えるのかわからない。
自分にとっては、ジロちゃんはジロちゃんで、わんこじゃない・・と。
そして結論。
アタシ
わんこ相手に
しゃべったりキスしたり
笑ったりおこったり
泣いたりしてる
あぶない女の子に
なるワ
次郎はそれを聞いて、嬉しく思いながらも、
寿命が来たと言って去っていきました。
由美に対して、「失望しちゃだめだよ」と言い残し、由美を励まして・・・。
由美に残されたのは、しまだじろう・・と、書かれたジロちゃんの「名札」・・
次郎が「大好きな人が書いてくれた」と言った名札だけでした。
ひとしきり泣いて元気を取り戻す由美。
学校は新学期です。
ジロちゃんの「失望しちゃだめだよ」ということばを思い出し、頑張っています。
と、そのとき、廊下ですれ違った男の子。
何気なくすれ違ったその男子は・・・「ジロちゃん」でした。
でも、その男子は、由美を一瞥しただけで行ってしまいました。
次の瞬間、その男子が由美の元へ引き返します。
「あのっ・・・
へんなことをいーますけどー
俺んちの犬が夏休み中に死んだんですよね」
と、唐突に話し出すのです。
由美は涙を浮かべながら男子の話を聞いています。
男子は自分の身に起きた不思議な出来事を、一生懸命説明します。
飼い犬が、死ぬ前しばらく家出していたこと
その間自分が、夢を見ていたこと
その夢の中で「あなた」と一緒に遊んだこと
そして由美に言うのです。
「あなた、ぼくを知っていますか!?」
由美は涙が止まりません。
ジロちゃんの残した名札を差し出して
「あなたが・・・・・・・
ジロちゃんの”大好きな人”・・・」
と言うと、男子も泣きながら小声で「ジロ」とつぶやきました。
ジロのつぶやき。
いやー
だって俺
犬だからよー
自分の顔がどんな
なんて
考えもしなかったさー
ハハハ
んーー
神サマって
けっこー
やってくれるよな
****************************
説明はいらないでしょうが・・・
余命わずかな犬が、神様にお願いして、好きになった人間の女子と友達になる。
飼い主の姿を借りて。
犬は結局寿命が来て死んでしまうけれど、その後女の子と飼い主が「出会う」と言う物語。
物語自体はシンプルでありがちなのかもしれませんが、ジロちゃんが可愛くて、
由美ちゃんも好感の持てる女の子で、とても良いお話です。
こちらも、読むたびに泣けてしまう名作です。
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